Wikipedia:特筆性 (書籍)
この文書はウィキペディア日本語版の方針やガイドラインとして提案中です。内容に関してノートページで議論を行っています。 |
このページのノートに、このページに関する確認があります。 確認の要約:解説文の解釈の確認 |
Wikipedia:独立記事作成の目安 |
---|
分野別ガイド |
競走馬 |
この文書は長期に渡って更新されておらず、現在の実態に沿っていない可能性があります。修正の提案はWikipedia‐ノート:特筆性 (書籍)にお願いします。 |
このページでは、ウィキペディアにおける書籍の特筆性についての大まかなガイドラインを提示しています。ウィキペディアの編集者はこのガイドラインを参考に、ある書籍がウィキペディアにおいて記事を持つにふさわしいかどうかを判断してください。このガイドラインを満たす書籍であれば、一般に記事とするにふさわしいものと見なされますが、しかしだからと言って、ガイドラインを満たさない書籍の記事が即時削除の対象となるわけではありません。
以下のガイドラインは、Wikipedia:独立記事作成の目安の中の書籍を対象とした一部門と考えられるものです。従って他のページと同じく、このガイドラインも以下に示すようなウィキペディアの方針に則っています。
もしあなたがある書籍の特筆性を主張したいなら、それは検証可能性に沿って行なわなければなりません。信頼できる情報源によって特筆性を実証することなしに、ただ力説するだけではあなたの主張は受け入れられないでしょう。
ここで言う「特筆性」とは、書籍そのものの価値を反映したものでは必ずしもありません。いくら良く書けていて、魅力的で、話題性のある本であろうと、特筆性を示すのに十分な情報源がいまだ存在しないのであれば、その書籍は百科事典の記事となるべきではありません。
適用範囲
[編集]「書籍」という言葉は広い意味を持ちますが、このガイドラインではいくつかの特殊な性格を持つ出版物、たとえば漫画本[注 1] 、雑誌、参考図書(辞書、事典、地図帳など)、音楽関連の書籍(教本や注釈本、歌劇の台本など)、各種の教程本や受験参考書といったものに対する判断基準を示していません。これらのガイドラインもそのうち整備されていくことになるでしょうが、それまでは以下の判断基準をもとにしてこれらについての特筆性を推定することになるでしょう。
以下の判断基準はe-bookなど電子媒体による書籍にも適用されますが、この場合はウェブを対象とした特筆性の規定(Wikipedia:特筆性 (ウェブ))も加味されることになります。
判断基準
[編集]ある書籍が以下に示す基準のうち、どれか一つでも当てはまることが信頼できる情報源によって実証されるのであれば、その書籍はWikipediaにおいて一般に特筆性を持つと考えられます。
- その書籍が、その書籍自体とは無関係な発信元から公開された、複数の、瑣末でない[注 2]情報源において主題となっている[注 3]場合。この情報源には、新聞・雑誌の記事や他の書籍、テレビのドキュメンタリー、書評など、あらゆる種類の媒体によるものを含みます。そしてこれらの情報源のいくつかは、その書籍の記事を単なる内容の要約以上のものにするための、十分な量の批評的・批判的な記述を含んでいるべきです。プレス・リリースやチラシなど、その書籍と著者、出版者となんらかの提携・協力関係にある発信元が公開した広告や言及は、この情報源から除外されます。
- その書籍が、著名な文学賞や学術の賞を受賞している場合。
- その書籍が、著名な映画その他の芸術作品や、著名な政治的運動、宗教運動、その他の事件、出来事に重大な貢献をしたことが、信頼できる情報源によって明らかである場合。
- その書籍が、特定の国家において複数の小学校、中学校、高校、大学、その他の公的な教育機関で学習の対象となっている場合[注 4]。
- その書籍の著者が歴史的に重要な人物であるため、その人物の著作であればいずれも特筆性を持つと考えられる場合[注 5]。
その他の留意点
[編集]ISBN
[編集]ISBN(国際標準図書番号)の有無は、特筆性とは無関係です。少し昔の書籍には、当然ですがISBNがありませんし、現代でも官公庁の出版物などISBNを持たない書籍は少なくありません。一方で、ISBNは自費出版や同人誌でも付けることができます。
図書館
[編集]特筆性を持つ書籍は、通常多くの図書館に所蔵されていると考えられます。ただし、納本制度によって(自費出版や同人誌も含め)納本が義務付けられているような国立図書館(日本では国立国会図書館)で所蔵されていることは、特筆性の根拠にはなりません。また、著者や出版者が(宣伝目的や善意から)多数の図書館に寄贈するような場合もあるため、「多くの図書館にある本」が「多くの図書館によって選定され購入された本」とは限りません。
自費出版物
