コンテンツにスキップ

ウバルド・��メネス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウバルド・ヒメネス
Ubaldo Jiménez
ボルチモア・オリオールズでの現役時代
(2017年7月21日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 マリア・トリニダー・サンチェス州ナグア英語版
生年月日 (1984-01-22) 1984年1月22日(40歳)
身長
体重
6' 5" =約195.6 cm
210 lb =約95.3 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2001年 アマチュアFA
初出場 2006年9月21日
最終出場 2017年9月22日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国代表
WBC 2009年

ウバルド・ヒメネス・ガルシアUbaldo Jiménez Garcia, 1984年1月22日 - )は、ドミニカ共和国マリア・トリニダー・サンチ��ス州ナグア英語版出身の元プロ野球選手投手)。右投右打。

愛称はビッグU[1]

経歴

[編集]

プロ入りとロッキーズ時代

[編集]
コロラド・ロッキーズ時代
(2010年8月10日)

2001年4月25日にコロラド・ロッキーズドラフト外で契約。

2006年9月21日にメジャー昇格し[2]、9月26日のロサンゼルス・ドジャース戦でメジャーデビュー。シーズン最終戦の10月1日のシカゴ・カブス戦でメジャー初先発。この2試合の登板で2006年シーズンを終えた。

2007年は開幕をAAA級コロラドスプリングス・スカイソックスで迎え、19試合に登板で防御率5.85だったが、7月は3戦3勝で防御率2.89を記録。球団は17日にオマー・キンタニーヤをマイナーへ降格させ、ヒメネスをメジャーへ昇格させた[3]。15試合の登板で4勝4敗、防御率4.28、68奪三振を記録した。ポストシーズンでは0勝に終わったが、防御率2.25を記録した。

2008年は前年のポストシーズンの好投から開幕からの先発ローテーション入りが期待され[4]、ローテーション入りを果たした。6月までは2勝8敗と負け越したが、7月以降は10勝4敗を記録。リーグ最多タイの34試合に先発登板し、球団史上アーロン・クック(2008年)しか記録していない二桁勝利・防御率4点未満を達成。シーズン終了後の2009年1月27日には4年総額1000万ドル、5・6年目は球団オプションの契約に合意[5]

2009年開幕前の3月に開催された第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ドミニカ共和国代表に選出された[6]

シーズンでは4月終了時点で1勝3敗、防御率7.58だったが、5月1日から9月7日にかけて球団新記録となる25試合連続6イニング以上を記録[7]。15勝・防御率3.47・218.0イニングは自己最高となった。

2010年は監督のジム・トレーシーから、前述のクックが2007年から3年連続で務めていた開幕投手に指名される[7]。開幕戦となった4月5日のミルウォーキー・ブルワーズ戦では、6回を1失点に抑え、勝利投手となった。4月17日のアトランタ・ブレーブス戦ではノーヒットノーランを達成。5回まで毎回の6四球を与えるなど、立ち上がりは制球に苦しんだが、6回以降は1人の走者も出さない完璧なピッチングで9イニングを無安打無失点に抑え、4-0の勝利に貢献。球団史上初のノーヒットノーラン達成者となった[8]。4月と5月まで10勝1敗、防御率0.78、WHIP0.89の活躍で二ヶ月連続で月間MVPを受賞。5月下旬からは球団記録となる33イニング連続無失点を記録。その後は調子をやや落としたものの、オールスター前までに15勝1敗、防御率2.20、WHIP1.04という成績を残し、オールスターでは先発投手を務める。後半戦は4勝7敗、防御率3.80、WHIP1.30と調子を落としたものの19勝8敗、防御率2.88のシーズン成績を残した。これは防御率、勝利数とも、規定投球回に達した投手の中では球団史上最良のものである。

インディアンス時代

[編集]
クリーブランド・インディアンス時代
(2012年7月17日)

2011年7月31日に将来の3本柱と期待されている、2009年のMLBドラフト全体15位アレックス・ホワイト、マイナーで大ブレークしたジョー・ガードナー、外野手のマット・マクブライド2010年のMLBドラフト全体5位ドリュー・ポメランツとのトレードで、クリーブランド・インディアンスへ移籍した。

2013年11月1日にFAとなった。

オリオールズ時代

[編集]

2014年2月17日にボルチモア・オリオールズと総額4800万ドルの4年契約に合意したことが報道され[9]、2月19日に球団が発表した[10]。オリオールズでは先発で投げたが、自身7年ぶりに規定投球回に届かずにシーズンを終えた。防御率4.81、6勝9敗で負け越し、77四球(与四球率5.5)、WHIP1.51と数字を落とし、不振のシーズンだった。

2015年は、チームの勝ち頭となる12勝(10敗)、チーム1位の168奪三振を記録[11]。また、2シーズンぶりとなる規定投球回到達・勝ち越しを決めるなど、一定の復活を見せたシーズンを送った。

2016年は再び低迷。29試合中25試合で先発登板したが、防御率5.44・WHIP1.56と打ち込まれて8勝12敗と負け越した。ちなみに同年、メジャー初セーブをマークした。トロント・ブルージェイズとのALWCでは、リリーフとしてマウンドに登ったが、ブルージェイズの主砲であるエドウィン・エンカーナシオンにサヨナラ3ランを被弾して敗戦投手となった[12]

2017年も31試合(先発25試合)に登板したが、リーグワーストの108自責点を記録し、6勝11敗・防御率6.81と前年から更に成績を落とした。オフの11月2日にFAとなった[13]

オリオールズ退団後

[編集]

2018年からの2年間はどの球団にも所属しなかった。

2020年2月5日にプロ入り時の古巣であるロッキーズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[14]。7月20日に自由契約となった。

