竹崎 有斐(たけざき ゆうひ、1923年8月1日 - 1993年9月17日)は、日本児童文学者竹ザキ ユウヒのペンネームもある。

経歴

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京都府生まれ。生後1か月で父と本籍地の熊本県に転居した。家は、クリスチャンの家庭で有斐も1938年に受洗

1942年、早稲田大学入学。早大童話会に所属、童話を書きはじめる。同学年に今西祐行がいた。同会では大石真寺村輝夫と親交が深かった。

1943年、早大童話会の機関誌『童苑』学徒出陣号に「栗になるころ」を掲載して出征。 1945年9月復員。1947年に復学。生活のため大学を中退し、小峰書店に勤める。1951年に小峰書店を退職後、職を転々としていたが、1961年にリコー宣伝部に落ち着く。

一時は童話から離れていたが、童話会時代の仲間である前川康男から誘われ、童話の世界に復帰。1965年、童話会メンバーが中心となって坪田譲治主宰で作ったびわの実会の機関誌『びわの実学校』に「ちゅきゅう星」を執筆して以降、1年に1作程度発表していた。1969年にメンバーとなる。1974年、松谷みよ子の勧めで日本民話の会に入会。

1977年『石切り山の人びと』でサンケイ児童出版文化賞日本児童文学者協会賞小学館文学賞を受賞、1981年『花吹雪のごとく』で路傍の石文学賞、1984年『にげだした兵隊』で野間児童文芸賞受賞[1][2]

晩年は東京都保谷市(今の西東京市)に在住していた。

著書

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  • 『火をふけゴロ八』(あかね書房) 1969
  • 『パイがこんがり焼けるとき』(竹ザキユウヒ名義、小峰書店) 1972、のちポプラ社文庫
  • ナイチンゲール』(竹ザキユウヒ名義、小峰書店、幼年伝記ものがたり) 1972
  • 『とびこめのぶちゃん』(竹ザキユウヒ名義、偕成社) 1973、のち文庫
  • 『おかあさんSOS』(金の星社) 1974、のちフォア文庫
  • 『だぶだぶさぶちゃん』(偕成社) 1974
  • 『でんちゃんのホロ馬車』(ポプラ社) 1974
  • 『まっちばこのおかしなみせ』(小峰書店) 1974
  • 『なきむしなば太郎』(あかね書房) 1975
  • 『一年生になったぞワン』(あかね書房) 1976.3
  • 『石切り山の人びと』(偕成社) 1976.12、のち文庫、講談社文庫
  • 『ふしぎなかぜのこ』(偕成社) 1976.12
  • シュバイツァー』(主婦の友社、少年少女世界伝記全集) 1977
  • 『あばれんぼじどうしゃ』(講談社) 1977.11
  • 『だれがいちばんわすれんぼ』(金の星社) 1978.2、のちフォア文庫
  • 『おとうさんのだいじょうぶ』(PHP研究所) 1978.6
  • 『ちび犬テモはまけないぞワン』(あかね書房) 1978.12
  • 『宮崎の伝説』(比江島重孝共著、角川書店、日本の伝説) 1979.2
  • 『三丁目で消えた犬』(童心社) 1979.3
  • 『カレーなんて見たくない』(講談社) 1979.6
  • 『まほうのハンカチ』(ポプラ社) 1979.12
  • 『はじめてばけたたぬきのたのくん』(佼成出版社) 1980.5
  • 一休』(講談社、講談社の子ども伝記) 1980.5
  • 『花吹雪のごとく』(福音館書店、福音館日曜日文庫) 1980.7
  • 『テモちゃんとマメちゃん』(あかね書房) 1980.9
  • 『ひとりぼっちのかみさま』(金の星社、えほん・こどもの四季) 1980.10
  • 『とびだせ少年剣士』(小学館、小学館のノンフィクション童話) 1980.12
  • 『ぼくぐずっぺじゃないぞ』(銀河社) 1980.12
  • 『でぶちんとうさん』(講談社) 1981.4
  • 『ゼロは手品つかい(ポプラ社、絵本・すこしむかし) 1981.4
  • 『わすれんぼとうさん』(講談社) 1981.8
  • 『どっちがおにいさん(あかね書房、テモちゃんのえほん) 1981.11
  • 『クロダイがつれたぞ』(偕成社) 1982.1
  • 『くろひめものがたり』(チャイルド本社、チャイルド絵本館) 1982.1
  • 『たぬきのボールはストライク』(金の星社) 1982.2
  • 『ふしぎなおはなししようかな?』(ポプラ社) 1982.4
  • 『カッパのおくりもの』(ポプラ社、おもしろゆかい文庫) 1983.3
  • 『はやくこいこいランドセル』(銀河社) 1983.3
  • 『にげだした兵隊 原一平の戦争』(岩崎書店) 1983.8
  • 『どっちがいいこ』(あかね書房、テモちゃんのえほん) 1983.9
  • 『鬼八』(童心社、童心社の絵本) 1983.10
  • 『ぼくのいぬドン』(ポプラ社) 1983.12
  • 『よしよしおとうさんとだめだめおかあさん』(小学館、小学館こども文庫) 1983.12
  • 『どっちがつよい』(あかね書房、テモちゃんのえほん) 1983.12
  • 『あき子ちゃんなんて大きらい』(小学館、小学館こども文庫) 1984.2
  • 『ちび犬テモちゃん』(ポプラ社、わたしの動物記) 1984.3
  • 『カッパとあめだま』(あかね書房) 1984.11
  • 『のんびりにいさん ちゃっかりいもうと』(佼成出版社) 1985.1
  • 『のら犬ノラさん』(あかね書房) 1985.9
  • 『まぼろしの4番バッター』(ひくまの出版) 1986.7
  • 『ちびちゃんめいたんてい』(教育画劇、スピカのおはなしえほん) 1986.10
  • 『らいねんは一年生』(ひくまの出版) 1986.11
  • 『ひろくんはわすれんボーイ』(偕成社) 1987.2
  • 『まっかになったすずめくん』(PHP研究所) 1987.7
  • 『犯人をさがせ 悪ガキ三人組』(旺文社) 1987.10
  • 『のらねこ大しょうごろうた』(新学社) 1988.4
  • 『ゆめがほんとになる本』(ポプラ社) 1988.5
  • 『わんわんレストランへどうぞ』(あかね書房) 1988.10
  • 『のらねこ五郎太医者になる』(旺文社) 1991.3

再話

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ほかに民話の再話多数

脚注

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  1. ^ 三井貴美子「竹崎有斐」『児童文学辞典』東京書籍。1988年4月。
  2. ^ 草野明子「竹崎有斐」『日本児童文学大事典』大日本図書、1993年10月31日。

関連項目

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