<ファントム>(Phantom)は宇宙船<ゴースト>の船尾に格納されていた改造型VCXシリーズ補助スターファイターである。“スペクターズ”として知られる<ゴースト>の乗組員たちが銀河帝国に対する初期反乱運動で使用した。この短距離シャトルは前部レーザー砲と後部レーザー砲塔を備えており、帝国軍TIEファイターとの接近戦闘に適していた。もともと独力ではハイパースペースを航行することはできなかったが、4 BBYにクアリーによる改造でハイパードライブを追加された。数々の任務で活躍した後、<ファントム>は2 BBYにレクレム・ステーションの任務で破壊されてしまった。のちに反乱者たちはシーシピード級輸送シャトルを手に入れ、<ファントムII>と名付けた。
特徴[]
<ファントム>はコレリアン・エンジニアリング社によって製造されたVCXシリーズ補助スターファイターの改造型で、VCX-100軽貨物船<ゴースト>の船体後部に接続することができた。この短距離コレリアン・シャトル・ファイターはテイム&バック社製MS-2Bツイン・レーザー砲とテイム&バック社製KX4背面レーザー砲塔各1門で武装しており[5]、支援物資の運搬任務やTIEスターファイターとの近接戦闘に向いていた。[22] <ファントム>のスターファイター・コックピットは船体の前部にあり、初期の任務で負った傷が残っていた。コックピットの後部には乗客用のセクションがあり、4つの折りたたみ式のシートがあった。また<ファントム>の船体下部には丸いハッチがあり、<ゴースト>とドッキング中はここから梯子を使って行き来することができた。[23] <ゴースト>との接続時、<ファントム>はこの母船の3つ目のレーザー砲塔としての役割を果たした。[1]
<ファントム>はシャトルであると同時に、多目的の戦闘船でもあった。<ファントム>は廃品回収されたパーツを用いてアップグレードされており、コックピット部分は別種のスターファイターのものが流用されていた。[4] また<ファントム>は敵のセンサーによる特定を避ける撹乱装置を搭載していた。[24] 船体にはサビーヌ・レンによってサンド・アクア・モンスターのイラストが描かれていた。[25] <ファントム>にはもともとハイパードライブが無かったが、のちにモン・カラマリの技術者クアリーによってアストロメク・ソケットと一緒に追加装備された。[2] ただしこのハイパードライブを起動する際には、必ずアストロメク・ドロイドが船体にプラグ・インしている必要があった。[26] また<ファントム>には持ち主の元へ帰還させるための自動操縦機能があった。[27]
歴史[]
ロザルの反乱[]
スペクターズ[]
スペクターズのメンバーで、トワイレックのパイロットであるヘラ・シンドゥーラは、宇宙船<ゴースト>の補助機として<ファントム>を所有していた。彼女のクルーには元ジェダイ・パダワンのケイナン・ジャラスやアストロメク・ドロイドのチョッパー、ラサットの儀仗兵ガラゼブ・“ゼブ”・オレリオス、マンダロリアンの武器専門家にしてアーティストのサビーヌ・レンたちがいた。[21] 5 BBY、ヘラが銀河帝国の船団に対して攻撃を仕掛けた際、チョッパーが<ゴースト>に接続されている<ファントム>のレーザー砲を操作し、敵のTIEファイターに反撃した。[28]
アウター・リム・テリトリーの惑星ロザルで帝国の物資を強奪した際、反乱者たちはエズラ・ブリッジャーという名のフォース感応者の少年と出会い、行動をともにすることになった。<ゴースト>がロザルから宇宙空間に出た際、エズラは<ファントム>の砲座のひとつに座っていたが、サビーヌが帝国のファイターと戦うため彼と交代した。その後<ファントム>は<ゴースト>に接続した状態でケッセルのスパイス鉱山へ赴き、ウーキーの奴隷たちの解放任務に参加した。この任務の後、エズラはケイナンの弟子になり、<ゴースト>のクルーとして活動するようになった。[20]
初期の任務[]
5 BBY、<ゴースト>の反乱者たちはジェダイ・マスターのルミナーラ・アンドゥリがまだ生きており、惑星スティジョン・プライムにある高セキュリティな帝国の監獄、“スパイア”に収監されているという情報を掴んだ。反乱者たちはチョッパーを<ゴースト>に待機させ、残りのメンバーが<ファントム>でスティジョン・プライムに降りた。ヘラがこの補助スターファイターを操縦し、ケイナンとエズラ、サビーヌ、ゼブが刑務所の着陸プラットフォームに潜入した。他の仲間たちがルミナーラを救出するため刑務所内に入り込むあいだ、ヘラは脱出時に備えて<ファントム>を刑務所の脇の崖につけて待機した。帝国軍に見つかるのを避けるため、彼女はこの補助スターファイターをパワー・ダウンさせ、センサー撹乱装置を起動した。[24]
