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唐仁古墳群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
唐仁古墳群
所在地 鹿児島県肝属郡東串良町新川西
位置 北緯31度21分11.40秒 東経130度58分2.96秒 / 北緯31.3531667度 東経130.9674889度 / 31.3531667; 130.9674889座標: 北緯31度21分11.40秒 東経130度58分2.96秒 / 北緯31.3531667度 東経130.9674889度 / 31.3531667; 130.9674889
規模 前方後円墳3基・円墳119基・不明等8基の計130基
築造時期 5世紀
史跡 1934年昭和9年)1月22日国指定[1]
地図
唐仁古墳群の位置(鹿児島県内)
唐仁古墳群
唐仁古墳群
鹿児島県内の位置
地図
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唐仁古墳群(とうじんこふんぐん)は、鹿児島県肝属郡東串良町新川西にある古墳群。国の史跡に指定されている。

鹿児島県で最大規模の唐仁大塚古墳(唐仁1号墳)を含む、鹿児島県では最大規模の古墳群である。

概要

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鹿児島県東部、大隅半島東岸の志布志湾沿岸部の、肝属川下流左岸の旧期砂丘帯(大塚砂洲)上に営造された古墳群である。周辺では南方に塚崎古墳群肝付町)、西方に岡崎古墳群(鹿屋市)、北方に横瀬古墳神領古墳群大崎町)が所在し、本古墳群と合わせて大古墳群を形成する[2][3]。そのうち本古墳群は前方後円墳3基・円墳119基・不明等8基の計130基から構成される(2017年平成29年)時点)[2]

古墳群のうち1号墳(唐仁大塚古墳)は、墳丘長140メートル(一説に154メートル)を測り、鹿児島県で最大規模の古墳になる[2]。また前方後円墳3基(1・16・100号墳)および中型円墳(17・33号墳)を除く古墳はほぼ小規模円墳になる[2]。また域内で地下式横穴墓は認められておらず、周辺の遺跡とは異なる様相を示す(砂丘帯に所在するためか)[2]

この唐仁古墳群は、古墳時代中期頃の営造と推定される[2]。中期初頭の1号墳(大塚)の築造を契機として、1号墳(大塚)→100号墳(役所塚)→16号墳(薬師堂塚)が首長墓系譜をなし、中期後葉には古墳築造を終える[2]。また志布志湾岸においては、塚崎古墳群に後続し、横瀬古墳に先行する盟主的首長墓群に位置づけられる[2]。古墳規模や古墳築造数の特色に加え、周辺遺跡と比較して地下式横穴墓が存在しない点や小規模円墳が多い点で、畿内ヤマト王権勢力との社会的・政治的関係を含めた古墳時代の志布志湾岸を考察するうえで重要視される古墳群になる[2]

古墳群域は1934年昭和9年)に国の史跡に指定されている[1]

遺跡歴

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  • 1923年大正12年)、瀬之口伝九郎が報告[2]
  • 1934年昭和9年)1月22日、132基が国の史跡に指定[2][1]
  • 1962年(昭和37年)、分布調査(鹿児島県教育委員会)[2]
    前方後円墳4基・円墳114基を確認(残14基所在不明)。
  • 1989年度(平成元年度)
    • 100号墳の墳丘測量調査(鹿児島県考古学会、1992年報告書に掲載)[2]
    • 91号墳の遺物確認調査(東串良町教育委員会、1992年報告書に掲載)[2]
  • 1992年度(平成4年度)
    • 1号墳の墳丘測量調査(東串良町教育委員会、1992年に報告書刊行)[2]
    • 132号墳の墳丘確認調査(東串良町教育委員会、1993年に報告書刊行)[2]
  • 1993-1995年度(平成5-7年度)、圃場整備に伴う烏帽子地区内の確認調査(東串良町教育委員会、1996年に報告書刊行)[2]
  • 2008-2016年度(平成20-28年度)、測量等調査(東串良町教育委員会、2017年に報告書刊行)。
    前方後円墳3基・円墳119基を確認(別に1基消滅・1基非古墳の確認。残8基未調査)。

