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白草山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
白草山
小秀山(カブト岩)から望む白草山、遠景は 別山と白山(2014年10月25日撮影)
小秀山から望む白草山、遠景は白山
標高 1,641[1] m
���在地 日本の旗 日本
長野県木曽郡王滝村
岐阜県下呂市
位置 北緯35度48分08秒 東経137度20分03秒 / 北緯35.80222度 東経137.33417度 / 35.80222; 137.33417座標: 北緯35度48分08秒 東経137度20分03秒 / 北緯35.80222度 東経137.33417度 / 35.80222; 137.33417[1]
山系 阿寺山地御嶽山系
白草山の位置(日本内)
白草山
白草山の位置
プロジェクト 山
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白草山(しらくさやま)は、長野県木曽郡王滝村岐阜県下呂市にまたがる阿寺山地御嶽山系)の標高1,641 m[2][3]。山域は1964年昭和39年)3月3日に飛騨木曽川国定公園の指定を受けている[4]

概要

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ゆるやかな円丘状の山容で[5]、山頂付近は放牧場で���った[2]。上部にはモミコメツガが分布し[3]、山容部はクマザサに覆われササユリなどが点在する。ぎふ百山[6]の一つに選定されている。南西山麓には200年近く前の江戸時代から湯治場とされている乗政温泉がある[5][7][8]。広い平らな山頂からは間近に御嶽山を望むことができる[5][7]。麓の下呂市では御嶽山の噴気孔が見える山として、「御嶽十二景」のポスターで紹介された[9]

登山

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日帰りの登山ハイキング対象となる山で、登山適期は4月初旬から11月中旬頃で[5]、冬には積雪がある。10月中旬頃にドウダンツツジなどが紅葉する[7]。山頂に至る乗政、御廐野(みまやの)、鞍掛峠からの3コースの登山道が開設されている[3]。山頂の南南東0.4 kmの御廐野からのコースと鞍掛峠からのコースの合流点に避難小屋トイレが設置されている[10]。山頂では360度の展望が得られ、東西に大きな裾野を広げる御嶽山の全容を間近くに望むことができる[7]。その西側の稜線越しには、北ノ俣岳薬師岳黒部五郎岳乗鞍岳北アルプス(飛騨山脈)の山並み[5]、遠く西には白山、東には小秀山三国山、拝殿山、中央アルプス(木曽山脈)恵那山[5]などを望むことができる[7]。麓の下呂町では毎年町民登山が行われていたこともあり、登山道はよく整備されている[10]。白草山の登頂の際に、近くの北西にある箱岩山にも登られることがある[5][10]

乗政からの登山道上部にある三ツ岩(岩が3段に積み重なった奇石)

乗政からのコース

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登山口の乗政温泉バス停[2]先の林道沿いには乗政キャンプ場があり、乗政大滝への遊歩道が整備されている。黒谷林道の入口となる分岐点にはゲートが設置されていて、一般車両の通行が禁止されている[7]。その周辺には登山者用の駐車場がある[7]。黒谷林道の上部に黒谷を渡るがあり、水場となる[7]。その先にヒノキの植林地の登山道となる[7]。県境稜線の手前には大きな岩が縦に三つ積み重なった「三ツ岩」と呼ばれる奇石がある[7]。県境稜線の合流点付近に小さな湿地がある[7]。生い茂ったクマザサが刈られた高原状の道を進むなだらかな広い山頂に至る。5月上旬ごろには登山道脇でショウジョウバカマなどの花が見られる[11]

  • 乗政温泉バス停 - 乗政キャンプ場 - 黒谷林道分岐 - 黒谷 - 尾根合流点 - 三ツ岩 - 県境稜線(箱岩山分岐点) - 白草山[3][5][7]

御廐野からのコース

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御廐野からの登山道上部の県境稜線合流部にある避難小屋

下呂市御廐野の南側の尾根からのコースがある[10]

  • 御廐野 - 御岳御廐野併用林道 - 登山道取付 - 天狗岩 - 水場下降点 - 県境稜線(避難小屋) - 白草山[3]

鞍掛峠からのコース

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東山腹の長野県王滝村と岐阜県下呂市とを結ぶ御岳御廐野併用林道の県境に位置する鞍掛峠から、稜線伝いに白草山に至るコースがある[3]

  • 鞍掛峠 - 避難小屋 - 白草山[3]

地理

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御嶽山の南東に連なる阿寺山地の1峰で、山頂に三角点はないが[7]、山頂の北西0.6 kmに隣接する箱岩山には三等三角点が設置されている[12]

