F-86D (航空機)
F-86D セイバー
F-86D セイバー(North American F-86D Sabre )は、アメリカ合衆国のノースアメリカン社が開発し、アメリカ空軍などで運用されたジェット戦闘機。
主に全天候要撃機として運用された。D型のほかに改良されたG型、K型、L型がある。F-86の一型式であるため公式の愛称は原型機と同じく「セイバー (Sabre)」であるが、他の型式と異なる独特な機首形状と形式のDをかけて「セイバードッグ (Sabre Dog)」とも呼ばれた。
概要
[編集]冷戦が始まると、アメリカでは脅威を増しつつあったソ連の爆撃機に対抗できる要撃機を短期間かつ大量に製造する必要に迫られた。これに応じる形で1949年3月28日にNA-164として自主開発が開始された本機は、F-86Aをベースにしたことで僅か9か月足らずで初飛行に成功したが、大幅な設計変更で外見から性能まで異なる機体であり、部品の共通率も25%に留まった。このため当初はYF-95Aという名称で発注されたが、朝鮮戦争による財政悪化のため、F-86の派生型という名目で予算を確保し採用に至る。
1951年に初めてアメリカ空軍に配備され、1954年半ばには防空軍団所属の総機数1,045機の内1,026機を占めるに至った。また、これとは別に能力低下型F-86KがNATO諸国で使用された。
本機は、より高性能の要撃機が登場してからは余剰機が他国へ広く輸出されたが、1970年代初頭までには概ね退役している。
特徴
[編集]大きな特徴は、全天候型レーダーと連動するE-4 FCSを備えたために飛び出して鼻のように見えるレドームである。設計当初はレーダー操作員を同乗させる複座機として計画されていたが、機体性能の低下に加えて燃料容量が減少してしまうことから断念し、レーダー搭載ジェット戦闘機としては初の単座機となった。このため自動化された迎撃用FCSを新開発し搭載することとなり、これがE-4となった。
E-4は当時最先端の電子機器であったが、当初は開発遅延[1]と品質管理上の問題がつきまとい、複雑な構造故に整備も難しかった。また、操縦の負担軽減のためエンジンの自動燃料コントロールシステムが搭載されたが、こちらも当初は故障が多く、就役して数か月の間には自動燃料コントロールシステムの不調が原因によるエンジン停止や火災事故が多発した。視界不良でも飛ばなければならない全天候戦闘機であることに加え、信頼性の低い自動化システムは常に監視の必要があったため、レーダースコープを見ながらの戦闘飛行はほぼ常に外を見る余裕のない計器飛行となった。このような事情から操縦とレーダー操作を同時に行うパイロットの負担は大きく「手が3本必要」とも言われた[2]。アメリカ空軍でもB-47を含むどんな機種と比べても、飛行訓練に時間がかかることを認めざるを得なかった。
さらに生産途上でさまざまな改良を受けたことで、製造ブロックごとに整備方法が異なった機体が運用され、改修される度に整備の負担が増すという事態となった。運用上の問題点を解決するため1954年3月には「プロジェクト・プルアウト」という根本的な改修作業を約1,125機に対して実施したが、その後も整備の困難さは依然として付きまとった。
機体面ではエンジンにアフターバーナーが追加された他、全遊動式水平尾翼やドラッグシュートも装備している。これによってさらなる高速化を果たし、当時の全天候戦闘機の中では随一の性能を誇った[3]。胴体下部には唯一の兵装である「Mk4 FFAR マイティ・マウス」24連式空対空ロケット弾を装填する引き込み式ロケットパックが設置されている。マイテ���・マウスは自機と高速で交差する爆撃機の撃墜を目的とし、機体のFCSが計算した唯一のタイミングに一斉発射される[4]。空対空ミサイルが未発達だった当時は最も強力な空対空兵装であり、本機は機銃を廃止してロケット弾のみを主兵装とした最初の戦闘機となった。ただ、ロケットパック展開時は抵抗増大による機首下げモーメントが発生するため、自動的に水平尾翼が上げ舵になることで機首が上向きに補正されるようになっている。
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機体正面
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コックピット
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機体下面に備わるマイティ・マウス用ロケットパック
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マイティ・マウスを発射するF-86D
記録
[編集]本機は速度記録を2回樹立している。まず1952年11月19日にアメリカ空軍のJ・スレイド・ナッシュ大尉が1,124.14km/hを達成した。翌年7月16日には同じくアメリカ空軍のウィリアム・F・バーンズ中佐が1,151.8km/hを達成し記録を更新した。いずれもカリフォルニア州のソルトン湖上空で記録されたもので、高温の環境と高気圧が記録達成に有利に働いたという。
バリエーション
[編集]- F-86D
- 基本型。細かな改良によってD-1、D-5、D-10、D-15、D-20、D-25、D-30、D-35、D-40、D-45、D-50、D-55、D-60のサブタイプがあり、D-5~D-40型は当初装備していなかったドラッグシュートを追加装備したことでD-6~D-41と番号が1ずつ繰り上げられている。2,504機製造。
