改造ポケモン
改造ポケモン(かいぞうポケモン)とは、プロアクションリプレイなどの改造ツールを用いて作られたポケモン、またはプロアクションリプレイなどの改造ツールを使用してセーブデータを書き換えたポケットモンスターシリーズのこと。行為のほかに、アイテム・フラグなどの改造を行うことが多い。ポケムーバーやバトルスポットなどゲーム内のチェック機能においては改造個体を「中身に問題のあるポケモン」と表現している。区別のため改造ポケモンでないポケモンのことを「正規ポケモン」「正規」と呼ぶ。
概要
第一世代、第二世代においては、育成の簡略化と幻のポケモンの取得という点で改造が行われてきた(第一世代ではバグが多く、ステータス等が不正なポケモンが改造無しで作れてしまうことも多かった。さらにそのポケモンを互換性がある第二世代へ転送することもある程度は可能だった)。第三世代になると、ルビー・サファイアで出現するポケモンの総数を202種類にしたために、202種類に入らなかった旧世代のポケモンを出現させるために改造をする人が増加した。第四世代からはWi-Fi通信による通信交換が行われるようになったため、GTSを通して改造ポケモンが多く流通しており、問題となっている。
第五世代では隠れ特性が順次解禁という方式を取っており、一部を除いて解禁されているのかいないのか曖昧なものもあったため、改造・配布するプレイヤーが現れる温床にもなっていた。
改造ポケモンを作る手段は、プロアクションリプレイやコードフリークなどの改造ツールのほか、Pokesavなどのセーブデータ改造ツール、スマートフォンのアプリ「Pokecreater」などの通信交換やGTSを利用したものなど多岐にわたる。
判定
改造ポケモンかどうかの判定はID[1]、おや、出会った場所、名前、覚えているわざ、捕まえたボールなどが異常でないかを確かめるのがよい。また、通常手に入れられないレベルのポケモンや、現在改造を使わないと捕まえることができないポケモン、野生では出現しないポケモンなどで見分けることも必要である。ただ、これらの点を合格している(もしくは意図的にあわせている)改造ポケモンもいないわけではないので、注意が必要である[2]。
上記のとおり、一部の入手方法が限定されているポケモンについては入っているボールの種類も改造かどうかを判定する手がかりの1つになっていたが、第五世代においてはポケモンドリームワールド経由でのポケモン配布が多数行われたり、第六世代ではタマゴが親のボールの種類を引き継ぐ仕様がある関係上、今までは改造だと断定できるパターンであったものが改造とは限らなくなってきてしまっているケースが存在する。
例えば御三家のポケモンは原則としてゲーム開始時に貰ったものか、タマゴで生まれたものしかいないため、入っているボールは原則モンスターボールである。しかし、第五世代では攻略本の特典等によって配布された個��はハイリンクのもりで、第六世代以降はフレンドサファリ・島スキャン・マックスレイドバトル・テラレイドバトルで出現する場合はボールを投げて捕まえることになるため、プレシャスボールなどを除いたほとんどのボールに入り得る。フシギダネ・ヒトカゲ・ゼニガメ・キモリ・アチャモ・ミズゴロウについてはサファリボールやコンペボールすら理論上ありうる。
ポケムーバーで転送した場合、送れないポケモンとして弾かれることもある。
ポケモンスタジアムシリーズでは、不正な技を覚えている場合、不正な技とトレーナーの名前が赤文字で表記されるようになっている[3]。
改造ポケモンによく見られる特徴
改造ポケモンは以下のような特徴を持つことが多い。ただし、これに当てはまるからといって改造であるとは限らず、当てはまらないからといって改造ポケモンでないとも限らない。また、レベルや努力値を上げる手段、色違いの出現確率、一部の幻のポケモンの入手方法など、世代が進むに連れて制限が緩和されているものも多く、通常プレイで再現できる個体に関しては、新しい作品ほど判断がしづらい。
種類
- レベル100のポケモン
- 色違いのポケモン
- 幻のポケモン(例: ミュウ、セレビィ)
- 伝説のポケモン(例: フリーザー、ミュウツー)
- 御三家(例: メガニウム、エースバーン)
- 個体値が全て「さいこう」、あるいはこうげきやすばやさだけ「ダメかも」
- 努力値が252-252-4で振り分けが完了している