しかしルミナーラの情報は、反乱者たちをスパイアにおびき寄せるための罠だった。彼らは刑務所内で大尋問官による待ち伏せを受け、窮地に陥った。一方、<ファントム>はスティジョンに生息するティビディーの集団に囲まれるというトラブルに見舞われた。ヘラはこの生き物が<ファントム>の撹乱装置の信号を求愛の鳴き声と勘違いしていることに気づき、帝国に見つかるのを避けるため刑務所から離れたが、ティビディーは追跡を止めなかった。その後、ヘラはティビディーを援軍として引き連れて刑務所のプラットフォームに戻り、大尋問官との対決を生きのびた仲間たちを回収し、脱出した。[24]
その後、エズラはロザルにある帝国青少年アカデミーに潜入し、ザーレ・レオニスという名の士官候補生の助けを借りて、帝国のデコーダーを手に入れた。ケイナンとヘラはデコーダーを使って帝国の巨大カイバー・クリスタル輸送船団の情報を掴み、<ファントム>とその母船を使って妨害任務に乗り出した。この任務ではケイナンが<ファントム>を、ヘラが<ゴースト>を操縦した。ケイナンはクリスタルを運んでいるゴザンティ級クルーザーをフォースで特定してヘラに教え、護衛についているTIEファイターと交戦した。ヘラは<ファントム>が護衛と戦っているすきにクルーザーを破壊し、カイバー・クリスタルの爆発を引き起こした。帝国の船団はこの爆発で壊滅したが、<ファントム>は衝撃波に飲み込まれる寸前で<ゴースト>とドッキングし、ハイパースペースに飛び込むことができた。[8]
連絡員“フルクラム”が��供した情報をもとに襲撃作戦を行った際、<ファントム>はTIEファイターの大軍に追撃され、燃料系にダメージを負った。任務の後、<ファントム>は<ゴースト>とドッキングし、エズラとチョッパー、ゼブがヘラに命じられて機体のチェックを行ったが、注意不足のせいで燃料漏れを見落としてしまった。その後、ヘラとサビーヌはフルクラムからの支援物資を受け取るため、<ファントム>に乗って小惑星PM-1203の中にある旧銀河共和国基地フォート・アナクセスを訪れた。彼女たちは猛獣フィアノックに囲まれたが、<ファントム>が燃料不足で動かなくなり、地上に足止めされた。仲間たちが助けに駆けつけるまでのあいだ、彼女たちは爆発性の高いライドニウムのコンテナを駆使してフィアノックの攻撃を凌がなかければならなかった。[9]
さらなる任務[]
4 BBYの帝国の日にロザルのキャピタル・シティで行われたパレードを妨害した後、反乱者たちは<ゴースト>に乗って宇宙空間へ逃れた。その際、彼らは帝国に追われていたローディアンのシーボを救出した。帝国情報局の逃亡者であるシーボは、頭部に移植されたサイボーグ装置に帝国の内部情報を携えていた。チョッパーは<ファントム>のレーザー砲を使って帝国の追跡部隊に応戦したが、敵のレーザー弾に被弾して武器が動かなくなってしまった。反乱者たちはシーボが<ゴースト>のハイパードライブに座標を入力したおかげでハイパースペースに逃げ込むことができたが、大尋問官のTIEアドバンストv1から発射されたXX-23 Sスレッド追跡装置が<ファントム>の船体に取り付けられていた。[6]
ハイパースペース航行中、チョッパーが<ファントム>の船体に取り付けられた追跡装置の存在に気づいた。シーボを帝国から逃がすため、ケイナンとエズラは<ファントム>を囮として使って大尋問官を<ゴースト>から遠ざけることにした。ハイパースペースで<ゴースト>から切り離された後、エズラとケイナンの乗る<ファントム>は小惑星PM-1203のフォート・アナクセスに着地した。その後、エズラはフォースを使ってフィアノックを操り、大尋問官やストームトルーパー部隊に立ち向かった。大尋問官との戦いを生きのびたケイナンとエズラは再び<ファントム>に乗り込んで逃げ出した。[6]
エズラが大尋問官と戦った際にフォースのダークサイドに触れてしまったことに気づいたケイナンは、彼が本当にジェダイとしての資格を備えているか確かめるため、ジェダイの試練を受けさせることに決めた。ケイナンは瞑想とジェダイ・ホロクロンを使い、ロザルにジェダイ・テンプルがあることを突き止める。彼はエズラを<ファントム>でその場所まで連れていき、このシャトルをテンプルの近くに着陸させた。エズラが無事にテストをパスした後、ケイナンは弟子と2人で<ゴースト>に帰還した。[29]
