ヒビノ (音響映像)
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | |
本社所在地 |
日本 〒108-0075 東京都港区港南三丁目5番14号 |
設立 |
1964年(昭和39年)11月13日 (ヒビノ電気音響株式会社) |
業種 | サービス業 |
法人番号 | 8010401025232 |
事業内容 |
業務用音響・映像機器の販売・システム設計・施工 音響・映像機材のレンタル・オペレート業務 |
代表者 |
日比野 晃久(代表取締役社長) 吉松 聡(代表取締役副社長) |
資本金 |
17億4,865万5千円 (2019年3月31日現在) |
売上高 |
連結:339億1,005万6千円 単独:181億9,870万9千円 (2019年3月期) |
総資産 |
連結:324億2,256万5千円 単独:249億5,623万円 (2019年3月31日現在) |
従業員数 |
単体:523人 連結:1,128人 (2019年3月31日現在) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
(有)ハイビーノ 30.1% 日比野 晃久 10.5% 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 5.6% (2019年3月31日現在) |
主要子会社 | グループ会社参照 |
外部リンク | https://www.hibino.co.jp/ |
ヒビノ株式会社(Hibino Corporation)は、プロ用音響機器・映像機器の輸入販売、音響・映像システムの設計、LEDディスプレイの開発・製造・販売、コンサートイベント用映像機材・PA機材のレンタル及びオペレーション、ライブレコーディングを行う会社。本社東京都港区。
概要
[編集]ヒビノの主な事業は、音響機器の輸入販売、映像製品の開発・製造・販売、PA(コンサート音響)及びコンサート・イベント映像の機材レンタルとオペレートサービスである。PA業界でも映像業界でも老舗企業であり国内最大手。また業務用音響機器の専業企業としても国内最大級のシェアを持つ。
創業は1956年、日比野宏明(現:会長)がテレビの販売・修理店である日比野電気を開業。1964年に同店を母体として音響設備会社のヒビノ電気音響株式会社(現:ヒビノ)を設立し、業務用音響機器の販売を開始する。1970年の大阪万博でShureのPAシステムに出会い国内販売を開始する。導入費が高額なことや操作に専門知識が必要なことからなかなか販売には結びつかなかったものの、使いたいとの要望は絶えなかった。そこで1971年、販売と並行してPA機材のレンタル並びに技術者によるオペレートを提供するPA(コンサート音響)事業を開始。日本におけるPAの道を切り開く。コンサートの音響を手掛ける中で、コンサートに映像が必要な時代が訪れると考え、1984年に映像事業へ参入。翌年よりイベントやコンサートの映像演出サービスを本格的に開始する。当初、日本ではコンサートに映像は必要ないとなかなか受け入れられなかったが、1985年に日本で初めてコンサートに映像演出としてのマルチビジョンを導入。展示会や企業イベントにおける映像需要の拡大を追い風に、映像事業は大きく成長する。1988年にコーポレートアイデンティティを導入し、社名をヒビノ、スローガンを音と映像のプレゼンテーターとし、企業ロゴも一新する。その後IT事業やポストプロダクション事業へ参入するが後に撤退。2002年、日比野宏明は会長に就任し、息子の日比野晃久が社長の座に就く。同年、業務用映像機器の開発・製造事業に参入。2003年に音響・映像・編集の技術者を派遣する人材派遣業を開始。2006年2月にジャスダック証券取引所に上場する。同年にメディア・テクニカル、2007年にヘビームーン、2008年スチューダー・ジャパン−ブロードキャストを完全子会社化。2010年にビクターアークスの株式を取得し戦略的提携を行う。その後も音響と映像の分野でM&Aを実施。2013年にはエィティスリーを完全子会社化しライブハウス事業へ参入、並びにファーストエンジニアリングを完全子会社化し舞台用照明機器の分野に進出、2015年に日東紡音響エンジニアリングを完全子会社化し建築音響へ参入。音響、映像、音楽、ライブを軸に事業領域の拡充、ものづくり事業の拡大をはかる。
電気音響・販売施工事業
[編集]海外ブランド音響機器の輸入代理業務、国内音響機器の販売代理業務を行う。商材はプロ用・業務用の機器がほとんどで、放送局、音楽ホール、映画館、ライブハウス、商業施設などの音響システムを設計、施工するほか、PA会社やレンタル会社などへ販売する。創業より行う事業である。
- 輸入代理店ブランド:AKG、BSS Audio、CROWN、dbx、JBL PROFESSIONAL、Lexicon PRO、Soundcraft、STUDER
コンサート・イベントサービス事業
[編集]コンサート・イベントサービス事業は、音響部門と映像部門の2部門に分かれる。
音響部門は、コンサートのPA(コンサート音響)を手掛ける。30チーム体制でドーム5会場の同時開催に対応できる機材量とスタッフ数を持つ。ロック、ポップス系を中心に130以上のアーティストのコンサートをサポートしている。日本のPAにおける草分けであり日本最大のPA会社。
