フタツザオチョウチンアンコウ科
フタツザオチョウチンアンコウ科(学名:Diceratiidae)は、アンコウ目に所属する魚類の分類群の一つ[1]。2属7種が分類され、大西洋、インド洋、西太平洋の深海に生息する[2]。第二の発光器を持つことで、他の深海アンコウ類と区別される。雄は1983年まで記載されていなかった。
フタツザオチョウチンアンコウ科 | |||||||||||||||||||||
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トゲトゲチョウチンアンコウ
Diceratias bispinosus | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Diceratiidae Regan & Trewavas, 1932 | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
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英名 | |||||||||||||||||||||
Double angler |
分類と名称
編集1932年にイギリスの魚類学者であるチャールズ・テート・リーガンとエスリン・トレワヴァスによって初めて科として提唱された[3]。この科の基準属である Diceratias は、1887年にドイツ生まれのイギリスの魚類学者アルベルト・ギュンターによってビワアンコウ属の亜属として提唱され、そのタイプ種は Caratias bispinosus であり、ギュンターは1872-1876年のチャレンジャー号遠征でバンダ諸島沖の水深660 mで採集した個体をもとに記載した[4]。学名はフタツザオチョウチンアンコウ属の学名である Diceratias に由来し、ビワアンコウ属の属名である Ceratias に「2」を意味する接頭辞 di が付けられている。頭部の発光器が2本ある、ビワアンコウ属の亜属であると考えられていたためである[5]。
下位分類
編集- イナホツノアンコウ属 Bufoceratias Whitley 1931
- Bufoceratias microcephalus H. C. Ho, Kawai & Amaoka, 2016
- シャオクロツノアンコウ Bufoceratias shaoi Pietsch, Ho & Chen, 2004
- イナホツノアンコウ Bufoceratias thele (Uwate, 1979)
- クロツノアンコウ Bufoceratias wedli (Pietschmann), 1926
- フタツザオチョウチンアンコウ属 Diceratias Günther, 1887
- トゲトゲチョウチンアンコウ Diceratias bispinosus (Günther, 1887) (Two-rod anglerfish)
- フタツザオチョウチンアンコウ Diceratias pileatus Uwate, 1979
- サンヨウチョウチンアンコウ Diceratias trilobus Balushkin & Fedorov, 1986
形態
編集性的二形があり、雌は先端に発光器を持つ棍棒状の鰭棘を持つことで、他のチョウチンアンコウ類の雌と区別できる。眼の後ろまで届く大きな口、上顎骨のすぐ先まで届く下顎結合部のよく発達した棘、鋤骨歯[6]、皮膚の棘が特徴で、背鰭には5 - 7棘、臀鰭には4棘があり、小さな骨盤骨が腹板に繋がる。背鰭第2棘は第1棘の基部(誘引突起)のすぐ後方にあり[1]、全長が1.3 cmを超える個体では、皮膚の下の小さな穴にしまうことができる[7]。全長10.1 cmのシャオクロツノアンコウから、全長25cmのクロツノアンコウまで、大きさは様々である[2]。雄は皮膚に棘があり、吻部に2本の歯があり、下顎には4本または5本の独立した歯が2列に並ぶ。雄の目と鼻孔は横を向いている[8]。
分布と生態
編集大西洋、太平洋、インド洋の熱帯から亜熱帯海域に分布し、大陸棚と大陸斜面に生息する[1]。水深0 - 2,306 mで記録されている。雄は矮雄とならず、自由に遊泳生活を行うと考えられている[9]。
脚注
編集- ^ a b c Nelson, J.S.; Grande, T.C.; Wilson, M.V.H. (2016). Fishes of the World (5th ed.). Hoboken, NJ: John Wiley & Sons. pp. 508–518. doi:10.1002/9781119174844. ISBN 978-1-118-34233-6. LCCN 2015-37522. OCLC 951899884. OL 25909650M
- ^ a b Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2024). "Diceratiidae" in FishBase. June 2024 version.
- ^ Richard van der Laan; William N. Eschmeyer & Ronald Fricke (2014). “Family-group names of recent fishes”. Zootaxa 3882 (2): 1–230. doi:10.11646/zootaxa.3882.1.1. PMID 25543675 .
- ^ “CAS - Eschmeyer's Catalog of Fishes Diceratias”. researcharchive.calacademy.org. 2024年6月30日閲覧。
- ^ Christopher Scharpf (3 June 2024). “Order LOPHIIFORMES (part 2): Families CAULOPHRYNIDAE, NEOCERATIIDAE, MELANOCETIDAE, HIMANTOLOPHIDAE, DICERATIIDAE, ONEIRODIDAE, THAUMATICHTHYIDAE, CENTROPHRYNIDAE, CERATIIDAE, GIGANTACTINIDAE and LINOPHRYNIDAE”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf. 25 June 2024閲覧。
- ^ Ken Uwate (1979). “Revision of the Anglerfish Diceratiidae with Descriptions of Two New Species”. Copeia 1979 (1): 129-144. doi:10.2307/1443739 .
- ^ Theodore W Pietsch (2022). “Order Lophiiformes”. In Phillip C Heemstra; Elaine Heemstra; David A Ebert et al.. Coastal Fishes of the Western Indian Ocean. 2. South African Institute for Aquatic Biodiversity. pp. 281–307. ISBN 978-1-990951-29-9
- ^ E. Bertelsen; Theodore W. Pietsch (1983). “The Ceratioid Anglerfishes of Australia”. Records of the Australian Museum 35: 77-93 .
- ^ Dianne J. Bray. “Double anglerfishes, DICERATIIDAE in Fishes of Australia”. Museums Victoria. 28 June 2024閲覧。