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カレリア (小惑星)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カレリア
1391 Carelia
仮符号・別名 1936 DA · 1949 MR
分類 小惑星
軌道の種類 小惑星帯[1][2]
発見
発見日 1936年2月16日[1]
発見者 ユルィヨ・バイサラ[1]
軌道要素と性質
元期:2020年5月31日 (JD 2,459,000.5)[2]
軌道長半径 (a) 2.5478 AU
近日点距離 (q) 2.1278 AU
遠日点距離 (Q) 2.9677 AU
離心率 (e) 0.1648
公転周期 (P) 4.07 (1,485 日)
軌道傾斜角 (i) 7.5962
近日点引数 (ω) 85.875 度
昇交点黄経 (Ω) 103.33 度
平均近点角 (M) 228.13 度
物理的性質
直径 11.079±0.111 km[3]
自転周期 5.87822±0.00001 h[4]
スペクトル分類
  • Tholen = S[2]
  • S (SDSS-MOC)[5]
  • B–V = 0.897±0.026[2]
  • U–B = 0.433±0.024[2]
絶対等級 (H) 11.8[1][2]
Template (ノート 解説) ■Project
光学曲線からモデル化した形態

カレリア(1391 Carelia)は、小惑星帯中央部にある岩石質の小惑星である。1936年2月16日にフィンランド南西部のトゥルクにあるIso-Heikkilä 天文台で、フィンランド人天文学者ユルィヨ・バイサラが発見した[1]S型小惑星で、自転周期は5.9時間、直径は約11時間と測定される。ヨーロッパ北東部の地域名カレリアに因んで命名された[6]

軌道と分類

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カレリアの軌道要素階層クラスタリング分析を用いて分析した結果、どの小惑星族にも属さないとされた[7][8]太陽から2.1-3.0天文単位カークウッドの間隙を1485日(4年1か月)かけて公転している。軌道離心率は0.16、黄道に対する軌道傾斜角は8°である[2]。ドイツ南西部のケーニッヒシュトゥール天文台で初めて観測され、w:Obserbation arcは、トゥルクでの発見よりも2日間前に伸ばされた[1]

命名

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フィンランド湾ロシア白海の間にあるヨーロッパ北東部のカレリアに因んで命名された。命名は、1955年のポール・ハーゲットの著作The Names of the Minor Planetsの中で言及された[6]。1939年から1940年にソビエト連邦とフィンランドの間で行われた冬戦争以降、この地域はロシアに属している。ユルィヨ・バイサラが発見した天体の多くには、カレリアでの戦争に因んだ名前が付けられている。

物理的性質

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デヴィッド・トーレンによる分類では、カレリアは、小惑星帯内側では最も一般的である岩石質のS型小惑星に分類される[2]スローン・デジタル・スカイサーベイの分類でもS型とされている。

自転と極

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2016年、Lowell Photometric Databaseのモデル化した測光データを用いたカレリアの光学曲線が公表された。光学曲線の分析により、自転周期は5.878 22 ± 0.000 01時間で、黄道座標(λ, β)で(21.0°, -79.0°)と(208.0°, -43.0°)の2つのスピン軸を持つことが明らかとなった[4]

直径とアルベド

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アメリカ航空宇宙局広視野赤外線探査機(WISE)及びこの後継のNEOWISEによる探査により、それぞれ、カレリアの直径は11.089及び11.570 km、表面のアルベドは0.1972及び0.214と測定された[3][8]Collaborative Asteroid Lightcurve Linkは、絶対等級12.07と岩石質の小惑星の標準的なアルベドである0.20を用いて、直径を11.46kmと計算している[9]

出典

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  1. ^ a b c d e f 1391 Carelia (1936 DA)”. Minor Planet Center. 3 April 2017閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h JPL Small-Body Database Browser: 1391 Carelia (1936 DA)”. Jet Propulsion Laboratory. 16 March 2020閲覧。
  3. ^ a b Masiero, Joseph R.; Grav, T.; Mainzer, A. K.; Nugent, C. R.; Bauer, J. M.; Stevenson, R. et al. (August 2014). “Main-belt Asteroids with WISE/NEOWISE: Near-infrared Albedos”. The Astrophysical Journal 791 (2): 11. arXiv:1406.6645. Bibcode2014ApJ...791..121M. doi:10.1088/0004-637X/791/2/121. https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2014ApJ...791..121M/abstract 3 April 2017閲覧。. 
  4. ^ a b Durech, J.; Hanus, J.; Oszkiewicz, D.; Vanco, R. (March 2016). “Asteroid models from the Lowell photometric database”. Astronomy and Astrophysics 587: 6. arXiv:1601.02909. Bibcode2016A&A...587A..48D. doi:10.1051/0004-6361/201527573. http://adsabs.harvard.edu/cgi-bin/bib_query?bibcode=2016A&A...587A..48D 3 April 2017閲覧。. 
  5. ^ Carvano, J. M.; Hasselmann, P. H.; Lazzaro, D.; Mothé-Diniz, T. (February 2010). “SDSS-based taxonomic classification and orbital distribution of main belt asteroids”. Astronomy and Astrophysics 510: 12. Bibcode2010A&A...510A..43C. doi:10.1051/0004-6361/200913322. https://sbnarchive.psi.edu/pds3/non_mission/EAR_A_I0035_5_SDSSTAX_V1_1/data/sdsstax_ast_table.tab 16 March 2020閲覧。.  (PDS data set)
  6. ^ a b Schmadel, Lutz D. (2007). “(1391) Carelia”. Dictionary of Minor Planet Names. Springer Berlin Heidelberg. p. 112. doi:10.1007/978-3-540-29925-7_1392. ISBN 978-3-540-00238-3 
  7. ^ Asteroid 1391 Carelia – Proper Elements”. AstDyS-2, Asteroids – Dynamic Site. 16 March 2020閲覧。
  8. ^ a b Asteroid 1391 Carelia”. Small Bodies Data Ferret. 16 March 2020閲覧。
  9. ^ LCDB Data for (1391) Carelia”. Asteroid Lightcurve Database (LCDB). 3 April 2017閲覧。

外部リンク

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