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対数スケール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
この地図のように、対数スケールを使用すると、広い範囲の値を簡単に比較できる。

対数スケール(たいすうスケール、英語: logarithmic scale)またはログスケール対数目盛(たいすうめもり)とは、あるについて、広い範囲のの値について表す場合に使用される、非線形スケールである。一般的な用途には、地震の強さ(マグニチュード)、の大きさ(音圧)、の強度(光度)、溶液の液性(水素イオン指数(pH))などがある。

標準の線形スケール英語版とは異なり、���の桁数に基づいているため、対数スケール上で各等距離につけたマークで表される値は、前のマークの値に定数を掛けた値となる。

計算尺に刻まれた目盛りは対数スケールであり、スケール上の長さを加算・減算することにより、数値を乗算・除算することができる。

計算尺の2つの対数スケール

一般的な用法

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グラフにおける対数スケール

以下に、一般的に使用される対数スケールの例を示す。

量が多いほど値が大きくなるもの

量が少ないほど値が大きくなるもの

人の感覚の一部は対数的に作用し、心理���な感覚量は入力量の対数スケールに比例する(ヴェーバー‐フェヒナーの法則)。特に、人の聴覚は、周波数比が等しい音を等間隔の音程の音として知覚する。 さらに、孤立した部族の幼児に対する研究で、対数スケールが一部の文化で最も自然な数字の表し方であることが示されている[1]

グラフ表現

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様々なスケールに同じ数式をプロットしたもの。Linearが線形スケール、Lgが対数スケール。プロットされたグラフは、y = 10 x)、y = x)、y = loge(x)()。

左上のグラフはx軸、y軸ともに線形であり、y軸の範囲は0〜10である。左下のグラフのy軸には10を底とする対数スケールが使用され、y軸の範囲は0.1〜 1,000である。右上のグラフはx軸のみに対数スケールを使用し、右下のグラフはx軸とy軸の両方に対数スケールを使用している。

データが次のような場合には、対数スケールで表示すると便利である。

  • 実際の値ではなく値の対数を使用すると、範囲がより管理しやすいサイズに縮小されるため、広い範囲の値を表示できる。
  • 指数関数冪乗則を含んだデータを直線で表すことができる。

計算尺には対数スケールがあり、ノモグラム(計算図表)には対数スケールがよく使用される。2つの数値の幾何平均は、対数スケールでは2つの数値の中間として表される。コンピュータグラフィックスが出現する前は、対数スケールを表すための対数グラフ用紙が一般的に使用されていた。

対数を含んだ方程式を両対数グラフにプロットしたもの

グラフの水平軸と水平軸の両方が対数スケールになっているものを両対数グラフ、どちらか片方のみが対数スケールになっているものを片対数グラフという。

対数スケールの単位

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対数スケールで数量(物理量または数学的な量)を表現するために使用できる単位がいくつか存在する。このような単位は、数量と基準数量との比率の対数に比例する。単位の違いは、基準数量と使用する対数の底によるものである。

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対数スケールの単位には、データ量(ビットバイト)、情報量(ナットシャノン)、信号レベル(デシベルネーパ)の単位が含まれる。対数周波数の量は、周波数比(ディケード)や音楽の音程(オクターヴ半音セントなど)で使用される。その他の他の対数スケールの単位には、マグニチュードなどがある。

データ量の単位

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情報量の単位

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レベル差の単位

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周波数比の単位

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例の表

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単位 基準量 解釈
ビット 2 可能な状態の数 データ量
バイト 28 = 256 可能な状態の数 データ量
デシベル 10(1/10) ≈ 1.259 任意の工率量(音響パワーなど) 音響パワーレベルなど
デシベル 10(1/20) ≈ 1.122 任意の対数工率平方根の量(音圧など) 音圧レベルなど
半音 2(1/12) ≈ 1.059 音の周波数 音程の間隔

脚注

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  1. ^ Slide Rule Sense: Amazonian Indigenous Culture Demonstrates Universal Mapping Of Number Onto Space”. ScienceDaily (2008年5月30日). 2008年5月31日閲覧。

参考文献

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  • Dehaene, Stanislas; Izard, Véronique; Spelke, Elizabeth; Pica, Pierre (2008). “Log or linear? Distinct intuitions of the number scale in Western and Amazonian indigene cultures”. Science 320 (5880): 1217–20. Bibcode2008Sci...320.1217D. doi:10.1126/science.1156540. PMC 2610411. PMID 18511690. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2610411/. 
  • Tuffentsammer, Karl; Schumacher, P. (1953). “Normzahlen – die einstellige Logarithmentafel des Ingenieurs” (ドイツ語). Werkstattechnik und Maschinenbau 43 (4): 156. 
  • Tuffentsammer, Karl (1956). “Das Dezilog, eine Brücke zwischen Logarithmen, Dezibel, Neper und Normzahlen [The decilog, a bridge between logarithms, decibel, neper and preferred numbers]” (ドイツ語). VDI-Zeitschrift 98: 267–274. 
  • Ries, Clemens (1962) (ドイツ語). Normung nach Normzahlen [Standardization by preferred numbers] (1 ed.). Berlin, Germany: Duncker & Humblot Verlag. ISBN 978-3-42801242-8  (135 pages)
  • Paulin, Eugen (2007-09-01) (ドイツ語). Logarithmen, Normzahlen, Dezibel, Neper, Phon - natürlich verwandt! [Logarithms, preferred numbers, decibel, neper, phon - naturally related!]. オリジナルの2016-12-18時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161218223050/http://www.rechenschieber.org/Normzahlen.pdf 2016年12月18日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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