その後、9月17日に現役引退を発表した[15]

投球��タイル

[編集]

速球は最速で101mph(約162.5km/h)を計測しており[16]2009年の平球球速は先発投手として最速となる96.1mph(約154.7km/h)を記録[17]

詳細情報

[編集]

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
2006 COL 2 1 0 0 0 0 0 0 0 ---- 30 7.2 5 1 3 0 0 3 0 0 4 3 3.52 1.04
2007 15 15 0 0 0 4 4 0 0 .500 354 82.0 70 10 37 4 6 68 3 0 46 39 4.28 1.30
2008 34 34 1 0 0 12 12 0 0 .500 868 198.2 182 11 103 4 10 172 16 0 97 88 3.99 1.43
2009 33 33 1 0 0 15 12 0 0 .556 914 218.0 183 13 85 6 10 198 8 3 87 84 3.47 1.23
2010 33 33 4 2 0 19 8 0 0 .704 894 221.2 164 10 92 7 10 214 16 1 73 71 2.88 1.15
2011 21 21 2 1 1 6 9 0 0 .400 532 123.0 118 10 51 5 7 118 6 0 68 61 4.46 1.37
CLE 11 11 0 0 0 4 4 0 0 .500 290 65.1 68 7 27 0 2 62 2 0 43 47 5.10 1.45
'11計 32 32 2 1 1 10 13 0 0 .435 822 188.1 186 17 78 5 9 180 8 0 111 98 4.68 1.40
2012 31 31 0 0 0 9 17 0 0 .346 805 176.2 190 25 95 3 8 143 16 1 116 106 5.40 1.61
2013 34 34 0 0 0 13 9 0 0 .591 777 182.2 163 16 80 0 3 194 8 0 75 67 3.30 1.33
2014 BAL 25 22 0 0 0 6 9 0 1 .400 553 125.1 113 14 77 0 4 116 4 0 68 67 4.81 1.52
2015 32 32 0 0 0 12 10 0 0 .545 791 184.0 182 20 68 1 11 168 6 0 89 84 4.11 1.36
2016 29 25 1 0 0 8 12 1 0 .400 638 142.1 150 16 72 1 3 125 5 1 93 86 5.44 1.56
2017 31 25 0 0 0 6 11 0 0 .353 648 142.2 169 33 58 0 5 139 3 0 109 108 6.81 1.59
MLB:12年 329 315 9 3 1 114 117 1 1 .494 8094 1879.0 1757 186 848 31 78 1720 93 6 968 901 4.34 1.39
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

[編集]


投手(P)












2006 COL 2 0 2 0 0 1.000
2007 15 8 14 3 1 .880
2008 34 16 32 4 1 .923
2009 33 12 47 2 2 .967
2010 33 10 26 1 3 .973
2011 21 12 19 2 1 .939
CLE 11 2 9 0 0 1.000
'11計 32 14 28 2 1 .955
2012 31 12 16 1 3 .966
2013 32 5 14 2 1 .905
2014 BAL 25 11 9 0 3 1.000
2015 32 7 15 1 1 .957
2016 29 12 12 2 3 .923
2017 31 8 11 1 0 .950
MLB 329 115 226 19 19 .947
  • 各年度の太字はリーグ最高

背番号

[編集]
  • 38(2006年 - 2011年途中)
  • 30(2011年途中 - 2013年)
  • 31(2014年 - 2017年)

代表歴

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ Orioles Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月4日閲覧
  2. ^ Transactions Sep 2006” (英語). MLB.com. 2009年7月6日閲覧。
  3. ^ Harding, Thomas (2007年7月17日). “Notes: Jimenez recalled from Triple-A” (英語). MLB.com. 2009年7月6日閲覧。
  4. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2009』廣済堂出版、2009年、436頁頁。ISBN 978-4-331-51370-5 
  5. ^ Harding, Thomas (2009年1月27日). “Rockies sign Jimenez to four-year deal” (英語). MLB.com. 2009年7月6日閲覧。
  6. ^ 2009 Tournament Roster The official site of World Baseball Classic (英語) 2016年3月7日閲覧 [リンク切れ]
  7. ^ a b TUCSON, Ariz. (AP) (March 10, 2010). “Rockies name Ubaldo Jimenez Opening Day starter”. USA Todaylanguage=英語. 2010年4月18日閲覧。
  8. ^ Harding, Thomas (April 18, 2010). “Jimenez throws first no-hitter in Rox history” (英語). MLB.com. 2010年4月18日閲覧。
  9. ^ Brittany Ghiroli (February 17, 2014). “O's agree to four-year deal with Ubaldo”. MLB.com. February 18, 2014閲覧。
  10. ^ Orioles sign free agent RHP Ubaldo Jimenez to a four-year contract”. MLB.com Orioles Press Release (February 19, 2014). February 20, 2014閲覧。
  11. ^ 2015 Baltimore Orioles Pitching Statistics - Baseball-Reference.com (英語) . 2015年10月5日閲覧。
  12. ^ October 4, 2016 ALWC - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年10月8日閲覧。
  13. ^ Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月30日閲覧
  14. ^ Steve Adams (2020年2月5日). “Rockies Sign Ubaldo Jimenez, Tim Collins To Minor League Contracts” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年3月10日閲覧。
  15. ^ Ubaldo Jimenez Retires” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年9月18日閲覧。
  16. ^ The Fastest Pitcher in Baseball History” (英語). Baseball Almanac. 2009年7月6日閲覧。
  17. ^ Major League Leaderboards » 2008 » Starters » Pitch Type Statistics” (英語). FanGraphs Baseball. 2009年7月6日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]