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松本憲生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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まつもと のりお
松本 憲生
出生地 日本の旗 日本
職業
ジャンル テレビアニメアニメ映画
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松本 憲生(まつもと のりお)は、日本アニメーターアニメ演出家

人物・作風

竜の子アニメ技術研究所出身[1]。同期にアニメーターの若林厚史がいる[1]

オープロダクションに在籍した時期があり、スタジオジブリの『火垂るの墓』の外注動画を描いたことがある[2][3]

NARUTO -ナルト-』などで知られるアニメーター[4][5]。この作品で松本が担当していたシーンは、TVシリーズとは思えないハイクオリティな動きがずっと続くと話題になった[6]アニメ監督細田守によると、2018年度の米アカデミー賞の長編アニメーション部門[注 1]を受賞した『スパイダーマン:スパイダーバース』のスタッフは、『NARUTO-ナルト-』の松本の作画を観ていたという[4]

スピーディーで派手なアクションやエフェクト作画に定評がある[4][7]。トータルでレベルの高い優れた作画ができるアニメーターで、殺陣などのアクションシーンだけでなく、立ったり座ったり会話したりという日常芝居もとても丁寧で巧みである[6][8]。作画によって立体的なカメラワークを付ける[9]

原画を早く、しかも大量に描いて量産する[10]下書きも描かずに片っ端から描いて行く技術の持ち主[10]。若手時代は1本の作品の原画を1人で描いてしまうことがあり、『逮捕しちゃうぞ』の39話、『EAT-MAN』の7話、『ポポロクロイス物語』の3話、『地球少女アルジュナ』の4話はほぼ1人で描いている[11]。近年でも、『ヤマノススメ サードシーズン』第4話において1人原画を行っている[12]

質・量を兼ね備え、空間の把握力、紙の中に3次元的空間を作る能力に秀でている[13]。アニメーターの井上俊之は、「アニメーションの仕事の早さとクオリティにおいて、宮崎駿さんと同じく彼の質的量的ボリュームを超える人は今後出てこない超人。アクションのキレ、日本のアニメーターにとって大事な素養である空間把握能力も超人的」と評している[5]

宝石の国」8話では、松本のラフ原画によるプリビズ映像がCGでアニメーションを付ける際の指針として使用された[14]

ノエイン もうひとりの君へ』では、アニメーターのりょーちもを指導した[15]

逸話

  • 非常にメディア露出を嫌う職人気質の持ち主で、版権絵などもほとんど無くインタビューや写真にいたっては皆無である。「何故あれほどまでに大量に描くのか?」という質問に対し「僕は病んでるから」と答えたとされる。
  • らんま1/2』で中嶋敦子の下で原画を描き、以降も中嶋敦子古橋一浩の作品に関わった。同じく『らんま1/2』に動画(途中から原画)として参加していた鈴木博文松竹徳幸の先輩にあたり、一緒に仕事をする事も多い。
  • 代表作は『NARUTO -ナルト-』の30話、48話、71話、133話など。ちなみにらんま時代のDEENの同期、鈴木博文、松竹徳幸、井上敦子若林厚史が集まって作ったのが『NARUTO -ナルト-』133話である。

作品リスト

テレビアニメ

劇場アニメ

OVA

Webアニメ

ゲーム

脚注

注釈

  1. ^ 細田の『未来のミライ』がノミネートされた。
  2. ^ ポスターやチラシにもなった北斎の波が動くところも描いた[16]

出典

  1. ^ a b インタビュー 第1回 若林厚史 監督(前半)”. アニメ『グイン・サーガ』公式サイト. 2022年11月8日閲覧。
  2. ^ 叶 精二(Seiji Kanoh) [@seijikanoh] (2015年3月13日). "捨丸と姫の会話、姉さん被りを捨丸の腕に巻く姫、カリスマアニメーター・松本憲生さん。". X(旧Twitter)より2022年11月8日閲覧
  3. ^ 叶 精二(Seiji Kanoh) [@seijikanoh] (2013年11月22日). "◆『かぐや姫の物語』ノート(35)◆". X(旧Twitter)より2022年11月8日閲覧
  4. ^ a b c 【細田守インタビュー・後編 ネットの世界があるという前提で強く育ってほしい”. アニメージュプラス. 徳間書店 (2021年7月18日). 2022年11月8日閲覧。
  5. ^ a b 神アニメーター・井上俊之が考える"本当にすごいアニメーター"とは? (3)”. アニメ!アニメ!. イード (2018年8月9日). 2022年11月8日閲覧。
  6. ^ a b 伊藤誠之介 (2020年5月22日). “『鋼の錬金術師』監督が語る、中国アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』ロングランヒットの訳”. ITmedia NEWS. アイティメディア. 2022年11月8日閲覧。
  7. ^ アニメ「ナルト」1時間SP作画監督は山下宏幸で「はい神作画決定」とファン大興奮!”. ダ・ヴィンチWeb. KADOKAWA (2016年9月25日). 2022年11月8日閲覧。
  8. ^ 福田瑠千代 (2018年5月12日). “フランスの学生が制作した「ヒロアカ」ファンムービーが超作画 色彩、撮影まで一人で担当”. ねとらぼ. アイティメディア. 2022年11月8日閲覧。
  9. ^ 宮昌太郎 (2022年9月12日). “福島祐一①『天元突破グレンラガン』こういう作品づくりをしてみたいと思った”. Febri. 一迅社. 2022年11月8日閲覧。
  10. ^ a b 第2回 井上俊之 業界トップアニメーターに聞く-アニメーターの養成について-”. アニメランナー. ピーエーワークス (2005年3月1日). 2022年11月8日閲覧。
  11. ^ ■「もっとアニメを観よう」 第5回 井上・今石・小黒座談会 (5)”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル (2002年4月13日). 2022年11月8日閲覧。
  12. ^ 『ヤマノススメ』新シーズンEDにアニメファン驚愕!「90秒の奇跡」「日本が誇る芸術作品」”. まいじつエンタ. 株式会社日本ジャーナル出版 (2022年10月8日). 2022年11月8日閲覧。
  13. ^ "神々の視点". アフター6ジャンクション. 2018年8月16日. TBSラジオ
  14. ^ Blu-ray&DVD Vol.4 初回生産限定版”. TVアニメ『宝石の国』公式サイト. 2022年11月8日閲覧。
  15. ^ アニメーター、りょーちも氏特別講義レポート!”. アミューズメントメディア総合学院 (2009年11月25日). 2022年11月8日閲覧。
  16. ^ 氷川竜介 (2015年5月25日). “クリエイターズ・セレクション VOL.21 映画監督:原 恵一 インタビュー”. バンダイチャンネル. バンダイナムコフィルムワークス. 2022年11月8日閲覧。
  17. ^ 人が走るのには理由がある『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』監督 原 恵一(後編)”. AniKo. 芸能事務所 株式会社コイン (2015年5月11日). 2022年11月8日閲覧。