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草津・四万

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
草津・四万
E257系5500番台による特急「草津・四万」 (2023年5月28日 大宮駅 - 宮原駅間)
E257系5500番台による特急「草津・四万」
(2023年5月28日 大宮駅 - 宮原駅間)
概要
日本の旗 日本
種類 特別急行列車
現況 運行中
地域 東京都埼玉県群馬県
前身
  • 急行「草津」
  • 特急「白根」
運行開始 1985年3月14日(「新特急草津」として)
運営者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
運営者 日本国有鉄道(国鉄)
路線
起点 上野駅
終点 長野原草津口駅
営業距離 164.7 km
平均所要時間
  • 2時間19分 - 26分(上り)
  • 2時間15分 - 26分(下り)
運行間隔
  • 2往復(平日)
  • 3往復(土曜・休日)
列車番号 3000M+号数
使用路線 東北本線高崎線上越線吾妻線
車内サービス
クラス 普通車
身障者対応 2号車
座席 全車指定席
技術
車両 E257系電車大宮総合車両センター
軌間 1,067 mm
電化 直流1,500 V
���高速度 120 km/h[1]
備考
改称歴については#吾妻線優等列車沿革を参照
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草津・四万(くさつ・しま[注釈 1])は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が上野駅 - 長野原草津口駅間を東北本線高崎線上越線吾妻線経由で運行する特別急行列車

本項では、吾妻線で運転されていた優等列車の沿革についても記述する。

概要

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東京都と、群馬県吾妻郡草津町にある草津温泉を結ぶ列車。

「草津」の列車名は、1960年昭和35年)6月に上野駅 - 長野原駅(現:長野原草津口駅)間の臨時準急列車として初めて使われた。その後1966年(昭和41年)に急行列車化され、1985年(昭和60年)3月には「白根」を統合する形で「新特急草津」として特急列車化されている。2023年令和5年)3月には四万温泉を列車名に加え「草津・四万」に改称された[注釈 2][2]

現列車名への改称時に作成されたJR東日本の特設サイト・パンフレットでは、草津温泉(長野原草津口駅)・四万温泉(中之条駅)に加え、伊香保温泉渋川駅)の3温泉(いずれも路線バスへの乗継が必要)を中心とした温泉観光への利用が提言されている[3]

運行概況

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2024年(令和6年)3月16日ダイヤ改正時点では、平日に2往復、土休日に3往復運行されている。下りは朝ラッシュ終わりから昼にかけて、上りは午後の日中時間帯に設定されている。また、多客期のみ運行する臨時列車が2往復あり、うち1往復は2023年(令和5年)3月から上野東京ライン経由で東京駅発着として運行されている。

土休日の31・34号を除く列車は2010年(平成22年)12月4日ダイヤ改正で「水上」の定期運転が廃止されるまでは、上野駅 - 新前橋駅間で特急「水上」と併結した14両編成で運転されており、その後も上野駅 - 新前橋駅間で14両編成による運行が行われ、いずれの場合も新前橋駅で増解結が行われていた。なお、分岐点である渋川駅ではなく新前橋駅で「水上」との増解結を実施した理由は、作業要員の合理的な配置を行うため(新前橋駅には高崎車両センターが併設されており、作業員が常駐している)[4]2012年(平成24年)3月17日ダイヤ改正で「草津」の14両編成の運用が廃止された。

過去には全車指定席の臨時列車「草津白根」が運転されたことがあった。末期には年間を通じて土曜休日のみ定期的に運行され、最混雑期には、これに平日の運転を追加する形態となっていた。

2015年(平成27年)11月には、大船駅発着(湘南新宿ライン経由)の臨時列車(73・74号)が運転され、2016年(平成28年)1月・2月にも停車駅を減らして同ルートの臨時列車(71・72号)が運転されている。

利用者減少のため、2016年(平成28年)3月26日のダイヤ改正をもって長野原草津口駅 - 万座・鹿沢口駅間の定期運転が終了した[5]。その後は多客期の臨時列車のみ万座・鹿沢口駅に乗り入れる形となっていたが、2017(平成29)年度以降は乗り入れ実績がない。

