海外旅行(かいがいりょこう、: overseas travel)は、国土の全てがに囲まれた国家島国)において、「外国旅行」(: traveling abroad)や「国際旅行」(: international travel)の同義語として使用される用語。ただし、半島にあってその基部の国家とほぼ国交断絶状態にある国家、あるいは、大陸にあって同大陸のほとんどの国家と国交断絶状態にある国家は、国民の旅行の面では事実上の島国となるため、日本語の「海外旅行」にあたるそれらの国の言葉が用いられることがある。

概要

編集
 
日本人の人気の海外旅行先の1つであるアメリカ合衆国ハワイ州オアフ島にあるラニカイビーチ(2007年7月)

日本語における「海外旅行」は、ほぼ日本国から外国に出国する旅行(アウトバウンド)において用いられるため、本項では「日本における外国旅行/国際旅行」について記述する。島国がほとんどの大洋州カリブ海諸国、あるいは、半島基部とほぼ国交断絶しているような大韓民国イエメン等については各国ごとの記事を参照。

歴史

編集

1853年-1945年

編集

開国後も台湾朝鮮などの外地と船舶による交流が盛んであった程度で、観光目的での海外旅行は一般大衆には縁のないものであったが、1901年初頭に発行された報知新聞の特集記事「二十世紀の豫言」では、20世紀中に海外旅行が一般化することが予測されていた。1937年日中戦争が始まると、満州国上海などの日本の影響圏以外への旅行は制限されるようになる。

1945年-1963年

編集

1945年第二次世界大戦が終結するが、海外旅行は日本政府やGHQによる強い規制を受けた。外国への旅行は外貨獲得のための業務や視察、留学などの特定の認可し得る目的がなければならなかった。

1960年代に入ると航空機での海外渡航の旅客が船舶を超えた。1963年(昭和38年)4月1日以降は現金トラベラーズチェックによる年間総額外貨500ドル以内の職業会社などの都合による渡航が一般化されたが、これも旅行会社を介して逐一認可された[1]

1964年-1984年

編集

一般の市民が職業上の理由や会社の都合ではなく、単なる観光旅行として自由に外国へ旅行できるようになったのは翌1964年(昭和39年)4月1日以降であり、年1回500ドルまでの外貨の持出しが許された。これをきっかけに日本航空の「JALパック」が、初の海外旅行ツアーとして発売された。さらに1966年(昭和41年)1月1日以降はそれまでの「1人年間1回限り」という回数制限も撤廃され、1回500ドル以内であれば自由に海外旅行ができることとなり[2]、これ以降、次第に物見遊山[3]の海外旅行が広がり始めた。

これら自由化当初の海外旅行は費用も高額で、一部の富裕層に限られており一般大衆には夢であったが、1972年には海外渡航者数が100万人を突破。ようやく海外旅行ツアーが都市圏の中流層に一般化し始めたのは1970年代後半からで、ドルが変動相場制に移行しての円高や旅行費用の低下が進み、飛行機の大型化が進み韓国や台湾などの近隣国であれば国内旅行(特に北海道沖縄県といった国内遠隔地への旅行)よりも多少高い金額ぐらいで旅行できるようになった。海外への新婚旅行ツアーが一般化したのもちょうどその頃である。

テレビ番組『兼高かおる世界の旅』で紹介される世界各地のナレーション付き映像や、「10問正解して夢のハワイ」のキャッチフレーズで始まる『アップダウンクイズ』、日本航空スポンサーの『JET STREAM』といった番組や、遠距離受信が人気を博していたのもこの頃であった。懸賞として海外旅行が使われるのも流行し、「トリスを飲んでHawaiiへ行こう!」「ニューヨークへ行きたいかー!」などは流行語にもなった。

1985年-2000年

編集

1980年代後半、プラザ合意以降の急激な円高の進行と、1988年12月から施行されたアメリカ合衆国訪問時のビザ免除制度などの影響で、ツアーの海外旅行者が大幅に増加した。

1990年に入り、格安航空券が一般的なものになり個人旅行客も増え、1995年に一時過去最高の1ドル=79円台まで進行した円高の際には、国内旅行と海外旅行の費用が逆転するケースが発生するようになり、その後円安に振れていったものの、海外旅行は日本の周辺国への旅行を中心に一般化していった。

