モノドラカンアオイ
モノドラカンアオイ | |||||||||||||||||||||
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||
CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Asarum monodoriflorum Hatus. & Yamahata, 1989[2][3][4] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
モノドラカンアオイ(学名: Asarum monodoriflorum)とは、ウマノスズクサ科カンアオイ属に属する常緑多年草の1種である。葉の裏面は紫色を帯びる。萼筒は開口部が狭くなり、萼裂片上に短毛が生えている。雄しべは12個、雌しべは6個。日本の西表島の限られた地域にのみ分布し、絶滅危惧IA類や国内希少野生動植物種に指定されており、採集や取引が法律で禁止されている。種小名の monodoriflorum は、花がバンレイシ科のモノドラ属(Monodora)のものに似ることに由来し、和名はこの種小名に由来する[5][6]。
特徴
[編集]常緑性の多年草[5][7][6]。葉の葉身は革質、卵心形、先端は鋭頭から鈍頭[5][7][6]。葉の表面は暗緑色、毛が散生する[6]。裏面は帯紫色、脈上に毛がある[6][5]。葉柄は長さ4–10 cm、汚紫色、毛が散生する[6]。
花期は4月から5月。花柄は長さ約 1 cm[6]。花は花弁を欠き、萼片は合着して長さ約8ミリメートル (mm)、直径約 9 mm 程度の筒状の萼筒を形成し、口環は発達し開口部が狭くなる[6][5]。内壁は暗紫色で格子状隆起がある[6]。萼裂片は広卵形から楕円形、長さ 7 mm、幅 10 mm、赤紫色で短毛が密生する[6][5]。雄しべは12個、子房上位、花柱は6個[6][5]。
分布・生育環境
[編集]琉球諸島の西表島の限られた地域のみに分布する[5][7]。山地の常緑広葉樹林の林床に生育する[7]。
保全状況評価
[編集]自生地は西表島のごく狭い1ヶ所のみが知られており、園芸用の採集により個体数が激減している[7]。
絶滅危惧IA類 (CR)(環境省レッドリスト)
モノドラカンアオイは環境省および沖縄県では絶滅危惧IA類に指定されている[8][7]。また国内希少野生動植物種に指定されており、採集や譲渡などが法律で禁じられている[7][9]。IUCNレッドリストカテゴリーでも Critically Endangered (CR)(深刻な危機)に指定されている[7][1]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b “Asarum monodoriflorum”. The IUCN Red List of Threatened Species. Version 2022-2. 2023年1月28日閲覧。
- ^ a b 島袋敬一 (1997). “モノドラカンアオイ”. 琉球列島維管束植物集覧【改訂版】. 九州大学出版会. pp. 196–197. ISBN 4-87378-522-7
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “モノドラカンアオイ”. BG Plants 和名-学名インデックス(YList). 2023年1月28日閲覧。
- ^ “Asarum monodoriflorum”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2023年1月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 菅原敬 (2015). “モノドラカンアオイ”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. p. 66. ISBN 978-4582535310
- ^ a b c d e f g h i j k 初島住彦; 山幡英示 (1989-02). “Illegitimately Published Taxa of Asarum from Japan (II) [有効に発表されていない日本産カンアオイ類 (II)]”. 植物地理・分類研究 (植物地理・分類研究会) 37 (2): 71-73. doi:10.24517/00055956. hdl:2297/00055956. ISSN 0388-6212. CRID 1390009225200441600 .
- ^ a b c d e f g h 新城和治・新島義龍・横田昌嗣 (2018). “モノドラカンアオイ”. 改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)第3版-菌類編・植物編-. 沖縄県. p. 1691
- ^ “モノドラカンアオイ”. 日本のレッドデータ 検索システム. 2023年1月28日閲覧。
- ^ “国内希少野生動植物種一覧”. 環境省. 2023年1月28日閲覧。
外部リンク
[編集]- 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “モノドラカンアオイ”. BG Plants 和名-学名インデックス(YList). 2023年1月28日閲覧。
- “Asarum monodoriflorum”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2023年1月28日閲覧。(英語)
- “モノドラカンアオイ”. 西表島植物図鑑. 2023年1月28日閲覧。
- “モノドラカンアオイ(ものどら寒葵)”. 野の花賛花. 2023年1月28日閲覧。