1976年のワールドシリーズ
1976年のワールドシリーズ | |||||||
| |||||||
シリーズ情報 | |||||||
試合日程 | 10月16日–21日 | ||||||
観客動員 | 4試合合計:22万3009人 1試合平均: 5万5752人 | ||||||
MVP | ���ョニー・ベンチ(CIN) | ||||||
ALCS | NYY 3–2 KC | ||||||
NLCS | CIN 3–0 PHI | ||||||
殿堂表彰者 | スパーキー・アンダーソン(CIN監督) ジョニー・ベンチ(CIN捕手) ジョー・モーガン(CIN内野手) トニー・ペレス(CIN内野手) ヨギ・ベラ(NYYコーチ[注 1]) ボブ・レモン(NYYコーチ[注 2]) キャットフィッシュ・ハンター(NYY投手) | ||||||
チーム情報 | |||||||
シンシナティ・レッズ(CIN) | |||||||
シリーズ出場 | 2年連続 8回目 | ||||||
GM | ボブ・ホーサム | ||||||
監督 | スパーキー・アンダーソン | ||||||
シーズン成績 | 102勝60敗・勝率.630 NL西地区優勝 | ||||||
分配金 | 選手1人あたり2万6366.68ドル[1] | ||||||
| |||||||
ニューヨーク・ヤンキース(NYY) | |||||||
シリーズ出場 | 12年ぶり30回目 | ||||||
GM | ゲイブ・ポール | ||||||
監督 | ビリー・マーチン | ||||||
シーズン成績 | AL東地区優勝 | 97勝62敗・勝率.610||||||
分配金 | 選手1人あたり1万9935.48ドル[1] | ||||||
全米テレビ中継 | |||||||
放送局 | NBC | ||||||
実況 | ジョー・ガラジオーラ・シニア | ||||||
解説 | トニー・クーベック(全試合) マーティー・ブレナマン(第1・2戦) フィル・リズート(第3・4戦) | ||||||
平均視聴率 | 27.5%(前年比1.2ポイント下降)[2] | ||||||
ワールドシリーズ
|
1976年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第73回ワールドシリーズ(だい73かいワールドシリーズ、73rd World Series)は、10月16日から21日にかけて計4試合が開催された。その結果、シンシナティ・レッズ(ナショナルリーグ)がニューヨーク・ヤンキース(アメリカンリーグ)を4勝0敗で下し、2年連続4回目の優勝を果たした。
両チームの対戦は、1939年と1961年に次いで今回が3度目。過去2度はいずれもヤンキースが勝利していたが、今回はレッズが4戦全勝でヤンキースを退けた。レッズはナショナルリーグ優勝決定戦でもフィラデルフィア・フィリーズ相手に3戦全勝としており、ポストシーズンを全勝で終えた。リーグ優勝決定戦が導入された1969年以降、ポストシーズン全勝優勝は今回のレッズが初であり[3]、2024年現在も史上唯一である。シリーズMVPには、優勝が決まった第4戦で2本塁打・5打点を記録するなど、4試合で打率.533・2本塁打・6打点・OPS 1.667という成績を残したレッズのジョニー・ベンチが選出された。
MLBにおいて指名打者(DH)制度は、1973年にアメリカンリーグでのみ導入された。しかしワールドシリーズでは、同年から1975年までの3年間、DH制は一切採用されなかった。今シリーズより規則が変更され、偶数年は全試合で採用、奇数年は全試合で不採用となった[4]。したがって今シリーズは、DH制ありの試合が行われた初のシリーズである。両チームのDHを比較すると、レッズは4試合ともダン・ドリーセンが務めて打率.357だったのに対し、ヤンキースは3選手が試合ごとに入れ替わりながら打率.063と低迷した[5]。
試合結果
[編集]1976年のワールドシリーズは10月16日に開幕し、途中に移動日と雨天順延を挟んで6��間で4試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 | |
---|---|---|---|---|---|---|
10月16日(土) | 第1戦 | ニューヨーク・ヤンキース | 1-5 | シンシナティ・レッズ | リバーフロント・スタジアム | |
10月17日(日) | 第2戦 | ニューヨーク・ヤンキース | 3-4x | シンシナティ・レッズ | ||
10月18日(月) | ||||||
10月19日(火) | 第3戦 | シンシナティ・レッズ | 6-2 | ニューヨーク・ヤンキース | ヤンキー・スタジアム | |