停車駅

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上野駅 - 赤羽駅 - 浦和駅 - 大宮駅 - 熊谷駅 - 高崎駅 - 新前橋駅 - 渋川駅 - 中之条駅 - 長野原草津口駅

使用車両・編成

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2023年3月ダイヤ改正時の編成図
草津・四万
← 上野
長野原草津口 →
E257系 5両編成
1 2 3 4 5
  • 全車禁煙
記号凡例
指=普通車指定席

2023年(令和5年)3月18日のダイヤ改正より、大宮総合車両センター所属のE257系(5両編成・全車普通車指定席)が使用されている[6][7]。なお、同じ高崎線を走行する特急「あかぎ」とは異なり、座席未指定券制度は導入していない。

一部臨時列車では、勝田車両センター所属のE653系が使用されることもある[8]

「新特急草津」としての運行開始時点では185系が使用されていたが、2014年(平成26年)3月15日のダイヤ改正で全定期列車が651系による運転となった。両形式を使用していた時代は、グリーン車指定席および普通車自由席も設定されていた。

吾妻線優等列車沿革

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  • 1960年昭和35年)6月1日:臨時準急列車として「草津」が上野駅 - 長野原駅(現在の長野原草津口駅)間で運転開始。
  • 1961年(昭和36年)10月1日:名称をひらがな書きの「くさつ」に変更し、毎日運転になる。また、臨時列車として気動車準急列車の「上越いでゆ」「草津いでゆ」が運行される。
  • 1962年(昭和37年)
    • 6月10日:「くさつ」が定期列車化され、再度「草津」に名称を変更。気動車で運転されるようになる。
    • 7月:ダイヤ改正により2往復は「草津」、1往復は「草津いでゆ」の3往復体制になる。
  • 1966年:「草津」が急行列車化。
  • 1967年:長野原線の電化により「草津」・「草津いでゆ」を電車化し、長野原線の急行列車を「草津」に統一。この改正で使用車両を165系電車に変更。定期・不定期列車を含めて6往復で、定期列車の1往復は長野原線内普通として運転。
  • 1971年(昭和46年)
    • 3月7日:「草津」の運行区間を万座・鹿沢口駅まで延長。毎日運転の定期列車は1日5往復で、うち1往復(上り一番列車と下り最終列車)は吾妻線内快速として運転。
      • 快速列車の吾妻線内の停車駅は、万座・鹿沢口、羽根尾、長野原、川原湯、岩島、群馬原町、中之条、小野上、渋川
    • 4月20日:吾妻線初の特急列車として、臨時特急「白根」が157系電車により運転開始。
  • 1975年(昭和50年)12月:「白根」の使用車両を183系電車に変更。
  • 1982年(昭和57年)
    • 3月新前橋電車区に新製配置された185系電車が「草津」の一部で運用を開始する。
    • 11月15日ダイヤ改正により、「白根」が「草津」の一部を編入し定期列車化。急行「草津」1往復と特急「白根」4往復の体制となる(朝の上り「白根2号」と夜の下り「白根7号」は吾妻線内快速として運転)。「草津」は165系電車、「白根」は185系電車での運行となった。
185系「新特急草津」
  • 1985年(昭和60年)3月14日:「草津」が特急列車化(エル特急に指定)され、「白根」と統合されて「新特急草津」となる。使用車両は185系電車に統一された。
    • 「新特急草津」は4往復体制、単独運転の上り2号と下り7号は吾妻線内快速として運転(快速列車の吾妻線内の停車駅は急行時代と同じ)。普通車両は全車自由席。但し、臨時列車の「新特急草津」53・54号は単独運転でも指定席があった。
    • 浦和駅、上尾駅、桶川駅、新町駅、群馬原町駅が新たに停車。
  • 1986年(昭和61年):浦和駅と上尾駅が全便停車。
    • 上尾駅全便停車は1989年(平成元年)改正前まで。
    • 鴻巣駅に新規停車。
  • 1988年(昭和63年)3月13日:「草津7号」の吾妻線内が普通列車化される。
  • 1989年平成元年)3月11日:「新特急草津」7号が長野原駅行きに短縮される(吾妻線内は普通列車とし、多客期のみ長野原駅 - 万座・鹿沢口駅間を臨時普通列車として延長運転)。ペアで併結運転している「新特急谷川」と号車番号が差し替えになり、8号車から14号車になる。
  • 1992年(平成4年):小野上温泉駅開業により、同年以降は温泉・イベントシーズン時に小野上温泉駅に臨時停車するようになる。
