竹(タケ)は、広義には、イネ目イネ科タケ亜科に属する植物のうち、木本(木)のように茎(稈)が木質化する種の総称。 本項では便宜上、狭義のタケを「タケ」、広義のタケを「タケ類」と表し、タケ類全体について述べる。ただし、「タケ類」はタケ亜科、あるいは狭義のタケの意味で使われることもあるので、注意を要する。漢字の「竹」は人文・産業的な文脈に限って用いる。 タケは気候が温暖で湿潤な地域に分布し、アジアの温帯・熱帯地域に多い。ササは寒冷地にも自生する。タケ、ササの分布は北は樺太から南はオーストラリアの北部、西はインド亜大陸からヒマラヤ地域、またはアフリカ中部にも及ぶ。北アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカの大部分には見られない。 稈の丈は代表種であるマダケなどで20mを超える。稈はとても強く大きくしなっても簡単には折れない。 乾燥が十分なされたものは硬さと柔軟さを備えており、様々な用途に古来使われてきた(詳細は「」参照)。竹細工の材料、建材などのほか、繊維を利用して竹紙も作られている。竹酢液や竹炭としても利用される。前述した放置竹林の問題においても、これらの素材としての活用を求め、様々な研究、試行錯誤が行われている。 タケの芽を筍と呼び、食用とする。葉を食料として利用する動物もおり、ジャイアントパンダはこれを主食としている。

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  • 竹(タケ)は、広義には、イネ目イネ科タケ亜科に属する植物のうち、木本(木)のように茎(稈)が木質化する種の総称。 本項では便宜上、狭義のタケを「タケ」、広義のタケを「タケ類」と表し、タケ類全体について述べる。ただし、「タケ類」はタケ亜科、あるいは狭義のタケの意味で使われることもあるので、注意を要する。漢字の「竹」は人文・産業的な文脈に限って用いる。 タケは気候が温暖で湿潤な地域に分布し、アジアの温帯・熱帯地域に多い。ササは寒冷地にも自生する。タケ、ササの分布は北は樺太から南はオーストラリアの北部、西はインド亜大陸からヒマラヤ地域、またはアフリカ中部にも及ぶ。北アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカの大部分には見られない。 稈の丈は代表種であるマダケなどで20mを超える。稈はとても強く大きくしなっても簡単には折れない。 通常は、地下茎を広げ、地下茎からタケノコが直接生えることでふえていく。これは、無性生殖の一種である栄養生殖である。次々とタケノコが生えることによって生息域を広げて竹林となるが、これらの竹はすべて遺伝子が同一のクローンである。このようにしてふえた(1本の)竹には寿命があるので、やがて竹林全体が花を咲かせて有性生殖を行い、子孫をつくったのちに一斉に枯死する。花が咲くことは極めてまれで、花が咲くときは4月から5月にかけてである。一部のタケ類は周期的に開花し一斉に枯れることが知られている。その周期は極めて長く、ハチク、マダケの場合は約120年周期であると推定されている。しかし、まだ周期が分かっていない種類も多い(日本におけるモウソウチクの例では、種をまいてから67年後に一斉に開花・枯死した例が2例(1912年→1979年・1930年→1997年)記録されている)。竹の種類によって開花周期に幅が見られるが、一般にはおおよそ60年から120年周期であると考えられている。 タケ類は成長力が旺盛で、ピークの時は1日で1メートル以上成長する。竹林の近くにある民家の中に竹が侵入する(タケノコが生える)被害もある。地下茎が地面を広く覆うことからがけ崩れには強いが、逆に強風、地滑り、病気などには弱い。放置された竹林で地滑りの発生が多いという研究もあり、事例も複数報告されている。また放置竹林によって山地が覆われ、元々植生していた広葉樹や針葉樹の光合成が妨げられ、生物多様性が損なわれ、結果として森林の減少を招くという問題も起こっており、各地で対策が講じられている。2017年、林野庁によると、全国の竹林面積は2002年約15万6000ヘクタール、2017年約16万7000ヘクタールと増え、都道府県別竹林面積は、鹿児島県1万7927ヘクタール、大分県1万4042ヘクタール、福岡県1万3619ヘクタール、山口県1万2001ヘクタール、島根県1万1157ヘクタールなど。竹材の生産は1960年は年間約40万トン、2010年は3万トンを切った。 乾燥が十分なされたものは硬さと柔軟さを備えており、様々な用途に古来使われてきた(詳細は「」参照)。竹細工の材料、建材などのほか、繊維を利用して竹紙も作られている。竹酢液や竹炭としても利用される。前述した放置竹林の問題においても、これらの素材としての活用を求め、様々な研究、試行錯誤が行われている。 タケの芽を筍と呼び、食用とする。葉を食料として利用する動物もおり、ジャイアントパンダはこれを主食としている。 モウソウチクを除く種の多くは、限られた地域でしか生育しないことが多い。その理由は不明である。 (ja)