- F-86G
- J47-GE-33エンジンを搭載したもの。406機が生産されたが、後に前述のD-60型に改称された。
- F-86K
- D型のFCSを軍事機密上の理由からダウングレード型のMG-4に、武装を空対空ロケット弾ではなくM24A1 20mm機関砲4門に変更したNATO諸国向け。イタリアのフィアット社がノースアメリカン社から提供された部品で221機を製造したが、同社の生産能力が追い付かなかったことから、ノースアメリカン社でも120機が製造された。
- F-86L
- 「フォローオン」プロジェクトによって、D型にSAGEと連動するデータリンクシステムなどを始めとする電子装置の追加やF-40型相当への主翼の改良などを行った機体。981機がD型から改造された。対象となったのはD-11~D-41、D-45~D-60で、当初はD-12~D-42、D-46~D-61と番号をさらに繰り上げて呼称されていた。SAGEと連動した最初の戦闘機であり、またアメリカ空軍で第一線運用された最後のF-86となった。
採用国
[編集]- ギリシャ
- タイ
- アメリカ以外でF-86Lを導入した唯一の国で、20機を運用。
- 中華民国
- F-86Dを18機運用。
- トルコ
- 西ドイツ
- 第74戦闘航空団がF-86Kを運用。F-104Gの配備に伴い退役。
- ノルウェー
- 1955年にF-86Kを取得。
- デンマーク
- 1958年に59機のF-86Dを導入。
- フィリピン
- 20機のF-86Dを運用。
- フランス
- フランス空軍が1956年からF-86Kを62機取得した。ミラージュIIIの配備に伴い退役。
- ベネズエラ
- 西ドイツ空軍からF-86Kを取得。
- ホンジュラス
- ベネズエラ空軍からF-86Kを数機取得。
- ユーゴスラビア社会主義連邦共和国
- 取得したF-86Dの一部はロケットパックをカメラに換装した偵察機に改造しIF-86D[5]と呼称した。
- 日本
- 航空自衛隊が初めて得た全天候戦闘機であるF-86Dは1958年(昭和33年)から供与が始まり、同年8月1日に第101飛行隊を編成後、1962年までに第102、第103、第105の計4個飛行隊[6][7]が編成、計122機(内24機は部品取り用[7])が配備された。配備された122機のほとんどが、F-102への機材変更で不要になった在日米軍の中古機体を供与されたものであった。なお、自衛隊内での愛称はF-86Fの「旭光」とは異なり「月光」である。
- 電子機器に使用された真空管は湿度の高い日本で故障を繰り返し、航空自衛隊へのF-104配備や部品の枯渇による稼働率低下もあって、F-86Dを配備していた部隊は徐々に姿を消していった。最後まで残った第103飛行隊も1968年(昭和43年)10月に解散し、F-86Dの運用は10年程度の短い期間に留まることとなったが、本機の運用実績から航空自衛隊は全天候戦闘機運用のノウハウを得た。
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航空自衛隊奈良基地にて屋外展示される機体(2013年)
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小松基地で展示される機体(2014年)
スペック(F-86D)
[編集]- 全幅:11.3m
- 全長:12.29m
- 全高:4.57m
- 主翼面積:27.76m2
- 空虚重量:5,656kg
- 最大離陸重量:7,756kg
- エンジン:J47-GE-17Bまたは-33
- 推力:33.35kN(アフターバーナー使用時)
- 最高速度:1,138km/h=M0.92(海面高度)
- 実用上昇限度:16,640m
- 航続距離:1,344km
- 武装
- Mk4 FFAR マイティ・マウス24連式空対空ロケット弾
- 海外供与機の一部は主翼下にAIM-9サイドワインダー空対空ミサイルを携行可能
- 乗員:1名
現存する機体
[編集]- 多数が現存する機体であり、各国ごとに運用された当時の機体番号が異なるため、型と製造番号の順に並べてある。
- 日本をはじめ米国外でも世界各地で展示されているが、他サイトに掲載されていてもここにないものにはスクラップとして解体廃棄されたものや情報の足りていないものがある。掲載しているものでも、廃棄されている、または廃棄予定のものが含まれる可能性がある。
型名 | 番号 | 機体写真 | 所在地 | 所有者 | 公開状況 | 状態 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
F-86D-1-NA | 50-0477 165-23 |
アメリカ オハイオ州 | 国立アメリカ空軍博物館 | 公開 | 静態展示 | F-86D-40-NA/52-3863号機の塗装がされている。[1] | |
F-86D-25-NA | 51-5915 173-59 |
写真 | アメリカ アリゾナ州 | サンカーロス中学校 (San Carlos Intermediate School) |
公開 | 静態展示 | |
F-86D-25-NA | 51-5938 173-82 |
写真 | アメリカ ウィスコンシン州 | アップルトン陸軍退役軍人会第38番支部 (Appleton Army Legion Post No.38 Home) |
