コンテンツにスキップ

里綾実

半保護されたページ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

里 綾実
Sato Ayami
埼玉西武ライオンズ・レディース #18
女子プロ野球時代(2019年7月撮影)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 鹿児島県名瀬市
生年月日 (1989-12-21) 1989年12月21日(34歳)
身長
体重
166 cm
kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手投手
プロ入り 2013
初出場 2013年3月30日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴
国際大会
代表チーム 日本の旗 日本

里 綾実(さと あやみ、1989年12月21日 - )は、鹿児島県名瀬市(現・奄美市名瀬)出身の元女子プロ野球選手、日本代表選手、野球指導者[1][2]。「野球はみんなのスポーツ」代表。2020年から埼玉西武ライオンズ・レディースに所属。始動準備の米・女子プロ野球リーグの特別アドバイザー[3]

経歴

野球を始めたきっかけは4つ上の兄の影響。同県の喜界島に転居し少年野球「ガッツ喜界」に入団し小学3年生のときに本格的に野球を始める[4][1][5]。ピッチャーのポジションにつく。その後、小学6年生のときに奄美大島に戻り、硬式の少年野球チーム「名瀬オリオンズ」[1]に所属しピッチャーを担当。奄美市立金久中学校には女子野球部がなかったため一時バスケットボール部に所属するが、やはり野球がしたいと考え(女子部員がいなかったため許可を得て)男子の軟式野球部に入部[6]。ピッチャー・サードのポジションでプレーをした[5]

中学卒業後、当初は選手層の厚いソフトボールへの転向を考えたが地元が鹿児島県であったため、女子野球が強くて有名な神村学園へ進学[1]。高校生最後の年に挑んだ第8回全国高等学校女子硬式野球選抜大会ではチームの優勝に大きく貢献する。

その後、女子野球日本代表を目指して尚美学園大学へ進学[1]。大学の女子硬式野球部でプレーをする。大学卒業目前、就職し仕事をしながら野球を続けたいと考え、紹介で福知山成美��等学校女子硬式野球部のコーチに就任する。2012年8月、カナダで第5回IBAF女子ワールドカップが開催され出場。そこで毎日野球をしているプロの実力に感嘆しプロを志願する。2012年のトライアウトに合格。

2013年から翌14年はレイア、2015年から2019年までディオーネに所属する[1]2019年11月1日、今季限りで女子プロ野球を退団[7]

2020年4月に創設された埼玉西武ライオンズ・レディースに入団[8][1]。2021年に一般社団法人野球はみんなのスポーツを設立し[9]、2023年にファンクラブを立ち上げる[5]。選手生活と並行して野球塾を開講しマンツーマン指導を行っている[2]

世界の女子野球選手をテーマにしたドキュメンタリー映画「See Her Be Her」[注 1]に出演し[10]、2024年に公開イベントのために渡米[11]。また9月にはMLB・パドレス対アストロズの始球式を務める(先発・ダルビッシュ有、受け手は松井裕樹[12][13]など海外での活動もしている。また、2026年に北東部6球団で始動予定の米・女子プロ野球リーグの特別アドバイザーをシト・ガストンと共に務めることが報じられた[3][14]

選手・人物

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2013 レイア 29 - 12 1 1 6 10 2 0 .375 555 127.2 126 0 45 - 15 62 4 3 58 41 2.25 1.34
2014 27 - 16 4 2 11 10 1 0 .524 598 143.0 143 0 29 - 6 66 2 0 53 42 2.06 1.20
2015 ディオーネ 30 - 13 1 3 9 9 2 0 .500 593 144.0 139 1 29 - 6 69 4 0 54 50 2.43 1.17
2016 19 - 16 4 5 13 4 0 0 .765 492 122.2 109 0 18 - 3 50 1 0 37 30 1.71 1.04
2017 25 - 12 3 3 11 7 2 0 .611 538 123.2 146 1 16 - 6 64 7 0 62 49 2.78 1.37
2018 19 - 4 1 1 4 6 5 0 .400 338 77 91 0 15 - 4 42 1 0 37 32 2.91 1.43
2019 26 - 16 2 8 5 13 1 1 .278 575 139.2 143 2 16 - 3 58 2 0 48 38 1.91 1.16
JWBL:7年 175 - 89 16 23 59 59 13 1 .500 3689 876.2 897 4 168 - 43 411 21 3 349 282 2.25 1.26
  • 2019年度シーズン終了時。
  • 「-」は記録なし。
  • 太字はリーグ1位。
  • 赤太字は女子プロ野球記録。

年度別打撃成績

















































O
P
S
2013 レイア 40 85 79 10 22 1 1 0 25 11 6 1 2 1 1 - 2 5 2 .279 .301 .317 .618
2014 29 4 4 0 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 - 0 1 0 .500 .500 .500 1.000
2015 ディオーネ 30 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 - 0 0 0 ---- ---- ---- ----
2016 19 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 - 0 0 0 ---- ---- ---- ----
2017 25 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 - 0 0 0 ---- ---- ---- ----
2018 19 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 - 0 0 0 ---- ---- ---- ----
2019 26 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 - 0 0 0 ---- ---- ---- ----
JWBL:7年 188 89 83 10 24 1 1 0 27 11 6 1 2 1 1 - 2 6 2 .289 .310 .325 .635
  • 2019年度シーズン終了時。
  • 「-」は記録なし。
  • 太字はリーグ1位。

