映画音楽
映画音楽 Film music | |
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様式的起源 |
付随音楽 クラシック音楽 |
文化的起源 | 1900年代 |
派生ジャンル | エピック |
関連項目 | |
劇伴 主題歌 アニメソング ゲームミュージック シンフォニックメタル |
映画音楽(えいがおんがく、film musicあるいはfilm score[注 1])とは、映画の中で使用される音楽のことである。
歴史
[編集]映画は当初はサイレント(無声映画)であり、音声がついたのは1920年代にトーキーが発明されてからである。しかしながら、それ以前のサイレント映画を上映する際にも、映画館内でピアノなどによる音楽を流していた。時には、予算のある映画の場合、オーケストラピットでフルオーケストラの伴奏がつくこともあった。世界で最初の映画音楽は1908年、サン=サーンスが『ギーズ公の暗殺』[1]のために作曲した音楽と言われる。他にも、ショスタコーヴィチが1929年に『新バビロン』、エリック・サティが1924年に『幕間』を作曲するなど、初期の映画音楽はクラシック音楽の作曲家が主な担い手であった。日本では山田耕筰が1922年から1924年に昭和シネマ制作の『霊楽堂』に付けたのが最初である、といわれている。サイレント時代には、チャーリー・チャップリンやバスター・キートン、ハロルド・ロイドらが活躍したが、チャップリンは俳優、監督だけでなく、作曲もおこなった。近年はクラシック音楽をルーツとしない作曲家も増加しており、また音楽の多様化により映画音楽でもポップ、ジャズ、ロック、ソウル、テクノなど、さまざまな音楽が使用される。本編では使用されず、予告編だけに使われる映画音楽が存在しており、これらの音楽はエピックと呼ばれている。[2]。
ブラック・ムービーの映画音楽
[編集]戦前から戦後の1960年代前半までの映画は、音楽も含め白人のものだった。だが、1960年代後半から少しずつ黒人監督による映画が増えてきた。きっかけはメルビン・ヴァン・ピープルズ[注 2]による独立系映画「スウィート・スウィートバックス・バッドアス・ソング」の大成功だった。音楽はアース、ウインド&ファイアが担当した。その後、アイザック・ヘイズが音楽を担当した「黒いジャガー」(1971)[3]や、カーティス・メイフィールドの「スーパーフライ」(1972)[注 3]、ジョニー・ペイトの「シャフト・イン・アフリカ」(1973)[注 4]、オシビサ[注 5]の「スーパーフライTNT」など、多くのブラック・ムービー・サントラ盤が発表された。
映画音楽の作曲家
[編集]国名・氏名とも50音順。原則として出身国別であるが、国境を越えて仕事をしている作曲家も多い。
アメリカ
[編集]- アイザック・ヘイズ
- アーサー・B・ルービンスタイン
- アース・ウィンド&ファイア
- アラン・シルヴェストリ
- アルフレッド・ニューマン
- アレグザンダー・クーリッジ
- アレックス・ノース
- アンジェロ・バダラメンティ
- ヴィクター・ヤング
- ウィリー・ハッチ
- エリオット・ゴールデンサール
- エルマー・バーンスタイン
- オリヴァー・ネルソン
- オリバー・ウォレス
- カーティス・メイフィールド
- ガトー・バルビエリ[注 6]
- カール・スターリング
- カール・デイヴィス
- カール・ブラント
- クインシー・ジョーンズ[注 7]
- クリストファー・ヤング
- クリストファー・レナーツ
- ジェームズ・ニュートン・ハワード
- ジェームズ・ブラウン
- ジェイムズ・ホーナー
- ジェリー・ゴールドスミス
- ジェリー・フィールディング
- ジェローム・モロス
- ジム・スタインマン
- シャーリー・ウォーカー
- ジャック・ニッチェ
- ジョエル・ゴールドスミス
