「俺の名前はフォックス、フォックス・マクラウド。コーネリア軍の元パイロットだった俺の父が設立したやとわれ遊撃隊“スターフォックス”のリーダーを務めている。父は5年前、コーネリア軍のペパー将軍の依頼により、不穏な動きを見せる惑星ベノムの調査に向かい、そこで命を落とした。惑星ベノムは、かつてペパー将軍が追放した狂気の科学者、Dr.アンドルフが潜む辺境の惑星だ。父の親友のペッピー・ヘア。そ��て自ら入隊を希望したピグマ・デンガーの三人だった。だが、その時すでにピグマはアンドルフに寝返っていた…。奴の裏切りによって父とペッピーは罠に落ちた。あわやというところで、父は何とかペッピーだけを脱出させたんだ。命からがら帰還したペッピーからは父の最期のこと…。それと共に、Dr.アンドルフが強大な軍隊を結成し、ライラット系のすべての惑星の侵略を準備していると言う驚くべき事態が告げられた! これが“ライラット・ウォーズ”の始まりだった。それ以来、ライラット系の各他でコーネリア軍とアンドルフ軍の戦いが繰り返されてきた。俺は父の遺志を継ぎ、アンドルフ軍と戦うため様々な兵器を開始し、頼もしい三人の仲間を集め再びスターフォックスを結成した。スリッピー・トードは、士官学校からの親友で優秀な科学技術者だ。ファルコ・ランバルディは、能度の悪い男だが、信頼のおける凄腕パイロットだ。ペッピー・ヘア、父と一緒に戦っていた彼は、今でもチームで俺を支えてくれている。そして今日…。久々に訪れた惑星コーネリアで、ペパー将軍からの緊急メッセージを受信した。コーネリア都市が、突如現れたアンドルフ軍に大規模な攻撃を受けているらしい。いよいよ俺達の力を存分に発揮する時が来た! “待ってろよ、アンドルフ!”」
—フォックス・マクラウド(Wii Uのコンピュータゲーム『スターフォックス ゼロ』より)
『スターフォックス ゼロ』(Star Fox Zero)は、任天堂より2016年4月21日に発売されたWii U専用シューティングゲーム。
概要[]
やとわれ遊撃隊「スターフォックス」と、その宿敵アンドルフの戦いを描くシューティングゲーム。『スターフォックス コマンド』以来、10年ぶりの完全新作となる。本作はWii U GamePadのジャイロセンサーを活かした操作方法が用いられている。
2014年のE3開催前にロサンゼルスで行われた「Wii U GamePadを使った新しい遊び」をテーマにした特別イベントで発表され、イベントでは宮本茂自らプレゼンテーションを行った。開発は任天堂とプラチナゲームズの協力によるもので、宮本が直接ディレクションの担当をし「任天堂内製と同じ作り方をする」としている。
タイトルの「ゼロ」は『スターフォックス64』をベースにいちから作り直している一方、単なるリメイクでもないことから名付けられた。ロゴには漢字の「零」が用いられており、これは日本人の文化を意識したことからである。
通常版のほか、『スターフォックス ガード』のパッケージ版とセットになった『スターフォックス ゼロ+スターフォックス ガード』ダブルパックも発売された。
発売日の2016年4月21日には、本作の発売記念としてショートアニメ『スターフォックス ゼロ ザ・バトル・ビギンズ』が公開された。
システム[]
- ストーリー
- 今作は『スターフォックス64』を再構成したもので、前日譚や続編といったものではない。宮本は「大きなストーリーは持っているが、現代のプレイスタイルにあわせて、小さなストーリーを選んで遊ぶ形にしている」としている。
- 本作では新要素として「転送装置」が登場しており、ペパー将軍側とアンドルフ側がこれを巡って争う構図が描かれている。
- 操作
- テレビ画面には自機とその周囲、Wii U GamePadにはコックピット視点の映像が表示される。テレビ画面を見ながら飛行、Wii U GamePadの画面で敵を狙い撃つという、2画面を活かした遊びが楽しめる。なお、フレームレートはどちらの画面も60fpsである。
- また、Wii U PRO コントローラーもしくはWiiリモコンとヌンチャクを持ったプレイヤーが自機の操縦を担当し、Wii U GamePadを持ったもう一人のプレイヤーがジャイロセンサーを利用した攻撃を担当するといった協力プレイにも対応している。
- ゲームシステム
- ゲーム開始時点で使用できる機体はアーウィンのみであり、特定ステージをクリアすることでウォーカーへの変形などが解禁される。
- レーザーパワーアップやスマートボム残量、仲間の状態はステージ間で引き継がれず、どのステージも必ずシングルレーザーおよびボム3個で開始される。
- ウォーカーへの変形のためアーウィンの主翼が破損するシステムはオミットされている。かわりにハイパーレーザーの場合、敵機からのレーザー攻撃や敵機、障害物等への激突によるダメージ蓄積量でレーザーがツインレーザーへとパワーダウンする。
- 敵機をロックオンした直後にチャージ弾を放つことで色の異なる通常より強力なチャージ弾が発射される。
- 『64』同様のチャージ弾の爆風ダメージによる融爆ボーナスに加え、撃墜され炎を吹きながら落下する敵機を追い撃ち撃破することでさらにHIT+1のボーナスが加算される。
- 『64』同様、通常のクリアによる「作戦終了」と特定条件を満たすことによる「作戦完了」があり、ステージ分岐先が異なる。「作戦終了」のみのステージもある。