映像部門は、大規模コンサートを中心に展示会、式典、スポーツイベント、企業イベント、テレビ番組などで使われる大型映像装置のレンタル及びオペレートを行う。LEDスクリーンやプロジェクターをはじめとする映像機材を世界最大規模で取り揃えている。1987年に事業を本格始動し、同年、日本で初めてコンサートに映像演出としてのマルチビジョンを導入した。音響部門とは異なりコンサート以外にもオリンピック、モーターショー、万博、株主総会、国際会議など多種多様な大型イベントを数多くサポートする。コロナ禍では、LEDスクリーンとXR技術を掛け合わせた配信ならではの映像体験を提供。2021年にはLEDディスプレイの運用技術を基にバーチャルプロダクション技術インカメラVFXを確立し、国内の映像制作業界へ提供。機会を捉え市場を拡大している。過去に北野武監督の映画『みんな〜やってるか!』では当社の巨大スクリーンを使用し、会社のロゴマークを映したり「ヒビノのスーパービジョン、どうしましょうか?」というセリフを加えた事で、レンタル料金を100万円から5万円まで値切るというエピソードもあった。
- 主な技術協力アーティスト:aiko、access、Acid Black Cherry、嵐、アリス、アンジェラ・アキ、E-girls、UVERworld、ウルフルズ、AKB48、EXILE、EXILE ATSUSHI、X JAPAN、及川光博、大塚愛、ORANGE RANGE、甲斐よしひろ、KAT-TUN、Gackt、the GazettE、加山雄三、関ジャニ∞、℃-ute、Kis-My-Ft2、清木場俊介、KinKi Kids、クレイジーケンバンド、黒夢、倖田來未、GLAY、郷ひろみ、コブクロ、ゴールデンボンバー、佐野元春、沢田研二、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、サザンオールスターズ、THE YELLOW MONKEY、the HIATUS、湘南乃風、Superfly、スガシカオ、SMAP、滝沢歌舞伎、タッキー&翼、T.M.Revolution、TOKIO、DREAMS COME TRUE、AAA、ナイトメア、長渕剛、NEWS、HiGH&LOW、葉加瀬太郎、BUCK-TICK、浜崎あゆみ、浜田省吾、VAMPS、BUCK-TICK、B'z、氷室京介、藤井フミヤ、V6、flumpool、Hey! Say! JUMP、BABYMETAL、槇原敬之、水樹奈々、Mr.Children、miwa、モーニング娘。、乃木坂46、矢沢永吉、山崎まさよし、山下達郎、YUKI、ゆず、ユニコーン、横山健、吉井和哉、LOUDNESS[1]、L'Arc〜en〜Ciel、RADWIMPS、凛として時雨、Red Hot Chili Peppers、ONE OK ROCK
- 主な技術協力音楽イベント:イナズマロックフェス、UDO MUSIC FESTIVAL、a-nation、ap bank fes、Augusta Camp、COUNTDOWN JAPAN、サマーソニック、J-WAVE LIVE、JAPAN NIGHT -MOVE WITH THE MUSIC-、情熱大陸SPECIAL LIVE、FUJI ROCK FESTIVAL、FREEDOM aozora、東京JAZZ
- 主な技術協力スポーツイベント:国民体育大会、シドニーオリンピック、ソルトレークシティオリンピック、東京2020オリンピック・パラリンピック、東京マラソン、長野オリンピック、B.LEAGUE、Tリーグ、FORMULA 1 JAPAN GP、ANAウインドサーフィンワールドカップ、ラグビーワールドカップ日本大会、パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ、JAPAN SWIM、ジャパンオープン (50m)、FINA競泳ワールドカップ、アジア冬季競技大会、KNOCK OUT、SUPER GT、コーラ インターナショナル・プレミア・テニス・リーグ、ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡大会、東京ゲームショウe-Sports X
- 主な技術協力イベント:愛・地球博、XFLAG PARK、さっぽろ雪まつり、上海万博、神宮外苑花火大会、即位の礼、大喪の礼、第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)、ドラゴンクエストライブスペクタクルツアー、ミラノ万博
- 主な技術協力テレビ番組:朝まで生テレビ、いきなり!黄金伝説。、クイズ雑学王、インディジャパン300、NHK紅白歌合戦、FNS歌謡祭、F1グランプリ、芸能人格付けチェック、SASUKE、サルヂエ、ダウンタウンDX、TVのチカラ、ブラタモリ南極、プレバト!!、ワンダー×ワンダー
- 主な技術協力展示会:東京モーターショー、東京ゲームショウ、ビジネスショウ、アミューズメントマシンエキスポ、NTT GROUP COLLECTION、東京オートサロン、海外モーターショー(ニューヨーク、ソウル、上海、フランクフルト、シカゴ、デトロイト、広州)
映像製品の開発・製造・販売事業