- ジョエル・マクニーリー
- ジョー・クレイマー
- ジョー・ハーネル
- ジョニー・ペイト
- ジョニー・マンデル
- ジョン・ウィリアムズ
- ジョン・オットマン
- ジョン・デブニー
- ジョン・モリス
- シルヴェスター・リーヴァイ
- スコット・ブラッドリー
- スチュー・フィリップス
- スティーヴィー・ワンダー
- スティーブ・ジャブロンスキー
- ダニー・エルフマン
- ディーン・エリオット
- デイヴ・グルーシン
- デイヴ・ブルーベック
- デヴィッド・アーカンストーン
- デヴィッド・シャイア
- デヴィッド・ニューマン
- デレク・ワズワース
- テレンス・ブランチャード
- トーマス・ニューマン
- トム・スコット
- ドン・デイヴィス
- ドン・ピーク
- ニール・ヘフティ
- ネイサン・バー
- バート・バカラック
- バーナード・ハーマン
- ハービー・ハンコック
- ハワード・ブレイク
- ヒューゴー・フリードホーファー
- ビル・コンティ
- ブラッド・フィーデル
- フランク・ザッパ
- ブルース・ブロートン
- フレデリック・タルゴーン
- ベアー・マクレアリー
- ベイジル・ポールドゥリス
- ヘンリー・マンシーニ[注 8]
- ボビー・ウーマック[注 9]
- ボブ・ディラン
- ポール・ソーテル
- マーヴィン・ゲイ[注 10]
- マーヴィン・ハムリッシュ
- マーク・マザーズボー
- マーク・マッケンジー
- マーク・マンシーナ
- マイケル・ケイメン
- マイケル・ジアッチーノ
- マックス・スタイナー
- マルコ・ベルトラミ
- ライ・クーダー[注 11]
- ランディ・エデルマン
- ランディ・ニューマン
- リー・ハーライン
- リチャード・バンド
- リチャード・ロジャース
- レス・バクスター
- レディー・ガガ
- レナード・ローゼンマン
- ロイ・エアーズ
アルゼンチン
[編集]- ラロ・シフリン(アメリカへ渡って活動)
イギリス
[編集]- アーサー・ブリス
- アルバート・エルムズ
- ウィリアム・ウォルトン
- エドワード・シェアマー
- エルトン・ジョン[注 12]
- オシビサ(アフリカ系イギリス人)
- キャット・スティーヴンス
- クリストファー・ガニング
- ジェイムズ・バーナード
- ジェフリー・バーゴン
- ジョージ・フェントン
- ジョン・アディスン
- ジョン・スコット
- ジョン・パウエル
- ジョン・バリー
- スティーヴン・プライス
- デヴィッド・アーノルド(アメリカでも活動)
- ドノヴァン
- ニック・グレニー=スミス
- パトリック・ゴワーズ
- パトリック・ドイル
- バリー・グレイ
- ビー・ジーズ
- ビートルズ
- ピンク・フロイド
- ザ・フー
- ベンジャミン・フランケル
- ヘンリー・ジャックマン
- ポール・マッカートニー
- マイク・バット
- マイク・オールドフィールド[注 13]
- マイケル・J・ルイス
- マルコム・アーノルド
- マイケル・ナイマン
- リチャード・アディンセル
- リチャード・ロドニー・ベネット
- レイチェル・ポートマン
- レスリー・ブリカス
- ロイ・バッド
- ロン・グッドウィン
- ロン・グレイナー
イタリア
[編集]- アルマンド・トロヴァヨーリ
- アレッサンドロ・アレッサンドローニ
- アンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノ
- エンニオ・モリコーネ(アメリカでも活動)
- カルロ・ルスティケッリ
- ゴブリン
- ジョルジオ・モロダー(アメリカでも活動)
- ダリオ・マリアネッリ(アメリカでも活動)
- ニーノ・ロータ(アメリカでも活動)
- ニコラ・ピオヴァーニ
- ピエロ・ピッチオーニ
- ピノ・ドナッジオ