公開 | 静態展示 | |
F-86D-31-NA | 51-58573(US) 84-8106(JP) 173-101 |
写真 | 日本 福岡県 | 芦屋基地 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-31-NA | 51-5967(US) 84-8127(JP) 173-111 |
写真 | 日本 山口県 | 防府南基地 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-30-NA | 51-5977 173-121 |
写真 | フランス コート=ドール県 | サヴィニー=レ=ボーヌ城博物館 [2] | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-31-NA | 51-5998(US) 84-8128(JP) 173-133 |
写真 | 日本 埼玉県 | 熊谷基地 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-31-NA | 51-5992(US) 94-8125(JP) 173-136 |
日本 愛知県 | 小牧基地 | 公開 | 静態展示 | F-86D-31-NA/84-8111号機[8] の塗装がされている。 | |
F-86D-31-NA | 51-6023(US) 94-8146(JP) 173-167 |
日本 長野県 | 聖博物館[3] | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-30-NA | 51-6028 173-172 |
デンマーク 北ユラン地域 | オールボー国防・駐屯博物館[4] | 公開 | 静態展示 | [5] | |
F-86D-30-NA | 51-6069 173-213 |
アメリカ ワシントン州 | ベリーマン戦争記念公園 (Berryman War Memorial Park) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86D-31-NA | 51-6086(US) 84-8115(JP) 173-230 |
日本 福岡県 | 築城基地 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-31-NA | 51-6098(US) 84-8117(JP) 173-242 |
写真 | 日本 東京都 | 東京都立産業技術高等専門学校科学技術展示館 [6] | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-35-NA | 51-6171 173-315 |
イギリス タイン・アンド・ウィア州 | ノースイースト陸海空博物館[7] | 公開 | 静態展示 | [8] | |
F-86D-36-NA | 51-6200(US) 04-8164(JP) 173-344 |
写真 | 日本 静岡県 | 喫茶 飛行場 [9][10] | 公開 | 静態展示 | 機種部分のみ展示。 |
F-86D-35-NA | 51-6261 173-405 |
写真 | アメリカ アリゾナ州 | チャンドラー市公園 (Chandler City Park) |
公開 | 静態展示 | 52-10115号機の塗装がされている。 |
F-86D-36-NA | 51-8344(US) 84-8102(JP) 173-477 |
写真 | 日本 埼玉県 | 所沢航空発祥記念館[11] | 不定期公開 | 保管中 | [12][13] |
F-86D-35-NA | 51-8404 173-537 |
ギリシャ アテネ | アテネ戦争博物館[14] | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-35-NA | 51-8409 173-542 |
写真 | アメリカ オクラホマ州 | タルサ空軍州兵基地[15] | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-35-NA | 51-8424 173-551 |
韓国 慶尚南道 | KAI航空宇宙博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-35-NA | 51-8421 173-554 |
デンマーク 中央デンマーク地域 | デンマーク・フライミュージアム[16] | 公開 | 静態展示 | [17] | |
F-86D-35-NA | 51-8445 28-445 173-578 |
韓国 済州特別自治道 | 済州航空宇宙博物館[18] | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-35-NA | 51-8455 173-588 |
アメリカ ウィスコンシン州 | ツウィニング公園 (Twinning Park) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86D-35-NA | 51-8502 18-502 173-635 |
韓国 ソウル | 戦争記念館[19] | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-40-NA | 52-3653 190-56 |
