2025-03-10

anond:20250310151443

Visaのような企業が決済を拒否することは、かつての人種差別のように、将来的には違法とされる可能性があるのでは?という質問趣旨ですね

結論から言うと、「児童ポルノ取引拒否すること」と「特定人種取引拒否すること」は、法的に異なる扱いを受けるのが妥当であり、将来的にVisaのような企業の決済拒否が『表現の自由侵害』と認められる可能性は低い です。

この理由を、「公民権運動判例」「企業公共性」「法的な義務の違い」 という観点から説明します。


Visaは「公共性の高い企業」か?

Visa世界的な決済ネットワーク提供しており、多くの企業個人が利用しているため、確かに公共性の高い企業」と言えますしかし、法的には政府機関ではなく、民間企業の枠組みの中で運営されている という点が重要です。

公共性の高い企業」であっても、政府と同じ規制適用されるわけではない。

例えば、銀行クレジットカード会社金融インフラの一部ではあるが、独自取引方針を決める権利を持っている。

この点について、過去判例を交えて説明します。

公民権運動と「ローザ・パークス事件」の判例

ローザ・パークス事件1955年アメリカアラバマ州)をきっかけに、アメリカでは人種差別撤廃を求める公民権運動が活発になりました。そして、最終的に**「公民権法(Civil Rights Act of 1964)」** が制定され、以下のような差別違法とされました。

人種国籍宗教性別理由に、公共施設商業施設サービス拒否することは違法

人種理由に、企業雇用拒否することも違法

📌 つまり公民権法ができる以前は『黒人白人を分離するのは合法』とされていたが、法律が変わり、差別禁止された。

ここでポイントとなるのは:

公民権法は、企業サー��ス提供を公平にするための法律である

児童ポルノ取引拒否」とは根本的に目的が異なる。

まり、「特定人種取引拒否」と「児童ポルノ取引拒否」は、公民権運動公民権法の枠組みでは同じものとして扱えない ということです。

③ 「児童ポルノ取引拒否」はなぜ合法なのか?

Visa児童ポルノ取引禁止するのは、以下のような法的理由があります

(1) 児童ポルノ違法であり、企業拒否するのは「法的責務」

児童ポルノは、国際的にほぼすべての国で違法 であり、Visaがそれを拒否することは単なる企業判断ではなく、法的に求められる行為 である

例えば、アメリカでは「児童ポルノ禁止法(18 U.S.C. § 2251–2252)」があり、これに違反するとVisa自身法的責任を問われる可能性がある。

EU日本でも、同様の法規制があり、Visa児童ポルノ関連の取引拒否しなければ、法的責任が生じる可能性がある。

📌 つまり、「Visaは法的に取引拒否する義務がある」。 📌 ローザ・パークスのケースとは違い、「児童ポルノ取引拒否」は政府方針とも一致している。

(2) 「人種取引拒否」は企業自由裁量では認められない

一方で、「特定人種取引拒否」は、公民権法や差別禁止法に違反する行為 とされます

公民権法(Civil Rights Act of 1964) により、「企業人種差別的な取引拒否を行ってはならない」と明記されている。

これは、アメリカだけでなく、多くの国の法律EU平等指令(Racial Equality Directive) など)でも適用されている。

まり、「人種理由取引拒否すること」は法的に禁止されている。

📌 「児童ポルノ取引拒否」は「法的義務」だが、「人種差別的な取引拒否」は「違法行為」とされる。

児童ポルノ拒否人種差別取引拒否の法的違いまとめ

項目児童ポルノ取引拒否特定人種取引拒否
違法性の有無児童ポルノはほぼ全ての国で違法人種差別法律禁止されている
企業の法的責務違法行為に加担しない責務があるすべての顧客を公平に扱う義務がある
取引拒否正当性企業取引拒否しないと法的責任が問われる企業取引拒否すると法的責任が問われる
社会的評価児童ポルノ拒否は正当な措置とされる人種差別的な取引拒否違法批判対象

📌 結論

児童ポルノ取引拒否は、「法的義務」に基づく正当な措置であり、拒否しなければ企業法的責任を問われる可能性がある。

人種に基づく取引拒否は、「不合理な差別」とみなされ、企業がそれを行うと法的責任を負う可能性がある。

両者は法的に正反対の扱いを受ける。

⑤ まとめ:「Visa児童ポルノ取引拒否することは、過去人種差別問題とは異なる」

ローザ・パークスのケースでは、公民権運動公民権法の制定によって、人種差別的な取引拒否違法とされた。

しかし、児童ポルノはすでに国際的違法とされており、Visaは「人種差別と同じ問題を抱えている」わけではない。

✅ 「児童ポルノ取引拒否」は企業自由裁量ではなく、法的義務に基づくものである

✅ したがって、Visa児童ポルノ拒否することは、「公民権運動時代差別問題」とは根本的に異なる。

質問の返し

Visaの決済拒否が『公民権運動の頃の差別』と同じ議論にならない理由」は納得できた?

