EQUULEUS
EQUULEUS | |
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所属 | 宇宙航空研究開発機構/東京大学 |
公式ページ | https://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/equuleus/ |
状態 | 運用中 |
目的 | 地球・月系ラグランジュ点探査機 |
観測対象 | 月 |
打上げ機 | SLS Block 1 |
打上げ日時 | 2022年11月16日 [1] |
通信途絶日 | 2023年5月18日 |
物理的特長 | |
本体寸法 | 10×20×30 cm |
質量 | 14 kg |
発生電力 | 最大13W |
主な推進器 | 水蒸気スラスタ |
姿勢制御方式 | 三軸安定制御 |
軌道要素 | |
周回対象 | ラグランジュ点 |
観測装置 | |
PHOENIX | 紫外線望遠鏡 |
DELPHINUS | 超高速カメラ |
CLOTH | ダストセンサ |
EQUULEUS (EQUilibriUm Lunar-Earth point 6U Spacecraft) は、東京大学中須賀・船瀬研究室 (ISSL) と宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が開発したCubeSatの地球・月系ラグランジュ点探査機。
概要
[編集]スペース・ローンチ・システム (SLS) のアルテミス1号に相乗りで打ち上げられた探査機。ラグランジュ点から月面への衝突を高速度カメラや紫外線望遠鏡で観測する。名称はこうま座の英名 (Equuleus) に由来する。
2019年5月13日から31日にかけて、米国カリフォルニア州モンロビアにあるNASA/JPLの試験施設で行われたNASA深宇宙追跡網 (NASA Deep Space Network) との適合性試験で、搭載されるXバンド通信機の通信性能が確認された[2]。
2022年11月16日の打ち上げ後は地球・月系第2ラグランジュ点 (EML2) 到着に向けて飛行を続けていたが、2023年5月18日に通信が途絶した。5月23~25日の地球接近時に行われた望遠鏡による観測から、探査機が回転していることが判明。電源が枯渇して無制御状態に陥ったと推測されている。[3]
設計
[編集]EQUULEUS本体の大きさは6UのCubeSatで、格納時にはブリーフケースほどの大きさで 10×20×30cm[4]である。
推進機
[編集]推進機として6基のAQUARIUS (AQUA R es I stojet p rop U lsion S ystem) を備える[5]。推力は2~4 mN、比推力 (Isp) は70秒以上で、およそ20Wの電力を消費する[5]。推進剤として1.5㎏の水を備え、通信機器の排熱を再利用して水を気化させることで消費電力を節約する[5]。
観測機器
[編集]紫外線望遠鏡 (PHOENIX)、超高速カメラ (DELPHINUS)[6]、塵の粒径、分布を測定するダストセンサ (CLOTH) を備える。
脚注
[編集]- ^ Clark, Stephen (2017年11月20日). “NASA expects first Space Launch System flight to slip into 2020”. Spaceflight Now 2019年6月1日閲覧。
- ^ 冨木淳史 (2019年6月). “SLS搭載超小型探査機とNASA深宇宙追跡網の適合性試験”. 宇宙航空研究開発機構/宇宙科学研究所 2019年6月27日閲覧。
- ^ “SLS搭載超小型探査機プロジェクトの状況”. 宇宙開発利用部会(第76回)会議資料. JAXA (2023年6月27日). 2023年6月27日閲覧。
- ^ 鳥嶋真也 (2017年9月13日). “月を目指す、わずか14kgの超小型探査機「OMOTENASHI」と「EQUULEUS」” 2018年11月27日閲覧。
- ^ a b c 浅川純, 小泉宏之, 武田直己, 西井啓太, 室原昌也, 船瀬龍, 小紫公也「EQUULEUSに搭載する水レジストジェット小型推進システムAQUARIUSの提案と開発」『第17回宇宙科学シンポジウム 講演集』第17回宇宙科学シンポジウム (2017年1月5日-6日. 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)相模原キャンパス), 相模原市, 神奈川県、2017年、2022年2月12日閲覧。
- ^ “超小型深宇宙探査機 EQUULEUS 搭載「月面衝突閃光カメラ DELPHINUS」の性能評価”. 2018年11月27日閲覧。