写真 | アメリカ コロラド州 | プエブロ・ワイズブロッド航空機博物館[20] | 公開 | 静態展示 | [21] |
F-86D-40-NA | 52-3669 190-72 |
アメリカ ワシントン州 | マコード航空博物館[22] | 公開 | 静態展示 | 51-5976号機の塗装がされている。[23] | |
F-86D-40-NA | 52-3679 190-82 |
アメリカ テネシー州 | 第134空中給油航空群館 (134th Air Refueling Wing complex) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86D-40-NA | 52-3735 190-138 |
アメリカ ネブラスカ州 | クリート市営空港 (Crete Municipal Airport) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86D-40-NA | 52-3747 190-150 |
写真 | アメリカ ルイジアナ州 | ジャクソン兵舎群[24] | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-40-NA | 52-3754 190-157 |
写真 | アメリカ オクラホマ州 | 第45歩兵師団博物館 [25] | 公開 | 静態展示 | F-86D-45-NA/52-4043号機の塗装がされている。 |
F-86D-40-NA | 52-3770 190-173 |
アメリカ テキサス州 | ジョン・C・L・スクリブナー准将・テキサス軍事力博物館[26] | 公開 | 静態展示 | [27] | |
F-86D-40-NA | 52-3784 190-187 |
アメリカ カリフォルニア州 | パーム・ヴュー公園 (Palm View Park) |
公開 | 静態展示 | 6303と尾翼に塗装され、公園の遊具になっている。 | |
F-86D-45-NA | 52-3927(US) 190-329 |
アメリカ オハイオ州 | MAPS航空博物館[28] | 公開 | 静態展示 | コックピット付近のみ現存。[29] | |
F-86D-45-NA | 52-3966(US) 14-8217(JP) 190-369 |
日本 石川県 | 小松基地 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-45-NA | 52-4013(US) 04-8187(JP) 190-416 |
写真 | 日本 宮崎県 | 新田原基地 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-45-NA | 52-4042(US) 84-8104(JP) 190-445 |
日本 静岡県 | エアーパーク 航空自衛隊浜松広報館[30] | 公開 | 静態展示 | 教材機として輸入された供与4号機。[31] | |
F-86D-45-NA | 52-4038(US) 04-8202(JP) 190-448 |
日本 鳥取県 | 美保基地 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-45-NA | 52-4071(US) 04-8197(JP) 190-474 |
写真 | 日本 茨城県 | 百里基地 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-45-NA | 52-4105(US) 04-8199(JP) 190-508 |
写真 | 日本 北海道 | 千歳基地 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-50-NA | 52-4243 190-646 |
写真 | アメリカ アラバマ州 | サザン・ミュージアム・オブ・フライト[32] | 公開 | 静態展示 | [33] |
F-86D-50-NA | 52-4038(US) 04-8203(JP) 190-704 |
写真 | 日本 山口県 | 防府北基地 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-50-NA | 52-9988 69411 190-713 |
フィリピン マニラ首都圏 | フィリピン国軍博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-50-NA | 52-9989(US) 04-8205(JP) 190-714 |
写真 | 日本 山梨県 | 日本航空高等学校 (所在:双葉滑空場) |
公開 | 静態展示 | |
F-86D-50-NA | 52-10003(US) 04-8196(JP) 190-728 |
日本 奈良県 | 奈良基地 | 公開 | 静態展示 | 架空の84-8100という機体の塗装がされている。 | |
F-86D-50-NA | 51-10014(US) 04-8191(JP) 190-739 |
日本 香川県 | 陸上自衛隊善通寺駐屯地資料館[34] | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-50-NA | 52-10015 524140 190-740 |