2001年-2019年

編集

2001年のアメリカ同時多発テロ事件や2003年のイラク戦争等の当該事件直後に、海外におけるテロ行為のリスクがあらためて認識されるようになった際や、2003年のSARS流行、2009年新型インフルエンザ流行など、流行性感染症が懸念された時期には、統計的にも大幅な海外旅行控えが見られたが、その後は団塊の世代の定年退職や格安航空会社の台頭などもあり回復していった。

この頃になると、若者の海外旅行離れが指摘されるようになる。2013年時点において、日本からの海外出国者数は世界で13番目の多さだが、人口比で見た海外出国率では決して多いほうではない。世代別でみてみると、40代男性が最も多く、30代男性、50代男性、20代女性がそれに続く。近年では男女とも60代以上(シニア世代で元アンノン族世代に相当)の伸びが著しいのに対し、20代の若年層に限っては、2000年前後から減少傾向が続いている。20代男性は2000年代半ばを境に60代に抜かれ、90年代まで世代別のトップの旅行者数だった20代女性も3分の2未満に減少している[4]。法務省の「出入国管理統計」によれば、日本人の海外旅行者数が過去2番目の多さだった2000年に20代の海外旅行者数は418万人だったが、2010年は270万人にまで落ち込んだ。2011年は281万人と若干持ち直したが、依然として低迷している状態であり、その原因としては、昔と違って海外旅行に対して特別な印象を持たなくなったということ、そして正規雇用者より年収が低い非正規雇用者が増加したことが挙げられている[5]

2020年-現在

編集

2019年末から発生した新型コロナウイルスの流行によって各国が入国制限を発したことを端に、2020年の海外渡航需要が激減した。その後は感染症の鎮静化によって海外渡航需要の回復の兆しが見えたものの、同時に円安傾向が進んだことで本格的な需要回復には至ってない状況である。

海外旅行者の推移

編集
主な国・地域の人口比出国率(2018年)[4]
国名 国外旅行者
/人口
  シンガポール 184.0%
  香港 169.5%
  ドイツ(2017年) 111.7%
  イギリス 107.9%
  カナダ 90.4%
  台湾 70.5%
  韓国 52.1%
  フランス(2017年) 44.8%
  オーストラリア 43.9%
  アメリカ合衆国 28.4%
  日本 15.0%
  中国(2017年) 10.3%
主な国・地域の出国者数(2018年)[4]
国名 人数
  中国(2017年) 1億4,304万人
  アメリカ合衆国 9,304万人
  ドイツ(2017年) 9,240万人
  イギリス 7,173万人
  ロシア 4,196万人
  カナダ 3,344万人
  イタリア(2017年) 3,181万人
  フランス(2017年) 2,906万人
  韓国 2,693万人
  日本 1,895万人
日本人海外出国者数の推移[4]
人数
1950年 8,922
1960年 119,420
1970年 936,205
1980年 3,909,333
1990年 10,997,431
2000年 17,818,590
2010年 16,637,224
2018年 18,954,031

海外旅行先ランキング

編集

日本人のおもな海外旅行の行き先となっている国・地域をランキング形式で以下に示す。数値は、日本人海外旅行者受入数に関する、各国の関係省庁(アメリカ合衆国商務省国際貿易局、タイ政府観光庁など)による公表資料に基づき、日本政府観光局(国際観光振興機構)が集計したものである[4][6]