- 各ステージには複数の勲章が設定されており、『64』同様の規定値以上の撃墜数の達成や特定条件下でのステージクリアに加え、ステージ上に配置された勲章アイテム、スーパーゴールドリング3個および勲章メダル10個の収集や特定条件下での敵機の撃破などで勲章が得られる。取得した勲章は自動的に記録されるため1プレイで全ての勲章を獲得する必要はない。
- ステージ途中には��レビ画面に演出のためのデモムービーが時折挟まれるがデモムービー中も機体を操作することができ、コクピットビューで敵機を撃破することができる。
- ステージクリア時に仲間のシールド残量に応じたボーナスが撃墜数に追加される。1機あたり最大10HITであり、最大で合計30HITの加算となる。
登場人物[]
- キャラクターの声には『スターフォックス64 3D』の声優を起用している。
主要人物[]
- フォックス・マクラウド
- 声:大原崇
- 主人公。物語の5年前に亡くなった父の遺志を継ぐべく、若くしてやとわれ遊撃隊「スターフォックス」のリーダーを務める。
- ファルコ・ランバルディ
- 宇宙暴走族「FREE AS A BIRD」の元ヘッド。戦闘機の操縦はフォックスを凌ぐ腕前で、その腕を買われスターフォックスにスカウトされた。
- ペッピー・ヘア
- フォックスの父ジェームズが率いていた初代スターフォックスのメンバーでもあったベテランパイロット。その知識と経験で亡きジェームズに代わりフォックスをサポートする。
- スリッピー・トード
- フォックスの宇宙アカデミー時代からの親友で、チームのムードメーカー。戦闘機の操縦能力は低いものの、メカニックエンジニアとしては優秀。
- ナウス
- スターフォックスの母艦「グレートフォックス」の専属航海士ロボット。フォックスたちにアイテムを送るなどの支援を行う。
- スターウルフ
- リーダーのウルフ・オドネル(声:高口公介)、殺し屋のレオン・ポワルスキー(声:大原崇)、初代スターフォックスの元メンバーのピグマ・デンガー(声:最上嗣生)、Dr.アンドルフの甥のアンドリュー・オイッコニー(声:阿部敦)で構成されるやとわれ遊撃隊で、スターフォックスのライバルチーム。Dr.アンドルフからの指示を受け、戦闘機「ウルフェン」でスターフォックスの前に立ちはだかる。
- 今作ではスターウルフとのドッグファイトも新しくなっており、先述にあるように特定のステージの追加ミッションでの対決や、ピグマやアンドリューが特殊な攻撃を行うほか、コースの分岐にも影響する。
- ペパー将軍
- 声:最上嗣生
- コーネリア防衛軍の司令官。Dr.アンドルフの撃退をスターフォックスに依頼する。フォックス達と出撃前にブリーフィングを行う。
- ジェームズ・マクラウド
- 声:坂本くんぺい
- フォックスの父親で、初代スターフォックスのリーダー。アンドルフとの戦いで罠にはめられ、命を落としたと言われている。
- Dr.アンドルフ
- 声:最上嗣生
- コーネリア防衛軍に所属していた科学者。自身の発明でコーネリアを危機に晒しベノムへ永久追放されたが、その追放先のベノムで力をつけ、ライラット系を侵略すべく戦争を開始する。
その他の人物[]
- キャット・モンロー
- 声:はやみけい
- ファルコの元暴走族仲間の女性パイロット。
- ビル・グレイ
- 声:阿部敦
- フォックスの���宙アカデミー在学時代からの友人。
- カイマン
- 声:大原崇
- アンドルフ軍の上級兵の一人で、唯一名前が公表されている。主に敵部隊の指揮を執る役だが、ルートによっては巨大戦艦に乗って自ら戦う。
機体[]
- アーウィン 超高性能全領域戦闘機
- 運動性能に優れたスターフォックスの主力戦闘機。今作ではハイパーレーザー時にチャージ弾のロックオンを敵機2体同時に行うことが可能となった。『スターフォックス2』で採用される予定だった「ウォーカー」という対地強襲用二足歩行形態が加わり飛行形態では入りにくいところへの侵入が可能になった。アーウィンが使用可能なステージであれば強制スクロール、オールレンジモード、地面の有無問わず変形できる。またオールレンジモードでウォーカー形態になると変形地点で即座にホバリング動作となる。
- ランドマスター 超高性能回転式地対空戦車
- 戦車型の機体。攻撃力に優れており、今作では敵機3体同時ロックオンに加え、反重力飛翔形態「グラヴマスター」に変形し短時間ながらも飛行することが可能になった。今作ではチャージ弾はミサイルとなっている。
- ジャイロウィング AI搭載型作業機
- 今作で新たに登場する偵察機。元々はコーネリア防衛軍の所有する機体だった。ホバリング飛行や後退といった小回りの効く移動に加え、偵察ロボット「ダイレクトアイ」を投下し敵のコンピュータのハッキングや爆発物の運搬などを行うことも可能。移動速度は遅い。レーザーやミサイルを搭載しているが、基本的に戦闘は不得手。
- ウルフェン 超高性能全領域戦闘機
- スターウルフの主力戦闘機。特定のステージをプレイしていると乱入してくる。
- 『64』で登場したウルフェンⅡは登場しないものの、特定のステージではツインレーザーとなっており、4足の対地強襲用歩行形態「ハンター」へと変形する。
- レオン以外の3名は、特殊ステージでは半分以上ダメージを与えると専用技を使ってくる。
- キャット・ウィング
- キャットが搭乗する戦闘機。レーザーはシングルのみ。
- コーネリア・ファイター
- コーネリア防衛軍の主力戦闘機。
クレジット[]
- スターフォックス ゼロ/クレジット
ギャラリー[]
- スターフォックス ゼロ/ギャラリー
動画[]
- スターフォックス ゼロ/動画
外部リンク[]