10月20日(水) | 雨天順延 | |||||
10月21日(木) | 第4戦 | シンシナティ・レッズ | 7-2 | ニューヨーク・ヤンキース | ||
優勝:シンシナティ・レッズ(4勝0敗 / 2年連続4度目) |
第1戦 10月16日
[編集]映像外部リンク | |
---|---|
MLB.comによる動画 | |
初回裏、ジョー・モーガンのソロ本塁打でレッズが先制(56秒) | |
6回表一死一塁、一塁走者ミッキー・リバースが盗塁を試みるも、捕手ジョニー・ベンチの送球でアウトに(52秒) | |
7回裏、ベンチの適時三塁打でレッズが4点目を挙げる(57秒) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ニューヨーク・ヤンキース | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 1 |
シンシナティ・レッズ | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | X | 5 | 10 | 1 |
- 勝利:ドン・ガレット(1勝)
- 敗戦:ドイル・アレクサンダー(1敗)
- 本塁打
CIN:ジョー・モーガン1号ソロ - 審判
[球審]リー・ウェイヤー(NL)
[塁審]一塁: ルー・ディミュロ(AL)、二塁: ビル・ウィリアムズ(NL)、三塁: ビル・ディーガン(AL)
[外審]左翼: ブルース・フローミング(NL)、右翼: デーブ・フィリップス(AL) - 昼間試合 試合時間: 2時間10分 観客: 5万4826人
詳細: Baseball-Reference.com
ニューヨーク・ヤンキース | シンシナティ・レッズ | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | 打順 | 守備 | 選手 | 打席 | ||
1 | 中 | M・リバース | 左 | 1 | 三 | P・ローズ | 両 | ||
2 | 左 | R・ホワイト | 両 | 2 | 右 | K・グリフィー | 左 | ||
3 | 捕 | T・マンソン | 右 | 3 | 二 | J・モーガン | 左 | ||
4 | DH | L・ピネラ | 右 | 4 | 一 | T・ペレス | 右 | ||
5 | 一 | C・チャンブリス | 左 | 5 | DH | D・ドリーセン | 左 | ||
6 | 三 | G・ネトルズ | 左 | 6 | 左 | G・フォスター | 右 | ||
7 | 右 | E・マドックス | 右 | 7 | 捕 | J・ベンチ | 右 | ||
8 | 二 | W・ランドルフ | 右 | 8 | 中 | C・ジェロニモ | 左 | ||
9 | 遊 | F・スタンリー | 右 | 9 | 遊 | D・コンセプシオン | 右 | ||
先発投手 | 投球 | 先発投手 | 投球 | ||||||
D・アレクサンダー | 右 | D・ガレット | 左 |
レッズが初回裏にジョー・モーガンのソロ本塁打で先制するが、直後の2回表にヤンキースもグレイグ・ネトルズの犠牲フライで追いつく。3回裏、レッズは一死から9番デーブ・コンセプシオンが三塁打で出塁すると、次打者ピート・ローズが犠牲フライでコンセプシオンを還して勝ち越す。6回裏にはトニー・ペレスが、7回裏にはジョニー・ベンチが、それぞれ適時打を放って1点ずつ加え、ヤンキース先発のドイル・アレクサンダーを降板に追い込む。なおも無死三塁の場面で、2番手スパーキー・ライルが2球目に暴投して三塁走者ベンチの生還を許し、レッズのリードは4点に広がった。レッズは先発ドン・ガレットが8回途中まで1失点に抑えたあと、2番手ペドロ・ボーボンが試合終了まで5打者を連続で凡退させて締め、シリーズ開幕戦に勝利した。
第2戦 10月17日
[編集]映像外部リンク | |
---|---|
MLB.comによる動画 | |
2回裏、ジョー・モーガンの捕邪飛を捕手サーマン・マンソンが三塁側カメラマン席に身を乗り出しながら捕球(25秒) | |
9回裏二死一・二塁、トニー・ペレスがキャットフィッシュ・ハンターから左前打を放ちレッズがサヨナラ勝ち(53秒) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ニューヨーク・ヤンキース | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 9 | 1 |
シンシナティ・レッズ | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1x | 4 | 10 | 0 |
