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伊保島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
伊保島

沖縄戦終結直後に撮影された伊保島(左)
出典:『国土交通省「国土画像情報(カラー空中写真)」(配布元:国土地理院地図・空中写真閲覧サービス)』
所在地 日本の旗 日本沖縄県糸満市
所在海域 東シナ海
所属諸島 沖縄諸島
座標 北緯26度8分40秒 東経127度39分33秒 / 北緯26.14444度 東経127.65917度 / 26.14444; 127.65917 (伊保島)座標: 北緯26度8分40秒 東経127度39分33秒 / 北緯26.14444度 東経127.65917度 / 26.14444; 127.65917 (伊保島)
面積 0.46 km²
最高標高 5.4 m
伊保島の位置(沖縄本島内)
伊保島
伊保島
伊保島 (沖縄本島)
伊保島の位置(沖縄県内)
伊保島
伊保島
伊保島 (沖縄県)
伊保島の位置(日本内)
伊保島
伊保島
伊保島 (日本)
プロジェクト 地形
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伊保島(いほじま[1])は、沖縄本島南部の西にかつて存在した無人島で、仲伊保島(なかいほじま)とも呼ばれていた[2]。1980年(昭和55年)より周囲が埋め立てられ、は消滅した。

地理

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沖縄本島南部の西約1キロメートルに位置し、東シナ海に存在した[2]。面積は0.46平方キロメートル[注 1]、最高標高は5.4メートル、島の長さは750メートル、最大幅は島北部の150メートルで、北西から南東へ弧をなす細長い島であった[1]。沖縄本島南端部の喜屋武岬まで取り巻く礁湖にあり、島の周囲に広がる遠浅の海岸は「珠数潟原(スズカタバル)」と呼ばれていた[2]埋め立て前の周辺のサンゴ礁に、報得川から運ばれた泥土が堆積し、干潟がつくられた[4]地質第四紀完新世沖積層で、島北部に海岸砂丘が形成され、戦前まではアダンが生えていた[1]

歴史

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沖縄県糸満市に属し、大字の「潮平(しおひら)」のうち、小字は「伊保原(いほばる)」であった[5]。伊保島は白い砂州の島であったことから、「シルシナ」と呼ばれ、「イーフ」、「イーユー」、「シノージ」ともいわれた[5]

個人所有の島であったとされ[1]、戦前は豊見城市与根(よね)の住民が小作し、ダイコンスイカなどを栽培していた[5]。しかし、戦後は島の砂を採取するために、干潮時にトラックが往来した[2]。沖縄県は不発弾の最終処理を行うまでの一時保管庫として、1973年(昭和48年)度より伊保島の民間火薬庫を使用し、管理を民間に委託した[6]。その際、不発弾を運搬するための道路が建設され、本島と陸続きとなった[1]。その後、火薬類取締法における地上式一級火薬庫が、1983年(昭和58年)5月に嘉手納弾薬庫地区内に完成した[6]

1980年(昭和55年)から開始された公有水面埋立事業により、島の周囲は埋め立てられた[5]。埋め立て地の面積は約470ヘクタールにおよび、幅約3.5キロメートルのサンゴ礁は、その幅の3分の2が埋め立てられ、消失した[4]。もとの伊保島周辺は西崎町となり、「潮平」の飛地となっていたが、1993年(平成5年)に西崎町5丁目に編入、小字の「伊保原」は廃止され、2011年(平成23年)現在の伊保島が存在した場所は西崎運動公園の西側にあたる[5]

(左)1977年の伊保島(左)。対岸の沖縄本島と道路で結ばれている。
(右)2010年現在の糸満市西崎町。画像中央上部が伊保島があった場所。
出典:『国土交通省「国土画像情報(カラー空中写真)」(配布元:国土地理院地図・空中写真閲覧サービス)』

脚注

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注釈

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  1. ^ 1979年(昭和54年)10月1日現在の面積は0.08平方キロメートル[3]

出典

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  1. ^ a b c d e 「伊保島」、『日本歴史地名大系』(2002年)、p.214下段
  2. ^ a b c d 「仲伊保島」、『角川日本地名大辞典』(1986年)、p.510
  3. ^ 「沖縄県における島しょ別面積(0.01km2以上)」、『昭和55年版 離島関係資料』(1981年)、p.7
  4. ^ a b 「糸満埋立地」、目崎(1988年)、p.60
  5. ^ a b c d e 「第8章 潮平 伊保原」、糸満市史編集委員会編(2011年)、p.398
  6. ^ a b 「不発弾等処理事業の概況」、『消防防災年報 平成30年版』(2019年)、p.137

参考文献

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  • 糸満市史編集委員会編『村落資料 - 旧兼城村編 -』糸満市役所〈糸満市史 資料編13〉、2011年。 全国書誌番号:21942406
  • 沖縄県企画調整部地域離島振興課編『昭和55年版 離島関係資料』沖縄県企画調整部地域離島振興課、1981年。 
  • 沖縄県知事公室防災危機管理課編『消防防災年報 平成30年版』沖縄県知事公室防災危機管理課、2019年。 
  • 角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典 47.沖縄県』角川書店、1986年。ISBN 4-04-001470-7 
  • 平凡社地方資料センター編『日本歴史地名大系第四八巻 沖縄県の地名』平凡社、2002年。ISBN 4-582-49048-4 
  • 目崎茂和『南島の地形 - 沖縄の風景を読む -』沖縄出版、1988年。ISBN 4-900668-09-5 

関連項目

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  • 沖之島 (沖縄県) - 同市に存在した島で、1960年代に周囲が埋め立てられ消滅した。

外部リンク

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