フィリピン マニラ首都圏 | フィリピン空軍航空宇宙博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-50-NA | 52-18823 14102 190-748 |
セルビア ベオグラード | 航空宇宙博物館[35] | 公開 | 静態展示 | [36] | |
F-86D-50-NA | 52-10067 190-792 |
ギリシャ 東アッティカ県 | ギリシャ空軍博物館[37] | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-50-NA | 52-10021(US) 14-8222(JP) 190-828 |
日本 滋賀県 | 大津駐屯地 | 公開 | 静態展示 | 日本に供与された最終機だが、ハードポイントの番号などからF-86D-31-NA/84-8154号機との説がある。 | |
F-86D-55-NA | 53-0781 201-225 |
写真 | アメリカ オレゴン州 | ワドリー市公園 (Wadleigh City Park) |
公開 | 静態展示 | |
F-86D-60-NA | 53-1061 201-505 |
アメリカ ミシシッピ州 | 海外戦争退役軍人会第2567番支部 (Veterans of Foreign Wars (VFW) Post 2567) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86D-15-NA F-86D-16-NA F-86L-15-NA |
50-0560 165-106 |
アメリカ カリフォルニア州 | マーチフィールド航空博物館 | 公開 | 静態展示 | [38] | |
F-86D-20-NA F-86D-21-NA F-86L-20-NA |
51-2968 177-25 |
アメリカ カリフォルニア州 | カリフォルニア航空宇宙博物館 | 公開 | 静態展示 | [39] | |
F-86D-20-NA F-86D-21-NA F-86L-20-NA |
51-2993 177-50 |
写真 | アメリカ アラバマ州 | 戦艦記念公園[40] | 公開 | 静態展示 | [41] |
F-86D-20-NA F-86D-21-NA F-86L-20-NA |
51-3064 177-121 |
写真 | アメリカ ヴァージニア州 | 航空戦力公園 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-25-NA F-86D-26-NA F-86L-25-NA |
51-5891 173-34 |
写真 | アメリカ ジョージア州 | サヴァンナ空軍州兵基地 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-30-NA F-86D-31-NA F-86L-30-NA |
51-6055 173-199 |
写真 | アメリカ ユタ州 | ヒル航空宇宙博物館[42] | 公開 | 静態展示 | [43] |
F-86D-30-NA F-86D-31-NA F-86L-30-NA |
51-6071 173-215 |
写真 | アメリカ アリゾナ州 | デイヴィス − モンサン空軍基地兵士公園 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-30-NA F-86D-31-NA F-86L-30-NA |
51-6078 173-222 |
写真 | アメリカ ウェストヴァージニア州 | ミルトン市戦争記念公園 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-30-NA F-86D-31-NA F-86L-30-NA |
51-6144 173-288 |
写真 | アメリカ テキサス州 | ペリン空軍基地歴史博物館[44] (Perrin Air Force Base Historical Museum) |
公開 | 静態展示 | |
F-86D-40-NA F-86D-41-NA F-86L-40-NA |
52-3651 190-54 |
アメリカ ジョージア州 | ミュージアム・オブ・エイヴィエーション | 公開 | 静態展示 | [45] | |
F-86D-45-NA F-86D-46-NA F-86L-45-NA |
52-4142 190-545 |
写真 | アメリカ ノースカロライナ州 | シャーロット・ダグラス国際空港 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-45-NA F-86D-46-NA F-86L-45-NA |
52-4168 190-571 |
アメリカ ルイジアナ州 | ジャクソン兵舎軍事博物館 (Jackson Barracks Military Museum) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86D-45-NA F-86D-46-NA F-86L-45-NA |
52-4191 190-594 |
アメリカ ハワイ州 | 真珠湾航空博物館 | 公開 | 静態展示 | [46] | |