- 勝利:ジャック・ビリンガム(1勝)
- 敗戦:キャットフィッシュ・ハンター(1敗)
- 審判
[球審]ルー・ディミュロ(AL)
[塁審]一塁: ビル・ウィリアムズ(NL)、二塁: ビル・ディーガン���AL)、三塁: ブルース・フローミング(NL)
[外審]左翼: デーブ・フィリップス(AL)、右翼: リー・ウェイヤー(NL) - 夜間試合 試合時間: 2時間33分 観客: 5万4816人
詳細: Baseball-Reference.com
ニューヨーク・ヤンキース | シンシナティ・レッズ | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | 打順 | 守備 | 選手 | 打席 | ||
1 | 中 | M・リバース | 左 | 1 | 三 | P・ローズ | 両 | ||
2 | 左 | R・ホワイト | 両 | 2 | 右 | K・グリフィー | 左 | ||
3 | 捕 | T・マンソン | 右 | 3 | 二 | J・モーガン | 左 | ||
4 | 右 | L・ピネラ | 右 | 4 | 一 | T・ペレス | 右 | ||
5 | 一 | C・チャンブリス | 左 | 5 | DH | D・ドリーセン | 左 | ||
6 | 三 | G・ネトルズ | 左 | 6 | 左 | G・フォスター | 右 | ||
7 | DH | E・マドックス | 右 | 7 | 捕 | J・ベンチ | 右 | ||
8 | 二 | W・ランドルフ | 右 | 8 | 中 | C・ジェロニモ | 左 | ||
9 | 遊 | F・スタンリー | 右 | 9 | 遊 | D・コンセプシオン | 右 | ||
先発投手 | 投球 | 先発投手 | 投球 | ||||||
C・ハンター | 右 | F・ノーマン | 左 |
レッズは2回裏、先頭打者ダン・ドリーセンが二塁打で出塁し、次打者ジョージ・フォスターの適時打で生還して1点を先制する。フォスターの盗塁死でいったん走者がいなくなるが、ジョニー・ベンチの二塁打とシーザー・ジェロニモの四球で再び走者を溜め、9番デーブ・コンセプシオンの適時打で2点目を挙げる。さらに一死満塁とし、2番ケン・グリフィーの犠牲フライで3点目を加えた。しかしヤンキース先発キャットフィッシュ・ハンターは、3回裏に二死満塁の危機を無失点で切り抜け、味方打線が4回表にグレイグ・ネトルズの適時打で1点を返すと、その後も点差を2点に保ち続けた。
ヤンキース打線は7回表、無死一塁から9番フレッド・スタンリーの左翼線二塁打で1点差に追い上げ、さらに一死一・三塁として、レッズ先発フレッド・ノーマンを降板させる。3番サーマン・マンソンは2番手ジャック・ビリンガムに二ゴロに打ち取られたものの、その間に三塁走者スタンリーが還って同点に追いついた。3-3の同点のまま、9回裏もハンターがマウンドに上がり、二死を奪う。グリフィーは遊ゴロだったが、遊撃手スタンリーが一塁へ悪送球しグリフィーは二塁まで進む。ハンターは3番ジョー・モーガンを敬遠してトニー・ペレスとの勝負を選んだものの、ペレスは左前打でグリフィーを生還させ、レッズがサヨナラ勝利で2連勝とした。
第3戦 10月19日
[編集]映像外部リンク | |
---|---|
MLB.comによる動画 | |
ロバート・メリルによる試合前のアメリカ合衆国国歌『星条旗』独唱(2分16秒) | |
4回表、ダン・ドリーセンがドック・エリスからソロ本塁打を放つ(41秒) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シンシナティ・レッズ | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 6 | 13 | 2 |
ニューヨーク・ヤンキース | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0 |
- 勝利:パット・ザクリー(1勝)
- セーブ:ウィル・マッケナニー(1S)
- 敗戦:ドック・エリス(1敗)
- 本塁打
CIN:ダン・ドリーセン1号ソロ
NYY:ジム・メイソン1号ソロ - 審判
[球審]ビル・ウィリアムズ(NL)
[塁審]一塁: ビル・ディーガン(AL)、二塁: ブルース・フローミング(NL)、三塁: デーブ・フィリップス(AL)
[外審]左翼: リー・ウェイヤー(NL)、右翼: ルー・ディミュロ(AL) - 夜間試合 試合時間: 2時間40分 観客: 5万6667人
詳細: Baseball-Reference.com
