ケッセル(Kessel)はアウター・リム・テリトリーのケッセル宙域に属したスパイス鉱山の惑星である。パイク・シンジケートは長年にわたってケッセルのスパイスで金を儲けており、密輸業者や貨物船の船長たちを利用してコルサントの犯罪ファミリーにスパイスを運んでいた。銀河帝国は、スパイスを採集するためにウーキーを含む多数の奴隷を使っていた。惑星の南部にある青々とした領域に住んでいたケッセル王室は、北部の鉱山の残忍な労働環境を見て見ぬふりをしていた。
特徴[]
ケッセルは銀河系のアウター・リム・テリトリーにある同名の宙域、星系に属し[1]、平面座標上ではT-10に位置した。[2] 近傍にあるシクラータ星団やアカディーズ・メイルストロムが星間ガスやカーボンバーグ、氷塊などのデブリからなる星系群を移動させていたため、ケッセルへ至るハイパースペース・ルートは常に危険にさらされていた。メイルストロムに囲まれたケッセルを安全に行き来するには、航法コンピューターを混乱させる重力井戸群を避けるように設定された“ケッセル・ラン”を通る必要があった。ケッセル・ランはケッセルと惑星オーバ・ディアを繋いでおり、伝統的なルートを外れてショートカットを試みればモー密集地帯を始めとする巨大な重力井戸にぶつかる恐れがあった。[13]
ケッセルの気候は高温で[7]、北半球には荒涼としたスパイスの鉱業地帯が広がり、南半球は自然豊かな保護区域になっていた。[8] ケッセルは王族によって支配され、彼らが住む荘厳な屋敷と青々とした森は、過酷な労働環境で悪名高い採掘現場から遠く離れていた。[1] ケッセルはモー密集地帯やアカディーズ・メイルストロムの特異点を由来とするデブリが10億年以上かけて集積してできあがった惑星であり、乱流域から来たエキゾチックな物質が大量に眠っていた。また豊富なミネラルのおかげで巨大な森林と生命にあふれた生態系が作り出されたが、やがて鉱業がさかんになると、そのほとんどが伐採されて採鉱地にされてしまった。[13] 鉱山ではスパイスやコアクシウム[7]、ケッセルストーン[13] などの物質が採取され、惑星外へ輸出された。[7]
ケッセルでは採掘活動により環境破壊が進んでおり、スパイス採取の過程でケッソラインと呼ばれる有害化石燃料が周囲の岩石から漏れ出し、惑星の帯水層の多くを汚染していた。ケッソラインは採掘用機械の安価な燃料として用いられ、その煤煙でさらに環境の悪化が進んだ。[13]
歴史[]
過酷な労働現場[]
- 「ケッセルのスパイス鉱山って知ってる?」
「そこに送りこまれたら一年ともたない、ひどい場所よ」 - ―エズラ・ブリッジャーとサビーヌ・レン[出典]
惑星オーバ・ディアに基盤を置くパイク・シンジケートは長年にわたってケッセルの採掘事業を取り仕切り、クローン戦争の時代には銀河有数のスパイス・ディーラーにのし上がっていた。[14] 彼らは密輸業者や無節操な貨物船船長たちを雇ってケッセル・ランを航行させ、顧客に高価なスパイスを届けさせた。パイクによって安定供給される違法物質は、コルサントの下層レベルを拠点とする有力な犯罪ファミリーの手に渡り、売りさばかれていた。[3] ケッセルのヤルバ王はパイク・シンジケートとスパイス採鉱業における契約を結び、彼らが惑星半球から産出される資源を独占的に支配・搾取し、利益を得ることを許していた。銀河帝国はケッセルの産出物に対して綿密な監査を行っていたが、奴隷労働を始めとする犯罪行為に関しては見てみぬふりをしていた。[13]
帝国時代、ケッセルのスパイス鉱山での労役は銀河最悪の刑罰として悪名高かった。パイク・シンジケートは利益を最大限にするため粗雑な機械設備を使用し、例え過酷な労働環境で奴隷が倒れても、帝国が囚人を安定的に供給する仕組みになっていた。10 BBY当時、カポ・クエイ・トルサイトがケッセルにおけるパイク・シンジケートの事業を監督していた。[13] この年、トバイアス・ベケットとハン・ソロ、チューバッカ、キーラ、ランド・カルリジアン、L3-37が犯罪組織クリムゾン・ドーンの任務でケッセルのスパイス鉱山を訪れた。ベケットのクルーはコントロール・センターに侵入してそこにいた奴隷ドロイドを解放し、さらに生きた奴隷労働者たちも自由の身にした。彼らは奴隷が起こした暴動の混乱に乗じてパイクが所有する未精製コアクシウムを盗み出すことに成功する。しかしL3-37は脱出時の戦闘で破壊された。[11]
