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吉久駅 (国鉄)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
吉久駅
1936年(昭和11年)時点の様子
よしひさ
Yoshihisa
能町 (2.1 km)
(0.9 km) 中伏木
地図
所在地 富山県高岡市能町
北緯36度46分46.5秒 東経137度3分10.6秒 / 北緯36.779583度 東経137.052944度 / 36.779583; 137.052944座標: 北緯36度46分46.5秒 東経137度3分10.6秒 / 北緯36.779583度 東経137.052944度 / 36.779583; 137.052944
所属事業者 日本国有鉄道
所属路線 新湊線
キロ程 2.1 km(能町起点)
電報略号 ヨサ
駅構造 地上駅
開業年月日 1918年大正7年)1月27日
廃止年月日 1951年昭和26年)4月1日
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吉久駅(よしひさえき)は、かつて富山県高岡市能町にあった、日本国有鉄道(国鉄)新湊線廃駅)である。

歴史

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昭和10年度における伏木駅及び新湊線周囲概況

もとは富山県初の鉄道である中越鉄道が、1918年(大正7年)に能町 - 新湊間を開業させるのと同時に設置されたものである[1]。その後、1920年(大正9年)に中越鉄道が国有化され、鉄道省の駅となったが[2]1951年(昭和26年)に新湊線の旅客営業が廃止されると同時に廃止された[3]

2002年平成14年)には、当駅跡地付近に新湊駅が移転して高岡貨物駅となっている[4]

年表

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  • 1918年大正7年)1月27日:中越鉄道の停留場として開業[1]。但し、旅客のみを取扱う[5]
  • 1920年(大正9年)9月1日:中越鉄道が国有化され、鉄道省(国鉄)の駅(停車場)となる[2]。手荷物及び附随小荷物の取扱を開始する[2]
  • 1923年(大正12年)2月1日:大正12年1月25日鉄道省達第15号により、一車積貨物を取扱わない駅であって、専用線発着車扱貨物に限って取扱を行う駅となり、三井物産専用側線発着貸切扱及一車積特種扱の貨物を指定する[6]
  • 1928年昭和3年)4月:駅舎本屋及び官舎を改築する[7]
  • 1929年(昭和4年)12月20日:発送小荷物の取扱を開始[8][9]
  • 1937年(昭和12年)7月10日:貨物(但し貸切扱貨物を除く)の取扱を開始[10]
  • 1947年(昭和22年)1月27日:当駅取扱の貨物は当駅接続専用線発着車扱貨物に限って行うものとされる[11][5]
  • 1951年(昭和26年)4月1日:新湊線の旅客取扱廃止に伴い廃止[3]

駅構造

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中伏木駅長の被管理駅であった[7]。駅舎は駅長事務室、本屋待合室、駅員詰所及び休憩室の設備を有し、80.6平方メートルの面積を有した[7]。乗降場は片側式で、幅5メートル、長さは63.5メートルであった[7]。駅前広場は165.7平方メートルを有し、構内総面積は2268.8平方メートルに及んだ[7]

貨物取扱

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1923年(大正12年)1月23日付『鉄道公報』号外によると、当駅接続の専用線は次の通りであった[12][13]

  • 三井物産線(動力:手押、作業哩程:1哩)

1930年(昭和5年)12月5日付『鉄道公報』附録通報「専用線一覧(運輸局)」によると、当駅接続の専用線は次の通りであった[14]

  • 三井物産線(第三者使用:北陸石炭、越中石炭、神保石炭、富山鉄道、能登鉄道、加越鉄道、立山鉄道、南越鉄道及び金名鉄道、動力:手押、作業粁程:0.3粁)
  • 中伏木合同運送線(動力:省機関車及び手押、作業粁程:0.2粁)