F-86D-50-NA F-86D-51-NA F-86L-50-NA |
52-4239 190-642 |
写真 | アメリカ アリゾナ州 | インドゥ・モータースポート牧場[47] (Inde Motorsport Ranch) |
公開 | 静態展示 | |
F-86D-50-NA F-86D-51-NA F-86L-50-NA |
52-4256 190-659 |
写真 | アメリカ カンザス州 | 自由の反映航空公園 (Reflections of Freedom Air Park) |
公開 | 静態展示 | |
F-86D-50-NA F-86D-51-NA F-86L-50-NA |
52-10052 190-777 |
写真 | アメリカ ニューヨーク州 | クレーン公園 (Crane Park) |
公開 | 静態展示 | |
F-86D-50-NA F-86D-51-NA F-86L-50-NA |
52-10057 190-782 |
写真 | アメリカ ジョージア州 | ジョージ・W・ブッシュ航空公園 (George W Bush Airpark) |
公開 | 静態展示 | |
F-86D-50-NA F-86D-51-NA F-86L-50-NA |
52-10133 190-585 |
アメリカ フロリダ州 | フラッグ公園 (Flag Park) |
公開 | 静態展示 | 52-0133号機の塗装がされている。 | |
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0566 201-10 |
アメリカ オクラホマ��� | 野生馬公園 (Wild Horse Park) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0568 201-12 |
写真 | アメリカ ネヴァダ州 | 退役軍人記念公園 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0626 1213-30676 B.KH17K-3/06 201-70 |
タイ ナコーンナヨック県 | ナコーンナヨック市 | 静態展示 | |||
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0635 201-79 |
写真 | アメリカ ニュージャージー州 | 空中勝利博物館[48] (Air Victory Museum) |
公開 | 静態展示 | [49] |
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0642 201-86 |
写真 | アメリカ カリフォルニア州 | フレズノ空軍州兵基地遺産公園 [50] | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0658 201-102 |
写真 | アメリカ オハイオ州 | MAPS航空博物館 | 公開 | 静態展示 | 52-4123号機の塗装がされている。[51] |
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0665 201-109 |
アメリカ ペンシルヴェニア州 | 海外戦争退役軍人会第7714番支部 (Veterans of Foreign Wars (VFW) Post 7714) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0668 201-112 |
アメリカ テネシー州 | ナシュヴィル百年公園 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0677 1214-30677 B.KH17K-4/06 201-121 |
タイ | パホンヨーティン通りとチャンタル・ベクサ通りの交差点 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0681 1215-30681 B.KH17K-5/06 201-125 |
タイ バンコク | タイ王国空軍博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0700 201-144 |
写真 | アメリカ イリノイ州 | エーラート公園 (Ehlert Park) |
公開 | 静態展示 | |
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0704 201-148 |
アメリカ カリフォルニア州 | トラヴィス空軍基地遺産センター[52] | 公開 | 静態展示 | [53] | |
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0719 201-163 |
アメリカ ミネソタ州 | ウェルズ市営空港 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-55-NA F-86D-56-NA F-86L-55-NA |
53-0750 201-194 |
写真 | アメリカ アイオワ州 | アイオワ市営空港 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-0782 201-226 |