順位 2018年 2017年 2016年 2015年 2010年 2005年
1   アメリカ合衆国
  ハワイ州
  グアム
  北マリアナ諸島
349.3万人
157.1万人
56.7万人
2.7万人
  アメリカ合衆国
  ハワイ州
  グアム
  北マリアナ諸島
359.6万人
158.8万人
62.0万人
5.1万人
  アメリカ合衆国
  ハワイ州
  グアム
  北マリアナ諸島
360.4万人
148.8万人
74.6万人
6.1万人
  アメリカ合衆国
  ハワイ州
  グアム
  北マリアナ諸島
379.3万人
148.2万人
77.3万人
8.1万人
  中国 373.1万人   アメリカ合衆国
  ハワイ州
  グアム
  北マリアナ諸島
388.4万人
151.7万人
95.5万人
35.2万人
2   韓国 294.9万人   中国 268.0万人   中国 258.7万人   中国 249.8万人   アメリカ合衆国
  ハワイ州
  グアム
  北マリアナ諸島
338.6万人
123.9万人
89.4万人
18.5万人
  中国 339.0万人
3   中国 269.0万人   韓国 231.1万人   韓国 229.7万人   韓国 183.8万人   韓国 302.3万人   韓国 244.0万人
4   台湾 196.9万人   台湾 189.9万人   台湾 189.6万人   台湾 162.7万人   台湾 108.0万人   タイ 118.2万人
5   タイ 165.6万人   タイ 154.4万人   タイ 144.0万人   タイ 138.2万人   タイ 99.4万人   台湾 109.2万人
6   香港 85.2万人   香港 81.3万人   シンガポール 78.4万人   シンガポール 78.9万人   香港 82.3万人   香港 81.1万人
7   シンガポール 83.0万人   ベトナム 79.8万人   ベトナム 74.1万人   フランス 68.2万人   ドイツ 60.5万人   ドイツ 73.0万人
8   ベトナム 82.7万人   シンガポール 79.3万人   香港 69.3万人   ベトナム 67.1万人   フランス 57.7万人   オーストラリア 68.5万人
9   フィリピン 63.2万人   ドイツ 58.5万人   インドネシア 54.5万人   ドイツ 64.8万人   シンガポール 52.9万人   フランス 65.9万人
10   ドイツ 61.3万人   フィリピン 58.4万人   ドイツ 54.5万人   香港 63.3万人   ベトナム 44.2万人   シンガポール 58.9万人
11   スペイン 55.1万人   インドネシア 57.3万人   フィリピン 53.5万人   スペイン 60.7万人   インドネシア 41.9万人   インドネシア 51.8万人
12   フランス 54.0万人   フランス 48.4万人   スペイン 46.3万人   インドネシア 55.0万人   マレーシア 41.6万人   カナダ 42.4万人
13   インドネシア 53.1万人   スペイン 44.5万人   オーストラリア 41.8万人   フィリピン 49.6万人   オーストラリア 39.8万人   フィリピン 41.5万人
14   オーストラリア 46.9万人   オーストラリア 43.5万人   マレーシア 41.4万人   マレーシア 48.3万人   フィリピン 35.9万人   マレーシア 34.0万人
15   マレーシア 39.5万人   マレーシア 39.3万人   フランス 41.1万人   イタリア 42.2万人   イタリア 34.0万人   スイス 33.5万人
16   イタリア 38.4万人   イタリア 38.6万人   イタリア 40.4万人   オーストラリア 34.2万人   スペイン 33.3万人   イギリス 33.2万人
17   カナダ 25.1万人   カナダ 29.5万人   カナダ 30.4万人   カナダ 27.5万人   スイス 29.8万人   ベトナム 32.1万人
18   イギリス 24.7万人   イギリス 24.7万人   イギリス 24.6万人   オーストリア 23.7万人   カナダ 24.3万人   イタリア 28.1万人
19   インド 23.6万人   スイス 22.7万人   インド 20.9万人   スイス 22.6万人   マカオ 22.8万人   オーストリア 27.9万人
20   オーストリア 22.0万人   インド 22.3万人   オーストリア 20.9万人   インド 20.7万人   イギリス 22.3万人   スペイン 18.1万人
21   スイス 21.2万人   オーストリア 20.8万人   スイス 19.8万人   イギリス 19.4万人   オーストリア 21.4万人   マカオ 16.9万人
22   カンボジア 21.0万人   カンボジア 20.3万人   カンボジア 19.2万人   カンボジア 19.3万人   トルコ 19.5万人   オランダ 15.7万人
23   マカオ 18.9万人   マカオ 19.0万人   マカオ 18.5万人   マカオ 16.2万人   インド 16.8万人   ニュージーランド 15.5万人
24   クロアチア 16.0万人   メキシコ 15.1万人   メキシコ 13.3万人   クロアチア 16.0万人   カンボジア 15.2万人   チェコ 15.4万人
25   メキシコ 15.6万人   ポルトガル 14.4万人   クロアチア 12.1万人   オランダ 13.6万人   クロアチア 14.7万人   カンボジア 13.8万人
26   ポルトガル 14.2万人   クロアチア 14.2万人   ポルトガル 11.6万人   チェコ 12.4万人   チェコ 13.3万人   ノルウェー 12.5万人
27   チェコ 12.9万人   フィンランド 12.5万人   フィンランド 11.4万人   メキシコ 11.9万人   エジプト 12.6万人   スウェーデン 11.5万人
28   オランダ 11.9万人   オランダ 11.7万人   オランダ 10.6万人   フィンランド 10.8万人   オランダ 11.9万人   ハンガリー 11.2万人
29   フィンランド 11.3万人   チェコ 11.5万人   チェコ 10.6万人   ベルギー 9.6万人   ニュージーランド 8.8万人   ベルギー 11.2万人
30   ロシア 10.5万人   ニュージーランド 10.2万人   ミャンマー 10.1万人   トルコ 9.2万人   ベルギー 8.1万人   インド 10.3万人
日本人
出国者計
- 1895.4万人 - 1788.9万人 - 1711.6万人 - 1621.4万人 - 1663.7万人 - 1740.4万人
Note: 各国で、集計基準が変更されているため、異なる年同士の数値の比較は、厳密には成り立たない。なお、北朝鮮など一部、日本人海外旅行者受入数のデータがない国がある。
アメリカ合衆国に関しては、ハワイ州グアム北マリアナ諸島プエルトリコなどを含む全米の数値を示したほか、日本人海外旅行者受入数が多く、地域別数値の確定が可能なハワイ州・グアム・北マリアナ諸島に関しては、特に各地域の受入数を付記した。

