バンリュー(Banlieue)は、フランス語で「郊外」という意味である。フランスで「郊外(バンリュー)」が問題になる場合は、パリなど大都市郊外の、移民が多い貧しい公営住宅地帯を指す場合が多い。 フランスでは英米と違い、ジョルジュ・オスマン男爵による19世紀のパリ大改造の影響もあって、通常、大都市の都心部やかつての城壁の中に当たる街区が最もグレードの高い住宅地で、郊外はどちらかといえば家賃の低い区域である。郊外には高級住宅地もあれば貧しい地域もあるが、パリ西部のイヴリーヌ県のヴェルサイユ、ル・ヴェジネ(Le Vésinet)、サン=ジェルマン=アン=レー(Saint-Germain- en-Laye)、オー=ド=セーヌ県のヌイイ=シュル=セーヌ(Neuilly-sur-Seine)などは裕福な郊外で、一方、北東部のセーヌ=サン=ドニ県、とりわけクリシー=ス=ボワ(Clichy-sous-Bois)は貧困な郊外であるとされている。