堤崎
堤崎 | |
---|---|
北緯35度56分44.32秒 東経139度34分45.27秒 / 北緯35.9456444度 東経139.5792417度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 埼玉県 |
市町村 | 上尾市 |
地区 | 大谷地区 |
面積 | |
• 合計 | 0.4575[1] km2 |
人口 | |
• 合計 | 457人 |
等時帯 | UTC+9 (日本標準時) |
郵便番号 |
362-0054[3] |
市外局番 | 048(浦和MA)[4][5] |
ナンバープレート | 大宮 |
座標の場所は愛宕神社を示す。 |
堤崎(つつみさき)は、埼玉県上尾市の大字。市の統計などでは大谷地区で分類されている。郵便番号は362-0054[3]。
地理
[編集]埼玉県の中央地域(県央地域)で、上尾市南部の大宮台地上[6]に位置する。地区の南端を鴨川の支流の浅間川が東に流れ、さいたま市西区との境界となっている[7]。 東側を中新井、南側はさいたま市の大字である西新井・清河寺・高木・中釘、西側から北側にかけて地頭方と隣接する。また、西側は対角線上に平方領領家が位置している。北部はUDトラックスの敷地内で中新井などとの境界が錯綜し、壱丁目や大谷本郷とも僅かに隣接する。 上尾道路より概ね西側の地区は市街化調整区域[8]で、同区域内は全体的に田畑が多く、住宅はまばらにある。東側や北側の市街化区域にはUDトラックスやその関連工場がある。���業専用地域に指定されている南部の浅間川流域では土地区画整理事業により工業用地の造成が行なわれている[9]。
地内に集落跡である「堤崎西谷Ⅰ遺跡」(県遺跡番号:14-364[8])や前谷遺跡(県遺跡番号:14-428)があり、土器片が発掘されている。
歴史
[編集]もとは江戸期より存在した武蔵国足立郡平方領に属する堤崎村であった[6]。村高は正保年間の『武蔵田園簿』では112石余(田49石余、畑62石余)[10]、『元禄郷帳』によると114石余、『天保郷帳』によると109石余であった[6]。化政期の戸数は23軒で、村の規模は東西、および南北3町余であった[6]。地名は「堤」にはため池の意味もあり、浅間川沿いの地形に由来する地名と思われる[11]。 1875年(明治8年)の農業産物高は武蔵国郡村誌によると陸稲米2石、大麦99石、小麦19石、大豆4.9石、小豆1.9石、栗30石、稗11石、甘藷11150斤であった[12][注釈 1]。
はじめは幕府領[6]、1624年(寛永元年)[注釈 2]より岩槻藩阿部備中守領となる[11]。なお、検地は1630年(寛永7年)に実施[6]。1697年(元禄10年)、村で流行した疫病を鎮めるために地蔵院(曹洞宗、中釘村永昌寺末[13])の境内に愛宕神社が創祀される[14]。1681年(天和元年)より再び幕府領。なお、検地は1694年(元禄7年)に実施[6][15]。明治初年の『旧高旧領取調帳』[注釈 3]の記載によると、幕末の時点では代官大竹左馬太郎支配所が管轄する幕府領であった[11][16]。
- 1872年(明治5年)
- 1879年(明治12年)3月17日 - 郡区町村編制法により成立した北足立郡に属す。郡役所は浦和宿に設置。
- 1884年(明治17年)7月14日 - 連合戸長役場制により成立した中釘村連合に属す。連合戸長役場は中釘村(現さいたま市西区中釘)に設置[19]。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行に伴い、堤崎村を含む区域をもって大谷村が成立。堤崎村は大谷村の大字堤崎となる[6]。
- 1934年(昭和9年) - 大谷村民の要望により1933年(昭和8年)より起工された大谷本郷と堤崎を結ぶ幅員約6 mの道路(現在の埼玉県道165号大谷本郷さいたま線)が完成する。この道路は1941年(昭和16年)に県道に編入された[20]。
- 1955年(昭和30年)1月1日 - 大谷村が合併によって上尾町となったことに伴い[21]。上尾町の大字となる。
- 1958年(昭和33年)7月15日 - 上尾町が市制施行され[21]、上尾市の大字となる。
- 1960年(昭和35年)9月1日 - 地内を通る県道(現在の埼玉県道165号大谷本郷さいたま線)が県道65号向山浦和線に改称される[22]。
- 1961年(昭和36年) - 老朽化した愛宕神社の本殿および拝殿が新築される[14]。
- 1970年(昭和45年)3月2日 - 地内に「上尾いずみ幼稚園」が開園(認可)する[23]。
- 1993年(平成5年)7月1日 - 「堤崎の祭りばやし」が市の無形民俗文化財に指定される[24]。
- 2008年(平成20年)3月 - 地区内を通る上尾道路の自動車道路一般部および側道にあたるサービス道路部分が完成する。