1934年(昭和9年)の名古屋鉄道局による報告によると、当駅接続の専用側線は次の通りであった[15]。なお荻布合名会社専用側線は、能町駅 - 当駅間の停車場外にて分岐し倉庫及び貯木場に至る専用側線であって、分岐点には通票鎖錠装置が設けられ、貨物列車牽引機関車により牽引して中伏木駅に集中の上、操車作業が行われていた[15]。よって運賃計算も中伏木駅を着発駅として取扱われていた[15]

  • 三井物産線(第三者使用:北国石炭、神保石炭、富山鉄道、能登鉄道、加越鉄道、富山電気鉄道、南越鉄道及び金名鉄道、動力:手押、作業粁程:0.3粁)
  • 中伏木合同運送線(動力:省機関車及び手押、作業粁程:0.2粁)
  • 荻布合名会社線(動力:省機関車、作業粁程:2.6粁)

隣の駅

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日本国有鉄道
新湊線
能町駅 - 吉久駅 - 中伏木駅

脚注

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  1. ^ a b 『官報』1652号、1918年(大正7年)2月6日、内閣印刷局
  2. ^ a b c 大正9年8月17日鉄道省告示第58号(『官報』、1920年(大正9年)8月17日、内閣印刷局)
  3. ^ a b 「日本国有鉄道公示第69号」『官報』1951年3月30日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. ^ 「鉄道記録帳2002年12月」、『RAIL FAN』第50巻第2号、2003年(平成15年)3月、鉄道友の会、
  5. ^ a b 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 II(初版)、JTB、1998年10月1日、161頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  6. ^ 『鉄道』第17巻第2号(106頁)、1923年(大正12年)2月、鉄道共攻会
  7. ^ a b c d e 名古屋鉄道局、「伏木港の現状と将来(三)」(71から72頁)、『港湾』第12巻第2号所収、1934年(昭和9年)2月、港湾協会
  8. ^ 昭和4年鉄道省告示第275号(『官報』、1929年(昭和4年)12月18日、内閣印刷局)
  9. ^ 「当駅は中伏木駅長管理に属し、開設当初は旅客、手荷物、旅客附随小荷物を取扱ひ、貨物は三井物産株式会社専用側線発着の貸切扱及一車積特種扱貨物のみを取扱ふ特種停車場であつたが、昭和三年能町村長外十六名に依り、小口扱貨物及小荷物取扱の請願あり、昭和四年之が承認せられたるも配達人及積卸請負人無き為、昭和四年十二月二十日より差当り発送小荷物の取扱を為すことゝなつた」(名古屋鉄道局、「伏木港の現状と将来(三)」(71から72頁)、『港湾』第12巻第2号所収、1934年(昭和9年)2月、港湾協会)
  10. ^ 昭和12年7月6日鉄道省告示第228号(『官報』、1937年(昭和12年)7月6日、内閣印刷局)
  11. ^ 昭和22年1月27日運輸省告示第15号(『官報』、1947年(昭和12年)1月27日、大蔵省印刷局)
  12. ^ 名取紀之編、『トワイライトゾ~ン・マニュアル10』(『Rail Magazine』別巻)第18号第13号(368頁)、2001年(平成13年)3月、ネコ・パブリッシング
  13. ^ なお、同公報における作業哩程の表記は、専用線作業契約準則(大正10年達第836号)第7条「作業哩程ヲ測定スル場合ニ於テハ一哩未満ニ切上クルモノトス」により、1哩以下の専用線は凡て1哩としている(名取紀之編、『トワイライトゾ~ン・マニュアル10』(『Rail Magazine』別巻)第18号第13号(358頁)、2001年(平成13年)3月、ネコ・パブリッシング)
  14. ^ 名取紀之・滝沢隆久編、『NEKO MOOK 402 トワイライトゾ~ンマニュアル11』(271頁)、2002年(平成14年)9月、ネコ・パブリッシング、ISBN:9784873669021
  15. ^ a b c 名古屋鉄道局、「伏木港の現状と将来(三)」(73頁)、『港湾』第12巻第2号所収、1934年(昭和9年)2月、港湾協会

関連項目

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