2025-02-17

anond:20250217032926

電話線のリピーター(中継器)と電信線のリレー(中継器)は仕組みが違うんですか?

電線を通る電流を増幅して中継するという点で同じように思えたのですが

電話線のリピーター電信線のリレーの違い

かに、**どちらも「電流を増幅して信号を中継する」**という基本的役割を持っています

しかし、電信モールス信号)のリレーと、電話リピーターでは、動作の仕組みや技術が異なります

1. 基本的役割の違い

項目 電信リレー(Relay) 電話リピーターRepeater

信号の種類 デジタルON/OFF) アナログ連続的な波形)

動作原理 ON/OFF信号スイッチング(電磁リレー電流を増幅し、音声波形を保持

ノイズの影響 ノイズに強い(ON/OFFなので影響が少ない) ノイズの影響を受けやすい(音声に混ざる)

適用技術磁石を利用した機械スイッチ 真空管(後にトランジスタ)を利用した増幅器



2. 電信リレー(Relay)の仕組み

(1) 役割

モールス符号ON/OFF)を長距離伝送するために、弱まった信号を「新しい電流」で再送信する装置

ON/OFFのスイッチングのみを行い、波形の変化は扱わない。

(2) 仕組み

送信者が電鍵を押すと、電線を通じて微弱な電流が伝わる。

遠距離になると電流が弱まるため、中継地点の**リレー装置(電磁リレー)**がこれを受信。

リレースイッチON/OFFすることで、別の強い電源から新たな電流を流す。

これにより、元の信号と同じパターンON/OFFの信号が増幅され、次の中継地点へ送信される。

📌 特徴

モールス符号デジタル)なので、少しのノイズがあっても復元可能

音声の波形を扱うわけではないため、単純なスイッチングで済む。

リレー自体には「増幅」の概念がなく、新しい電源から新たに電流を流すだけ。

3. 電話リピーターRepeater)の仕組み

(1) 役割

音声信号アナログ波形)を伝送するために、弱まった波形をそのまま増幅する装置

電話では「音の波形」が重要なので、単純なON/OFFではなく、波形そのものを維持する必要がある。

(2) 仕組み

送信者の音声が電流の波形として送られる。

遠距離になると、電流が弱まり、波形の振幅が小さくなる。

リピーター増幅器)が、元の波形と同じ形のまま電流を強める(増幅する)。

元の音声にできるだけ忠実な形で再送信される。

📌 特徴

アナログ信号の波形を維持する必要があるため、単純なスイッチではなく「増幅回路」が必要

ノイズの影響を受けやすく、増幅時にノイズも一緒に大きくなる可能性がある。

初期のリピーター真空管使用し、後にトランジスタによる増幅方式進化

4. リレーリピーター本質的な違い

違い 電信リレー 電話リピーター

信号の種類 デジタルON/OFF) アナログ連続波形)

動作の仕組み スイッチングのみ 波形を維持しながら増幅

ノイズの影響 多少のノイズがあっても正しく動作 ノイズが増幅されるため、影響が大きい

技術進化 機械式(電磁リレー真空管トランジスタデジタル増幅

5. 現代技術との関係

(1) 電信リレーの発展

リレー技術コンピュータスイッチング技術リレー計算機)につながった。

現在デジタル通信インターネットルーター)では、パケットON/OFFが重要なため、基本的概念継承されている。

(2) 電話リピーターの発展

音声通信の増幅技術は、無線通信携帯電話基地局)や光通信(光リピーター)へ進化

現在デジタル通信では、波形をそのまま増幅するのではなく、デジタル信号補正して復元する方式デジタルリピーター)が使われる。

6. まとめ

電信リレー(Relay)と電話リピーターRepeater)は、どちらも信号を遠くまで届けるための中継装置だが、動作の仕組みが異なる。

電信リレーは、モールス符号ON/OFFを新しい電流で再送する「スイッチング装置」。

電話リピーターは、音声信号の波形そのものを増幅し、できるだけ元の音に忠実に再送する「増幅装置」。

リレー技術デジタル通信へ、リピーター技術無線通信光通信へと発展していった。

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