- 全ての技にポイントアップが最大まで使用されている(第八世代まで)
- 特定の性別の個体数が少ないポケモン(例: ♂のピッピ、♀のミツハニー)
- 厨ポケ(例: トゲキッス、ミミッキュ)
- 隠れ特性が強力なポケモン(例: ミニリュウ、ロコン、ニョロモ、ヤドン)
- 隠れ特性が入手困難なポケモン(例: リリーラ、ナエトル、ミノムッチ)
- 現在または過去にイベントで配信している(された)ポケモン(例: ピカチュウ、イーブイ)
- 稀少アイテムが必要なポケモン(例: サクラビス、ポットデス)
- その他にも育成に手間がかかるポケモン(例: ミロカロス、ネギガナイト)
- 厳選が難しいポケモン
- ニックネームに「.com」「.TV」などとあり、改造配信者や改造個体販売業者へ誘導する意図が窺える個体。
- ポケルスに感染しているポケモン
- そのレベルでは出現しないポケモン(仲間呼びも含む)
- 過去作(第三世代・第四世代など)で入手可能なリボンが多く付けられているポケモン
見分け方の例
あ��まで、見分け方の例である。この項目に当てはまらなかったからといって改造ポケモンでないとは限らない。
- 出会った場所(または出身地)、レベルがおかしい。
- 通常のポケモンで、説明文が「運命的な出会いをした」になっている。
- 逆にオメガルビー・アルファサファイア (ORAS) で捕まえたデオキシスが「運命的な出会いをした」になっていない場合も不正な個体である。
- 逆に、配信ポケモンであるはずにもかかわらず「運命的な出会いをした」と付いていない。
- 通常では覚えないわざを覚えている(配布限定で覚えている場合もあるので注意。タマゴわざやおしえわざもチェックする必要がある)。
- 特性がおかしい(隠れ特性もチェックする必要がある)。
- 特性が空欄だったり、そのポケモンが本来持たない特性(例: ケッキングの特性がヨガパワー)である場合は不正な個体である。
- Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ(ピカブイ)では特性がないため、ピカブイ産ポケモンをPokémon HOMEに連れてきた場合は特性が空欄になる。
- バーチャルコンソール (VC) 産であるにもかかわらず通常特性である場合、隠れ特性の存在しないポケモンとドガース・マタドガス以外は不正な個体である。
- 第八世代以降の作品ではとくせいパッチが存在するため、第三世代・第四世代・Pokémon GO・ピカブイ産で隠れ特性というケースは存在する。
- 名前がおかしい(「ヤドキングラン」などひらがな、カタカナやハングルが合計で7文字以上使われている。アルファベット、数字、記号類のみなら断定不可)。
- 欧米言語版のソフトで出会った場合、英数で12文字(第五世代以前は10文字)までの名前をつけられる。名前の文字数が多いからといって必ずしも改造とは限らない。
- 全角6文字、英数12文字が上限になるのは第六世代からではあるが、親名が5文字(英数10文字)以内であれば、仕様上全角6文字、英数12文字の第五世代以前産のポケモンは正規で存在しうる。
- 親名、あるいは個体名がスペースのみになっているポケモン。これはバグ、あるいは改造でのみ実現可能。
- ポケモンの種類によっては出身マークの有無や種類によって改造かどうか見分けがつく場合がある。
- 第六世代以降のポケモンで、何のマークも付いていない場合は不正な個体である(ただし、ニンフィアやバリコオルのように進化前を旧作で入手できるポケモンや、一部のリージョンフォームを除く)。
- バトルレギュレーションマークは出身マークとは別に付くため判断材料にはならない。
- (進化前を含めて)Pokémon GOに実装されていないポケモンで、GOマークが付いている場合は不正な個体である。
- 第三世代以降のポケモンで、GBマークが付いている場合も不正な個体である(ただし、進化前が第一・第二世代で入手可能なドサイドン、モジャンボ、ジバコイル、ベロベルト、エレキブル、ブーバーン、リーフィア、グレイシア、ポリゴンZ、ニンフィア、アヤシシ、バサギリ、ガチグマ、コノヨザル、リキキリン、ノココッチを除く)。
- ライチュウ、ナッシー、ガラガラ、マタドガス以外のリージョンフォームにGBマークが付いている場合も不正な個体である。