シンシナティ・レッズ | ニューヨーク・ヤンキース | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | 打順 | 守備 | 選手 | 打席 | ||
1 | 三 | P・ローズ | 両 | 1 | 中 | M・リバース | 左 | ||
2 | 右 | K・グリフィー | 左 | 2 | 左 | R・ホワイト | 両 | ||
3 | 二 | J・モーガン | 左 | 3 | 捕 | T・マンソン | 右 | ||
4 | 一 | T・ペレス | 右 | 4 | 一 | C・チャンブリス | 左 | ||
5 | DH | D・ドリーセン | 左 | 5 | DH | C・メイ | 左 | ||
6 | 左 | G・フォスター | 右 | 6 | 三 | G・ネトルズ | 左 | ||
7 | 捕 | J・ベンチ | 右 | 7 | 右 | O・ギャンブル | 左 | ||
8 | 中 | C・ジェロニモ | 左 | 8 | 二 | W・ランドルフ | 右 | ||
9 | 遊 | D・コンセプシオン | 右 | 9 | 遊 | F・スタンリー | 右 | ||
先発投手 | 投球 | 先発投手 | 投球 | ||||||
P・ザクリー | 右 | D・エリス | 右 |
レッズは本拠地リバーフロント・スタジアムでの2戦に続き、敵地ヤンキー・スタジアムに乗り込んでの第3戦でも先制点を奪った。2回表、ダン・ドリーセンの内野安打と盗塁で無死二塁とし、次打者ジョージ・フォスターのエンタイトル二塁打でまず1点を挙げる。7番ジョニー・ベンチの内野安打で無死一・三塁と好機を広げると、シーザー・ジェロニモの遊ゴロ併殺崩れの間にフォスターが生還し2点目、さらにジェロニモが盗塁とデーブ・コンセプシオンの左前打で3点目のホームを踏んだ。レッズは4回表にもドリーセンのソロ本塁打で突き放した。
ヤンキースは4回裏にオスカー・ギャンブルの適時打でまず1点を返し、7回裏には途中出場の9番ジム・メイソンがソロ本塁打を放って2点差とする。このあとさらに二死一・二塁となったが、レッズは先発パット・ザクリーから左腕ウィル・マッケナニーに継投し、4番クリス・チャンブリスを一ゴロに仕留めて危機を脱した。すると直後の8回表、レッズはジョー・モーガンとフォスターの適時打で2点を加え、点差を再度4点に広げた。ヤンキースは9回裏に二死一・二塁とするも、チャンブリスがまたもマッケナニーを打てず左飛に倒れて試合終了。レッズが3連勝でシリーズ連覇に王手をかけた。
第4戦 10月21日
[編集]映像外部リンク | |
---|---|
MLB.comによる動画 | |
レッズのジョニー・ベンチが4回表に勝ち越しの2点本塁打、9回表に3点本塁打を放ち5打点を挙げる(1分49秒) | |
9回表、ヤンキース監督ビリー・マーチンが一塁塁審ブルース・フローミングに退場処分を下される(1分45秒) | |
9回裏、ウィル・マッケナニーがロイ・ホワイトを左飛に仕留めて試合終了、レッズの連覇が決定(44秒) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シンシナティ・レッズ | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 7 | 9 | 2 |
ニューヨーク・ヤンキース | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0 |
- 勝利:ゲイリー・ノーラン(1勝)
- セーブ:ウィル・マッケナニー(2S)
- 敗戦:エド・フィゲロア(1敗)
- 本塁打
CIN:ジョニー・ベンチ1号2ラン・2号3ラン - 審判
[球審]ビル・ディーガン(AL)
[塁審]一塁: ブルース・フローミング(NL)、二塁: デーブ・フィリップス(AL)、三塁: リー・ウェイヤー(NL)
[外審]左翼: ルー・ディミュロ(AL)、右翼: ビル・ウィリアムズ(NL) - 夜間試合 試合時間: 2時間36分 観客: 5万6700人
詳細: Baseball-Reference.com
シンシナティ・レッズ | ニューヨーク・ヤンキース | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | 打順 | 守備 | 選手 | 打席 | ||
1 | 三 | P・ローズ | 両 | 1 | 中 | M・リバース | 左 | ||
2 | 右 | K・グリフィー | 左 | 2 | 左 | R・ホワイト | 両 | ||
3 | 二 | J・モーガン | 左 | 3 | 捕 | T・マンソン | 右 | ||
4 | 一 | T・ペレス | 右 | 4 | 一 | C・チャンブリス | 左 | ||