写真 | アメリカ コロラド州 | ピーターソン航空宇宙博物館[54] | 公開 | 静態展示 | [55] |
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-0831 201-275 |
アメリカ ネブラスカ州 | リンカーン空軍州兵基地 (Lincoln Air National Guard Base) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-0847 201-291 |
アメリカ ケンタッキー州 | グリーンアップ郡戦争記念碑 (Greenup County War Memorial) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-0892 1232-30892 B.KH17K-11/06 201-336 |
タイ バンコク | タイ空軍士官学校 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-0894 201-338 |
アメリカ ペンシルヴェニア州 | ピッツバーグ空軍州兵基地 (Pittsburgh Air National Guard Base) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-0959 201-403 |
アメリカ オハイオ州 | ウォルター・ソプラタ氏 (Walter Soplata) |
公開 | 保管中 | ||
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-0965 201-409 |
アメリカ アリゾナ州 | ピマ航空宇宙博物館[56] | 公開 | 静態展示 | [57] | |
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-0997 201-441 |
アメリカ モンタナ州 | バート・ムーニー空港 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-1022 201-466 |
写真 | アメリカ アイダホ州 | アイダホフォールズ地域空港 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-1030 201-474 |
写真 | アメリカ テキサス州 | フォートワース海軍航空ステーション統合予備役基地 | 公開 | 静態展示 | |
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-1045 201-489 |
アメリカ ユタ州 | ヒストリック・ウェンドーヴァー飛行場 (Historic Wendover Airfield) (所在:ウェンドーヴァー空軍基地) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-1060 201-504 |
写真 | アメリカ ミシガン州 | ヤンキー航空博物館[58] | 公開 | 静態展示 | [59] |
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-1064 201-508 |
アメリカ サウスカロライナ州 | マッケンタイア空軍州兵基地記念公園 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-4035 201-569 |
写真 | アメリカ テキサス州 | ダイエス・リニア航空公園 (ダイエス空軍基地) |
公開 | 静態展示 | |
F-86D-60-NA F-86D-61-NA F-86L-60-NA |
53-4036 201-570 |
オーストラリア ヴィクトリア州 | 放棄航空機博物館 | 非公開 | 修復中 | ||
F-86D-??-?? | 62-935 |
韓国 | 韓国空軍士官学校 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86D-??-?? IF-86D-??-?? |
14325 | スロヴェニア ピヴカ | ピヴカ軍事歴史公園 [60] | 公開 | 静態展示 | [61] | |
F-86K | 53-8297 MM53-8297 207-25 |
イタリア ロンバルディア州 | ベンティヴォリオ工作機械社 (Bentivoglio Macchine Utensili) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86K | 53-8305 207-33 |
オランダ ユトレヒト州 | 国立軍事博物館 | 公開 | 静態展示 | 元イタリア空軍で運用されていた機体で、54-1305号機の塗装がされている。 | |
F-86K-17-NA | 54-1266 213-36 |
ノルウェー ルーガラン郡 | ソラ航空歴史博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86K-17-NA | 54-1274 213-44 |
ノルウェー オスロ | ノルウェー軍航空機コレクション | 公開 | 静態展示 | ||
F-86K-18-NA | 54-1283 213-53 |