旅行形態

編集

海外旅行の形態には、旅行会社が企画する企画旅行(いわゆるパッケージツアー)や、旅行者本人が企画し、旅行会社に交通手段・宿泊施設等を手配させる手配旅行があるが、旅行者が交通機関や宿泊施設等を旅行会社を介さずに直接手配する旅行も、インターネットの発達と共に一般化している。

企画旅行

編集

企画旅行は航空便・現地での交通・宿泊・観光等の旅程を一括して旅行会社が管理し、旅行会社は旅程管理、旅程保証、特別補償といった法的責任を負う。

メリットは、海外旅行に伴う煩雑な手配から解放されること、万が一の補償が旅行会社からなされるといったものがある。また、企画旅行では旅行会社側が交通・宿泊先などを安価・大量に仕入れることができるため、完全な手配旅行と比較すると安価なケースも多い。

デメリットは旅行中の自由度が下がることである。最初から旅程の一部に旅行者側からは必要のないスケジュールが組み込まれていて余計な時間をとられることなどもある。そのため、自由時間を旅程に組み入れるものや、航空便・宿泊施設のみを提供する、フリープランのような企画もある。また、主に別料金(オプション)ではあるがオプショナルツアーなどによって、自由時間を、用意されたツアーで過ごすことも可能である。

手配旅行

編集

手配旅行では、旅行者本人が自由な旅程を組むことができるのがメリットである。反面、現地での交渉(交通手段・宿泊等)が煩雑となる。また、企画旅行における旅行会社の補償のようなものは存在せず、基本的に滞在中の裁量・責任は旅行者本人に委ねられる。そのため旅行先において、現地の旅行会社の手配で個別のツアーに参加することなどもできる。

手配旅行はバックパッカーが旅行をする場合に有効な手段である。この場合、宿泊や飲食に掛かる費用をできるだけ切り詰める(モーテルゲストハウスに宿泊する)ことで、長期の滞在が可能になる。当然ながら、スケジュールが決められたパック旅行(企画旅行)とは異なるオーダーメイドの旅行プランの設計も可能であり、パック旅行では需給の都合上取扱の難しい専属の通訳ツアーコンダクターの手配、ファーストクラスや超高級ホテル・プライベートジェットリムジンカーハイヤーなどを利用した超高級志向の旅(団塊の世代を初めとする高齢者に需要が大きい)や、知人を訪ねに地方都市へ鉄道や航空機のローカル路線で向かい、現地のホテルで宿泊するといった行程など、あらゆる要望に合わせて旅行業務取扱管理者らが行程表を作成し、手配することもできる。