  • 1997年(平成9年)3月:ダイヤ改正により、万座・鹿沢口駅までの臨時普通列車運用が消滅。
    • 10月1日:この日より、「草津2号」(吾妻線内快速)の吾妻線内の停車駅に郷原駅と金島駅が追加される。
    • 号数の割り振りが「新特急水上」と「新特急草津」との通しで割り振られる。
    • 10月:臨時特急「マリンシティ草津」が横浜駅 - 万座・鹿沢口駅間で運転される(幕張電車区の183系電車6両編成。この列車は翌年も新前橋電車区の185系電車で運転された)。 
  • 1998年(平成10年):臨時列車の一部で183系・189系電車が使用される。
  • 2002年(平成14年)12月1日:エル特急・新特急の名称廃止[9]。列車名は全て「草津」となる。
185系「草津白根」
「草津」と「水上」の併結運転
  • 2005年(平成17年)
    • 10月 - 11月:新宿駅発着の「四万草津」が運転される。
    • 12月10日:「草津白根」が土曜・休日運転の定期列車になる(全車指定席)。
  • 2006年(平成18年)3月18日:草津7号が全区間特急扱いとなる(長野原草津口行き)。
  • 2007年(平成19年)
    • 3月18日:ダイヤ改正により、以下の通り変更。
    1. 早朝上りの2号(万座・鹿沢口駅6時59分発、吾妻線内快速)と夜の最終下り7号(上野駅19時発)の廃止により3往復体制となる。これにより「あかぎ」との併結が解消。
    2. 「草津白根」が「草津」に統合されて廃止(「草津31・32号」となり、全車指定席ではなくなる)。
    3. 全車両禁煙化。
    • 11月:新宿駅発着の「あがつま草津」が運転される。
50周年のヘッドマークを取り付けた185系OM03編成
  • 2010年(平成20年) 9月:「草津」の列車名が50周年を迎えたのに合わせて「特急草津号50周年感謝キャンペーン」を実施。大宮総合車両センター所属の185系電車OM03編成が80系電車を模した湘南色に塗り替えられ、運用に就いた(車両は「あかぎ」「水上」と共通運用のため、両列車でも見られた)。
485系「リゾート草津」
  • 2011年(平成23年)7月 - 9月485系電車リゾートやまどり」を使用した新宿駅発着の臨時特急「リゾート草津」が運転される。
  • 2012年(平成24年)3月17日:ダイヤ改正で下り1号(上野駅7時20分発)・上り6号(万座・鹿沢口駅16時24分発)が廃止となり、毎日運転の列車は2往復(土休日のみ3往復)となる。また上野駅 - 新前橋駅間での「水上」との併結運行が廃止となり、全列車が全区間で7両編成での運行となる。
651系「草津」
  • 2014年(平成26年)
    • 3月15日:ダイヤ改正で使用車両が651系に置き換えられる。
    • 9月25日 - 30日八ッ場ダム建設に伴う吾妻線岩島駅 - 長野原草津口駅間線路切り替え工事のため、全列車が全区間で運休。
  • 2015年(平成27年)
    • 11月7日:「草津73・74号」を、大船駅 - 長野原草津口駅間で湘南新宿ライン経由で運転。同73号は11月7・14日、同74号は11月8・15日の合計4日間。「草津」としての新宿乗り入れは4年ぶり、新宿以南の運行は17年ぶり。
  • 2016年(平成28年)
    • 2月:臨時増発の下り「草津93号」を運転(2月12日・2月19日・2月26日)、ただしグリーン車はなく、この93号に限り従来の185系200番台6両を使用。185系使用による「草津」が約2年ぶりに3日間のみ復活した[10]
    • 3月26日:ダイヤ改正により区間短縮が行われ、長野原草津口駅 - 万座・鹿沢口駅間の定期運行が廃止となる[5]。なお、ダイヤ改正当日の3月26日は下り「草津83号」が、翌日の3月27日は上り「草津84号」が上野駅 - 万座・鹿沢口駅間で臨時運転された。以後は多客期の特定日のみ延長運転される。
  • 2017年(平成29年)
    • 3月4日:ダイヤ改正で停車駅の統一を実施。高崎線内の停車駅は大宮駅・熊谷駅・高崎駅となり、吾妻線内では群馬原町駅と川原湯温泉駅が通過駅となった。
  • 2018年(平成30年)
    • 3月24日:「草津71・72号」を、大船駅 - 長野原草津口駅間で上野東京ライン経由で運転(大船駅 - 品川駅間は品鶴線経由)。同71号は3月24・31日、同74号は3月25日・4月1日の合計4日間[11]
  • 2019年(平成31年)
  • 2021年令和3年)
  • 2023年(令和5年)
列車名の由来
  • 「白根」:草津温泉が麓にあたる草津白根山に由来する。