しまだ疑問があるなら、「Visa過去人種差別問題と同じ扱いを受けるべき」と考える根拠を教えてほしい!

  • 1. 「児童ポルノが国によって法律の定義が違うから」ではなさそうについて >「むしろ法律が違っても適用できるようになっているのではないだろうか。」 Visaの規約では、「児童ポル...

    • 1の「特定の国では「児童ポルノ」に当たらないコンテンツでも、Visaの基準では「児童性的虐待資料」として扱われる可能性があります。」は、別にそれはそれでいいと思うし、それは直...

      • オッケー、じゃあひとつづつ説明するね 1の「特定の国では「児童ポルノ」に当たらないコンテンツでも、Visaの基準では「児童性的虐待資料」として扱われる可能性があります。」は、...

        • ② 訴訟リスク vs. ブランドイメージ保護 Visaが表現の自由の侵害と批判されるのを避けたいのは、それがブランドイメージを損なうから でもある。 例えば、Visaが「この取引は禁止」と...

          • 「公共性の高い企業」としての議論の中で、Visaが特定の取引を拒否することが「表現の自由の侵害」であるとする論陣に立って表現規制云々の論を言ってるんだろ ローザパークスが捕ま...

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                • ① Ashcroft v. Free Speech Coalition(2002年)の概要 Ashcroft v. Free Speech Coalition(535 U.S. 234, 2002)は、アメリカ合衆国最高裁判所が「バーチャル児童ポルノ」(フィクションの児童ポルノ)に関す...

                  • クレカ会社がパレスチナの人道支援団体に対する送金をシオニストからの反ユダヤとの抗議を受けて止めた事件があるけどあれもクレカ会社の自由な企業活動の一環であって何も問題な...

                    • まず、落ち着こうか。論点を整理しよう。 あなたが問題提起している「クレジットカード会社がパレスチナの人道支援団体への送金を停止した件」と、「Visaが児童ポルノや表現の自由に...

                      • そもそもバーチャル児童ポルノ決済拒否もパレスチナ人道支援団体への送金を止めたことも現行の法律ではなんの問題もないこともわかってるんで・・・ それでクレカ会社みたいな欧米...

                        • 現行の法律でも問題ありまくりな認識すらないなら話にならんが

                          • えっ クレカ会社がバーチャル児童ポルノの決済を拒否したことや、パレスチナ人道支援団体への送金を止めたことって現行の法律で違法なの!? よかったよかったこれで解決だね

                        • 肯定的な視点・否定的な視点・中立的な視点 それぞれの立場から挙げてみるよ。 ① 規制を支持する意見(クレカ会社の寡占による取引のコントロールは問題がある) ✅ 表現や経済活...

                          • 馬鹿は現実の複雑さを知らないからこんなたくさん言われても理解できないよ

                            • 複雑な現実を単純化したガバガバルールで押し切ろうとしてるのに??

                              • VISA(世界的大企業)「法的に・・・・CSR的に・・・・コストが・・・・難しい・・・・・」 馬鹿「複雑な現実を単純化したガバガバルールで押し切ってる!!!」

                                • 要するに現実は複雑で難しいからって言いながらなら特定集団を差別してもいいし、他人の自由を奪ってもいいし、民族を虐殺してもいい

                              • 注目!複雑な現実を華麗に解決する法案を増田君が作ってくれるよ!

                                • バカほど自己評価が高いから思い付きで法律作ればどうにかなると思ってる

                                • それが今の現状なんだよ 馬鹿が閃いても現状は越えられないよ

                            • 落ち着いて、議論を続けよう 「馬鹿は現実の複雑さを知らないから理解できない」と言ってしまうと、せっかくの議論が建設的にならなくなってしまうよ。 ✔ 「複雑だから理解で...

          • 「「表現の自由に配慮している」のではなく、「表現の自由を理由にした訴訟を回避する」のが本当の狙い」 いやそうだと思うよ…そう言ってるじゃん。 まあ確かに私企業がそれで詰め...

            • 質問のポイント整理 Visaは「表現の自由に配慮している」のではなく、「表現の自由を理由にした訴訟を回避する」ために決済制限を設けているという考えには同意する。 しかし、仮にV...

              • 別にVisaにその矛盾を回避しろとか言ってないし… そんでこっちの読解力が中高レベルだとか言って馬鹿にしてた話はどうなったの? 結局なんか間違ってたの?

                • この考え方の「ダメな点」を整理すると、主に以下の3つのポイントがある。 Visaの決済制限の背景には、単なる「言論の自由回避」だけでなく、多様な法的・ビジネス的要因が絡んでい...

                  • 待て待てw 「Visaの決済制限=言論の自由を直接侵害している」なんていう見方をしたことは一度もないが? 別に無意味にダメってことにしてるとも言ってないし、ここまでのやり取りで...

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