- 「モス・アイズリー宇宙港だ。これ以上無いほどの悪党や下衆であふれかえっている。用心することだ」
- ―オビ=ワン・ケノービ[出典]
モス・アイズリー(Mos Eisley)は惑星タトゥイーンにあった巨大な宇宙港街である。ポッドレース人気の衰退に伴い、犯罪王ジャバ・ザ・ハットがモス・エスパを見捨てた後、モス・アイズリーの地位が上がってこの街におけるハットの影響力が増大した。モス・アイズリーは無計画に発展したため主要な着陸施設が無かったが、362ものハンガーが存在し、毎日のようにさまざまな宇宙船が出入りした。モス・アイズリーの埃まみれの通りは物売りやパーツ屋のデューバック、お尋ね者の犯罪者で溢れかえり、旅の途中のパイロットはカンティーナで時間を潰した。
クローン戦争中、パントランのノットルウィスキー・パパノイダ男爵はトレード・フェデレーションの陰謀で誘拐された娘のチェ・アマンウェを救出するため、モス・アイズリーにあるチャルマンの宇宙港カンティーナで賞金稼ぎと戦った。また、ダーク・ジェダイのアサージ・ヴェントレスはモス・アイズリーを訪れた際に若きボバ・フェット率いる賞金稼ぎグループと遭遇した。銀河内戦の初期、ジェダイ・マスター・オビ=ワン・ケノービと水分農夫のルーク・スカイウォーカーはオルデランまで運んでくれるパイロットを探すためモス・アイズリーのカンティーナを訪れ、密輸業者ハン・ソロやチューバッカと出会った。
特徴[]
- 「わかった、アンカーヘッドまで送っていくよ。そこからなら、乗り物を捕まえてモス・アイズリーへでもどこへでも行ける」
- ―オビ=ワン・ケノービに対し、ルーク・スカイウォーカー[出典]
モス・アイズリーは砂漠の惑星タトゥイーンに存在した主要な宇宙港都市である。[1] 不毛なジャンドランド荒野の南東に広がる盆地、グレート・メスラ高原に築かれており、犯罪王ジャバ・デシリジク・ティウレの宮殿からさほど離れていなかった。[2] モス・アイズリーはアンカーヘッドがあるグレート・チョット塩類平原の北、カークーンの大穴の南に位置し、タトゥイーンの首都であるベスティンから見て東にあった。西側からモス・アイズリーに行く際には、スルース・キャニオンと呼ばれる高地を通過する道が使われることが多かった。[3]
モス・アイズリーは無計画に発展したため主要着陸施設と呼べるものが無かったが[2]、362もの窪んだドッキング・ベイが散らばっており、街全体が宇宙港になっていた。ドッキング・ベイはどれも宇宙貨物船を格納できるほどの広さがあった。モス・アイズリーの古い区域はもともと同心円状にレイアウトされ、水と動力の配給センターに隣接した市場があった。[3] 砂漠では水が貴重品であり、街の中心にある主な配給所から外に向かって、デュラクリートとプラストイドでつぎはぎされた建物が広がっていた。[2] やがて新しい区域が発展すると、そこにあるバザーやジャンクヤードで水分凝結機や冷却ユニット、水耕栽培作物の取り引きが行われるようになった。チャルマンの宇宙港カンティーナは新しい区域の中心に位置した。もともとストレート・ストリートが旧市街の中心だったが、帝国時代にはアウター・カーブド・ストリートとストレート・ストリートの交差点がモス・アイズリー宇宙港の中心地となり、ホテルやカジノ、他の惑星からやってきた企業の高層建築物が立ち並んだ。[3]
モス・アイズリーは薄汚れ、くたびれた風景が広がっていたが、その実態は賑やかな宇宙港だった。多種多様なスターシップが毎日のようにモス・アイズリーで離発着を繰り返し、合法・非合法を問わずさまざまな貨物やパイロットを運んだ。飛行の合間、旅行者は地元のカンティーナに流れ着いた。また、街の通りは物売りやパーツ屋のデューバック、お尋ね者の犯罪者で溢れた。[2] モス・アイズリーは無法の港として有名で、ハットの手下や、あらゆる種族の悪党や密輸業者、いかがわしい人種、逃亡者、どんなことをしてでも生き抜こうと必死な人々が集まっていた。クローン戦争期も帝国時代も、モス・アイズリーでは時代を問わず金が物を言い、旅人が余計な詮索を受けることは無かった。[4] モス・アイズリーの外縁部には、今にも壊れそうなポアストーンの建物が並ぶスラム区域が存在した。ここでは不法居住者や落ちぶれた水分農夫、ゴミ漁り、タトゥイーンで自分を見失った者や、人生をやり直したい無法者が大勢暮らしていた。[3]
