エトセトラブックス
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒155-0033 東京都世田谷区代田4-10-18ダイタビル1F |
設立 | 2018年 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 出版 |
代表者 | 松尾亜紀子(代表) |
外部リンク |
etcbooks |
株式会社エトセトラブックス(英: etc. books, Inc)は、日本の出版社、書店である。フェミニズムの書籍を取り扱っている。
歴史
[編集]出版社のエトセトラブックスは、2018年12月、松尾亜紀子によって設立され、2019年2月に始動した[1]。設立にあたり、「2010年ごろからSNSを中心に日本の多くの女性たちがフェミニズムについての対話を始めたこと」と「独立系の出版社がたくさん登場したこと」の2つが後押しになった[2]。社名は松田青子の考案によるものであり、「エトセトラ (etc.)」には「これまで『等々』で括られてきた、多様であるがゆえにまだ伝えられていないフェミニストの声を届けていく」という思いが込められている[3]。ロゴは福岡南央子がデザインした[4]。ロゴに描かれている6つの顔は、特定の人物ではなく、「この世に存在するフェミニストたち=etc.の象徴」であるという[4]。
2019年5月、フェミニズムの話題について取り上げる雑誌『エトセトラ』を創刊した[5]。「コンビニからエロ本がなくなる日」特集の創刊号は5,000部の売り上げを記録した[6]。以後、年2回(5月と11月)の刊行を続けている[5]。作家、���画家、芸能人を編集者として起用し、女性の身体、女性運動、韓国ドラマ、スポーツ、アイドルなどについて特集している[7]。森山至貴は「現在進行形のフェミニズムを知ることができる」と評している[8]。
書店のエトセトラブックスは、2021年1月、東京都世田谷区代田に開業した[9]。前年12月24日から26日までのプレオープンでは150人以上の客が来店し、約350冊の書籍が売れた[10]。毎週木曜日から土曜日までの3日間だけ営業している[11]。エトセトラブックスから刊行された書籍の他に、フェミニズムの専門書、小説、コミック、児童書、オリジナル・グッズなどを取り扱っている[12]。書籍については新刊と古書の両方を販売している[12]。『タイムアウト東京』の2021年の記事で「東京、ベストインデペンデント書店15選」に選出された[13]。
出版
[編集]単行本
[編集]- 牧野雅子『痴漢とはなにか』(2019年)
- ヴァージニア・ウルフ『ある協会』(2019年)
- カルメン・マリア・マチャド『彼女の体とその他の断片』(2020年)
- フラワーデモ編『フラワーデモを記録する』(2020年)
- 笙野頼子『水晶内制度』(2020年)
- ベル・フックス『フェミニズムはみんなのもの』(2020年)
- カン・ファギル『別の人』(2021年)
- ユン・ウンジュ『女の子だから、男の子だからをなくす本』(2021年)
- カルメン・マリア・マチャド『イン・ザ・ドリームハウス』(2022年)
- ダリア・セレンコ『女の子たちと公的機関』(2023年)
- 小山さんノートワークショップ編『小山さんノート』(2023年)
- 柚木麻子『マリはすてきじゃない魔女』(2023年)
- テレサ・ソーン『じぶんであるっていいかんじ』(2024年)[14]
雑誌
[編集]- 『エトセトラ』(2019年 - 2023年)[14]
脚注
[編集]- ^ “フェミニズム専門出版社で伝えたいこと 松尾亜紀子 (1/2)”. 日経xwoman (2020年10月26日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ “「みんなのために」じゃないフェミニズム 出版社エトセトラブックス代表が語る日本のフェミニズムとファッション”. WWD JAPAN (2022年3月8日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ “「フェミニズム本は、生きづらさや違和感に言葉を与えてくれる」 エトセトラブックス松尾亜紀子。【女性リーダーたちの挑戦】”. VOGUE JAPAN (2021年2月22日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ a b “エトセトラブックス(東京) 本でつながる女性たちが週に3日開く、みんなのフェミニズム専門書店”. 好書好日 (2021年4月11日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ a b “社会問題を取り上げる雑誌「エトセトラ」 日本社会のアップデートの遅さにうんざり”. 好書好日 (2021年7月12日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ “遠慮しない「フェミニズム誌」熱く求められる訳 雑誌「エトセトラ」が切り開いた新ジャンル (1/4)”. 東洋経済オンライン (2020年5月25日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ “「男の子と同じくらい勉強がよくできる」と褒められモヤモヤ フェミニズムを専門で扱う出版社を立ち上げ”. 神戸新聞 (2023年3月6日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ “涙も怒りもずっと我慢してきた 「黙らせる社会」に抵抗するフェミニズム専門書店「エトセトラブックス」を開いた松尾亜紀子さん”. 東京新聞 (2021年2月13日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ “フェミニズム専門書店、世田谷区代田に14日オープン”. 朝日新聞 (2021年1月10日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ “東京・新代田にフェミニズム専門書店「エトセトラブックス」がオープン!”. GQ JAPAN (2021年1月13日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ “女性が経営する「女性の本屋」4店。こんな世の中だからこそ、本を探しに訪ねて行きたい”. 好書好日 (2021年4月29日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ a b “フェミニズム専門出版社「エトセトラブックス」が書店をオープン”. タイムアウト東京 (2021年1月14日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ “東京、ベストインデペンデント書店15選”. タイムアウト東京 (2021年5月13日). 2023年5月7日閲覧。
- ^ a b “Book”. エトセトラブックス. 2024年4月30日閲覧。
関連項目
[編集]- 田房永子 - 雑誌『エトセトラ』創刊号の責任編集
- 山内マリコ - 雑誌『エトセトラ』第2号の責任編集
- 柚木麻子 - 雑誌『エトセトラ』第2号の責任編集
- 石川優実 - 雑誌『エトセトラ』第4号の責任編集
- 和田彩花 - 雑誌『エトセトラ』第8号の特集編集