京王電鉄、過去最高の賃上げ8.25% ベアは1万500円
京王電鉄は13日、2025年度の社員の年収を8.25%引き上げると発表した。一律1万500円のベースアップ(ベア)と定期昇給、賞���を組み合わせて大幅に引き上げる。定昇制度を導入した2004年以降、最高の引き上げ率となる。待遇を改善し人材確保を狙う。
組合は1万3400円のベアと定昇を求め��いた。定昇比率は明らかにしていない。前年の会社回答はベア平均1万5000円だった。3月末に15万円の一時金を支給し、年収ベースで8.25%の賃上げになる。
25年度からは新卒社員の初任給も引き上げる。24年度から1万500円引き上げて大学卒は27万500円、大学院卒は27万9000円、高校卒は23万500円とする。
賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。