スペクターズが反乱運動を呼びかける海賊放送を行うためロザルの帝国通信センターを襲撃した際、ヘラ・シンドゥーラが<ファントム>に乗り込み、施設に潜入した他の仲間たちを援護した。しかし彼らは帝国のグランドモフ・ウィルハフ・ターキンや大尋問官、エージェント・カラスたちの罠に嵌り、通信センターは帝国軍によって包囲されてしまった。ケイナンは通信塔の基部で大尋問官とライトセーバーの対決を繰り広げ、他の仲間達がタワーの上部から<ファントム>に乗り込むチャンスを作った。ケイナンは大尋問官に敗れてターキンの捕虜となり、ヘラが操縦する<ファントム>はやむを得ず彼を残して通信センターから逃げ去った。[10]
エズラはハッキングした通信センターのシステムを利用して<ゴースト>から反乱の呼びかけを行ったが、ターキンはタワーそのものを破壊することで強制的に海賊放送を中断させた。[10] その後ヘラは“フルクラム”から反乱ネットワークを守るためにケイナンのことは見捨てるよう命じられた。しかしエズラとサビーヌ、ゼブ、チョッパーはヘラの言いつけを破り、<ファントム>に乗ってデヴァロニアンの犯罪王シカトロ・ヴィザーゴに会いに行き、ケイナン救出作戦への協力を求めた。彼らはヴィザーゴの情報提供のおかげで、ケイナンを乗せたターキンの旗艦<ソヴリン>がムスタファー星系へ向かったことを突き止めた。[30]
フェニックス戦隊[]
反乱運動の拡大[]
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最後の任務[]
2 BBY、ホンドー・オナカーをナラカの帝国の刑務所から救出した後、エズラとサビーヌ、ゼブ、チョッパー、レックスはホンドーが提供した情報に基づき、旧共和国軍のYウイング・ボマー獲得を目的とした任務に出発した。彼らは<ファントム>に乗ってガス惑星ヤルマの大気圏に浮かぶレクレム・ステーションを目指し、セリーダ中継点でハイパースペースから脱した際に、マイニング・ギルドのパトロール隊と遭遇した。チョッパーとサビーヌがマイニング・ギルドTIEファイターを撃墜した後、<ファントム>は再びハイパースペースに飛び込み、ヤルマに到着した。彼らは空中警備にあたっていたDTSシリーズ解体ドロイドの攻撃を受けたが、チョッパー���レックスが応戦した。<ファントム>は損傷を負ったものの、サビーヌはなんとか機体をステーションにドックさせた。[7]
<ファントム>がレクレム・ステーションのアームにドックした後、反乱者たちはアグノートの労働者たちの助けを借りてYウイングの回収に取り掛かった。エズラは施設内に侵入して帝国軍と戦い、その過程でレクレム・ステーションのパワー系統を破壊した。ステーションが動力を失って落下し始めた後、エズラは<ファントム>に乗り込もうとしたが、このシャトルはドッキングしていたプラットフォームが崩壊した際に巻き添えとなってガス雲の中に落下し、爆発してしまった。エズラは逃げる手段を失ったが、駆けつけたヘラとケイナンによって救出された。この任務の後、エズラはヘラから少佐の地位を解任された。[7] のちにエズラとチョッパー、レックス、ケイナン、ゼブはアガマーで任務を行った際、現地で調達したシーシピード級輸送シャトルで帝国軍から逃げた。彼らはこの新しいシャトルを<ファントムII>と名付けた。[31]
登場作品[]
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参考資料[]
- スター・ウォーズ 反乱者たち:ビジュアル・ガイド
- スター・ウォーズ 反乱者たち:ヘッド・トゥ・ヘッド
- サビーヌ マイ・レベル・スケッチブック
- アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- きみは、知っているか!? スター・ウォーズ はやわかりデータブック
- スター・ウォーズ ビジュアル・エンサイクロペディア
- スター・ウォーズ ビークルのすべて
- The Phantom - 公式データバンク
脚注[]
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