- アンノーンは第七世代には野生で出現せず、タマゴも作れないため、アンノーンにアローラマークが付いている場合は不正な個体である(ORASには出現するため、カロスマークなら問題ない)。
- 第六世代以降のポケモンで、何のマークも付いていない場合は不正な個体である(ただし、ニンフィアやバリコオルのように進化前を旧作で入手できるポケモンや、一部のリージョンフォームを除く)。
- その種族を連れて行くことができない作品でしか入手できないリボンが付いている(第四世代時点で未登場かつブリリアントダイヤモンド・シャイニングパールにも連れて行くことができないランドロスに、シンオウチャンプリボンが付いている場合など)。
- 未進化ポケモンでおやの名前と個体の名前とで言語が違う。半角アルファベットは韓国語のソフトとアルファベット使用言語のソフトでしか使用できないため、例えば日本語の個体名で半角アルファベットのおや名は不正な個体である。全角アルファベットは日本語ROMと中国語のROM以外では使えないため、韓国語の個体名で全角アルファベットのおや名は不正な個体である。
- 同様に、ひらがな・カタカナは日本語版のROM、ハングルは韓国語版のROM、漢字は中国語版のROMでしか使用できないため、例えば、ポケモン名がカタカナでおや名がハングルになっている場合や、その逆の場合なども不正な個体である。
- ゲーム開始時に言語を選択可能になった第六世代以降でも例外ではなく、例えば日本で購入した日本版のROMで、ゲーム開始時に韓国語を選択してスタートすると、日本版ROMであるにも関わらず、(データを消さない限り)ハングルと半角アルファベットしか使用できなくなる。故におや名と個体名の言語が違えばやはり不正な個体となる。
- 進化するポケモンの場合は例外で、進化前にニックネームが付いていない場合に限り、交換先で進化させるとその言語の種族名になる。例えば日本語版で捕まえた、おや名が「レッド」でニックネームが付いていないピカチュウを韓国語版に送って進化させると、おや名が「レッド」でポケモン名が「라이츄」(ライチュウ)になる。これは正規に存在し得る(進化前の状態でおや名と個体名の言語が違っている場合は不正な個体である)。第八世代以降では進化前にニックネームを付けずに進化させた場合元の言語のポケモン名になるため、この例外は当てはまらない。
- 同時入力不可能な文字が2種類以上、1匹の名前に含まれている場合も不正な個体である(例えば「阿ル세uす」〈アルセウス〉や「皮카チゅu」〈ピカチュウ〉など)。
- サン・ムーン (SM)・ウルトラサン・ウルトラムーン (USUM) のみ、中国語設定では日本語と同様に全角アルファベットやひらがな、カタカナを使うため、日本語産のポケモンを中国語デフォルト名にすることが可能。
- NGワードが含まれるおや名、個体名のポケモン。NGワードは改造でない限り付けられない。ただし、ソフトで設定されたNGワードと通信対戦サーバーで設定されたNGワードの種類は違いがあり、後者の方がより範囲が広いとされる。そのため、後者基準のNGワードが含まれたケースは必ずしも改造とは限らないが、前者基準のNGワードが含まれた場合は不正な個体である。
- 第五世代では日本語だけで62単語がNGワードに指定されていたが、第七世代ではそのうち50単語が解禁されているため、判断材料としては現在ではやや不適当と考えられる。
- XDではポケスポットの野生ポケモンと、ギンザルから交換してもらえるポケモン以外は色違いが出ないように設定されているため、リライブされたポケモンの色違いは不正な個体である。
- 入手後に強制的にセーブされ、厳選が不可能なポケモンの高個体値や色違い。現在XDやポケモンコロシアムのポケモンの殆どは乱数調整可能だが、第三世代の配布ポケモンは配達員経由ではなく厳選できないため、性格一致高個体はほぼ確実に改造(正規個体の個体値などを弄った可能性もあるが、弄った時点で改造ポケモンである)。
- 三世代配布に関しては、そもそも性格値のアルゴリズムで3Vまでしか生成出来ないため4V以上は改造確定である。
- 経験値がおかしい(マイナスになっている、アルファベットが入っているなど)。
- レベルが0、もしくは100を超えている場合(例: レベル127のサイドン)。