周辺の主な山

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小秀山のカブト岩から望む白草山周辺の山並み(画像解説付き)
御嶽山から望む白草山周辺の山並み(画像解説付き)
山容 山名 標高(m)
[13][注釈 1][12]
三角点等級
基準点名[12]
白草山からの
方角距離(km)
備考
白草山の登山道から望む御嶽山(2014年10月11日) 御嶽山 3,067  (一等)「御岳山」
(3,063.61m)
北東 16.6 乗鞍火山帯最南部の活火山
日本百名山
南山麓の岐阜県下呂市乗政から望む寺田小屋山(2014年10月18日) 寺田小屋山 1,505.31  二等
「寺田小屋山」
北西 3.6 ぎふ百山
白草山から望む箱岩山(2014年10月11日) 箱岩山 1,669.30  三等
「箱岩山」
北西 0.6
小秀山方面から望む白草山、前衛の山は三国山(1,611m)、その下部の谷は白川(加子母川)の上流部、周辺はヒノキなどの林業が盛んな山域(2002年10月30日) 白草山 1,641 0 ぎふ百山
西方の白草山方面から望む三国山(長野県王滝村と岐阜県中津川市)、左端に鞍掛峠(2014年10月11日) 三国山 1,610.99  三等
「三国山」
東南東 2.5 ぎふ百山
白草山から望む小秀山、山頂部に避難小屋(2014年10月11日) 小秀山 1,981.86  二等
「小秀山」
東南東 6.0 阿寺山地の最高峰
日本二百名山

周辺の峠

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  • 鞍掛峠 - 山頂の東1.8 km、白草山と三国山との鞍部
  • 舞台峠 - 山頂の南5.8 km、拝殿山から南南西に延びる尾根にある峠で、竹原川と白川との分水嶺。下呂市と中津川市との境にあり、国道257号が通る。

源流の河川

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乗政大滝(落差21 m、岐阜県の名水50選)、飛騨川の支流の乗政川の上流域、岐阜県下呂市

木曽川水系の以下の支流とする山で、太平洋側伊勢湾へ流れる。飛騨川の支流と王滝川の支流の分水嶺となる山。山頂の2.9東北東 kmに王滝川に三浦ダムがある。山頂の西北西2.9 kmに乗政川に、岐阜県の名水50選の一つに選定されている乗政大滝(落差21 m、標高850 m)がある[7][14]

  • 竹原川、黒谷(乗政川の支流) - 飛騨川の支流
  • 水無沢 - 王滝川の支流

交通・アクセス

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周辺山域の西側の飛騨川沿いに国道41号が通る。山域の南側に国道257号、南西側に岐阜県道440号乗政下呂停車場線、南側に岐阜県道442号白草山公園線が通る。周辺の山域は林業が盛んな地域で、山域の多くはヒノキなどの植林地となっていて林道が敷設されている。南西山腹に広域林道下呂萩原線が通る。広域林道下呂萩原線から黒谷上流部側に黒谷林道が延びる。東山腹の長野県と岐阜県との県境の鞍掛峠を御岳御廐野併用林道[注釈 2]が通り下呂市側と王滝村側を結び、2014年の御嶽山噴火に伴い、長野県側の区間が通行規制されている。

白草山の風景と眺望

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白草山の風景

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白草山からの眺望

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脚注

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注釈

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  1. ^ 基準点の標高は、国土地理院による2014年3月の改定値を反映。
  2. ^ 御岳御廐野併用林道は、林業用の林道のため一般車両の通行が禁止されている。

出典

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  1. ^ a b 地理院地図(電子国土Web)・白草山”. 国土地理院. 2014年11月30日閲覧。
  2. ^ a b c d コンサイス日本山名辞典 (1992)、262頁
  3. ^ a b c d e f g 伊藤 (2005)、977頁
  4. ^ 自然公園”. 岐阜県 (2008年5月26日). 2014年11月30日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h 与呉 (2010)、200-201頁
  6. ^ 岐阜県山岳連盟 (1987)
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n 木下 (1999)、84-85頁
  8. ^ 下呂温泉ウォーキングコース白草山登山道” (PDF). 下呂市. 2014年11月30日閲覧。
  9. ^ 「御嶽十二景」ポスター”. 下呂市 (2008年5月26日). 2014年11月30日閲覧。
  10. ^ a b c d 松井 (1995)、56-58頁
  11. ^ 市政だより げろ 2012年6月号「白草山(標高1641m)にチャレンジ!」” (PDF). 下呂市. pp. 10-11. 2014年11月24日閲覧。
  12. ^ a b c 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2014年11月24日閲覧。
  13. ^ 日本の主な山岳標高(長野県の山・岐阜県の山)”. 国土地理院. 2014年11月30日閲覧。
  14. ^ 北中 (2006)、78頁

参考文献

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  • 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474 
  • 徳久球雄 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1 
  • 北中康文『日本の滝②西日本767滝』山と溪谷社〈ヤマケイ情報箱〉、2006年7月1日。ISBN 4635062589 
  • 島田靖、堀井啓介、木下喜代男『岐阜県の山』山と溪谷社〈分県登山ガイド〉、1998年1月10日。ISBN 4635021807 
  • 日本山岳会『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1 
  • 松井志津子『名古屋から行く 隠れた名山64』七賢出版、1995年6月16日。ISBN 4883042499 
  • 与呉日出夫『改訂新版 名古屋周辺の山』山と溪谷社〈週末登山コースの百科事典〉、2010年7月。ISBN 9784635180177 

関連項目

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外部リンク

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