記録

  • 初登板:2013年3月30日、対アストライア戦、7番・投手、6回4失点完投、勝敗つかず
  • 初奪三振:同上、1回裏に中野菜摘から空振り三振
  • 初勝利:2013年4月13日、対フローラ戦、7回3失点完投
  • 初安打:同上、4回裏に矢野みなみから右前適時安打
  • 300奪三振:2017年9月18日、対埼玉アストライア戦、3回裏に奥村奈未から空振り三振
  • 400奪三振:2019年9月8日、対埼玉アストライア戦、5回表にみなみから空振り三振

タイトル

  • 2013年、最多奪三振のタイトルを獲得。
  • 2014年、第6回IBAF女子ワールドカップにてMVPを獲得[16]
  • 2016年、機構のコンベンションでMVPにあたる角谷賞を受賞[17]

代表歴

背番号

  • 18 (2013年 - 2019年)

脚注

注釈

  1. ^ 【制作】監督:Jean Fruth (写真家)、共同プロデューサー:Jeff Idelson(全米野球殿堂の元会長)、エグゼクティブ・プロデューサー:ビリー・ジーン・キング (女子テニス)など。出演者:2024 WBSC女子野球ワールドカップ各国出場選手・関係者、カル・リプケン・ジュニアイチローなど[10]

出典

  1. ^ a b c d e f g 里 綾実 全世代侍ジャパン選手リスト”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. 2024年5月25日閲覧。
  2. ^ a b コース一覧”. THE CONTROL 10分で変わる 里綾実オンライン投球指導. 2024年5月25日閲覧。
  3. ^ a b 米国女子プロ野球リーグ、26年夏に創設 日本代表の里綾実投手が特別アドバイザーに”. 日刊スポーツ (2024年10月30日). 2024年10月30日閲覧。
  4. ^ スポーツギフティングサービス「Unlim(アンリム)」に“現役日本代表”であり、W杯4大会連続MVPが期待される女子野球「里綾実選手」の参加が決定 - 一般財団法人アスリートフラッグ財団 PR TIMES (2021年4月23日) 2024年5月25日閲覧。
  5. ^ a b c CAREER & ACHIEVEMENT”. 里綾実ファンクラブ. 2024年5月25日閲覧。
  6. ^ 【THE INSIDE】女子プロ野球選手・里綾実の「女子野球の現状」に関する講演と野球教室”. BASEBALL GATE (2017年12月17日). 2024年5月25日閲覧。
  7. ^ “大量退団の女子プロ野球、埼玉からは13人も…全選手一覧”. スポーツ報知. (2019年11月1日). https://hochi.news/articles/20191101-OHT1T50200.html 2021年9月26日閲覧。 
  8. ^ 「埼玉西武ライオンズ・レディース」のメンバーが決定!』(プレスリリース)埼玉西武ライオンズ、2020年2月13日https://www.seibulions.jp/news/detail/00003449.html2021年9月26日閲覧 
  9. ^ 女子野球のレジェンドがなぜ法人設立? 次世代に伝えたい“プレーし続ける道”(川村虎大)”. フルカウント ファーストピッチ (2022年12月12日). 2024年5月25日閲覧。
  10. ^ a b Japan great Ayami Sato helps shine light on women's baseball in new documentary” (英語). ジャパンタイムズ (2024年10月3日). 2024年10月31日閲覧。
  11. ^ 'See Her Be Her' documents growth of women's baseball” (英語). mlb.com (2024年10月24日). 2024年10月31日閲覧。
  12. ^ a b 女子野球の里綾実、ダルビッシュ先発のパドレス戦で始球式 キレ良い1球「感情が高ぶっている」”. 日刊スポーツ (2024年9月17日). 2024年10月31日閲覧。
  13. ^ @sato18.officialの2024年9月23日の投稿 - instagram.com
  14. ^ Women's Pro Baseball League inaugural season announced for 2026” (英語). World Baseball Softball Confederation (2024年10月30日). 2024年10月31日閲覧。
  15. ^ “侍女子・里綾実、“カーショー超え”カーブに米絶賛「地球上最高の女子野球選手だ」”. THE ANSWER: p. 2. (2018年9月1日). https://the-ans.jp/news/35278/2/ 2021年9月26日閲覧。 
  16. ^ 大村健一 (2014年9月7日). “女子野球W杯:日本、米国を破り4連覇 MVPは里綾実”. 毎日新聞. オリジナルの2014年9月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140908231616/http://mainichi.jp/sports/news/20140907k0000e050143000c.html 2021年9月26日閲覧。 
  17. ^ “MVPに里、加藤に新人特別賞 同じ誕生日の新人王・中田と切磋琢磨誓う”. スポーツニッポン. (2016年12月3日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/12/03/kiji/K20161203013840510.html 2021年9月26日閲覧。 

関連項目

外部リンク