- 努力値がおかしい。例えば全能力値に252ずつ振られているなど、合計努力値が510を超えている個体は不正な個体である。第七世代以降はステータス画面でも努力値を確認でき、最大まで振った能力値はキラキラと光る為、少なくともこれが3つ以上ある個体は正規プレイでは再現できない。
- 入手可能な最低レベル以下、もしくは出会ったレベルよりも現在のレベルが低い場合(例:「めざめのほこらでレベル45の時に出会った」になっているレベル1のカイオーガなど)。ただし、前者については第七世代の乱入バトルではレベル10のボーマンダなどが正規手段で出現したり、Pokémon GOやピカブイでは通常の作品よりレベルの低いポケモンが出現しうるため、これを判断材料とすることは難しい場合がある。
- ポケモンが正規の方法で入手不可能なアイテムを持っている(サファリボール〈第七世代以前〉、プレシャスボールなど)。
- 捕まえているボールが正規の入手ではありえないボールに入っている(ガンテツボールに入っているダイヤモンド・パール・プラチナ〈DPt〉産ポケモン、クイックボールに入っているタイプ:ヌル、プレシャスボールでもモンスターボールでもない第五世代以前のソフトでの御三家など)。
- ビクティニ、ケルディオ、フーパ、ボルケニオン、コスモッグ、コスモウム、マギアナ、マーシャドー、ダクマ、ウーラオス、ザルード、バドレックス、ブリザポス、レイスポス、ラブトロス、チオンジェン、パオジアン、ディンルー、イーユイ、コライドン、ミライドン、ウネルミナモ、テツノイサハ、イイネイヌ、マシマシラ、キチキギス、オーガポン、ウガツホムラ、タケルライコ、テツノカシラ、テツノイワオ、テラパゴス、モモワロウの色違い。
- その他の伝説・幻のポケモンの色違いは配信などで入手可能だが、入手手段が限られるため判定に利用可能。
- ウツロイド、マッシブーン、フェローチェ、デンジュモク、カミツルギ、テッカグヤ、アクジキングはUSUMで色違いが出現するようになったが、出現場所が前作のSMから変わっており(ウツロイドを例にあげると、SMではヴェラかざんこうえんだったが、USUMではウルトラディープシーへ変わっている)、前作SMで出現していた場所で捕まえたと表記されているが色違いの場合は改造である。
- Pokémon GOでは色違いが実装されていない、遅れて実装されるポケモンが常に一定数存在するため、GOマークが付いている場合はよく確認する必要がある。
- ディアンシー、フーパ、ボルケニオン、マーシャドー、ゼラオラ(通常色)、ザルードにニックネームが付いている場合。これらのポケモンはゲーム内では入手不可能で、プレイヤーがおやになる形で配布されたことがなく、タマゴも作れない。故にニックネームを付けられる個体が正規手段では入手できない。ソード・シールドではデフォルトネームであれば一度だけ他人のポケモンのニックネームを変更できる仕様があるが、これは運命的な出会いをしたポケモンには適用されないため名前を付けられないことに変わりはない。
- ジラーチやゲノセクトは、Pokémon GOから転送したものであればデフォルトネームかつ運命的な出会いにあたらないため、一度だけニックネームを付けられる。
- 色違いのゼラオラ (HOME) は受け取った時に一度だけニックネームを付けられる。
- 伝説のポケモンは、上述の出身マークとの組み合わせ次第で、色違いの個体が不正入手ではないか見分けが付く場合がある。
- 進化させる前は隠れ特性だったが、進化させると通常の特性になる場合は不正な個体である(ただし、進化後のポケモンの隠れ特性が通常特性と同じである場合を除く)。
- 通常では不可能な技の組み合わせを覚えている。例えばサン・ムーンで追加されたタマゴわざを覚えていながら、ORASの教えわざでないと覚えられない技と両立している場合。ただし後者もタマゴわざになっていれば改造ではなく、このような組み合わせそのものが第六世代以降激減していること、リメイクやマイナーチェンジでおしえわざが復活されるケースが多々あることから、判別材料としてはやや不適当と考えられる。
- かわらずのいしを持たせたポケモンを育て屋に預け入れて、何回もタマゴを孵化させているのに、別の性格のポケモンばかりが生まれてくる(第四世代までは特定の条件下でかわらずのいしの効果が無効になることもあるが、大抵の場合親のポケモンが改造であることが原因)。
