シナノゴールド
シナノゴールド | |
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属 | リンゴ属 Malus |
種 | セイヨウリンゴ M. pumila |
交配 | ゴールデンデリシャス('Golden Delicious') × 千秋 |
品種 | シナノゴールド |
開発 | 長野県果樹試験場,1999年 |
シナノゴールドは、長野県果樹試験場が1983年に交配したゴールデンデリシャス(種子親)と千秋(花粉親)[1]の組み合わせから選抜・育成したリンゴであり、1999年に品種登録された[2]。外観が鮮やかな黄色をしている[3]。秋映、シナノスイートとともに長野県のオリジナルリンゴの「りんご三兄弟」のうちのひとつ[4][5]。
特徴
[編集]酸味と甘味が調和した濃厚な味であり、果肉がシャキシャキしていること、また外観が鮮やかな黄色であることが特徴となる。 また貯蔵性に優れており、普通冷蔵貯蔵でも3か月程度は鮮度を保持できる[6]。
育成の歴史
[編集]シナノゴールドは、1983年にゴールデンデリシャスに千秋を交配し、翌年その中から495個体を育成した。1986年、それらの育成個体を定植して選抜を開始。 1995年に育成を完了し、1996年3月に農林水産省に品種登録を申請。3年後の1999年8月11日にシナノゴールドとして品種登録が認められた。
海外への進出
[編集]2007年、長野県はイタリア南チロルの生産者団体VOGとVI.Pの2団体と「品種シナノゴールドに関する利用許諾契約」を締結し、現地でのシナノゴールドの試験栽培がスタートした。
2011年に試験栽培の状況を確認した結果、果実の外観がきれいで、品質・貯蔵性に優れ、食感とジューシーさに関し大変すばらしいとの評価を消費者から得たことから、2014年に商業栽培段階へと移行した。 その後、2016年品種シナノゴールド及び商標に関するライセンス契約を締結した。許諾商標は「yellow(黄色)」と「hello(ハロー)」からなる造語である「yello」とし、黄色が持つ明るく楽しいイメージを連想させ、20代から30代の若者世代をターゲットとしている。商品名の「Shinano Gold」は販売時に包装容器等に記載される[7]。
2019年にはEU内に限られていた商業栽培が南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、チリ、アメリカの広範囲で可能になった。販売地域も約90か国に増え、南半球での栽培が開始されることにより年間通じての流通が可能になった[8]。
脚注
[編集]- ^ “シナノゴールド | りんご大学”. www.ringodaigaku.com. 2019年11月15日閲覧。
- ^ 「リンゴ‘シナノスイート’と‘シナノゴールド’の育成および高品質安定生産技術の開発」『園芸学研究』第17巻第3号。
- ^ “シナノゴールド|品種紹介|りんご情報局”. vegemart.net. 2019年11月15日閲覧。
- ^ “徹底比較!信州りんご三兄弟 共和園芸農業協同組合 共和のりんご直送便”. www.applekyowa.com. 2019年11月15日閲覧。
- ^ “シナノゴールド|とれたて大百科|野菜のチカラをもっと知る|JAグルー�� (野菜)”. JAグループ (野菜). 2019年11月15日閲覧。
- ^ 「海外進出する県オリジナル品種「シナノゴールド」」『信州自治』第67巻第7号。
- ^ “欧州における品種シナノゴールド及び商標に関するライセンス契約締結について”. 長野県. 2019年10月26日閲覧。
- ^ “長野リンゴの「シナノゴールド」 海外栽培拡大へ :日本経済新聞”. web.archive.org (2020年2月2日). 2020年2月2日閲覧。