- 2009年(平成21年)12月16日 - 「堤崎の大山灯籠行事」が市の無形民俗文化財に指定される[25]。
- 2010年(平成22年)3月27日 - 上尾道路が暫定2車線で開通する。
- 2018年(平成30年)3月30日 - 「上尾都市計画事業上尾道路沿道中新井・堤崎土地区画整理事業」の都市計画決定[26]
- 2021年(令和3年)
小字
[編集]- 前谷
- 柳田
- 西谷
- 後谷[注釈 6]
※ 『新編武蔵風土記稿』には「氷をし谷」・「久保谷」・「堂の前」・「谷畑」の記載があるが[15]、現在の場所を特定できない[11]。
世帯数と人口
[編集]2019年(平成31年)1月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[2]。
大字 | 世帯数 | 人口 |
---|---|---|
大字堤崎 | 193世帯 | 457人 |
小・中学校の学区
[編集]市立小・中学校に通う場合、学区(校区)は以下の通りとなる[30]。
大字 | 番地 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|---|
大字堤崎 | 全域 | 上尾市立大谷小学校 | 上尾市立南中学校 |
交通
[編集]地区内に鉄���は敷設されていない。最寄り駅はJR東日本高崎線上尾駅もしくはJR東日本川越線西大宮駅である。駅まで遠く徒歩圏ではない。
Landport上尾など上尾道路沿いの地域であれば、西大宮駅まで2.8 km程度の距離である。
道路
[編集]地内に都市計画道路「西環状線」が計画されている[8]。
- 国道17号上尾道路
- 堤崎輝きの橋 - 横断歩道橋
- 埼玉県道165号大谷本郷さいたま線
バス
[編集]地区内に路線バスは運行されておらずコミュニティバスのみ運行されている。過去には上尾駅東口より線路沿いを南下し川越街道旧道を通り「向山」バス停留所(大谷本郷交差点)を経由して現在の県道165号を通り、大宮駅に至る東武バスの路線バスが運行されていた時期もあった[31]。
- 大谷循環
- 地区内は「堤崎」、「堤崎北」バス停留所が設置されている。
地域
[編集]町内会
[編集]祭事
[編集]- 堤崎の祭りばやし - 市指定無形民俗文化財[24]。堤崎の祭りばやしは、川越方面に広く伝わっている。 10月におこなわれる川越氷川神社の祭礼である川越まつりにおいて、堤崎流のまつりばやしを演じる囃子連は全体の3分の1を占めるほどである(39ある川越囃子連のうち、13が堤崎流)[34][35]。 特に、2台の山車を有する幸町囃子連は、上尾堤崎囃子連にとって直属の師弟の関係にあたる[36]。
- 堤崎の大山灯籠行事 - 市指定無形民俗文化財[25]
施設
[編集]- UDトラックス上尾工場 本社工場 - 敷地の一部に掛かる
- Landport上尾I・II - 大規模高機能型物流施設
- 上尾いずみ幼稚園
- 愛宕神社 - 平方八枝神社の兼務社[14]
- 車地蔵 - 市指定有形民俗文化財(1962年5月5日登録)
- 正一位稲荷神社
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “統計あげお 平成31年・令和元年版 第1章 土地・気象”. 上尾市役所. p. 2 (2020年6月1日). 2020年6月2日閲覧。
- ^ a b “町丁大字別人口表”. 上尾市役所 (2017年10月6日). 2019年7月4日閲覧。
- ^ a b “郵便番号”. 日本郵便. 2019年7月4日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年7月4日閲覧。
- ^ “単位料金区域別市外局番等一覧表”. NTT東日本. 2020年6月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』569頁。
- ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』927頁。
- ^ a b c 都市計画図がご覧になれます。 - 上尾市役所(2014年9月5日).2019年7月4日閲覧。
- ^ “上尾道路沿道中新井・堤崎地区地区計画” (PDF). 上尾市役所 (2019年3月). 2020年6月4日閲覧。
- ^ 東京市『東京市史稿. 市街篇第六附錄』東京市、1928年、80-81頁 。
- ^ a b c d 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』529-535頁。
- ^ a b 『上尾百年史』 250-254頁。
- ^ a b c 『上尾百年史』 610-615頁。
- ^ a b c d 堤崎・愛宕神社 - 八枝神社の公式ホームページ.2020年6月3日閲覧。
- ^ a b c 新編武蔵風土記稿.
