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ルキウス・カルプルニウス・ピソ・カエソニヌス (紀元前148年の執政官)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ルキウス・カルプルニウス・ピソ・カエソニヌス
L. Calpurnius C. f. C. n. Piso Caesoninus
出生 不明
死没 不明
出身階級 プレブス
氏族 カルプルニウス氏族
官職 法務官紀元前154年
執政官紀元前148年
指揮した戦争 対ルシタニア戦争
第三次ポエニ戦争
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ルキウス・カルプルニウス・ピソ・カエソニヌスラテン語: Lucius Calpurnius Piso Caesoninus、生没年不詳)は紀元前2世紀中頃の共和政ローマの政治家・軍人。紀元前148年コンスル(執政官)を務めた。

出自

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ピソ・カエソニヌスはプレブス(平民)であるカルプルニウス氏族の出身である。最も古い氏族のひとつであり、第2代ローマ王ヌマ・ポンピリウスの息子カルプス (Calpus) を始祖としているとされる(ヌマの子孫と称する氏族は他にピナリウス氏族ポンポニウス氏族アエミリウス氏族がある)[1]。カピトリヌスのファスティによると、父も祖父もプラエノーメン(第一名、個人名)はガイウスである[2]。父ガイウスは紀元前180年の執政官ガイウス・カルプルニウス・ピソと思われる。但し、ピソ・カエソニヌスが二重コグノーメン(家族名)を持っていることから、カエソニウス氏族からの養子であろう[3]

経歴

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ピソ・カエソニヌスが最初に資料に登場するのは紀元前155年のことである。プラエトル(法務官)に就任し、ヒスパニア・キテリオルまたはヒスパニア・ウルテリオルの属州総督として赴任した[4]アッピアノスはもう一人の属州総督をマニウス・マニリウスとしているが、どちらの属州であったかは示していない[5]。現代の研究者は、カエソニヌスはヒスパニア・ウルテリオル属州総督であった��考えている[6]。この年に、ルシタニア人がヒスパニアに侵攻し、二人の属州総督の連合軍を撃破したことが知られている。ローマ側の戦死者は6000人以上でクァエストル(財務官��も一人戦死しているが、それ以上の詳細は不明である。ピソ・カエソニヌスは直ちにローマに戻り、元老院に報告した。元老院はこれを重視して紀元前153年ヒスパニアに執政官クィントゥス・フルウィウス・ノビリオルを派遣するが、これは紀元前195年以来32年ぶりのことであった[7]

紀元前148年、カエソニヌスは執政官に就任する。同僚のパトリキ(貴族)執政官はスプリウス・ポストゥミウス・アルビヌス・マグヌスであった[8]第三次ポエニ戦争の最中であり、くじ引きの結果カエソニヌスがカルタゴに向かうことになった。前年に二人の執政官が首都カルタゴを攻撃して失敗していたため、カエソニヌスはカルタゴの直接攻撃はせず、周辺の都市・地域の占領を戦略目標とした。艦隊の司令官はルキウス・ホスティリウス・マンキヌスであった。カエソニヌスとマンキヌスはまずアスピス(現ケリビア)を陸海から攻撃したが撃退された。続いてカエソニヌスはカルタゴとウティカの間にあるヒッポ・レギウス(現アンナバ)を包囲した。この都市はシュラクサイ僭主アガトクレスが建設したもので、強固に防御されていた。ローマ軍は夏の間ヒッポ・レギウスを包囲したが得るものはなく撤退した[9]ローマ軍の士気は低下し、カルタゴは一旦失われた領土を取り戻した。ローマ市民はこの失態に激怒した。当時のウィッリウス法は執政官の就任年齢を最低43歳と定めていたが、翌年の執政官には38歳のプブリウス・コルネリウス・スキピオ・アエミリアヌスが選出される[10]

これ以降、カエソニヌスに関する記録はない[3]

子孫

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紀元前112年の執政官ルキウス・カルプルニウス・ピソ・カエソニヌスは息子と思われる[3]

脚注

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  1. ^ プルタルコス対比列伝ヌマ・ポンピリウス、21』
  2. ^ カピトリヌスのファスティ
  3. ^ a b c Calpurnius 87, 1897.
  4. ^ Broughton, 1951 , p. 450.
  5. ^ アッピアノス『ローマ史:イベリア戦争』、56
  6. ^ Simon, 2008, p. 33.
  7. ^ Simon, 2008 , p. 32-34.
  8. ^ Simon, 2008, p. 32-34.
  9. ^ アッピアノス『ローマ史:ポエニ戦争』、XVI, 110
  10. ^ Rodionov, 2005 , p. 595-597.

参考資料

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古代の資料

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研究書

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  • Rodionov E. Punic wars. - SPb. : St. Petersburg State University, 2005 .-- 626 p. - ISBN 5-288-03650-0 .
  • Simon G. The Wars of Rome in Spain. - M .: Humanitarian Academy, 2008. - 288 p. - ISBN 978-5-93762-023-1 .
  • Broughton R. Magistrates of the Roman Republic. - N. Y. , 1951. - Vol. I. - P. 600.
  • Münzer F. Calpurnius 87 // Paulys Realencyclopädie der classischen Altertumswissenschaft . - 1897. - Bd. III, 1. - Kol. 1386-1387.

関連項目

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公職
先代
マニウス・マニリウス
ルキウス・マルキウス・ケンソリヌス
執政官
同僚:スプリウス・ポストゥミウス・アルビヌス・マグヌス
紀元前148年
次代
プブリウス・コルネリウス・スキピオ・アエミリアヌス I
ガイウス・リウィウス・ドルスス