硫酸セシウム
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硫酸セシウム | |
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硫酸セシウム | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 10294-54-9 |
特性 | |
化学式 | Cs2SO4 |
モル質量 | 361.874 g/mol |
外観 | 無色結晶 |
密度 | 4.243 g/cm3 |
融点 |
1010℃ |
水への溶解度 | 167 g/100 cm3水 (0 ℃) |
構造 | |
結晶構造 | 斜方晶系 |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
−1443.02 kJ mol−1[1] |
標準モルエントロピー S |
211.92 J mol−1K−1 |
標準定圧モル比熱, Cp |
134.89 J mol−1K−1 |
危険性 | |
EU Index | Not listed |
引火点 | 不燃性 |
関連する物質 | |
関連物質 | 硫酸リチウム;硫酸ナトリウム;硫酸カリウム;硫酸ルビジウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
硫酸セシウム(りゅうさんセシウム、caesium sulfate/cesium sulfate)は組成式Cs2SO4で表されるセシウムの硫酸塩である。
製法
[編集]炭酸セシウムを希硫酸に溶解し、濃縮すると結晶が析出する[2]。
また塩化セシウムに硫酸を加えて蒸発乾固し塩化水素を追い出すと得られる。
性質
[編集]無色結晶であり水に易溶であるが、エタノール、アセトンおよびジエチルエーテルにはほとんど不溶である。水に対する溶解度は硫酸カリウム<硫酸ルビジウム<硫酸セシウムと増大する。
室温では斜方晶系の結晶であり、その格子定数はa=6.24Å、b=10.92Å、c=8.22Åであり、単位格子中に8個のセシウムイオンと4個の硫酸イオンが含まれる[3]。また600℃以上では六方晶系に相転移する。
アルミニウム(III)、ガリウム(III)、マンガン(III)など3価の金属イオンと複塩(明礬)CsM(SO4)2·12H2Oを形成する。
用途
[編集]硫酸セシウム濃厚溶液は比較的密度が高いため平衡密度勾配遠心法による物質の分離用の重液として用いられる。硫酸セシウム水溶液の密度は25℃で10%ではd = 1.0856、20%ではd = 1.1897である[4]。
脚注
[編集]- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成II』 丸善、1977年
- ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ^ 日本化学会編 『化学便覧 基礎編 改訂3版』 丸善、1980年