ミノカサゴ属
ミノカサゴ属 | |||||||||||||||||||||||||||
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ネッタイミノカサゴ Pterois antennata
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Pterois (Oken, 1817) | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Lionfish | |||||||||||||||||||||||||||
種 | |||||||||||||||||||||||||||
本文参照
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ミノカサゴ属(Pterois)は中部太平洋からインド洋のサンゴ礁海域に住む有毒の魚で、英語では一般にlionfishと呼ばれる。赤、白、クリーム色や黒色の縞模様を持ち目を引く警告色、よく目立つ胸鰭、有毒の鰭条が特徴である[1]。10余種に分類されているが、研究が進んでいるのは、ハナミノカサゴ、P. milesである。観賞魚としても人気がある[1]。たいてい単独で生活している。夜行性で夜間に小型の甲殻類や小魚などを捕食し、日中は岩陰などに潜んでいる。
ごく最近、属を分割する見解が提唱された(詳しくは次節参照)。
種
[編集]FishBaseによれば、ミノカサゴ属には以下の12種が含まれる[2]。
- Pterois andover G. R. Allen & Erdmann, 2008
- ミノカサゴ Pterois lunulata Temminck & Schlegel, 1843 (Luna lionfish)
- Pterois miles (John Whitchurch Bennett, 1828) (Devil firefish)
- Pterois russelii E. T. Bennett, 1831 (Soldier lionfish, red volitans lionfish)
- ハナミノカサゴ Pterois volitans (Linnaeus, 1758) (Red lionfish, volitans lionfish)
- ネッタイミノカサゴ Pterois antennata (Bloch, 1787) (Spotfin lionfish)
- Pterois brevipectoralis (Mandritsa, 2002)
- Pterois cincta Rüppell, 1838 (Red sea lionfish)
- Pterois mombasae (J. L. B. Smith, 1957) (Frillfin turkeyfish)
- ミズヒキミノカサゴ Pterois paucispinula Matsunuma & Motomura, 2014
- キミオコゼ Pterois radiata G. Cuvier, 1829 (Clearfin lionfish)
- Pterois sphex D. S. Jordan & Evermann, 1903 (Hawaiian turkeyfish)
2023年に分子系統解析も含めた分類の見直しの結果、Dendrochirus の一部の種を含む側系統群であるとして、属を分割する見解が提唱された。その場合、上記のうち上の5種がPterois属に帰属し、ネッタイミノカサゴ以下7種はPteropterus属とされた[3][4]。
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Pterois andover
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Pterois brevipectoralis
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Pterois cincta
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Pterois lunulata
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Pterois miles
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Pterois mombasae
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Pterois paucispinula
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Pterois russelii
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Pterois sphex
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Pterois volitans
生態
[編集]背ビレと腹ビレ、尻ビレの一部に毒腺があるが、温めると毒による痛みは緩和する。
遊泳速度は遅いが、特殊な浮袋で姿勢を制御する。別種のミノカサゴ同士でもヒレを合図として使用し、群れで小魚を追い詰める狩りを行う[5]。
ミノカサゴは複雑な求愛行動と交尾行動をとる。メスをめぐって、オス同士は毒針を使った戦いを行い。メスは、粘液でまとまった卵塊を2個産卵する。卵塊の粘液は水中で溶けて、卵を散布させる[6]。
人間や環境へのかかわり
[編集]漁獲が少なく未利用魚となりやすいが、食用となる[7][8]。
外来種とその利用
[編集]1980年代から、ハナミノカサゴが西大西洋からカリブ海に、インディアンライオンフィッシュP. milesが地中海に、それぞれ人為的に分布を広げ、外来種として問題になっている。頂点捕食者で手が付けられず、岩陰に隠れて捕まえるのが難しく、サンゴ礁を荒廃させることから、自律型無人潜水機[9][10][11]、遠隔操作型潜水機を使った駆除が行われている[12]。ホンジュラスのロアタン海洋公園では、サメを調教して食させている[13]。
- 食用
- これらの外来種を駆逐するため、2010年に米国海洋大気庁(NOAA)は「やっつけられないなら、食べてしまおう!」というキャッチフレーズで食卓のメニューにするキャンペーンをしている[13][14]。
関連項目
[編集]出典・脚注
[編集]- ^ a b National Geographic. “Lionfish”. 2013年12月21日閲覧。
- ^ Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2012). Species of Pterois in FishBase. December 2012 version.
- ^ 松沼瑞樹,本村浩之(2011)ミノカサゴ亜科魚類ミズヒキミノカサゴ(新称)Pterois mombasaeの日本からの初記録および近縁種ネッタイミノカサゴP.antennataとの形態比較.魚類学雑誌58(1):27-40.
- ^ Chou T-K, Liu M-Y and Liao T-Y (2023) Systematics of lionfishes (Scorpaenidae: Pteroini) using molecular and morphological data. Front. Mar. Sci. 10:1109655. doi: 10.3389/fmars.2023.1109655
- ^ “ミノカサゴがチームで狩り、ヒレで合図”. natgeo.nikkeibp.co.jp. 2024年12月15日閲覧。
- ^ Ruiz-Carus, Ramon; Matheson, Richard E.; Roberts, Daniel E.; Whitfield, Paula E. (2006-03-01). “The western Pacific red lionfish, Pterois volitans (Scorpaenidae), in Florida: Evidence for reproduction and parasitism in the first exotic marine fish established in state waters”. Biological Conservation 128 (3): 384–390. doi:10.1016/j.biocon.2005.10.012. ISSN 0006-3207 .
- ^ 日本放送協会 (2022年10月24日). ““未利用魚”に熱い視線 値段のつかない魚もおいしく!|おはBiz|おはよう日本|NHK”. NHK NEWS WEB. 2024年12月15日閲覧。
- ^ “Eat lionfish? Sure, but beware of the nasty toxins” (英語). NBC News (2012年6月27日). 2024年12月15日閲覧。
- ^ “増殖する外来種の駆除に「海のルンバ」が大活躍”. MITテクノロジーレビュー. 2024年12月15日閲覧。
- ^ “サンゴの天敵ミノカサゴ、駆除ロボット開発へ 「ルンバ」応用”. CNN.co.jp. 2024年12月15日閲覧。
- ^ US Department of Commerce, National Oceanic and Atmospheric Administration. “What is a lionfish?” (英語). oceanservice.noaa.gov. 2024年12月15日閲覧。
- ^ Watson, Sara Kiley (2020年1月17日). “This harpoon-throwing robot is designed to hunt destructive lionfish” (英語). Popular Science. 2024年12月15日閲覧。
- ^ a b “食用キャンペーン、サメで外来魚駆除”. natgeo.nikkeibp.co.jp. 2024年12月15日閲覧。
- ^ ""Have you seen me?" (PDF). An Integrated Assessment of the Introduction of Lionfish (Pterois volitans/miles complex) to the Western Atlantic Ocean. National Centers for Coastal Ocean Science (Report). National Oceanic and Atmospheric Administration. 3 April 2003. p. 22."
- ^ Luscombe, Richard (2022年6月12日). “Fish leather is here, it’s sustainable – and it’s made from invasive species to boot” (英語). The Guardian. 2024年12月15日閲覧。
- ^ 米澤佳代子 (2017年11月12日). “日本政府と世銀がタッグを組む「JSDFプロジェクト」! 11月15日に都内でセミナー”. ganas – 途上国・国際協力に特化したNPOメディア. 2024年12月15日閲覧。