  • 竹(タケ)は、広義には、イネ目イネ科タケ亜科に属する植物のうち、木本(木)のように茎(稈)が木質化する種の総称。 本項では便宜上、狭義のタケを「タケ」、広義のタケを「タケ類」と表し、タケ類全体について述べる。ただし、「タケ類」はタケ亜科、あるいは狭義のタケの意味で使われることもあるので、注意を要する。漢字の「竹」は人文・産業的な文脈に限って用いる。 タケは気候が温暖で湿潤な地域に分布し、アジアの温帯・熱帯地域に多い。ササは寒冷地にも自生する。タケ、ササの分布は北は樺太から南はオーストラリアの北部、西はインド亜大陸からヒマラヤ地域、またはアフリカ中部にも及ぶ。北アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカの大部分には見られない。 稈の丈は代表種であるマダケなどで20mを超える。稈はとても強く大きくしなっても簡単には折れない。 通常は、地下茎を広げ、地下茎からタケノコが直接生えることでふえていく。これは、無性生殖の一種である栄養生殖である。次々とタケノコが生えることによって生息域を広げて竹林となるが、これらの竹はすべて遺伝子が同一のクローンである。このようにしてふえた(1本の)竹には寿命があるので、やがて竹林全体が花を咲かせて有性生殖を行い、子孫をつくったのちに一斉に枯死する。花が咲くことは極めてまれで、花が咲くときは4月から5月にかけてである。一部のタケ類は周期的に開花し一斉に枯れることが知られている。その周期は極めて長く、ハチク、マダケの場合は約120年周期であると推定されている。しかし、まだ周期が分かっていない種類も多い(日本におけるモウソウチクの例では、種をまいてから67年後に一斉に開花・枯死した例が2例(1912年→1979年・1930年→1997年)記録されている)。竹の種類によって開花周期に幅が見られるが、一般にはおおよそ60年から120年周期であると考えられている。 タケ類は成長力が旺盛で、ピークの時は1日で1メートル以上成長する。竹林の近くにある民家の中に竹が侵入する(タケノコが生える)被害もある。地下茎が地面を広く覆うことからがけ崩れには強いが、逆に強風、地滑り、病気などには弱い。放置された竹林で地滑りの発生が多いという研究もあり、事例も複数報告されている。また放置竹林によって山地が覆われ、元々植生していた広葉樹や針葉樹の光合成が妨げられ、生物多様性が損なわれ、結果として森林の減少を招くという問題も起こっており、各地で対策が講じられている。2017年、林野庁によると、全国の竹林面積は2002年約15万6000ヘクタール、2017年約16万7000ヘクタールと増え、都道府県別竹林面積は、鹿児島県1万7927ヘクタール、大分県1万4042ヘクタール、福岡県1万3619ヘクタール、山口県1万2001ヘクタール、島根県1万1157ヘクタールなど。竹材の生産は1960年は年間約40万トン、2010年は3万トンを切った。 乾燥が十分なされたものは硬さと柔軟さを備えており、様々な用途に古来使われてきた(詳細は「」参照)。竹細工の材料、建材などのほか、繊維を利用して竹紙も作られている。竹酢液や竹炭としても利用される。前述した放置竹林の問題においても、これらの素材としての活用を求め、様々な研究、試行錯誤が行われている。 タケの芽を筍と呼び、食用とする。葉を食料として利用する動物もおり、ジャイアントパンダはこれを主食としている。 モウソウチクを除く種の多くは、限られた地域でしか生育しないことが多い。その理由は不明である。 (ja)
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  • 竹(タケ)は、広義には、イネ目イネ科タケ亜科に属する植物のうち、木本(木)のように茎(稈)が木質化する種の総称。 本項では便宜上、狭義のタケを「タケ」、広義のタケを「タケ類」と表し、タケ類全体について述べる。ただし、「タケ類」はタケ亜科、あるいは狭義のタケの意味で使われることもあるので、注意を要する。漢字の「竹」は人文・産業的な文脈に限って用いる。 タケは気候が温暖で湿潤な地域に分布し、アジアの温帯・熱帯地域に多い。ササは寒冷地にも自生する。タケ、ササの分布は北は樺太から南はオーストラリアの北部、西はインド亜大陸からヒマラヤ地域、またはアフリカ中部にも及ぶ。北アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカの大部分には見られない。 稈の丈は代表種であるマダケなどで20mを超える。稈はとても強く大きくしなっても簡単には折れない。 乾燥が十分なされたものは硬さと柔軟さを備えており、様々な用途に古来使われてきた(詳細は「」参照)。竹細工の材料、建材などのほか、繊維を利用して竹紙も作られている。竹酢液や竹炭としても利用される。前述した放置竹林の問題においても、これらの素材としての活用を求め、様々な研究、試行錯誤が行われている。 タケの芽を筍と呼び、食用とする。葉を食料として利用する動物もおり、ジャイアントパンダはこれを主食としている。 (ja)
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