コンテンツにスキップ

ブルネイ王国空軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブルネイ王国空軍
Tentera Udara Diraja
創設 1966年
国籍 ブルネイの旗 ブルネイ・ダルサラーム国
軍種 空軍
タイプ 軍事航空
上級部隊 ブルネイ王国軍
基地 リンバ空軍基地
作戦機 27機
識別
空軍旗
フィンフラッシュ
使用作戦機
練習機 PC-7
輸送機 CN-235
テンプレートを表示

ブルネイ王国空軍(ブルネイおうこくくうぐん、マレー語: Tentera Udara Diraja: Royal Brunei Air Force、略称:RBAirF)は、ブルネイ・ダルサラーム国空軍組織。領空・領海警戒、国土防空、地上部隊支援、災害派遣等を任務とする[1]

歴史

[編集]

ブルネイ王国空軍の前身は1965年にロイヤル・ブルネイマレー連隊隷下の航空団で、ワールドワイド・ヘリコプター・カンパニーの社員が操縦するS-55輸送ヘリコプター2機を使用して、地方に医師を派遣する任務を負い、1966年に任務はイギリス空軍ホワールウインド英語版輸送ヘリコプター3機に引き継がれた[2]

1967年に部隊はヘリコプター小隊へ改編され、ベル 206汎用ヘリコプター5機を受領し、1980年には航空訓練学校が設立された。1981年に第2飛行隊が新編され、Bo 105汎用ヘリコプター6機を配備、1982年には第3飛行隊を新編し、SF-260練習機を配備した。1984年にイギリスから独立後、航空団は拡充され、1991年10月1日にはブルネイ国王の同意を得て、ブルネイ王国空軍へと改編された[2]

1997年には第4、第5飛行隊が新編され、第4飛行隊にはS-70A汎用ヘリコプター、第5飛行隊にはCN-235輸送機が配備された。また同年、第3飛行隊がPC-7に機種転換している。1999年にはミストラル地対空ミサイルを装備する、第38中隊が編成されている[2]

組織

[編集]

ブルネイ王国空軍は機能別の7個航空団で構成され、隷下に飛行隊と各種部隊を配置しており、ブルネイ国際空港に併設されるリンバ空軍基地を拠点としている[3][4]

  • 第1航空団[5]
    • 第11飛行隊 - S-70i
    • 第12飛行隊 - Bo 105
    • 第14飛行隊 - S-70i/A
    • 第15飛行隊 - CN-235
  • 第2航空団[6]
    • 第233中隊
    • 第236中隊
    • 第238中隊 - ミストラル
    • 通信中隊
    • 工兵中隊
  • 第3航空団[7]
    • 第31中隊(落下傘空挺戦術輸送隊)
    • 消防隊
    • 通信中隊
    • 航空移動隊
    • 航空宇宙管制隊
  • 第4航空団[8]
    • 国内供給中隊
    • 供給管理会計隊
    • 技術供給中隊
    • バルク燃料施設
  • 第5航空団[9]
    • 第51中隊
    • 第52中隊
    • 第53中隊
    • 第54中隊
    • 第55中隊
    • 技術支援隊
  • 第6航空団[10]
    • 連隊プロボスト
    • 会計隊
    • 基地整備隊
    • 資産整備隊
    • 医療受付サービス
    • 歯科隊
    • 軍事輸送隊
    • 軽支援班
  • 第7航空団[11]
    • 第73飛行隊 - PC-7 Mk.2ベル 206
    • 第75中隊
    • 第77中隊
    • 身体訓練インストラクター

装備

[編集]

ブルネイ王国空軍は戦闘機を保有しておらず、輸送機や練習機およびヘリコプターで構成される。主戦力であるS-70汎用ヘリコプターは、1997年から1998年に4機のS-70A-33を導入後、2011年12月に12機のS-70iを発注し、2013年12月から受領が行われた[12]

2021年に開催されたブルネイ王国空軍記念式典の席上では、無人航空機としてRQ-21の導入が発表された[13]

固定翼機

[編集]
名称 画像 製造国 種別 現用数 備考
CN-235-110M インドネシアの旗 インドネシア 輸送機 1[14][15]
RQ-21 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 無人航空機 1[13][15]
PC-7 Mk.2 スイスの旗 スイス 練習機 4[14][15]

回転翼機

[編集]
名称 画像 製造国 種別 現用数 備考
Bo 105 ドイツの旗 ドイツ連邦共和国 汎用/偵察ヘリコプター 6機保有[14]。退役済み[15]
ベル 214ST アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 汎用ヘリコプター 1機保有[14]。退役済み[15]
S-70A/i アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 汎用ヘリコプター 16[15]
H145M フランスの旗 フランス 汎用ヘリコプター 6機契約済み。2026年以降納入予定[15]
ベル 206 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 練習ヘリコプター 3[14]

事故

[編集]

2012年7月20日、ブルネイ王国空軍が運用するベル212汎用ヘリコプターが訓練から帰投中にクアラブライトで墜落し、乗員14名のうち12名が死亡した[16][17]

脚注・出典

[編集]
  1. ^ Vision and Mission”. RBairF. 2021年11月18日閲覧。
  2. ^ a b c History Royal Brunei Air Force Archived 20 February 2007 at the Wayback Machine. - Retrieved 21 April 2007
  3. ^ http://www.mindef.gov.bn/airforce/_layouts/15/start.aspx#/SitePages/About%20Us.aspx
  4. ^ Organisation Royal Brunei Air Force Archived 20 February 2007 at the Wayback Machine. - Retrieved 21 April 2007
  5. ^ No.1 Wing”. RBairF. 2021年11月19日閲覧。
  6. ^ No.2 Wing”. RBairF. 2021年11月19日閲覧。
  7. ^ No.3 Wing”. RBairF. 2021年11月20日閲覧。
  8. ^ No.4 Wing”. RBairF. 2021年11月20日閲覧。
  9. ^ No.5 Wing”. RBAirF. 2021年11月20日閲覧。
  10. ^ No.6 Wing”. RBairF. 2021年11月20日閲覧。
  11. ^ No.7 Wing”. RBairF. 2021年11月20日閲覧。
  12. ^ 「世界のH-60/S-70シリーズ基礎知識」『世界の名機シリーズ UH-60 ブラックホーク』、イカロス出版、2011年6月、106頁、ISBN 978-4-8022-0331-9 
  13. ^ a b Shareen Han (2021年5月31日). “RBAF to use drones for maritime security surveillance”. The Scoop. 2021年11月17日閲覧。
  14. ^ a b c d e World Air Forces 2021”. Flightglobal Insight (2021年). 4 May 2021閲覧。
  15. ^ a b c d e f g Brunei orders six H145M helicopters”. janes.com (2024年5月2日). 2024年7月31日閲覧。
  16. ^ AFP (21 July 2012). “Brunei helicopter crash kills 12: air force”. オリジナルの24 July 2012時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120724074048/http://news.yahoo.com/12-killed-brunei-helicopter-crash-official-062633403.html 21 July 2012閲覧。 
  17. ^ CNN Wire Staff. “12 killed in Brunei helicopter crash”. オリジナルの22 July 2012時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120722002933/http://edition.cnn.com/2012/07/21/world/asia/brunei-helicopter-crash/index.html 21 July 2012閲覧。 

外部リンク

[編集]