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連光寺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本 > 関東地方 > 東京都 > 多摩市 > 連光寺
連光寺
連光寺の位置(多摩地域内)
連光寺
連光寺
連光寺の位置
北緯35度38分43.9秒 東経139度27分37.77秒 / 北緯35.645528度 東経139.4604917度 / 35.645528; 139.4604917
日本の旗 日本
都道府県 東京都
市町村 多摩市
人口
2018年(平成30年)1月1日現在)[1]
 • 合計 9,602人
等時帯 UTC+9 (日本標準時)
郵便番号
206-0021[2]
市外局番 042[3]
ナンバープレート 多摩

連光寺(れんこうじ)は、東京都多摩市にある地名。地番整理施行地区(連光寺一丁目~六丁目)と未施行地区(連光寺)があるが、本項目では両方取り上げる。郵便番号は連光寺一丁目~六丁目、連光寺共に206-0021[2]

地理

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地域内は地番整理施行地区(連光寺一丁目~六丁目)と地番整理未施行地区(連光寺)に分かれる。連光寺(地番整理未施行地区)は全域がゴルフ場(桜ヶ丘カントリークラブ、米軍多摩ゴルフ場)となっており、連光寺一・二・三・四・六丁目は主に住宅街、連光寺五丁目は、ほぼ全域が都立桜ヶ丘公園、多摩市立連光寺公園、多摩市立大谷戸公園などの公園施設となっている。また、一丁目に多摩市立連光寺小学校桜ヶ丘記念病院がある。

東は一ノ宮稲城市大丸、西は桜ヶ丘馬引沢、南は聖ヶ丘・稲城市若葉台、北は関戸多摩川を挟んで府中市南町と接している。

地価

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住宅地の地価は、2014年平成26年)1月1日公示地価によれば、連光寺1丁目21番6の地点で17万2000円/m2となっている[4]

連光寺という地名

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連か蓮か

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かつて連光寺の「連」の字は、草かんむりをつけて「」と書いた。鎌倉時代吾妻鏡江戸時代新編武蔵風土記稿は、当地について「光寺」と記している[5][6][7]。旧村社の春日神社の灯篭にも「光寺村」という文字が彫られている[8]

政府の公文書では、1882年の明治天皇地行幸に関する宮内省上申書が「光寺村」の文字を用いており、この時点では光寺と表記していたことが知れる[9]。その3年後の1885年には侍従らの出張届け公文書に「連光寺村」とあり、草かんむりが取れている[10]。この間、1883年1月に蓮光寺村周辺の明治天皇御遊猟場が「連光寺村御猟場」と命名されている[11]。この命名を機に草かんむりが取れたかは分からない。1881年の明治天皇行幸に随行して当地を訪れた山岡鉄舟は、連光寺村御猟場命名後の1884年に当地を「光寺村」と書いている[12]

大正時代になっても「光寺」と表記されることがあり、近隣の府中町青年会が編纂した『武蔵国府名蹟誌』や、府中町で出版された『武蔵野みやげ 名勝案内』では「光寺」と表記されていた[13]。2020年現在においても馬引沢二丁目(もと連光寺)にセブンイレブン多摩光寺店が所在する[14]

一説には江戸時代以前には「連光寺」で、江戸時代には「光寺」を用いるようになったが、近代は元に還って「連光寺」が正しいとして公式に用いているという[12]。しかし江戸時代以前の吾妻鏡には「光寺」とある[5]

地名の由来

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かつて江戸幕府が編纂した新編武蔵風土記稿は、蓮光寺という寺院について次のような説を述べていた。蓮光寺という寺院があった場所は分からないが、村内に下屋舗という小名があり、その辺りに寺坂と称する坂があって、恐らくはその辺りが寺の旧跡なのだろうといわれる。下屋舗という小名は村の東の山丘の処にある。丘の上は平らで、古い墳墓が大小様々50~60基も散在している。戦死者の墳墓だという説もあるが、ここが蓮光寺の跡だという説もある。寺の廃絶時期については、吾妻鏡に蓮光寺が地名として現れているようであるから、鎌倉時代には既に廃寺となっていたと考えられる。以上が新編武蔵風土記稿の説である[7]

昭和戦前期に連光寺の聖蹟化に関わった人物は、1930年の著書で、連光寺は寺院の名のようであって寺院はなく、連光寺の地名の由緒は不明である、と述べている[12]

多摩市役所が2015年に広報誌に掲載し公式ウェブサイトにも転載している記事は、連光寺という寺院について、上記の新編武蔵風土記稿の説を一部引用しつつ、「確かなことは不明」とぼかしている。また、寺坂や仏道(ほとけみち)などの地名が高西寺(連光寺一丁目)の近くにあったと述べているが、それが蓮光寺という寺院に関連する地名なのかを明言していない[5]

歴史

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多摩ニュータウン開発に伴う区画整理事業などが行われ、一部が聖ヶ丘諏訪馬引沢などに分離した。