一覧

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16号墳(薬師堂塚古墳)
33号墳(向塚古墳)
100号墳(役所塚古墳)
唐仁古墳群の一覧[2]
通称 座標 形状 墳丘長 備考
1 唐仁大塚古墳 北緯31度21分50.00秒 東経130度59分13.17秒 前方後円墳 140.0m
(154m?)
鹿児島県で最大規模
2 円墳 6.5m
3 円墳 14.1m
4 円墳 21.4m
5 円墳 15.7m
6 円墳 6.6m
7 円墳 1.4m
8 円墳 5.5m
9 円墳 11.0m
10 (未調査)
11 円墳 5.3m
12 円墳 19.2m
13 (未調査)
14 後迫塚古墳 円墳 20.3m
15 円墳 5.9m
16 薬師堂塚古墳 北緯31度21分58.70秒 東経130度59分10.60秒 前方後円墳 47.4m
17 福留塚古墳 北緯31度22分2.85秒 東経130度59分12.50秒 円墳 44.0m
18 円墳 16.0m
19 円墳 10.0m 2008-2009年度に周溝確認調査
20 円墳 18.0m
21 小塚古墳 (未調査)
22 笹塚古墳 (未調査)
23 笹塚古墳 (未調査)
24 笹塚古墳 円墳 17.7m
25 円墳 20.7m
26 円墳 21.5m
27 (未調査)
28 円墳 13.0m
29 スワンヂ塚古墳 円墳 2.3m
30 円墳 3.5m
31 円墳 4.5m
32 円墳 9.6m
33 向塚古墳 北緯31度21分48.75秒 東経130度58分51.45秒 円墳 43.8m
34 円墳 4.6m
35 円墳 12.0m
36 円墳 8.0m
37 円墳 5.6m
38 円墳 4.4m
39 円墳 11.0m
40 円墳 10.0m
41 円墳 7.0m
42 円墳 19.4m
43 円墳 7.6m
44 円墳 11.0m
45 円墳 13.5m
46 (未調査)
47 円墳 15.4m
48 (未調査)
49 円墳 6.2m
50 円墳 3.5m
51 円墳 10.1m
52 (未調査)
53 円墳 11.9m
54 円墳 6.7m
55 円墳 6.3m
56 円墳 21.8m
57 円墳 12.8m
58 円墳 12.2m
59 円墳 7.8m
60 円墳 16.0m
61 円墳 6.2m
62 円墳 18.0m
63 円墳 8.8m
64 円墳 20.4m
65 円墳 14.0m
66 円墳 2.7m
67 円墳 6.5m
68 円墳 4.7m
69 (未調査)
70 円墳 10.2m
71 円墳 18.4m
72 円墳 7.0m
73 円墳 8.8m
74 円墳 15.6m
75 (未調査)
76 円墳 8.6m
77 円墳 18.5m
78 円墳 10.0m
79 円墳 22.6m
80 円墳 9.0m
81 円墳 14.5m
82 円墳 4.6m
83 円墳 6.4m
84 円墳 22.2m
85 (未調査)
86 (未調査)
87 円墳 16.8m
88 (未調査)
89 円墳 17.0m
90 円墳 29.0m
91 円墳 10.0m
92 円墳 27.8m
93 円墳 16.4m
94 (未調査)
95 (未調査)
96 (未調査)
97 円墳 8.2m
98 円墳 15.5m
99 円墳 15.2m
100 役所塚古墳 北緯31度22分1.90秒 東経130度59分7.15秒 前方後円墳 56.5m
(57.0m?)
横瀬古墳と同時期
101 円墳 7.5m
102 円墳 2.1m
103 円墳 13.2m
104 円墳 19.5m
105 円墳 17.3m
106 円墳 22.2m
107 円墳 16.2m
108 (未調査)
109 円墳 7.2m
110 円墳 2.8m
111 円墳 2.9m
112 円墳 3.6m
113 円墳 3.1m
114 円墳 5.4m
115 円墳 3.4m
116 円墳 10.5m
117 円墳 15.6m
118 円墳 9.7m
119 円墳 16.3m
120 - 再調査では古墳存在なし
121 円墳 11.5m
122 (未調査)
123 (未調査)
124 (未調査)
125 (未調査)
126 (未調査)
127 (未調査)
128 (未調査)
129 (未調査)
130 (未調査)
131 - 河川改修で消滅
132 円墳 6.0m

文化財

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国の史跡

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  • 唐仁古墳群 - 1934年(昭和9年)1月22日指定[1]

関連施設

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  • 東串良町郷土研修館(東串良町新川西)- 唐仁古墳群の出土品等を保管・展示。

脚注

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  1. ^ a b c d 唐仁古墳群 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 唐仁古墳群3 2017.
  3. ^ 史跡説明板。

参考文献

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(記事執筆に使用した文献)

  • 史跡説明板(東串良町教育委員会・東串良町文化財保護審議会、1997年設置)
  • 地方自治体発行
  • 事典類
    • 河口貞徳「唐仁古墳群」『国史大辞典吉川弘文館 
    • 大塚初重「唐仁古墳群」『日本古墳大辞典東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607 
    • 「唐仁古墳群」『日本歴史地名大系 47 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。ISBN 4582490476 
    • 唐仁古墳群」『国指定史跡ガイド』講談社  - リンクは朝日新聞社「コトバンク」。

関連文献

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(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 『唐仁古墳群 -1号墳(大塚古墳)の墳丘測量-(東串良町埋蔵文化財調査報告書1)』東串良町教育委員会、1992年。  - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
  • 『西牟田遺跡(付唐仁132号墳)(東串良町埋蔵文化財発掘調査報告書4)』東串良町教育委員会、1993年。 
  • 唐仁古墳群2 -堀込城跡-(東串良町埋蔵文化財発掘調査報告書5』東串良町教育委員会、1996年http://sitereports.nabunken.go.jp/21754  - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
  • 『唐仁古墳群3 -町内遺跡発掘調査等事業に伴う測量等調査報告書-(東串良町埋蔵文化財発掘調査報告書6)』東串良町教育委員会、2017年。 
  • 史跡 唐仁古墳群保存活用計画書 (PDF)』東串良町教育委員会、2021年。  - リンクは東串良町ホームページ。
  • 『唐仁古墳群4 -町内遺跡発掘調査等事業に伴う測量等調査報告書-(東串良町埋蔵文化財発掘調査報告書7)』東串良町教育委員会、2021年。 

関連項目

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外部リンク

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