長谷川 宏(はせがわ ひろし、1940年4月1日 - )は、日本在野哲学者。妻は児童文学者の長谷川摂子

学習塾を営みながらヘーゲル研究を続ける在野の哲学者。難解なヘーゲルの哲学書を、従来の専門家的な訳語を避けて平易な言葉で訳した功績は大きい。著書に『新しいヘーゲル』(1997年)、『日本精神史』(2015年)など。

来歴

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島根県平田市生まれ。1962年東京大学文学部卒業[1]。1968年東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。学園紛争を経験参加した事で、(けじめをつけるため)一切大学には就職所属せず、自宅で学習塾を開くかたわら、哲学研究者として、原書でヘーゲルを読む会を主宰。

同会での活動をもとに、1992年に『ヘーゲル 哲学史講義』を新訳し、多数の関連出版を開始した。従来の専門家的な訳語をできる限り排した訳文は、読みやすいと評判になった。『ヘーゲル 哲学の集大成』を完結を期に、訳著の出版を終えている。

なお1998年には、ヘーゲルの『精神現象学』の翻訳により、レッシング翻訳賞(レッシング・ドイツ連邦政府翻訳賞)、BABEL国際翻訳大賞・日本翻訳大賞、を受賞した。

専修大学教授の言語学者・長谷川宏(1960年ー)は長谷川欣佑の息子の同名異人。

著書

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  • 『ヘーゲルの歴史意識』紀伊國屋新書, 1974年、紀伊國屋書店(新装単行判), 1982年。講談社学術文庫, 1998年
  • 『ことばの探索』現代書館, 1976年
  • 『ことばへの道 言語意識の存在論』勁草書房, 1978年、講談社学術文庫, 2012年
  • 『赤門塾通信 きのふ・けふ・あす こどもたちとの知的共同体を求めて』現代書館, 1980年
  • 黒田喜夫 村と革命のゆくえ』未來社, 1984年
  • 『言語の現象学』世界書院, 1986年
  • 『格闘する理性 ヘーゲル、ニーチェキルケゴール』河出書房新社, 1987年、洋泉社MC新書, 2008年
  • 『おとなと子どもの知的空間づくり 赤門塾の20年』明治図書出版, 1990年
  • 『同時代人サルトル』河出書房新社, 1994年、講談社学術文庫, 2001年
  • 『ヘーゲルを読む』河出書房新社, 1995年
  • 『新しいヘーゲル』講談社現代新書, 1997年
  • 『ヘーゲル 「精神現象学」入門』講談社選書メチエ, 1999年
  • 『哲学者の休日』作品社, 2001年
  • 丸山眞男をどう読むか』講談社現代新書, 2001年
  • 『日常の地平から』作品社, 2003年
  • 『いまこそ読みたい哲学の名著 自分を変える思索のたのしみ』光文社, 2004年、光文社文庫, 2007年
  • 『高校生のための哲学入門』ちくま新書, 2007年
  • 『ことばをめぐる哲学の冒険』毎日新聞社, 2008年
  • 『双書 哲学塾 生活を哲学する』岩波書店, 2008年
  • 『ちいさな哲学』春風社, 2009年
  • 『初期マルクスを読む』岩波書店, 2011年
  • 『日本精神史』(上下)講談社, 2015年/講談社学術文庫, 2023��10月
  • 『幸福とは何か―ソクラテスからアラン、ラッセルまで』中公新書, 2018年
  • 『日本精神史 近代篇』(上下)講談社選書メチエ le livre(単行判), 2023年10月

共著ほか

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  • 『しあわせのヒント』長谷川摂子と共著、河出書房新社, 1997年
  • 編著『ヘーゲル 思想読本-知の攻略 1』 作品社, 2000年
  • 『魂のみなもとへ 詩と哲学のデュオ』 谷川俊太郎と共著、近代出版, 2001年。朝日文庫, 2007年
  • 『思索の淵にて 詩と哲学のデュオ』 茨木のり子と共著、近代出版, 2006年。河出文庫, 2016年
  • 『日本思想史の可能性』平凡社, 2019年
大隅和雄大山誠一増尾伸一郎吉田一彦と共著

翻訳

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天野衛・大西広・奥野皐・桐山宣雄・長谷川摂子・林道郎・宮腰直人と共訳 

ヘーゲル訳書

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  • 『哲学史講義』河出書房新社(上中下), 1992-1993年。河出文庫(改訂版 全4巻), 2016年
  • 歴史哲学講義』(上下)、岩波文庫, 1994年。ワイド版2003年
  • 『美学講義』作品社(上中下), 1995-1996年
  • 精神現象学』作品社, 1998年
  • 法哲学講義』作品社, 2000年、新装版2022年
  • 『論理学 哲学の集大成・要綱 第1部』作品社, 2002年、新装版2023年(下記も)
  • 『自然哲学 哲学の集大成・要綱 第2部』作品社, 2005年
  • 『精神哲学 哲学の集大成・要綱 第3部』作品社, 2006年  

脚注

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  1. ^ 資料詳細”. www.lib.sagamihara.kanagawa.jp. 2024年9月3日閲覧。