格安パッケージツアー

編集

近年、東アジアの都市2泊3日(往復の交通・宿泊込み)が1万円台後半といった格安パッケージツアーの広告を見かけるのが珍しくなくなった。この価格は東京-新大阪間の東海道新幹線の往復(29,000円前後)程度、あるいはそれ以下のレベルである。このため、予算の乏しい学生なども学生旅行(卒業旅行)として友人らと海外旅行することも珍しくなくなっている。また同様に旅行費用の値下がりにより、親子連れで海外旅行するケースも1990年代後半頃から目立つようになった。

しかし、空港利用料日本国旅券発給手数料などを含めた費用全額を考えると、必ずしも国内旅行よりも安価とはいえない場合があり、特に近年は原油価格高騰に伴う燃油サーチャージが数千円(東アジア路線)~5万円(ヨーロッパ、北米路線)程度加算されている。

2000年前後から格安パッケージツアーが台頭し、現在まで浸透するようになったが、これは1990年代の日本での航空規制緩和政策による航空券運賃の段階的な自由化に伴い、既に規制緩和が進行していた欧米をはじめとする日本に乗り入れている外国の航空会社によって、正規運賃から大幅に値引いた格安価格で旅行企画会社に卸すようになり、ダンピングともいえる過当競争が進行し、さらにeコマースの進展に伴って低コスト運営のインターネット通販専業の旅行会社出現も相俟って、次第に宿泊費用やツアーコンダクターの賃金まで過当競争が進行した結果、ツアー代金が安価になったという点が大きい。

これら格安海外旅行分野ではH.I.Sがパイオニア的存在であったものの、近年はJTBグループをはじめとする大手旅行会社でも格安ツアー・格安航空券の企画・販売を行っている。

格安航空券

編集

格安パッケージツアーに乗じ、包括旅行用割引運賃を適用した航空券(IT運賃)をより大量に仕入れて、その航空券部分のみを切り売りする「格安航空券」の存在もポピュラーとなった。

以前は供給数が少なかったためバーゲンの如く発売開始当日の内に完売だったことが多かったが、近年は在庫が豊富となり、航空会社が発売する正規割引航空券(PEX運賃など)と購入手段については遜色がなくなっている。

制約事項

編集

格安航空券や格安パッケージツアーでは座席を指定することや航空会社のマイレージの加算が不可能であったり、行程内容の変更やノーショー(キャンセルせずに当日搭乗しなかった)時の払戻が受けられないなど制約が大きいので、それらの選択にはニーズに合わせて慎重に考慮する必要がある。

また、格安航空券は一種の手配旅行商品であるため、航空会社や卸旅行会社へ運賃相当の決済・受け渡しが済んでいない段階で販売旅行会社が経営破綻した場合では、たとえ旅行客が代金を支払ったとしても搭乗することはできない。パッケージツアーも、主催旅行会社が催行前に破産した場合は同様のことがあり得る。その場合は旅行業界団体の保証制度による補填による返還(支払った全額ではない)しか受けられず、未加盟の旅行会社の場合は除外となる。

てるみくらぶのように、数カ所の店舗運営もしくはインターネット通販運営を中心にした小規模の旅行会社が破綻して、上記のような事案に遭遇したことが報道されているため、代理業者や主催旅行会社を単に「値段が安い」だけではなく、「信用性が有るか」「アフターケアは万全か」など、消費者がよく考慮して選ぶ必要がある。

脚注

編集
  1. ^ 五、海外移住の現状と邦人の海外渡航、地域別渡航者数1956年-1960年”. 外務省外交青書第5号1961年版昭和36年版わが外交の近況. 2024年3月24日閲覧。
  2. ^ 第3節 国民の海外渡航の状況国土交通省
  3. ^ 物見遊山の意味三省堂大辞林
  4. ^ a b c d e 数字が語る旅行業 2020” (PDF). 日本旅行業協会. 2021年2月5日閲覧。
  5. ^ 2010年7月11日 中日新聞 世界と日本 大図解シリーズ No.949
  6. ^ 出国日本人数の動向”. 日本政府観光局(国際観光振興機構) (2019年10月). 2019年11月2日閲覧。

関連項目

編集

外部リンク

編集