- ^ 『上尾百年史』 25頁。
- ^ 『上尾百年史』 26-30頁。
- ^ 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』 117-123頁。
- ^ 『上尾百年史』 98-116頁。
- ^ 『上尾百年史』 561頁。
- ^ a b 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 1421頁。
- ^ 『上尾市史 第五巻 資料編5、近代・現代2』 557-558頁。
- ^ 概要 - 上尾いずみ幼稚園. 2020年7月16日閲覧。
- ^ a b “堤崎の祭りばやし”. 上尾市教育委員会 (2010年11月24日). 2019年7月5日閲覧。
- ^ a b “堤崎の大山灯籠行事 ”. 上尾市教育委員会 (2010年11月24日). 2020年6月3日閲覧。
- ^ “上尾都市計画事業上尾道路沿道中新井・堤崎土地区画整理事業”. 上尾市役所 (2018年3月30日). 2019年7月4日閲覧。
- ^ “地区計画ですすめる住民主体のまちづくり 地頭方地区地区計画” (PDF). 上尾市役所 (2021年3月). 2021年12月6日閲覧。
- ^ 「Landport上尾I竣工 高機能物流拠点が誕生 野村不動産」『建設通信新聞』日刊建設通信新聞社、2021年11月19日。2021年11月30日閲覧。
- ^ 「野村不動産/11月24・25日にLandport上尾Project竣工内覧会」『LNEWS』ロジスティクス・パートナー、2021年11月4日。2021年11月30日閲覧。
- ^ “市内小・中学校通学区一覧”. 上尾市役所 (2017年6月1日). 2019年7月4日閲覧。
- ^ 『上尾市史 第五巻 資料編5、近代・現代2』 566-567頁。
- ^ ぐるっとくん 上尾市内循環バスROAD案内マップ (PDF) - 上尾市役所.2020年2月8日閲覧。
- ^ “自治会・町内会・区会に加入しましょう”. 上尾市役所 (2021年3月15日). 2022年5月14日閲覧。
- ^ “川越まつりのお囃子”. kawagoematsuri.jp. 2019年10月7日閲覧。
- ^ “流派一覧”. kawagoematsuri.jp. 2019年10月7日閲覧。
- ^ “まだまだだなぁ 《川越・幸町囃子会》 堤崎流の歴史”. web.archive.org (2019年1月11日). 2019年10月7日閲覧。
- ^ “指定緊急避難場所・指定避難所・福祉避難所”. 上尾市役所 (2022年2月14日). 2022年5月14日閲覧。
参考文献
[編集]- 上尾市教育委員会・編『上尾市史 第五巻 資料編5、近代・現代2』上尾市役所、1998年3月31日。
- 上尾市教育委員会・編『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』上尾市役所、1997年3月31日。
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』角川書店、1980年7月8日。ISBN 4040011104。
- 上尾百年史編集委員会・編『上尾百年史』上尾市役所、1972年2月10日。
- 「堤崎村」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ152足立郡ノ18、内務省地理局、1884年6月。NDLJP:764000/25。
- 旧高旧領取調帳データベース
関連項目
[編集]- 埼玉県の土地区画整理事業一覧
- 埼玉県第6区
- 戸崎 (上尾市)・中新井 (上尾市)・西貝塚 (上尾市) - 堤崎同様、中釘村連合に属していた村が由来の上尾市の大字。
外部リンク
[編集]- あげおガイド アピマップ - 上尾市役所
- 上尾道路沿道中新井・堤崎地区 地区計画 (PDF) - 上尾市役所
- 地頭方地区街づくり協議会 - 上尾市役所
地頭方 | 壱丁目 | 大谷本郷 | ||
平方領領家 | 中新井 | |||
堤崎 | ||||
さいたま市西区高木・中釘 | さいたま市西区清河寺 | さいたま市西区西新井 |