
「甲府ジュエリー」ブランド確立挑むふるさと納税起爆剤
甲府市が地場産業の宝飾品を産地ブランドに育成しようと攻勢をかけている。今治タオルや鯖江のメガネのように「甲府ジュエリー」のブランド確立を目指す。宝飾品を返礼品にしたふるさと納税は急増し、産業振興とともに市の財政にも影響を与える規模になった。産地ブランド化の成否は官民両面から地域経済の活力を左右する。 市はふるさと納税の2024年度寄付額が75億円になると見込む。23年度の1.8倍に増え、一般会計…
地域に密着した情報を届ける「コミュニティFM」が全国で広がっている。運営中の放送局は10年前より2割増えた。災害時には停電などで携帯電話がつながらなくなる可能性もある。東日本大震災では被災者らが必要とする生活情報を絶え間なく放送して存在感を高めた。放送局数が最も多い北海道のFMいるか(函館市)も災害対応を前面に地域に溶け込む。 コミュニティFMは総務省から免許を受ける超短波放送局として1992年…
標高3千メートル級の峰が連なる飛驒山脈の山々に囲まれた岐阜県飛驒市古川町。冬はいてつく厳寒の地で「蓬萊」の銘柄で知られる渡辺酒造店は150年を超える歴史を紡いできた。 井戸からくみ上げる飛驒山脈水系の伏流水に酵母の香りの生成を促す低温と、地理的に酒造りに適した条件がそろう。ただ、極度の低温は酵母が死滅するリスクとも隣り合わせだ。気候に合わせ、通常1週間以上かかる酒母の仕込みを1日ほどでするなど「…
落差133メートルを誇る那智の滝(和歌山県那智勝浦町)。日本三名瀑(ばく)の一つで、熊野那智大社の別宮である飛瀧(ひろう)神社のご神体として崇(あが)められているが、実は那智の滝は一つではない。世間一般に言う那智の滝とは、滝行修行の行場「那智四十八滝」のうちの「一の滝」を指す。 那智大社に隣接し、那智の「一の滝」が見渡せる青岸渡寺から、熊野古道ではなく寂れた登山道のようなルートで山中に分け入る。…
設計事務所のフロム・イン(仙台市)が運営するカフェ「PICKS」がメニューを科学的な観点から「目に優しい」食材を用いたものに刷新している。東北大学医学部の眼科学教授が協力し、学術的に効用が証明された成分が含まれる素材を使う。消費者の健康意識を醸成するのが狙いだ。 PICKSは仙台市内の「アーバンネット仙台中央ビル」の1階に店を構える。世界緑内障週間にあわせて9〜15日の期間限定で新メニューを出す…
大和ハウス工業は4月1日、大友浩嗣・取締役専務執行役員(65)が社長に、芳井敬一社長(66)が代表権のある会長に就く。社内には2026年4月の交代を予想する向きもあった。芳井氏が決断したのは1月だったが、大友氏を指名したのは2月の発表前日と、秘密裏に進めた。早くに人事が明らかになって組織が浮つく事態を避けたいとの思いが強かった。 「3社とも良くない」。24年12月、芳井氏は米国の戸建て住宅の受注…
北陸新幹線の延伸からまもなく1年を迎え、金沢市以西の沿線市が観光客の呼び込みやつなぎ留めに知恵を絞る。各地の新幹線駅には訪れる目的がなく素通りされてしまう駅も多い中、各市が既存の観光資源を国内外に訴求しながら「かがやき」を増している。 「ゴオーッ」。石川県白山市で2024年3月に開業した「トレインパーク白山」の5階展望エリアからは、北陸新幹線が目の前を通過する様子を見られる。JR西日本の新幹線車…