- 預けたポケモンにミントを使用している場合、引き継がれるのはミント適用後の性格補正のものではなく、トレーナーメモに記載されている性格であるため、注意が必要である。
- 隠れ特性を遺伝させる正規の方法を用いても通常特性のポケモンしか生まれてこない。
- 珍しくないポケモンや配信限定のポケモンがマスターボールに入っている(前者は改造でない場合や裏技で増やしていることもあり得るが、改造である可能性が高い)。
- マスターボールに入っているにも関わらずタマゴわざを覚えている。PDW産やずかんナビ産、しまスキャン産の場合はマスターボールとタマゴわざを両立できるが、マスターボールとタマゴわざの両立がPDW以外ではありえない種族であるにも関わらず通常特性である個体(第七世代まで)。
- 第八世代からは後天的にタマゴ技を習得できるようになったため、これ���当てはまらない。
- 通常の方法で捕獲したポケモンがプレシャスボールに入っている場合。また、ウルトラボールに入っているにも関わらずORAS以前限定の教えわざを覚えている。
- 第七世代では、交換した相手がフェスサークル内に出現するが、改造を行っているプレイヤーは出現しないことがある。
- GTSで表示されるポケモンのイラストと種族名が矛盾している場合(通常プレイにおいて、これらを変更する方法が無いことによる)。
- ミラクル交換・マジカル交換で送られてきた個体に特別なリボン(例: クラシックリボン)がついている場合(そもそも交換することができない)。ただし、通常の通信交換であれ��交換することは可能。
- そのポケモンに付いているはずのリボンが付いていない、または付けられないはずのリボンが付いている。
- 前者はポケモンコロシアムやポケモンXDでスナッチしたポケモンがそれにあたる。これらのポケモンはリライブ完了時にナショナルリボンが必ず付く為、これが付いていない個体は不正な個体である。また、各種イベントで配布されたポケモンにも特定のリボンが付いている事があるが、そういったリボンが付いていない個体も同様である。
- 後者は対戦施設に本来参加できないポケモン(カイオーガやグラードン、レックウザなど)にウイニングリボンやビクトリーリボンなど(第四世代までの対戦施設関連のリボンは第六世代以降はおもいでバトルリボンに変化する)が付けられていた場合、不正な個体である。
- カントリーリボンやワールドリボンといった、ごく限られたポケモンにしか付けられないリボンが付いている場合も改造を疑っていい。
- 第六世代以降出身の準伝説・伝説なのに、個体値最高(V)の箇所が2箇所以下(2V以下)しかない。
- 第六世代以降の上記のポケモンは、基本的にVの箇所が3箇所以上になるようになっている。そのため、めざめるパワーの格闘や最速飛行も存在しない。
ゲームプレイへの影響
ステータスを見たり戦闘で使おうとするとフリーズすることがある。
第二世代以前は不正なポケモンがバグを発生させて、セーブデータが壊れることもあったが、システムが大きく変わった第三世代以降はポケモンのデータがそのポケモン以外のデータに影響を及ぼすことはほとんどなくなった。
また、一部では「改造ポケモンを受け取ると改造がうつる」と言われているが、第三世代以降は改造ポケモンを受け取っただけならそのポケモンを逃がしてしまえばセーブデータ内に不正なデータは残らない[5]。
ソード・シールドではマジカル交換でほぼ100%改造だと思われるポケモンが交換でくることや、YY通信の通信対戦でポケモンの名前が .com などの改造だと思われるポケモンを使う人がいるが基本的に自分への悪影響はない前者は逃しておくことが無難。
GTSとの関連
- GTSでは高個体値の改造ポケモンが多く流通している(見極めが難しいので注意すること)。
- GTSを模したアプリを利用してポケモンを転送する改造手段も存在する (Pokecreater)。
- 第七世代のGTSでは進化前のポケモンを要求した色違いポケモンが大量に流通しているが、交換しようとすると通信エラーが発生する。
改造ポケモンに対する賛否
改造ポケモンの是非については、否定意見が大半を占めるものの、賛否両論がある。