5 | DH | D・ドリーセン | 左 | 5 | DH | C・メイ | 左 | ||
6 | 左 | G・フォスター | 右 | 6 | 三 | G・ネトルズ | 左 | ||
7 | 捕 | J・ベンチ | 右 | 7 | 右 | O・ギャンブル | 左 | ||
8 | 中 | C・ジェロニモ | 左 | 8 | 二 | W・ランドルフ | 右 | ||
9 | 遊 | D・コンセプシオン | 右 | 9 | 遊 | F・スタンリー | 右 | ||
先発投手 | 投球 | 先発投手 | 投球 | ||||||
G・ノーラン | 右 | E・フィゲロア | 右 |
ヤンキースは1回裏、4番クリス・チャンブリスの二塁打で一塁走者サーマン・マンソンが生還し、今シリーズ4試合目で初めて先制点を挙げる。しかし5番カルロス・メイは遊ゴロでイニング終了、3回裏にも二死満塁としながらメイが左飛に倒れ、追加点を奪うことができない。すると直後の4回表、レッズは二死二塁から6番ジョージ・フォスターの適時打でまず同点、さらに続くジョニー・ベンチが左翼ポール直撃の2点本塁打を放ち、一気に試合をひっくり返した。ヤンキースも5回裏にマンソンの中前打で1点差とするが、その後は6回から8回まで毎回走者を出しながら追いつくことができず、1点差のまま試合は9回へ進む。
9回表、レッズは先頭の4番トニー・ペレスが四球で出塁し、次打者ダン・ドリーセンの打席で相手先発エド・フィゲロアが暴投した隙に二塁へ進む。この直後、ヤンキース監督のビリー・マーチンが球審ビル・ディーガンに向けてダグアウトからボールを投げつけ、それを咎めた一塁塁審ブルース・フローミングに対し放送禁止用語を交えながら「お前の知ったことか」と言い返したため、フローミングによって退場させられる一幕があった[6]。マーチンは「ディーガンのほうが俺に向かって3球投げてきて、最後のが喉に当たりそうになったから投げ返してやっただけだ」と主張している[7]。ドリーセンも四球で歩いて無死一・二塁となると、ベンチコーチのヨギ・ベラはフィゲロアに代わりディック・ティドローを投入した。
ティドローはフォスターを1球で中飛に打ち取って一死一・三塁とし、打席にベンチを迎える。ベンチは初球を左翼方向へ打ち上げ、左翼手ロイ・ホワイトがこの打球を追ってフェンス際でジャンプするが、打球はホワイトのグラブを越えてスタンドに入る3点本塁打となった。このあとレッズは連続二塁打でさらに1点を加えたあと、9回裏はウィル・マッケナニーが三者凡退に抑えて試合を終わらせ、初戦からの4連勝でシリーズ2連覇を果たした。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ "World Series Television Ratings," Baseball Almanac. 2019年9月7日閲覧。
- ^ Alaa Abdeldaiem, "Has an MLB Team Ever Swept the Postseason?," SI.com, October 4, 2018. 2019年9月7日閲覧。
- ^ John Cronin, "The Historical Evolution of the Designated Hitter Rule," Society for American Baseball Research, 2016. 2019年9月7日閲覧。
- ^ John Cronin, "The DH in the World Series: Interesting Facts," Society for American Baseball Research, 2011. 2019年9月7日閲覧。
- ^ Jim Murray, "Bruce Froemming Has the Look of His Calling--Balls and Strikes," Los Angeles Times, April 2, 1985. 2019年9月7日閲覧。
- ^ Murray Crass, "Reds Triumph, 7‐2, and Complete 4‐Game Series Sweep of Yankees," The New York Times, October 22, 1976. 2019年9月7日閲覧。
外部リンク
[編集]- MLB.com Postseason History
- Baseball Almanac
- Baseball-Reference.com
- 1976 World Series - IMDb
- 動画共有サイト "YouTube" にMLB公式アカウントが投稿した試合映像