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 2つの独立した列車名ではなく、中黒を挟んだ1つの列車名。
  2. ^ 過去には後述するように臨時列車として「四万草津」号という名称の列車が運行されたことがあった。

出典

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  1. ^ 草津・四万/あかぎ(E257系)”. JR東日本. 2016年4月12日閲覧。
  2. ^ 小松田健一「前橋への直通列車、大幅減 特急に新型車両を導入 JR東高崎支社来春ダイヤ改正」『東京新聞』2022年12月24日。2023年3月6日閲覧。
  3. ^ Re:fresh! AGATSUMA ゆのたび吾妻はしご(東日本旅客鉄道)
  4. ^ 鉄道ジャーナル』通巻498号、鉄道ジャーナル社、2008年4月、95頁。 
  5. ^ a b 2016年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2015年12月18日https://www.jreast.co.jp/press/2015/20151211.pdf2016年1月25日閲覧 
  6. ^ a b 2023年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道高崎支社、2022年12月16日https://www.jreast.co.jp/press/2022/takasaki/20221216_ta01.pdf2022年12月16日閲覧 
  7. ^ a b 特急草津・四万 特急あかぎ』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道高崎支社、2022年12月16日https://www.jreast.co.jp/info/2022/takasaki/20221216_ta02.pdf2022年12月16日閲覧 
  8. ^ 2024年冬の臨時列車の運転について”. 東日本旅客鉄道. 2024年10月18日閲覧。
  9. ^ 「鉄道記録帳2002年12月」『RAIL FAN』第50巻第2号、鉄道友の会、2003年3月1日、24頁。 
  10. ^ 鉄道ダイヤ情報』、交通新聞社、2015年12月、88頁。 
  11. ^ 春の臨時列車運転のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道高崎支社、2018年1月19日https://www.jreast.co.jp/takasaki/news/pdf/20180119_info.pdf2023年3月18日閲覧。「草津71号・72号 ◇横浜エリアから吾妻線沿線の温泉地・観光地に向けて特急列車を運転します。」 
  12. ^ 新幹線・在来線特急列車の車内販売サービスの一部列車の終了と取扱品目の見直しについて』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2019年2月18日https://www.jreast.co.jp/press/2018/20190222.pdf2019年3月28日閲覧 
  13. ^ 臨時特急草津号の全車指定席化について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道高崎支社、2021年3月12日https://www.jreast.co.jp/info/2020/takasaki/20210312_ta01.pdf2021年5月12日閲覧 

関連項目

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外部リンク

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