テヘラン方言
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テヘラン方言(波:لهجه تهرانی, lahje-ye tehrānī)は、ペルシア語の方言のひとつで、ペルシア語の口語としてイランでもっとも有力なものである。イランの文語である標準ペルシア語と比べ、二重母音が融合して長単母音化する等の差異がある。なお、古テヘラン方言とは別のものである。
発音の特徴
[編集]標準ペルシア語の発音と比べ、テヘラン方言の発音には以下のような特徴がある。
- 単語末にある「ان」[ɒːn]、「انه」、一部の「ام」[ɒːm]の長母音「ا」[ɒː]が、多くの場合「و」[uː]になる。
標準ペルシア語 テヘラン方言 خانه [xɒːne] خونه [xuːne] 家 جان [dʒɒːn] جون [dʒuːn] 魂 آرام [ɒːrɒːm] آروم [ɒːruːm] 安らぎ
- 「اؚ」[e]がしばしば「ی」[i]と発音される。
標準ペルシア語 テヘラン方言 شکر [ʃekær] شیکر [ʃikær] 砂糖 کشمش [keʃmeʃ] کیشمیش [kiʃmiʃ] 干しぶどう بلیت [beliːt] بیلیت [biliːt] チケット جگر [dʒegær] جیگر [dʒigær] 肝臓 شلنگ [ʃelaŋg] شیلنگ [ʃilaŋg] 大股
- 単語の最後の子音がしばしば脱落する。
標準ペルシア語 テヘラン方言 او در خانه نیست [uː dær xɒːne niːst] اون خونه نیس [uːn xuːne niːs] 彼は家にいない هنوز نرفتی [hænuːz næræftiː] هنو نرفتی [hænuː næræftiː] まだ行かない
- 定目的格を表す「را」[rɒː]が「رو」[roː]または[oː]([iː]の後では[joː])と発音される。
標準ペルシア語 テヘラン方言 ما را ببین [mɒː rɒː bebːn] ما رو ببین [mɒː roː bebːn'] 我々を見よ دستت را بلند کن [dæstæt rɒː bolænd kon] دستتو بلند کن [dæstætoː bolænd kon] (君の)手を上げよ علی را ببین [æliː rɒː bebːn] علی رو ببین [æliː roː bebːn] アリーを見よ علییُ ببین [æliːjoː bebːn] برزو را بزن [borzuː rɒː bezæn] دبرزو رو بزن [borzuː roː bezæn] [borzuːoː bezæn]