- フランチェスコ・デ・マージ
- ブルーノ・ニコライ
- マリオ・ナシンベーネ
- ミケーレ・ラチェレンザ
- リズ・オルトラーニ
- ルイス・バカロフ
イラン
[編集]- ニマ・ファクララ(現在はアメリカで活動)
オーストラリア
[編集]オーストリア
[編集]- アーネスト・ゴールド(アメリカへ渡って活動)
- エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(アメリカへ渡って活動)
カナダ
[編集]韓国
[編集]ギリシャ
[編集]- ヴァンゲリス(アメリカでも活動)
- エレニ・カラインドルー
- ジョルジュ・ガルヴァランツ(フランスへ渡って活動)
- ミキス・テオドラキス
クロアチア
[編集]ジャマイカ
[編集]スウェーデン
[編集]スコットランド
[編集]スペイン
[編集]台湾
[編集]中国・香港
[編集]- 陳光榮 / コンフォート・チャン(代表作: インファナル・アフェア)
- 金培達
ドイツ
[編集]- カン
- クラウス・ドルディンガー
- クラウス・バデルト(現在はアメリカへ渡って活動)
- クリストファー・フランケ(現在はアメリカへ渡って活動)
- タンジェリン・ドリーム(グループ、クリストファー・フランケが過去に在籍)
- ハロルド・フォルターメイヤー(現在はアメリカへ渡って活動)
- ハンス・ジマー(現在はアメリカへ渡って活動)
- マルク・ストライテンフェルト(現在はアメリカへ渡って活動)
- ミヒャエル・スタウダッハー(韓国へ渡って活動)
- ラミン・ジャヴァディ(イラン系ドイツ人)
日本
[編集]あ
- 芥川也寸志
- 朝川朋之
- 天野正道
- 飯田信夫
- 池頼広
- 池野成
- 池辺晋一郎
- 石塚徹
- 伊藤ゴロー
- 伊藤昇
- 井筒昭雄
- 井上堯之[注 14]
- 伊福部昭
- 伊部晴美
- 岩崎太整
- 岩崎琢
- 岩代太郎
- 上野耕路
- 宇崎竜童
- 宇乃かつを
- 梅林茂
- 大島ミチル
- 大谷幸
- 大友良英
- 大野克夫
- 大野雄二
- 大間々昂
- 奥村一
- 小澤秀夫
か
- 甲斐正人
- 海田庄吾
- 加古隆
- 加藤和彦
- 兼松衆
- 川井憲次
- 川崎真弘
- 菅野祐悟
- 菅野よう子
- 菅野由弘
- 菊池俊輔
- 菊地成孔
- きだしゅんすけ
- 木下忠司
- 木村秀彬
- 木森敏之
- KYOHEI
- 国吉良一
- 栗山和樹
- 神津裕之
- 神津善行
- 甲田雅人
- 河野伸
- 小杉太一郎
- 古関裕而
- コーニッシュ
- 小林亜星
- 小室哲哉
- 小六禮次郎
さ
- 斎藤一郎
- 斎藤高順
- 三枝成彰
- 坂本龍一
- 鷺巣詩郎
- 佐藤直紀
- 佐藤允彦
- 佐藤勝
- 佐橋俊彦
- 佐村河内守
- 沢田完
- 澤野弘之
- 冷水ひとみ
- 末廣健一郎
- 周防義和
- 鈴木慶一
- 鈴木静一
- 鈴木清司
- 鈴木治行
- 鈴木ヤスヨシ
- 住友紀人
- 瀬川英史
- 千住明
- S.E.N.S.(グループ)
た
な
は
- 蓜島邦明
- 羽毛田丈史
- 長谷部徹
- 服部克久
- 服部隆之
- 服部正
- 羽田健太郎
- 羽深由理
- 浜口史郎
- 早坂文雄
- 林光
- 林ゆうき
- 林祐介
- 久石譲
- 平尾昌晃
- 富貴晴美
- fox capture plan(グループ)
- フジモトヨシタカ
- 深井史郎
- 藤澤健至
- 冬木透
- 別宮貞雄
- 星勝
- 細野晴臣
- 本多俊之
- 布袋寅泰
- 本間勇輔
ま
- 前田憲男
- 馬飼野康二
- 松井八郎
- 松田岳二
- 松村禎三
- 松本晃彦
- 松山祐士
- 眞鍋昭大
- 眞鍋理一郎(真鍋理一郎)
- 間宮芳生
- 黛敏郎
- 丸山和範
- 水谷広実
- 見岳章
- 宮内國郎
- 宮川彬良
- 宮川泰
- 溝口肇
- 村松崇継
- めいなCo.
