アイヌ語(アイヌご、: ラテン文字表記 Aynu itak, 仮名文字表記 アイヌ・イタㇰ, キリル文字表記 айну итак)は、日本列島の北海道を中心に居住するアイヌ民族(アイヌ)の言語である。「孤立した言語」であるが、方言差があるため、下位方言を別々の言語と見なして「アイヌ語族」(Ainuic)と呼ばれることが稀にある。 近世の時点でのアイヌ民族の居住地域は、北海道島とその周辺島嶼、東北地方北部、樺太(サハリン)南部、千島列島、カムチャツカ半島南端部で、アイヌ語圏も概ねその範囲であったとされる。現在アイヌは関東地方などにも拡散しているが(1988年時点で東京都内に2700人)、日本国内のアイヌのほぼ全員が日本語話者である。2009年2月、国際連合教育科学文化機関によって「極めて深刻(英語: critically endangered)」な消滅の危機にある言語と分類された。この時日本国内では8言語が危険な状況にあるとされたが、「極めて深刻」とされたのはアイヌ語のみである。