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開立法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

開立法(かいりつほう、かいりゅうほう、extraction of cubic root)は、実数立方根小数による近似値を求める方法の1つである。開立とも。立方根を求めることを開立するという。開法の一種。

立方九九

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開立する場合、以下の三乗九九を用いる。1/3九九を用いる場合もある。

表:立方九九
計算 暗唱方法
いんいちがいち
ににんがはち
さざんにじゅうしち
ししろくじゅうし
ごごひゃくにじゅうご
ろくろくにひゃくじゅうろく
しちしちさんびゃくしじゅうさん
はっぱごひゃくじゅうに
くくななひゃくにじゅうく

近似計算法

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計算式(1)

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開立の近似計算法には、次の代数式を用いる。

ここで、とすると、

である。両辺にaを加えて、

となる。この式の左辺を近似立方根、右辺のを与えられた数として扱う。ただし、は与えられた数に最も近い完全立方数である。

計算式(2)

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また、

を用いて、として、

である。したがって、

この式の左辺を近似立方根、右辺のを与えられた数として扱う。ただし、は与えられた数に最も近い完全立方数である。

近似計算法を用いた計算例

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に近い数を求めると、が最も近い数であることがわかる。
計算式(1)を用いて、として求める数は、
となる。電卓により計算すると、
であり近似計算できることがわかる。

珠算による開立法

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根の定位

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  • 立方が整数のとき:立方の1の位から左へ3けたずつ区分して、その区分できた回数が、根のけた数となる。
  • 立方が帯小数のとき:立方の1の位から左へ3けたずつ区分して、その区分できた回数が、根の整数のけた数となる。
  • 立方が小数のとき:立方の小数点以下の0を3けたずつ区分して、その区分できた回数が、根の小数点以下の0のけた数となる。

倍根法

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例:

立方の1の位から左へ3けたずつ区分して、根が2けたであることを調べる。(根の定位による)
最後の区分された数314に含まれている立方根6を求めて、初根6をおき、初根6の3乗()を314から引く。
初根6の3倍の18を、左におき、その18で残りの立方を、初根6の右4けために商を得るけたまで割る。
54を初根6で割って次根8を求める。
8×1=8を引く。 次根8の2乗()を66から引く。
残った2に左の18を掛ける。(余りのかけ戻し)
次根8の3乗()を引く。
立方根は68である。

電卓による開立法

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関数電卓でない普通の電卓でも、開平を行うキーさえあれば立方根を求めることができる。

  • まず与えられた数を入力し、×=の順にキーを押す。ただしカシオの電卓に限り、××と押す(定数計算モードを示す「K」が表示される)。
  • と押す。このときに表示された数値の末尾数桁を記憶しておく。
  • 次に=を押す。定数計算により、表示された数に最初の数が掛けられる。
  • またと押す。表示された数値の末尾数桁が先程と同じ数値であれば、その数値が立方根となる。同じでなければ前項に戻って繰り返す。

関連項目

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外部リンク

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