[編集]LEDディスプレイの開発・製造・販売を行う。製造工場は持たないファブレス。自社ブランドのChromaLED(クロマレッド)は高輝度・高精細が特徴。日本製にこだわっておりLEDの球は日亜化学工業製、製造組立は国内協力会社の工場で行う。街頭ビジョン、商業施設、テレビ局のほか国内外のレンタル会社に販売している。
- 主なヒビノ製LEDディスプレイブランド:ChromaLED、ChromaVision(クロマビジョン)、infoLED(インフォレッド)
- 主な納入先:東証Arrowsマーケットセンター、赤坂サカスSacas400、秋葉原UDXビジョン、アドビジョン大阪、池袋西口公園、池袋リプレビジョン、iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ、ウメキタるるっと!ビジョン、表参道ヒルズ、QFRONT Q'S EYE、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場、警視庁サインカー、サンシャインシティ、品川駅港南口ふれあい広場、渋谷駅前ビジョン、渋谷キャスト、渋谷ヒカリエ、新橋ヒビノビジョン、JR大宮駅、そごう千葉店、中部国際空港セントレアSORAビジョン、T-WESTビジョン(名古屋駅前街頭ビジョン)、東京国際フォーラム、NISSAN CROSSING、日産グローバル本社ギャラリー、日本科学未来館、日本橋アドビジョン、白馬ジャンプ競技場、パシフィコ横浜、ビックロ ユニクロ新宿東口店、フジテレビジャンボビジョン、PRADA(銀座店他50店舗)、HONDAウェルカムプラザ青山、ボートピア習志野、ボートレース平和島、南町田グランベリーパーク、DHC Channel(旧マイティビジョン渋谷)、ユニクロ(UNIQLO TOKYO、銀座店、池袋サンシャイン60通り店、UNIQLO OSAKA、上海店、広州店、広州ビクトリー広場店、エンポリアム メルボルン店、ミッドシティセンター店、マニラ グローバル旗艦店、他)、横浜アリーナヨコアリビジョン、横浜スタジアム、ラジオシティ・ミュージックホール、ロードサイドネットワークビジョン(六本木、麻布、芝公園、日本橋、江戸川橋)、東京消防庁 VR BOSAI
その他の事業
[編集]上記3事業に分類されない事業、新規事業など。現在は子会社が行う舞台用照明機器の販売やライブハウスの経営がその他の事業に含まれる。
- 子会社の主な輸入代理店ブランド(照明):Avolites、Capture、LeaderLight、Minuit Une、TheatreLight
- 子会社が運営するライブハウス:ケネディハウス銀座、REAL DIVA'S
組織
[編集]- ヒビノプロオーディオセールス Div.
- ヒビノクロマテック Div.
- ヒビノサウンド Div.
- ヒビノビジュアル Div.
- ヒビノGMC
本支社所在地
[編集]- 本社(東京都港区)
- ヒビノ日の出ビル(東京都港区)
- 東京ブランチ(東京都江東区)
- 札幌オフィス(北海道札幌市)
- 仙台プロモーションオフィス(宮城県仙台市)
- 名古屋ブランチ(愛知県名古屋市)
- 大阪ブランチ(大阪府吹田市)
- 福岡ブランチ(福岡県福岡市)
グループ会社
[編集]子会社(連結)
[編集]- ヒビノインターサウンド株式会社(旧:株式会社ヘビームーン)
- 株式会社エレクトリ
- 株式会社テクノハウス
- ヒビノスペーステック株式会社(旧:ヒビノアークス株式会社)
- ヒビノイマジニアリング株式会社(旧:コバレント販売株式会社)
- 日本音響エンジニアリング株式会社(旧:日東紡音響エンジニアリング株式会社)
- 日本環境アメニティ株式会社(旧:日本板硝子環境アメニテイ株式会社)
- ヒビノメディアテクニカル株式会社(旧:株式会社メディア・テクニカル)
- 株式会社シグマ映像
- ヒビノベスコ株式会社(旧:株式会社ベスコ)
- ヒビノライティング株式会社(旧:株式会社ファーストエンジニアリング)
- Sama Sound Inc.
- Sama D&I Co., Ltd.
- Sama CDS Inc.
- Hibino Asia Pacific Limited
- Hibino USA, Inc.
- TLS PRODUCTIONS, INC.
- H&X Technologies, Inc.
- Hibino Asia Pacific (Shanghai) Limited
- Hibino Europe B.V.
子会社(非連結)
[編集]- 株式会社サンオー
- 株式会社エィティスリー
- ヒビノエンタテインメント株式会社
- NOE Asia Pacific Company Limited
かつての子会社
[編集]- Hibino Europe Limited(元子会社/2020年に清算)
- スチューダー・ジャパン-ブロードキャスト株式会社(元子会社/2019年に吸収合併)
- 株式会社メディアニクス(元孫会社/2016年に子会社が吸収合併)
- アイテムプラス株式会社(元子会社/2009年に吸収合併)
- ヒビノドットコム株式会社(元子会社/2004年に吸収合併)
- ヒビノクロマテック株式会社(元子会社/2002年に事業統合)
- Hibino Audio-Visual USA Inc.(元子会社/1997年に解散)
脚注・出典
[編集]- ^ 二井原実 自伝 真我Singer(2018年 リットーミュージック ISBN 978-4845632114)pp79