ポケットモンスターシリーズにおいては、配布ポケモンなどのその地域や場所に出向かなければ入手できないポケモンや、映画を見る、攻略本を購入するなど金銭を支払わなければ入手できないポケモンが存在する。そのため、金銭的、時間的、地理的な問題でそれらを入手できなかったユーザーや、いわゆるポケモン商法に批判的なユーザーが改造ポケモンを利用するという例が見受けられる。
また、未公開の幻のポケモンや解禁されていない要素をプレイしたり、解析を行ったりするためには改造的手法が不可分であり、解析手法として実際に改造または改造と類似した手法が用いられていると考えられる。
解析手段としての改造の利用、また通信を行わない、もしくは自らが保有しているソフトの間でのみ通信を行うなど、ほかのユーザーを巻き込まない範囲で行われる改造については、通信交換・対戦を利用する場合と比べると、比較的否定的な意見が少ない。
一方、通信で利用する場合は事情が異なる。特に不特定多数との通信では、改造ポケモンに否定的な意見を持つ人と対戦、交換が行われる可能性があるため、同意がない対戦での改造ポケモンの利用や、通信交換などについては否定的な意見を持つ人が極めて多い。
大多数のポケモンユーザーにとって改造ポケモンの不特定多数の環境での利用は望まれないため、不特定多数との通信でのポケモン交換の利用は両者の納得がある場合以外はほぼ禁止行為とされる。たとえば、ポケモン対戦界において改造ポケモンの保持や利用は強く忌避される禁止行為とされており、改造ポケモンの保持、利用をした場合、単一のみならず複数のコミュニティから追放等制裁を受ける例がしばしば見られる。
2016年には改造プレイヤーに対して前述に加えて本名や住所の公開などといった、私的制裁が行われた例がある。通信での改造利用は、このような炎上リスクも抱える行為であるといえる。
2018年に行われた不正競争防止法[6]改正により、改造ツールの提供が違法であるとされ、日本国内において、プロアクションリプレイやコードフリーク等の改造ツールの販売が終了した。
2019年[7]・2021年[8]には、上記不正競争防止法改正により、改造データを本人に代行して作成・販売したプレイヤーが不正競争防止法違反(改造代行・コピーロックの不正解除)で逮捕された事例がある。
ツイッターなどのSNSでは過去に配布されたポケモンをコピーしたものや、3DSなどで作った改造ポケモンを販売している人がおり、このようなポケモンが交換などで他の人に渡ることがある。知らずのうちに自分がそのようなポケモンを掴まされることがあるので交換をする前に前者はふしぎなカードを提示してもらったり、後者は個体値などを確認することが望ましい。
もっとも、こうした肯定、否定という二元論は、前提として改造ポケモンという概念を認識していることが前提であり、それ自体を知らないプレイヤーは不正なアドバンテージやリスクという観点では改造ポケモンについて認識を持つことができない。
改造に関する意見の例
- 肯定的な意見
- 否定的な意見
- 改造の利用がゲームバランスを破壊する
- 正規の手段で個体を用意することも対戦の実力の内である
- 製作者側のストーリーなどゲーム構成に反するプレイを行えてしまうため、製作者に対する冒涜である
- 製作者側が改造を想定していないためセーブデータなどが壊れる可能性がある
- コミュニティを追放されるリスクがある
- 改造は公式から禁止されている立派な不正行為である
- 改造ポケモンの概念を認識していないプレイヤーの意見
- 改造ポケモンについて何も知らないので、改造ポケモンを掴まされるリスクを想定しておらず、ミラクル交換やGTSなどで掴まされた改造ポケモンを「レアなポケモン」「強いポケモン」程度に思っている
- 改造ツールを自ら利用しているが、改造に対する違反の意識はなく「手軽に任意のデータのポケモンをエディットできる手段」と誤った認識を持っている
公式サイドの見解
- 公式は改造ポケモンの利用を否定する立場をとっている。
- 公式大会などでは、改造ポケモンの使用は禁止され、規制されている[9]。また、インターネット通信を使ったGTSとバトルタワーにおいても改造は禁止とされている[10]。
- 『ポケモンスマッシュ!』では、出演者と対戦するコーナーに応募した子どもが改造ポケモンを使用していたことが発覚し、対戦ができなくなった事例がある[11]。
- Pokecreaterなどのツールに関しては、名指しはしないものの公式が声明を出している[12]。
