オンセンミズゴマツボ
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オンセンミズゴマツボ | |||||||||||||||||||||
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||
絶滅危惧I類(環境省レッドリスト) | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Stenothyra thermaecola Kuroda, 1962[2] | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
オンセンゴマツボ[2] オンセンミズゴマツボ[1] |
オンセンミズゴマツボ(オンセンゴマツボ、Stenothyra thermaecola)は、ミズゴマツボ科に属する巻貝の一種。日本固有種で、大分県由布市(旧湯布院町)のみに生息する。
特徴
[編集]全長約4mm、直径約2.5mmの金色をした小型の淡水貝���で、殻表には点刻列がない。コケを主食とする[3][4]。
36-45℃前後の温水域を好み、温泉が流入する水路に生息する。海中では熱水鉱床のような高温環境に生息する貝類が知られているが、陸上の温泉に生息する貝類は知られておらず、本種は温泉の周辺域に生息する唯一の貝類であるとされる[5]。
分布
[編集]現在は、大分県由布市の由布院温泉にある金鱗湖近くの水路と[1]、別府市の亀川のみに生息している[6]。
大分県玖珠郡九重町の宝泉寺温泉や、別府市の亀川温泉にも生息しており、模式標本産地は宝泉寺温泉であった[2]。由布市以外では1960年代末に生息地がいったん消失したが[1]、2022年に亀川に生息していることが約60年ぶりに確認された[6]。
保全状態評価
[編集]2010年3月31日に大分県の指定希少野生動植物に指定されている[8]。また、2013年9月7日には由布市の指定文化財に指定されている[9]。
生息地が観光地であるため、絶滅が危惧されている。由布市では生息域外保全に取り組んできたが、生息地が1箇所で生息数に限りがあるため、かつての生息地である旧銀鱗湖[10]に移植すべく同地での飼育実験を行っている[11]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e 近藤高貴「オンセンゴマツボ(オンセンミズゴマツボ)」、環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室 編『レッドデータブック2014 6 貝類 ―日本の絶滅のおそれのある野生生物―』ぎょうせい、2014年、67頁。
- ^ a b c 黒田徳米「日本並に隣接地域産ミズゴマツボ類に就いて」『貝類学雑誌』第22巻 1号、日本貝類学会、1962年、59-69頁。
- ^ オンセンミズゴマツボ 生物多様性情報システム 環境省
- ^ オンセンミズゴマツボ:温泉にすむ黄金の貝…研究を開始 毎日新聞、2012年9月12日
- ^ 貝の博物誌 佐々木猛智
- ^ a b 北九州魚部「おんせん県大分の温泉都市別府で約 60 年ぶりの再発見! 温泉に生きる淡水巻貝が別府八湯「亀川」で密かに生き伸びる 世界中で唯一大分県に生息する「オンセンゴマツボ」!!」PR TIMES、2022年11月10日、2024年6月17日閲覧。
- ^ オンセンミズゴマツボ 大分県
- ^ 指定希少野生動植物の追加指定について(平成23年度) 大分県
- ^ 巻き貝、市指定文化財に 世界で大分・湯布院にだけ生息 朝日新聞、2013年9月10日
- ^ 金鱗湖とは異なる池で、昭和20年代に埋め立てられ消失した。
- ^ オンセンミズゴマツボの飼育実験中です 由布市環境課
外部リンク
[編集]- オンセンミズゴマツボ 大分県