表向きには、モス・アイズリーの長官と税関職員がすべてのドッキング・ベイを監督していることになっていた。しかしモス・アイズリーでは賄賂が横行し、税官吏はタトゥイーンに寄港するスパイスや違法武器、その他禁止物��の密輸を目こぼししていた。また、タトゥイーンで水分農場を営む農夫たちは首都ベスティンの市場の混雑がひどいときだけ収穫物をモス・アイズリーに運んできた。[3]
モス・アイズリーでは、離発着する宇宙船と同じくらい、ロントやバンサ、デューバック、ジャーバ、イオピーといった動物や、ランドスピーダーやスカイホッパーなどのビークルを見かけることができた。バラエティに富んだモス・アイズリーの居住者や放浪者は、近くはライロスやピロケト、遠くはナー・シャダーやオード・マンテルといったさまざまな星からタトゥイーンに集まっていた。[3]
歴史[]
共和国時代[]
モス・アイズリー宇宙港は長年にわたって宇宙船の乗組員や泥棒、密輸業者、あらゆる種族のさまざまな悪党にとっては天国のような街で、クズと悪漢の巣窟と化していた。ポッドレース人気が後退し、犯罪王ジャバ・ザ・ハットや奴隷商人らがポッドレースの中心地モス・エスパを見捨てると、モス・アイズリーの地位が向上し、ここでのジャバの影響力が増大した。やがて宇宙船の設計・製造を行うユブリキアン・インダストリーズ社やキューブ=ラクスファウス・システムズ社といった大企業もこの宇宙港都市に注目し、再開発された中心地に高層ビルを建築した。[3]
モス・アイズリーのデューン・ストリートには<ダワジャー・クイーン>の残骸がそびえ立っていた。<クイーン>はタトゥイーンに墜落した初期のコロニー・シップの名残で、モス・アイズリーのランドマークになっていた。[3]
クローン戦争中の21 BBY、パントラン議会の書記長を務めるノットルウィスキー・パパノイダ男爵は、トレード・フェデレーションの陰謀で誘拐された娘のチェ・アマンウェを救出するため、息子のアイオンとともにタトゥイーンを訪れた。パパノイダは事件の実行犯である賞金稼ぎのグリードをジャバの宮殿で拘束し、チェ・アマンウェが監禁されているモス・アイズリー・カンティーナへ案内させた。グリードはカンティーナでチェ・アマンウェを解放したが、その直後にパントランの親子とグリードの仲間たちとの間に銃撃戦が始まった。グリードはカンティーナから逃げ出したが、パパノイダ親子は悪党たちとの戦いに勝利し、無傷でモス・アイズリーを離れた。[5]
20 BBY当時、若きボバ・フェット率いる賞金稼ぎシンジケートはモス・アイズリーにある溜まり場を拠点にしていた。この年、惑星クォーザイトでの任務に備え、フェットとC-21ハイシンガー、ラッツ・ラジィ、デンガー、ボスク、オーケッドらがモス・アイズリーに集結した。しかし任務に出発する直前、オーケッドはモス・アイズリー・カンティーナでダーク・ジェダイのアサージ・ヴェントレスに殺されてしまった。フェットのチームはヴェントレスの腕を見込んでこのダソミリアンをオーケッドの代わりに仲間に加えることに決めた。[6] クォーザイトでフェットのチームと別れた後も、ヴェントレスは何度かモス・アイズリーを訪れた。彼女はあるときはラッツ・ラジィと一緒にカンティーナで時間を潰し[7]、またあるときはカンティーナにある賞金首検索用の情報端末を使ってサヴァージ・オプレスの討伐任務を引き受けた。[8] 19 BBY、ヴェントレスはドゥークー伯爵に捕まってしまった恋人のジェダイ・マスター・クインラン・ヴォスを救出するため、モス・アイズリーを再訪してフェットに協力を求めた。[9]
帝国時代[]