[編集]上記の点に関して、自費出版の書籍であっても、必ずしも特筆性を持たない書籍ばかりではないということに注意してください。例えば著名な作家が自費出版したものなどは特筆性を持つ可能性があります。このような場合も、上述の「判断基準」に当てはまっているかどうかで特筆性が判断されます。
同様の観点から、もしある書籍の記事の立項者がその書籍の著者自身であったり、またはその他の利害関係を持つ人物である場合、そのことは通常その記事の存続に不利に働きます(Wikipedia:自分自身の記事をつくらないに関連する情報があります)。
オンライン書店
[編集]Amazon.comやbk1などのオンライン書店が取り扱う書籍には多数の自費出版物が含まれているため、これらの書店に取り扱いがあるというだけでは書籍の特筆性を立証することにはなりません。また現時点では、これらの書店で売り上げランキングに載ったということを特筆性の判断材料にできるという合意は存在しません。
出版前の書籍
[編集]Wikipediaは未来を予測する場所ではありません。まだ出版されていない書籍の記事を書くことは決して推奨されません。出版前の書籍の記事が書きうるのは、その書籍がこのページのガイドラインに沿っている場合よりも、むしろ典型的には「その書籍の出版予定」それ自体に特筆性がある場合です。その場合でも、複数の独立した情報源によってその書籍が確かに出版されることが証拠立てられ、それらの情報源によって書籍のタイトルやおおよその出版時期が示されるべきです。
歴史的な書物
[編集]ほとんどの場合、特筆性の問題で削除依頼にかけられるのは近代以降の書籍の記事であり、上記の「判断基準」も主に近代以降の記事を対象としています。従って近代以前の書籍の特筆性が問題になった場合、上記の判断基準を当てはめて考えるのは適切でないかもしれません。そのような場合、その書籍が広く引用されたり研究の対象とされたりしているか、現代においても再版されているか、過去に広く読まれたことがあるか、文学や学問の歴史に名を留めているか、といったことを考慮しつつ、常識的な判断を行なってください。
専門書・学術書
[編集]専門書や学術書は、多くの場合一般の人々のために書かれた書物とは違った役割を持ち、また違った出版のプロセスを経ています。これらの書物はしばしば高度に専門化され、比較的小部数しか発行されず、場合によっては専門的な図書館や書店でしか利用できません。このような理由で、主に一般向けの書籍を対象としている上記の「判断基準」の多くは専門書・学術書には適合しません。この場合でも、よく知られた学術出版社[注 6]から出版されているか、他の研究者の著書・論文などで広く引用されているか、その専門分野で影響力を持っているか、公的なあるいは著名な教育機関で学習の対象となっているか、といったことを考慮しつつ、常識に従って判断してください。
記事の分割
[編集]ウィキペディアでは記事を分割する場合、一般に分割された記事が特筆性の基準を下回るべきではないと考えられています。ある書籍が特筆性を持つものであっても、その書籍で取り扱われている事項や登場人物には特筆性がない場合がしばしばあり、安易にこれらの記事を分割するべきではありません。無論、これらの書籍内の事項が特筆性を持っていると考えられるような場合もあります(Wikipedia:特筆性 (フィクション)に関連する情報があります)。
書籍それ自体に特筆性がなかったり、あるいは特筆性はあっても著者の記事がすでにあるようなとき、場合によっては書籍の記事を新たに立ち上げるよりも、著者の記事に書籍の記事を組み込んだほうが良いこともあります。
注釈
[編集]- ^ 漫画についてはプロジェクト:漫画#特筆性に指針が設けられています。
- ^ ここで言う「瑣末」な情報源とは、私人のウェブサイトやブログ、掲示板、動画投稿サイト、ウィキなど、信頼できる情報源に当てはまらないものを指します。
- ^ 「主題となっている」とは、その情報源において些細でない取り扱いを受けているということであり、ただ単に書名や著者名に触れているだけであったり、商品リストに記載されているだけというような、その書籍に関する重要な情報を含まないようなものは当てはまりません。
- ^ この基準は、教科書や学習参考書など、特定の教育プログラムのために制作された書籍は対象としていません。著名な哲学書、文学書、科学書などのように、書籍それ自体が学習の対象となっているものを指しています。
- ^ 例えば、その人物の生涯なり、作品なりが、公的な教育機関において学習の対象となっているような場合です。
- ^ よく知られた学術出版社によって出版された書籍は、出版社の非商業的な性格や、その出版物が十分な査読を経ていると考えられることから、一般によく知られた商業的な出版社による主流の書籍よりも重要性の水準が高いと考えるべきです。