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京都市指定・登録文化財-建造物(中京区)
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2016年4月7日
京都市指定・登録文化財-建造物(中京区)
下御霊神社(しもごりょうじんじゃ)
本殿は天明8年(1788)に仮皇居の聖護院宮に造営された内侍所仮殿を,寛政3年(1791)に移建したもの。本殿・幣殿・拝所・南北廊が,屋根を交錯させて一連の内部空間をつくる特異な社殿構成は,市内の御霊社に特有のものであり,なかでも当社殿は造営年代が古い。

小結棚町会所(放下鉾) (こゆいだなちょうかいしょ(ほうかぼこ))
当町は祇園祭のとき放下鉾を出す町内である。町会所は通りに面した会所家(慶應3年・1867)と,奥の土蔵(嘉永2年・1849)から構成されている。祭りのときは,建築の土蔵の2階から会所家2階の裏縁にかけて,長大な木製の渡廊がかけられる。

笋町会所(孟宗山)(たかんなちょうかいしょ(もうそうやま))
笋町は祇園祭で孟宗山を出す町内である。町会所は,明治30年(1897)建築の会所家と土蔵(明治元年・1868),地蔵堂から構成されている。会所家・土蔵・地蔵堂が敷地の奥の方にまとまって建ち,また,塀に沿って真竹が植えられている。

天神山町会所(霰天神山)(てんじんやまちょうかいしょ(あられてんじんやま))
当町は祇園祭のとき霰天神山を出す町内である。現在,会所家・土蔵・大日堂が建つ。会所家は明治19年(1886)頃の建物で,「町席」と称する10畳の座敷に釣床を設け,玄関には式台を備えて格式を整えている。土蔵は江戸時代後期の造営で中に天神祠を安置している。

野口家住宅 (のぐちけじゅうたく)
元治元年(1864)の大火後の再建で,店舗棟と奥の居住棟を玄関棟で接続した表屋造り形式である。座敷は伏見の小堀屋敷にあったとされるものを明治4年(1871)に移建したもので,12畳半の主室と次の間から成る。数寄屋風書院の構えで,長押の釘隠し金物や天袋の引手金具の意匠が秀逸。

八木家住宅 (やぎけじゅうたく)
当家は幕末には新撰組の宿所(壬生屯所)であった。主屋(文化6年・1809)は式台を備えた本玄関を配し,その奥に仏間・奥座敷を一列に並べて格式ある構成をとっている。長屋門(文化元年)の外観は,与力窓や出格子窓を開くなど,昔のおもかげをよく残している。

行願寺(ぎょうがんじ)
当寺は一般に革堂の名で親しまれている。現本堂は文化12年(1815)の再建で,外陣を吹放ちとするほか,複雑な屋根構成や豊かな彫刻に特色がみられる。西国巡礼の札所本堂として近世天台宗本堂としても価値が高い。鐘楼は文化元年(1804)の建物である。

旧神先家住宅(きゅうかんざきけじゅうたく)

京都ハリストス正教会生神女福音聖堂(きょうとはりすとすせいきょうかいしょうしんじょふくいんせいどう)
明治34年(1901)に松室重光の設計で建てられたギリシア正教会の京都聖堂。木造のロシアビザンチン様式で,玄関・啓蒙所・聖所・至聖所が1列に並ぶ。聖所と至聖所を仕切る聖障はロシア正教会からの寄附。日本ハリストス正教会の本格的な聖堂としては現存最古。

日本キリスト教団京都御幸町教会会堂(にほんきりすときょうだんきょうとごこうまちきょうかいかいどう)
現在の教会堂は大正2年(1913)に建てられた。煉瓦造の平家建で,背面に講壇を張り出す他はほぼ矩形の平面である。外観は窓を尖頭形として側面の要所にバットレスを配すなど,ゴシック様式を基調とする。内部は手前に玄関を配し,その上部を中2階とする。奥の礼拝堂は広い一室で,天井を張らずにキングポストトラスをみせ,後方にコミュニオンレール(めぐみの座)を設けて最奥に講壇をつくる。明治から昭和初期にかけて活躍したヴォーリズの初期の教会堂作品である。

川崎家住宅(かわさきけじゅうたく)
綿布商を営む井上利助が大正期に建てた大規模な都市型住宅で,その後川崎家の住宅として使用された。茶室(紫織庵)は4畳板入で,3畳の水屋が付く。洋館は外壁に大谷石と煉瓦タイルを用いてライト風の意匠に仕上げている。主屋は中廊下をもつほぼ総二階の建物で,2階にも本格的な座敷や洋間を設けている。棟札によると,大正13年(1924)に二十八畳蔵,大正15年に主屋や便所浴室棟が建てられている。大工棟梁は上坂浅次郎で,京都帝国大学教授の武田五一も設計に参与している。

廣誠院(こうせいいん)

旧京都中央電話局(きゅうきょうとちゅうおうでんわきょく)
逓信省の京都中央電話局として吉田鉄郎の設計で建築された。工期は大正14年(1925)~15年の第1期工事と昭和4年(1929)~6年までの第2期工事に分かれる。西面の連続アーチが特徴。日本近代建築のパイオニア吉田鉄郎が,国際建築様式を採り入れる直前の作品。

旧毎日新聞社京都支局(きゅうまいにちしんぶんしゃきょうとしきょく)
昭和3年(1928)に武田五一の設計で建築された。正面の水平ルーバーによる水平線の強調にF.L.ライトの影響が,バルコニーや玄関左右のランプカバーの意匠にアール・デコの影響が認められる。国際建築様式成立直前のヨーロッパの2大流行が取り入れられている。

中京郵便局旧庁舎外観(なかぎょうゆうびんきょくきゅうちょうしゃがいかん)
京都郵便電信局として逓信省営繕課の設計で明治35年(1902)に竣工した。ネオルネッサンス様式で,当時の代表的郵便局であり,日本近代建築史上重要な建物であった。昭和51年に改築されたが,この時旧庁舎の南面及び東西側面の一部の外壁と屋根が保存された。

伴家住宅(ばんけじゅうたく)
店舗棟と居住棟を玄関棟でつないだ表屋造形式で,明治44年(1911)には現在の姿になっていた。主室と次の間から成る座敷は数寄屋風で,主室は床・棚・平書院を構えて,棚の天袋・地袋に池大雅の墨絵を張る。京都の町家は明治から大正期に座敷を改築する傾向があるが,当家もその一例。

八木(南)家住宅(やぎ(みなみ)けじゅうたく)
八木家は壬生の郷士である。文政3年(1820)には屋敷全体を建て替える普請願書が出されており,主屋・長屋門・奥の土蔵はこのときのもので,安政4年(1857)に主屋のうち玄関と座敷等が建て替えられた。座敷は2室からなり,座敷主室は西面に床・棚・付書院を備えた本格的なものである。

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