池上嘉彦
池上 嘉彦(いけがみ よしひこ、1934年2月6日 - )は、日本の言語学者。専門は記号論・意味論・詩学。東京大学教養学部教授を経て、東京大学名誉教授。昭和女子大学大学院特任教授。
人物情報 | |
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生誕 |
1934年2月6日 日本京都府京都市 |
出身校 | 東京大学、イェール大学 |
学問 | |
研究分野 | 言語学(英語学) |
研究機関 | 東京大学、昭和女子大学 |
学位 | 博士 |
経歴
編集1934年、京都市伏見区生まれ。1956年東京大学英語英文学専修課程卒業。同大学院修士課程修了。
1963年より東京大学助手。以降、東京大学教養学部に定年退職するまで所属し、勤務することになる。アレクサンダー・フォン・フンボルト財団およびフルブライト・プログラムの研究員となり、西ドイツ、米国、英国に研究滞在する。1969年、イェール大学で言語学博士の学位を取得。ミュンヘン大学、ロンドン大学客員教授もつとめた。1985年、東京大学教養学部教授に昇任。1995年に東京大学を定年退職し、名誉教授となった。その後は、昭和女子大学大学院教授、のち特任教授として教鞭をとった。学界では、2000年に設立された日本認知言語学会初代会長を務める。
研究内容・業績
編集- 主要な著作として『意味論』(1975年)、『詩学と文化記号論』(1983年)があるほか、この分野の名著の翻訳書も多い。一般向けの著書としては『意味の世界』(1978年)、言葉と文化の関係についての新しい考え方を説いた『記号論への招待』(1984年)や『英語の感覚・日本語の感��』(2006年)などが良く知られている。
著書
編集単著
編集- 『英詩の文法 語学的文体論』(研究社出版、1967年)
- 『意味論 意味構造の分析と記述』(大修館書店、1975年)
- 『意味の世界 現代言語学から視る』(日本放送出版協会(NHKブックス)、1978年)
- 『「する」と「なる」の言語学 言語と文化のタイポロジーへの試論』(大修館書店、1981年)
- 『ことばの詩学』(岩波書店、1982年(のち同時代ライブラリー)
- 『詩学と文化記号論 言語学からのパースペクティヴ』(筑摩書房、1983年(のち講談社学術文庫)
- 『記号論への招待』(岩波新書、1984年)
- 『ふしぎなことばことばのふしぎ』(筑摩書房(ちくまプリマーブックス)、1987年)
- 『〈英文法〉を考える 〈文法〉と〈コミュニケーション〉の間』(筑摩書房(ちくまライブラリー)、1991年(のちちくま学芸文庫)
- 『「日本語論」への招待』(講談社、2000年)「日本語と日本語論」 (ちくま学芸文庫)2007
- 『自然と文化の記号論』(放送大学教育振興会、2002年)
- 『英語の感覚・日本語の感覚:〈ことばの意味〉のしくみ』(日本放送出版協会(NHKブックス)、2006年)
共編著
編集- 『C.C.フリーズ』 (不死鳥英文法ライブラリ)石橋幸太郎, 桑原輝男共著 南雲堂 1963
- 『文化記号論への招待 ことばのコードと文化のコード』山中桂一、唐須教光共著 (有斐閣選書) 1983 「文化記号論 ことばのコードと文化のコード」講談社学術文庫
- 『英語の意味』 (テイクオフ英語学シリーズ) 編 大修館書店 1996
- 『自然な日本語を教えるために 認知言語学をふまえて』守屋三千代共編著 ひつじ書房 2009
- 『ことばワークショップ 言語を再発見する』大津由紀雄編,窪薗晴夫,西山佑司共著 開拓社言語・文化選書 2011
翻訳
編集- S・ウルマン『言語と意味』(大修館書店、1969年)
- シドニー・フック編『言語と思想』三宅鴻,大江三郎共訳 研究社出版 1974
- G・リーチ、J・スヴァルトヴィック『現代英語文法 コミュニケーション編』池上恵子共訳 紀伊国屋書店、1977年)
- R・クヮーク、S・グリーンバウム『現代英語文法 大学編』紀伊国屋書店、1977年)
- ベンジャミン・リー・ウォーフ『言語・思考・現実』弘文堂、1978年(のち講談社学術文庫)
- テレンス・ホークス『構造主義と記号論』(紀伊国屋書店、1979年)
- アラン・ダンダス『民話の構造 アメリカ・インディアンの民話の形態論』(大修館書店、1980年)
- S・I・ハヤカワ『ことばと人間』(池上恵子共訳 紀伊国屋書店、1980年)
- ルドルフ・フォン・イェーリング『権利のための闘争』(栂善夫共訳、研究社小英文叢書284、研究社、1986年)
- ウンベルト・エーコ『記号論 Ⅰ・Ⅱ』(岩波書店、岩波現代選書、1980年。同時代ライブラリー、1996年)、講談社学術文庫、2013年
- R・ド・ボウグランド、W・ドレスラー『テクスト言語学入門』(紀伊国屋書店、1984年)
- R・ヤコブソン『言語とメタ言語』山中桂一共訳 勁草書房、1984年)
- T・A・シービオク『自然と文化の記号論』(勁草書房、1985年)
- ウンベルト・エーコ、V・V・イワーノフ、モニカ・レクトール共著『カーニバル!』(唐須教光共訳 岩波書店、1987年)
- ジェフリー・リーチ『語用論』(河上誓作共訳 紀伊国屋書店、1987年)
- ランドルフ・クヮーク『ことばの働き』(豊田昌倫共訳 紀伊国屋書店、1988年)
- トマス・A・シービオク『動物の記号論』(勁草書房、1989年)
- アラン・ダンダス『シンデレラ』(紀伊国屋書店、1991年)
- ジョージ・レイコフ『認知意味論』(紀伊国屋書店、1993年)
- アラン・ダンダス『「赤ずきん」の秘密』三宮郁子, 山崎和恕共訳(紀伊国屋書店、1994年)
- E・サピア『文化人類学と言語学』(弘文堂、1995年)
- F・ウンゲラー、H・J・シュミット『認知言語学入門』(大修館書店、1998年)
脚注
編集外部リンク
編集- 昭和女子大学 教員情報「池上嘉彦」 - ウェイバックマシン(2012年6月2日アーカイブ分)