ベケットのクルーはランドのYT-1300軽貨物船<ミレニアム・ファルコン>でケッセルから飛び立ち、軌道上で帝国のTIEファイターやTIEブルートの追跡をしのいだ。負傷したランドの代わりに操縦桿を握ったハンは危険なモー密集地帯を通過するルートを選択し、巨大な宇宙生物スマ=ヴァーミノスと遭遇した。<ファルコン>はスマ=ヴァーミノスもろとも重力井戸に飲み込まれそうになったが、コアクシウムをハイパードライブに注入することで推進力を増大させ、密集地帯から抜け出すことに成功する。結果的にハンはケッセル・ランを12パーセク足らずで飛び抜けるという偉業を達成した。[11]
5 BBY、惑星ロザルを拠点に活動する<ゴースト>の反乱者たちが銀河帝国の奴隷にされたウーキーを救出するためケッセルのスパイス鉱山にやってきた。彼らは帝国保安局のエージェント・アレクザンダー・カラス率いるストームトルーパー部隊と戦いながら、ウーキーの奴隷たちを貨物コンテナへ誘導した。反乱者の一員、ケイナン・ジャラスはそれまで自分がジェダイの生き残りであることを敵に秘密にしていたが、ウーキーを逃がす時間を稼ぐため帝国軍の前でライトセーバーを起動した。<ゴースト>は奴隷を乗せたコンテナを積んでケッセルから脱出し、のちに味方のオージタック級ガンシップに彼らを引き渡した。ケッセルの任務は成功に終わったものの、ジェダイの生存者の存在はカラスによって大尋問官に報告された。[6]
銀河内戦[]
0 BBY、共和国再建のための同盟の任務を遂行していたプリンセス・レイア・オーガナのCR90コルベット<タナヴィーIV>が帝国のインペリアルI級スター・デストロイヤー<デヴァステイター>に拿捕された際、プロトコル・ドロイドのC-3POはもし帝国軍に捕まればケッセルのスパイス鉱山送りにされてしまうだろうと相棒のR2-D2に語った。またその直後、タトゥイーンのカンティーナでオビ=ワン・ケノービやルーク・スカイウォーカーと初めて顔を合わせたハン・ソロは、<ミレニアム・ファルコン>の性能を自慢するためケッセル・ランにおける功績を引き合いに出した。[10]
制作の舞台裏[]
ケッセルは1977年の映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』で初めて言及された惑星である。正史での初登場作品は2014年に公開された『スター・ウォーズ 反乱者たち』シリーズの第1作『反乱の口火』。『反乱者たち』に登場するケッセルは、ジョージ・ルーカスが手がけた惑星の外見や文化、経済に関するデザインやコンセプトをもとに製作されている。[15]
登場作品[]
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参考資料[]
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- ↑ 2.0 2.1 スター・ウォーズ/フォースの覚醒 ビギナー・ゲーム
- ↑ 3.0 3.1 The Pykes - エンサイクロペディア (バックアップ・リンク - Archive.org)
- ↑ Where in the Galaxy Are the Worlds of Rogue One? - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)
- ↑ スター・ウォーズ:スマグラーズ・ガイド
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 スター・ウォーズ 反乱者たち/反乱の口火
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 Kessel - 公式データバンク
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 8.5 Star Wars Rebels: The Visual Guide
- ↑ Kessel Control Center - 公式データバンク
- ↑ 10.0 10.1 スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
- ↑ 11.0 11.1 11.2 11.3 11.4 11.5 11.6 ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
- ↑ クローン・ウォーズ – 危険な取引
- ↑ 13.0 13.1 13.2 13.3 13.4 13.5 13.6 ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オフィシャルガイド
- ↑ Pyke Syndicate - 公式データバンク
- ↑ "Spark of Rebellion" Trivia Gallery - StarWars.com (バックアップ - Archive.org)