- 日本では2018年3月にウルトラサン・ウルトラムーンのセーブデータ改造代行をした人物が不正競争防止法違反として摘発され、罰金30万円の略式命令を受けた[13]。
その他
- 改造ツール製作側は、改造ツール使用中の通信を推奨していない[14]。
- ジムリーダーなど登場人物のポケモンを改造によって再現しようとする人もいる[15]。
- 捕まえたボールの情報が不正な改造ポケモンを別の世代のソフトに移すと、捕まえたボールの色がおかしくなることがある。
- サン・ムーンの���リエシティのポケモンセンターには「マジ? ミラクル交換でミュウツーがきたんだけど!」と驚くモブの少年がおり[16]、これは改造ポケモンに対する皮肉を込めたメタフィクション要素と言える。なお、発売当初はポケモンバンクがサン・ムーンに対応する前であったので、少なくとも発売当初の時点ではミュウツーが流れた場合、確実に不正な個体であった。
脚注
- ↑ スタート時のIDを任意のものにするという乱数調整の手法が確立しているため、正規のポケモンでもIDが一見不正のものに見えるようなポケモンも存在する。
- ↑ つじつまを合わせた改造を行う、Pokesavなどのソフトが存在するが、これも見た目を合わせただけの不正なポケモンである。
- ↑ この判定は発売時点での基準となっている。このため、例えばポケモンスタジアム2で金銀以降でのみ習得可能な第一世代の技をタイムカプセル経由で覚えた正規のポケモンも不正扱いと判定されてしまう。
- ↑ 第五世代までは非常に厳選難易度が高かった(第六世代以降、伝説のポケモンの個体値は3V確定となった。また第七世代ではすごいとっくん、第八世代ではミントが登場した)。現在では伝説のポケモンの厳選がしやすくなったこと、ORAS以降は出身マークの無いポケモンはレーティングバトルに参加不可能であることから、価値が無くなったとして過去作産の優秀な個体を手放す場合も珍しくなくなっている。
- ↑ ただし、逃がすことができない不正なポケモンも存在する。
- ↑ 平成30年法律第33号における不正競争防止法の改正によるもの。不正競争防止法 直近の改正(平成30年)-経済産業省
- ↑ "ポケモンのソフト改造販売「稼げるのでやめられず」". 読売新聞オンライン (2019年7月1日). 2019年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2023年5月27日閲覧。
- ↑ "パソコンで改造したポケモンをSwitchで販売した疑い 23歳逮捕 愛知県警". 毎日新聞 (2021年2月4日). Yahoo!ニュース. 2021年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2023年5月27日閲覧。
- ↑ 改造ポケモンを利用して公式大会に出たことが判明したプレイヤーは、各種ランキングから除外される等の措置がとられている。
- ↑ "「ポケットモンスターダイヤモンド・パール」のルールに関するお知らせ". ポケットモンスターオフィシャルサイト (2006年11月24日). 2020年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2023年5月27日閲覧。
- ↑ 山本ひろし(ロバート) [@yamamotoperoshi] (2011年11月11日). "ポケスマのポケモンバトルで子供が改造ポケモン仕様のためバトル参加できなくなってしまい泣き出した。" (ツイート). Twitterより2023年5月23日閲覧。
- ↑ 株式会社ポケモン, 任天堂株式会社 (2013年6月28日). "『ポケットモンスター』シリーズをお楽しみ頂いている皆さまへお知らせ". 任天堂ホームページ. 2023年5月27日閲覧。
- ↑ "ゲームのセーブデータの改造代行、不正競争防止法違反で初摘発". ねとらぼ (2019年7月1日).
- ↑ コードフリークARでは「オンラインモードで影響が出る可能性のある改造コードは公開しない」旨を明らかにしている。
- ↑ 金・銀におけるワタルなど、改造を行わないと再現できないポケモンを持っているトレーナーも存在する。
- ↑ ウルトラサン・ウルトラムーンでは「色違いのポケモン」に変更されている。