かも

かも (カモ)【鴨・鳬】

1. (鳥, 冬の季語) 日本の湖沼・河川などで見られる水鳥の仲間･カモ科。カルガモ^(wp)、オシドリなど通年生息する水鳥と、マガモ、コガモ、オナガガモ、スズガモなど、日本では冬季に見られる水鳥を含む。家禽（かきん）として飼育される場合もある。
   • 海暮れて鴨の声ほのかに白し　（松尾芭蕉^(wp)『野ざらし紀行』）
2. (食品) 鴨肉。食品としての上記のカモ類の肉。
   • ボーイが私たちのところへ持って来た鴨は、半熟にボイルしてあり、二十四万三千七百六十七番という由緒を示す番号札が添えてあった。ボーイは見せるだけ見せると、番号札を残して鴨を持ち去った。（北大路魯山人『すき焼きと鴨料理--洋食雑感--』）
3. 詐欺のターゲット。勝負事などで、くみしやすい相手。
   • 大獲物だった。西風の夜のこの獲物は、鴨が葱を背負ってきたようなものだった。（海野十三『人間灰』）

• (東京式) か​も [káꜜmò] (頭高型 – [1])
• IPA^(?): [ka̠mo̞]
• (京阪式) かも​

• 合鴨
• 鴨南蛮
• 鴨葱
• 軽鴨
• 小鴨
• 鈴鴨
• 真鴨

• 鴨が葱を背負って来る

• 『北越雪譜（ほくえつせっぷ）』では、以下のように「あぢかも」の読みを「𪃈𪇊」に充てている例がある。
  • 𪃈𪇊（あぢかも）といふべきを省（はぶ）けるならん、あぢかもとは古哥（こか）にもあまたよめり。（鈴木牧之（すずきぼくし）『北越雪譜』（ふりがな文庫））

かも

1. かもしれないの短縮形で、可能性はあるが断定はできないことを表す。

• 形容動詞型の助動詞のように活用することがある。ただし「*かもに」は取らない。
  • この相手なら勝てそうかもだな。
  • 勝てそうかもな相手。

かも【鴨】

1. (鳥) かも。

二拍名詞三類^(?)

• (平安時代)かも
• (南北朝時代)か​も
• (室町時代)か​も
• (江戸時代)か​も

かも【氈・毳】

1. 獣の毛で作った敷物。けむしろ。もうせん。（参考：『角川古語大辞典』）

かも【釭】

1. 「かりも」の略。車輪の軸受けの穴にはめた鉄の管。（参考：『広辞苑』第七版）

かも（上代語）

1. 終助詞
   1. 詠嘆・感動を表す。〜だなあ、〜だことよ。
   2. 詠嘆を含んだ疑問を表す。〜かなあ。
   3. 反語を表す。〜だろうか。どうして〜あろうか。
   4. 願望を表す。〜であればいいなあ。
2. 複合係助詞
   1. 詠嘆を含んだ疑問を表す。〜だろうかなあ。

「かな」の古い形。前者は体言・連体形、後者は体言・連体形・已然形に接続する。複合係助詞としての用法は、係助詞「か」と係助詞「も」の連結で生じた。