9 BBY当時、オーダー66を生き延びたジェダイのナリはタトゥイーンに潜伏していた。彼はモス・アイズリーの酒場の店主をトラブルから救い、そのお礼として酒場で匿われ、水を提供されていた。しかしやがてその噂は銀河系に広まり、銀河帝国の尋問団の耳に入った。この年、大尋問官とサード・シスター、フィフス・ブラザーらを乗せたファイ級シャトル<サイス>がモス・アイズリーに現れ、宇宙港の通りに着陸した。彼らは件の酒場に踏み入ると、客たちのなかに紛れていたナリをあぶり出した。ナリは尋問官たちの攻撃をしのいで酒場から脱出したが、のちに見つかり、その死体はアンカーヘッドの街に吊るされた。[10]
1 BBYに発生したスカリフの戦いの直後[11]、超兵器デス・スターの設計図を託された反乱同盟のドロイドR2-D2とC-3POがタトゥイーンへ逃亡したため、帝国軍の捜索部隊が地上へ派遣された。[1] 通常であれば帝国の注意を引くこともないモス・アイズリーも帝国によって制圧・封鎖され[2]、モス・アイズリー地区民兵基地はスター・デストロイヤーから派遣されてきた帝国軍部隊によって占拠された。街の各所にはサンドトルーパーによるチェックポイントが設けられ、インペリアル・オーダーD6-66によってすべてのハンガーに時限錠が取り付けられた。[3]
一方、ジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービと水分農夫のルーク・スカイウォーカーは、R2-D2やC-3POを惑星オルデランへ送り届けるのに必要なパイロットを雇うため、モス・アイズリー宇宙港を訪れた。彼らは帝国の検問に遭遇したが、ケノービがフォースのマインド・トリックを使ってサンドトルーパーを説得し、ドロイドの取り調べを回避した。その後、ケノービとスカイウォーカーはチャルマンのカンティーナで密輸業者のハン・ソロやチューバッカと出会い、彼らと取り引きを交わした。一行は帝国軍の追跡をしのぎ、ドッキング・ベイ94に停泊してあったYT-1300軽貨物船<ミレニアム・ファルコン>でモス・アイズリーから飛び立った。[1]
新共和国時代[]
エンドアの戦いで反乱同盟が勝利した際、モス・アイズリーの住民は皇帝シーヴ・パルパティーンの死と第2デス・スターの破壊を祝った。[12]
モス・アイズリーの地名[]
- アウター・カーブド・ストリート
- インナー・カーブド・ストリート
- 宇宙港エクスプレス
- 宇宙港交通管制局
- 宇宙港長官のオフィス
- カーナー・プラザ
- キューブ=ラクスファウス・システムズ社本部
- クリスタル・ムーン・レストラン
- “共同”ゴミ捨て場
- コート・オブ・ファウンテン
- コーポレーションズ・ロード
- 賞金稼ぎの溜まり場
- ストレート・ストリート
- スペーサーズ通り
- スペースポート・スピーダーズ
- 税関
- <ダワジャー・クイーン>
- チャルマンの宇宙港カンティーナ
- デシリジク・コンプレックス
- デューン・ストリート
- ドッキング・ベイ83
- ドッキング・ベイ94
- パラダイス・ロード
- ハンガー3-5
- フェルヴァス・カース・アリーナ
- ボバ・フェットの隠れ家
- マッセ・ゴスキーの武器百貨店および爆弾市場
- 水分配プラント
- メタン・フィックス・カンティーナ
- モス・アイズリー地区民兵基地
- ユブリキアン・トレード・タワー
- ラップの雑貨屋
登場作品[]
参考資料[]
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 アルティメット・スター・ウォーズ 完全保存版大百科
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 スター・ウォーズ コンプリート・ロケーションズ
- ↑ Mos Eisley Spaceport - 公式データバンク
- ↑ クローン・ウォーズ – 惑星封鎖を解き放て
- ↑ クローン・ウォーズ – その手に掴むもの
- ↑ クローン・ウォーズ – 邂逅
- ↑ クローン・ウォーズ – 復讐の狼煙
- ↑ ダーク・ディサイプル
- ↑ オビ=ワン・ケノービ – パート1
- ↑ ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
- ↑ スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還