ブンブク目
ブンブク目 | |||||||||||||||||||||
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タヌキブンブク Brissopsis luzonica
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Spatangoida L. Agassiz, 1840[1] | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ブンブク目[2] |
ブンブク目(ブンブクもく、Spatangoida)は、棘皮動物門ウニ綱に分類される目。白亜紀後期に出現したとされ、ウニ綱では最も種類の多いグループである[3]。ブンブク目に分類される海産動物の総称はブンブクウニ(文福海胆)で、名称は昔話の文福茶釜でタヌキが化けた茶釜に由来するといい、明治以降に名付けられたとされる[4][3][注釈 1]。英語では殻が心臓の形に似ていることからheart-urchinと呼ばれる[4]。日本近海では約40種が知られている[6]。
特徴
[編集]よく知られる円形のいがぐり型のウニとは異なり、前後の区別があり、左右対称の殻を持つ[7]。口(周口部)は殻の下側のやや前方、肛門(囲肛部)は殻の後端に位置する[7]。
大きさは直径2センチメートルから、大きいもので20センチメートルくらいまで[4]。
ほとんどの種が海の砂泥の中に潜って生活し、砂泥中の微生物などを餌としている[4]。オカメブンブクが多く生息している場所では、海底を掘り進むことによって生態系に大きな影響を与えていることが判明している[8]。体表は獣の毛のような棘で覆われる[4]。例外として、砂に潜らないバサラブンブクは頑丈な棘をもつ[9]。
分類学上としては、殻の上面にある呼吸のための孔対が花紋(5つの花弁からなる花のような模様)を形成する[7]、「アリストテレスの提灯」と呼ばれる餌を咀嚼するための器官であるランタンを持たない[7]、耳状骨を持たない(タコノマクラ目は2対、カシパン目は1対の耳状骨を持つ)[7]などの特徴がある。
分類
[編集]「科」については日本分類学会連合 (2003) に記載のもの[6]、個別の種については『ウニ ハンドブック』に記載のもの[10]である。 ニセブンブク科やブンブクモドキ科、トックリブンブク科などの科をブンブクモドキ目(ニセブンブク目)Holasteroidaに分ける分類もある[11][12]。
- ニセブンブク科 Holasteridae
- ブンブクモドキ科 Urechinidae
- トックリブンブク科 Pourtalesiidae
- ヘンゲブンブク科 Palaeopneustidae
- ウリザネブンブク【Platybrissus roemeri Grube, 1865】、バサラブンブク【Heterobrissus niasicus (Döderlein, 1901)】
- コダヌキブンブク科 Hemiasteridae
- ���ツクチブンブク科 Palaeostomatidae
- ユメブンブク科 Aeropsidae
- アナグマブンブク科 Pericosmidae
- ブンブクチャガマ科 Schizasteridae
- ブンブクチャガマ、オーストンキツネブンブク【Brisaster owstoni Mortensen, 1950】、セイタカブンブク【Moira lachesinella Mortensen, 1930】
- ホンブンブク科 Spatangidae
- ヒラタブンブク科 Loveniidae
- ヒラタブンブク【Lovenia elongata (Gray, 1845)】、オカメブンブク【Echinocardium cordatum (Pennant, 1777)】
- オオブンブク科 Brissidae
- タヌキブンブク【Brissopsis luzonica (Gray, 1851)】、オオブンブク【Brissus agassizii Döderlein, 1885】、ミナミオオブンブク【Brissus latecarinatus (Leske, 1778)】、ライオンブンブク【Metalia latissima H.L. Clark, 1925】、ライオネスブンブク【Metalia angustus de Ridder, 1984】、ヤマネコブンブク【Metalia spatagus (Linnaeus, 1758)】
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ Kroh, A.; Mooi, R. (2023). World Echinoidea Database. Spatangoida. Accessed through: World Register of Marine Species at: https://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=123106 on 2023-04-12.
- ^ 国立天文台 編『理科年表2022』丸善出版、2021年、910頁。
- ^ a b ウニハンドブック 2019, p. 108.
- ^ a b c d e f 「ブンブクウニ」『小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)』 。コトバンクより2023年4月6日閲覧。
- ^ “ウニ”. 富山市科学文化センター. 2023年4月6日閲覧。
- ^ a b “ブンブク目 Spatangoida - 日本産生物種数調査”. 日本分類学会連合 (2003年). 2023年4月6日閲覧。
- ^ a b c d e ウニハンドブック 2019, p. 7-9.
- ^ 清家弘治 (2020年2月11日). “生物学者が「オカメブンブクこそ最強の生物だ」と断言する理由”. PRESIDENT Online. 2023年4月6日閲覧。
- ^ ウニハンドブック 2019, p. 110.
- ^ ウニハンドブック 2019, p. 109-123.
- ^ Andreas Kroh & Andrew B. Smith, “The phylogeny and classification of post-Palaeozoic echinoids The phylogeny and classification of post-Palaeozoic echinoids ,” Journal of Systematic Palaeontology, Volume 8, Issue 2, Taylor & Francis, 2010, Pages 147-212.
- ^ 金沢謙一「第18章 ウニの進化史」、本川達雄 編著『ウニ学』東海大学出版会、2009年、392-439頁。
- ^ “Nacospatangus altus (A. Agassiz, 1864)”. WoRMS - World Register of Marine Species. 2023年4月6日閲覧。
参考文献
[編集]- 田中颯; 大作晃一; 幸塚久典『ウニ ハンドブック』文一総合出版、2019年10月29日。ISBN 978-4-8299-8165-8。