写真 | オランダ ユトレヒト州 | 国立軍事博物館 | 公開 | 静態展示 | |
F-86K-18-NA | 54-1290 213-60 |
ノルウェー オスロ | ノルウェー軍航空機コレクション | 公開 | 静態展示 | ||
F-86K | 55-4812 MM55-4812 221-52 |
イタリア ロンバルディア州 | レオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86K | 55-4815 MM55-4815 221-55 |
ドイツ ブランデンブルク州 | ドイツ技術博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86K | 55-4841 54841 221-81 |
フランス セーヌ=サン=ドニ県 | ル・ブルジェ航空宇宙博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86K | 55-4868 MM55-4868 221-108 |
イタリア ラツィオ州 | ヴィーニャ・ディ・ヴァッレ空軍歴史博物館[62] | 公開 | 静態展示 | [63] | |
F-86K | 55-4881 JD-249 221-121 |
ドイツ ベルリン | ベルリン・ガトウ空港軍事歴史博物館[64] | ||||
F-86K | 0014 232-31 |
ブラジル リオデジャネイロ州 | 航空宇宙博物館[65] | 公開 | 静態展示 | ベネズエラ空軍より寄贈された。 | |
F-86K | 7881 232-34 |
ベネズエラ カラボボ州 | マリスカル・スクレ国際空港 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86K | 0597 242-16 |
ベネズエラ カラボボ州 | マリスカル・スクレ国際空港 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86K | 0389 242-17 |
ベネズエラ ファルコン州 | 空軍プラザ (Air Force Plaza) |
公開 | 静態展示 | ||
F-86K | 0931 242-25 |
ベネズエラ カラボボ州 | マリスカル・スクレ国際空港 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86K | 0984 242-31 |
ベネズエラ アラグア州 | ルイス・エルナン・パレデス航空博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
F-86K | FAC2022 242-38 |
写真 | コロンビア クンディナマルカ県 | ゲルマン・オラーノ・モレノ大尉空軍基地 | 公開 | 静態展示 | かつて空軍で運用されていたCL-13B Mk.VIのFAC2022号機[9] の塗装がされている。 |
航空事故
[編集]- 1960年3月16日 - 全日空小牧空港衝突事故。管制ミスで民間機と衝突。死者3人[10]。
登場作品
[編集]- 『荒野のコトブキ飛行隊』
- イケスカでの空中戦の最中に出現。
- 主人公らのコトブキ飛行隊を迎撃するため、近接信管のある24連式空対空ロケット弾(Mk4 FFAR マイティ・マウス)でケイト機を不意討ち撃墜しコトブキ飛行隊を追い詰めるが、ロケット弾で破壊したオブジェの破片でダメージを受けパイロットが射出座席で脱出し、墜落した。
- 『War Thunder』
- イタリア・フランスにF-86Kがランク6戦闘機として登場。
脚注
[編集]- ^ このため、37機製造された初期ロットのD-1型には簡素化したE-3が代わりに搭載されている。E-4を搭載したD-5型以降の配備が進むと、これらはTF-86Dと改称され訓練用となった。
- ^ 後に同様のFCSを搭載したF-89DやF-94Cは、複座機であるため操作面で大きな問題は起きなかった。
- ^ 重い電子機器を搭載したことで機動性はA型より低下していたが、元より要撃機は機動性よりも速力が重視されるため、要撃機としての性能は総じて向上したと言える。
- ^ 『月刊モデルアート』2003年12月号p30
- ^ Iはセルビア語で「偵察」を意味する「Izvidacki」の頭文字。
- ^ 第104飛行隊が存在しないのは、F-104Jとの混同を避けるため。
- ^ a b 『月刊モデルアート』2003年12月号p29
- ^ かつて小牧基地に配備されていた機体で、1969年から2006年まで名古屋市科学館に展示されていた。その後自衛隊へ返還され解体処分。
- ^ FAC2022号機の詳細
- ^ 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、143頁。ISBN 9784816922749。
参考文献
[編集]- 『週刊 ワールドエアクラフト』各号 デアゴスティーニ社
- 『世界の傑作機No.93 ノースアメリカンF-86セイバー』 文林堂
関連項目
[編集]- F-86 セイバー
- フィアット G.91 - 設計に関してF-86D/Kから影響を受けた攻撃機。
- ロッキード F-94 スターファイア / ノースロップ F-89 スコーピオン - 同時期のアメリカ空軍の全天候邀撃機。双方ともタンデム式複座機である。