や
ら
わ
ニュージーランド
[編集]- グレーム・レヴェル(アメリカへ渡って活動)
ハンガリー
[編集]- ミクロス・ローザ(アメリカへ渡って活動)
ブラジル
[編集]フランス
[編集]ベルギー
[編集]ポーランド
[編集]- ヴォイチェフ・キ��ール
- ブロニスラウ・ケイパー(アメリカへ渡って活動)
南アフリカ共和国
[編集]- トレヴァー・ジョーンズ(イギリスへ渡って活動)
- トレヴァー・ラビン(現在はアメリカで活動)
レバノン
[編集]- ガブリエル・ヤレド(フランスへ渡って活動)
ロシア・旧ソ連
[編集]- エドゥアルド・アルテミエフ
- ディミトリ・ティオムキン(アメリカへ渡って活動)
映画音楽専門のラジオ番組
[編集]現在も放送中の番組
[編集]- シーサイド・シアター(湘南ビーチFM、SBCラジオ) - 毎週日曜日 20:00 ~ 21:00(2022年4月以降の放送時間。番組が開始された2020年4月より2022年3月迄はは毎週日曜日 23:00 ~ 24:00)。司会はジョニー志田。番組公式ブログ
- 工藤じゅんきの人生は映画とともに(STVラジオ) - 毎週日曜日 22:30 ~ 23:00。司会は工藤じゅんき。番組公式HP
過去に放送されていた番組
[編集]- 夜のスクリーン・ミュージック(NHK-FM) - 毎週土曜日 22:20 ~ 23:00。司会は関光夫。1980年より1983年まで放送されていた。
関連項目
[編集]- サウンドトラック
- サイレント
- 劇伴
- 付随音楽(劇付随音楽、劇音楽、付帯音楽)
- 主題歌(テーマ・ソング)
- 劇中歌 (曖昧さ回避)
- 背景音楽(背景音楽)
- 劇伴音楽の作曲家一覧
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 映画のためだけに作曲された曲はfilm scoreのほうを用いる。
- ^ 監督だけでなく、俳優としても活躍した。息子のマリオ・ヴァン・ピープルズも映画監督になった。
- ^ 「フレディーズ・デッド」などの楽曲を収録している。
- ^ フォー・トップスの「アー・ユー・マン・イナフ」もアルバムに収録。
- ^ 代表曲は「サンシャイン・デイ」など。
- ^ 「ラスト・タンゴ・イン・パリ」の音楽を担当。
- ^ 「ゲッタウェイ」などの音楽を担当。
- ^ 「ひまわり」「シャレード」「ティファニーで昼食を」など多数担当。
- ^ 「110番街交差点」を担当。
- ^ 「トラブル・マン」の音楽を担当。
- ^ 75年の「ストリート・ファイター」を担当。
- ^ 「フレンズ」の音楽を担当。
- ^ 「エクソシスト」の音楽を担当。
- ^ 「雨のアムステルダム」など多数担当。
出典
[編集]- ^ http://www.wbjc.com/music-from-movies/
- ^ “Bebe Barron: Co-composer of the first electronic film score, for 'Forbidden Planet'”. The Independent (London). (May 8, 2008) 2019年12月25日閲覧。
- ^ http://movies.yahoo.co.jp/movie/6636/