河川作用
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河川作用(かせんさよう、英語: fluvial process)は、河川などの流水による作用の総称であり、河床における侵食作用・運搬作用・堆積作用が含まれる[1][2]。氷河や氷床によるものを含める場合もあり、その際は特にglaciofluvialやfluvioglacialなどの用語が使用される[3][4]。
概要
[編集]河川の水流が運ぶ物質量は膨大である。例えばアメリカ合衆国を流れるミシシッピ川は「the Big Muddy(→大きな濁り)」と呼ばれ、中国を流れる黄河は文字通り「黄色い川」という意味である。それぞれ年間4億600万トン[5]と7億9600万トンの土砂を海へと輸送していると考えられる。他にもイタリアのポー川は年間6700万トンの土砂を運んでいる[6]。
河川作用の例
[編集]ここでは河川作用の例を示す。
河川作用そのもの
[編集]河川作用に伴って形成される地形など
[編集]- en:Channel pattern - 水道も参照。
- 合流 - 2以上の河川がそれ未満の河川となること。
- 侵食崖 - 侵食作用によって形成される斜面。
- クレバススプレー - 堤防が破壊されたときに形成される堆積物及びその層。
- エスカー - 氷河によって形成される細長い線状の地形。
- 氾濫原 - 河川が氾濫しうる範囲に所在する低地のこと。
- 河岸段丘 - 河川の流路に沿って形成される、平坦な部分と急な崖の部分が交互に現れる階段状の地形のこと。
- 峡谷 - V字谷(ブイじこく)とも呼ばれる、谷底平野を持たない険しい谷のこと。
- ガリ - 雨裂とも呼ばれる、主に軟らかい堆積物の表面に見られうる侵食地形のこと。
- 自然堤防 - 河川に沿って形成される微高地のこと。
- 三日月湖 - 切り離された旧河道内に水が溜まっている主にU字型の池。
- 滝壺 - 滝の下部に存在しうる、強い侵食によって作られた相対的に深い淵のこと。
- ポイントバー - 河川の曲流において内側に形成される、堆積物によって作られた場所のこと。滑走斜面も参照。
- 浅瀬 - 水深が極めて浅い水域のこと。
- 三角州 - 主に河川の河口において、河川が運搬したものが堆積し形成される場所。
- 中州 - 河川において、その流れの中にある陸地のこと。
- 渓谷 - 河川によって形成された谷のこと。
- 砂州 - 主に海岸に見られる、細長い堆積地形のこと。
- 湧水 - 地表に地下水が湧き出てくること。またその水。
- 淵 - 川の中で水深が深く、流れが安定している場所のこと。
- en:Yazoo stream - 氾濫原の中で、大きな河川とほぼ平行に流れる小さな河川のこと。いわゆるネイティブ・アメリカンですでに消滅させられたヤズー族に由来する。
脚注
[編集]- ^ Charlton, Ro (2008). Fundamentals of Fluvial Geomorphology. ラウトレッジ. ISBN 978-0-415334549. NCID BA85337811. LCCN 2007-14030. OCLC 608633396. インターネットアーカイブ: fundamentalsfluv00char OL 10203569M
- ^ Wohl, Ellen (2014). Rivers in the Landscape: Science and Management. Wiley-Blackwell. ISBN 978-1-118414897. NCID BB16523880. LCCN 2013-44791. OCLC 876155429. OL 27557797M
- ^ Neuendorf, Klaus K. E.; Mehl, James P., Jr.; Julia A., Jackson (2005). Glossary of Geology. Alexandria, Virginia: American Geosciences Institute. ISBN 978-0-922152766. NCID BA74487765. OCLC 228783977. OL 9869063M
- ^ Wilson, William E.; Moore, John E. (2003-04-23). Glossary of Hydrology. Springer Berlin Heidelberg. ISBN 978-0-922152353. NCID BA65337761. LCCN 98-4291. OCLC 934131402. OL 345288M
- ^ Mathur, Anuradha; Cunha, Dilip da (2001). Mississippi Floods: Designing a Shifting Landscape. New Haven: イェール大学出版. ISBN 978-0-300084306. NCID BA53563297. LCCN 00-11101. OCLC 890428588. OL 9372068M
- ^ Dill, William A. (1990). Inland fisheries of Europe. EIFAC TECHNICAL PAPER. 52. ローマ: FAO. ISBN 978-9-251029992. NCID BA25443231. LCCN 92-190637. OCLC 605953332. OL 1317261M
関連項目
[編集]- 侵食作用
- 運搬作用
- 堆積作用
- ユールストロームダイアグラム - 河川内で侵食・堆積作用を受ける、流速と粒径の関連性を表した図。
- 水文学
- 堆積学
- 地形学
- 川
- 水域
- 流域
- 河川地形 - 河川作用によって形成される地形。
- 地形輪廻 - 河川作用によって地形が変化していくこと。
外部リンク
[編集]- Fluvial process - ブリタニカ百科事典
- ブリタニカ国際大百科事典『河川の作用』 - コトバンク