沿革

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小字

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ここでは、かつての連光寺の小字と現地名との対照を示す。

  • 本村(ほんむら)
    連光寺一丁目~三丁目、聖ヶ丘一丁目
  • 大谷戸(おおのやと)
    連光寺二・三・五丁目、聖ヶ丘一・二丁目
  • 打越(うちこし)
    連光寺二・五丁目、聖ヶ丘一丁目
  • 南田(みなみだ)
    聖ヶ丘一丁目、連光寺二丁目
  • 諏訪坂(すわのさか)
    聖ヶ丘一・二丁目、馬引沢一・二丁目
  • 諏訪越(すわのこし)
    諏訪一丁目、馬引沢一丁目
  • 馬引沢(まひきざわ)
    諏訪一・三・四丁目、馬引沢一・二丁目、聖ヶ丘二~四丁目
  • 沖���戸(おきのやと)
    諏訪三・五・六丁目
  • 乗越(のりごえ)
    諏訪四・六丁目、聖ヶ丘三~五丁目
  • 中尾根(なかおね)
    聖ヶ丘一~三丁目、連光寺五丁目
  • 天井返(てんじょうがえし)
    聖ヶ丘三丁目~五丁目、連光寺五丁目
  • 山ノ越(やまのこし)
    連光寺三~五丁目
  • 向の岡(むかいのおか)
    連光寺一・三・四丁目
  • 中島(なかじま)
    関戸三丁目
  • 下川原(しもがわら)
    府中市南町四丁目付近、多摩川東端。
  • 二子沢(ふたござわ)
    ゴルフ場。稲城市との市境付近。
  • 大水上(おおみずあがり)
    桜ヶ丘カントリークラブ。
  • 瓦ヶ谷(かわらがや)
    連光寺三・四丁目、米軍多摩ゴルフ場。
  • 船ヶ台(ふながだい)
    米軍多摩ゴルフ場、連光寺五・六丁目、聖ヶ丘三・四丁目

世帯数と人口

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2018年(平成30年)1月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[1]

丁目 世帯数 人口
連光寺一丁目 1,618世帯 3,786人
連光寺二丁目 1,009世帯 2,483人
連光寺三丁目 795世帯 1,730人
連光寺四丁目 267世帯 565人
連光寺五丁目 144世帯 273人
連光寺六丁目 366世帯 765人
4,199世帯 9,602人

小・中学校の学区

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市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[15]

丁目 番地 小学校 中学校 備考
連光寺一丁目 2番地の1 多摩市立多摩第一小学校 多摩市立多摩中学校 特例地区により以下の学校と選択可能。
・多摩市立連光寺小学校
・多摩市立聖ヶ丘中学校
2番地(の1を除く)
4番地
その他 多摩市立連光寺小学校 多摩市立聖ヶ丘中学校
連光寺二丁目 全域
連光寺三丁目 全域
連光寺四丁目 全域
連光寺五丁目 1~7番地
17~18番地
その他 多摩市立聖ヶ丘小学校
連光寺六丁目 全域

施設

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関連項目

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脚注

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  1. ^ a b 市の人口データ(町丁目別人口・世帯数)”. 多摩市 (2018年1月11日). 2018年1月14日閲覧。
  2. ^ a b 郵便番号”. 日本郵便. 2018年1月14日閲覧。
  3. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2018年1月14日閲覧。
  4. ^ 国土交通省地価公示・都道府県地価調査
  5. ^ a b c 「連光寺の町名由来板」『たま広報』平成27年12月5日号、“シリーズ ぶらTAMAアート(多摩市役所. 2020年9月15日閲覧) に所載。
  6. ^ 『吾妻鏡』養和元年(治承五年)辛丑四月廿日条、NDLJP:1920980/40
  7. ^ a b 『新編武蔵風土記稿』巻98多摩郡10日野領○蓮光寺村、NDLJP:1214850/57
  8. ^ 多摩市連光寺 春日神社”. 多摩丘陵の自然と多摩市周辺の歴史と文化. 2020年10月7日閲覧。
  9. ^ 神奈川県下武州多摩郡蓮光寺村辺ニ行幸」『公文類聚』第6編、明治15年、第6巻、明治15年2月14日条、国立公文書館蔵。
  10. ^ 侍従米田虎雄外一名御用ニ付神奈川県下連光寺村辺ヘ出発ノ件」『公文録』第142巻、明治18年3月、官吏雑件(太政官~府県)、国立公文書館蔵。
  11. ^ 吉岡拓・清水裕介『《近代多摩川と皇室》鮎献上と多摩地域の聖蹟化に関する歴史学的研究』公益財団法人とうきゅう環境財団〈研究助成・学術研究 VOL.46 No.328〉、2018年https://foundation.tokyu.co.jp/environment/wp-content/uploads/2018/04/A328.pdf  7頁。
  12. ^ a b c 児玉四郎『明治天皇の御杖』東山書院、1930年、160-161頁。 NDLJP:1192731/104
  13. ^ 「蓮光寺」『武蔵国府名蹟誌』NDLJP:955191/139。「蓮光寺」『武蔵野みやげ 名勝案内』NDLJP:964897/18
  14. ^ セブンイレブン店舗検索で「多摩蓮光寺」を検索。
  15. ^ 通学区域(就学する学校の指定)”. 多摩市 (2017年4月1日). 2018年1月14日閲覧。

参考文献

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  • 多摩市の町名(市制施行20周年記念)1992年 多摩市
  • 角川日本地名大辞典 13 東京都(角川書店)