独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法
独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法(どくりつぎょうせいほうじんゆうびんちょきん・かんいせいめいほけんかんりきこうほう)
- 平成十七年十月二十一日法律第百一号
- 構成
- 本則
独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法をここに公布する。
御 名 御 璽
平成十七年十月二十一日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百一号
独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法
目次
(目的)
第一条 この法律は、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定 めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構とする。
(機構の目的)
第三条 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(以下「機構」という。)は、日本郵政公社から承継した郵便貯金及び簡易生命保険を適正かつ確実に管理し、これらに係る債務を確実に履行し、もって郵政民営化に資することを目的とする。
(事務所)
第四条 機構は、主たる事務所を東京都に置く。
(資本金)
第五条 機構の資本金は、郵政民営化法(平成十七年法律第九十七号)第百五十四条第三項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。
3 機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
(役員)
第六条 機構に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 機構に、役員として、理事一人を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第七条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し、又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(役員の任期)
第八条 理事長の任期は四年とし、理事及び監事の任期は二年とする。
(役員の欠格条項の特例)
第九条 通則法第二十二条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 日本郵政株式会社又はその子会社(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第三号に規定する子会社をいう。)の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。次号及び第三号において同じ。)
二 銀行業、信託業、証券業、生命保険業その他の金融業(これらに類似し、又は密接に関連する事業を含む。)を営む者であって機構と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員
三 前号に掲げる事業者の団体の役員
2 機構の役員の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法(平成十七年法律第百一号)第九条第一項」とする。
(役員及び職員の注意義務)
第十条 機構の役員及び職員は、第十九条第一号に定める郵便貯金勘定に属する資産(業務の用に供するもの及び日常の支出に必要なものを除く。以下「郵便貯金資産」という。)及び同条第二号に定める簡易生命保険勘定に属する資産(業務の用に供するもの及び日常の支出に必要なものを除く。以下「簡易生命保険資産」という。)の運用の重要性を認識し、慎重かつ細心の注意を払い、全力を挙げてその職務を遂行しなければならない。
(役員及び職員の秘密保持義務)
第十一条 機構の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(役員及び職員の地位)
第十二条 機構の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(業務の範囲)
第十三条 機構は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号。以下「整備法」という。)附則第五条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる整備法第二条の規定による廃止前の郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号。以下この号及び第二十八条第一項第一号において「旧郵便貯金法」という。)の規定、整備法附則第五条第三項の規定によりなおその効力を有するものとされる公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律(平成十七年法律第七十八号)附則第七条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法附則第六条の規定による改正前の旧郵便貯金法の規定及び整備法附則第六条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便貯金法の規定により郵便貯金の業務を行うこと。
二 整備法附則第十六条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる整備法第二条の規定による廃止前の簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号。以下この号及び第十六条第一項において「旧簡易生命保険法」という。)の規定、整備法附則第十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同項各号に定める法律の規定及び整備法附則第十八条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧簡易生命保険法の規定により簡易生命保険の業務を行うこと。
三 前二号の業務に附帯する業務を行うこと。
2 機構は、前項の業務のほか、第三条の目的を達成するため、次の業務を行うことができる。
一 国民生活金融公庫の委託を受けて、整備法附則第六十四条第一項に規定する貸付けの申込みの受理及び貸付金の交付に関する業務を行うこと。
二 沖縄振興開発金融公庫の委託を受けて、整備法附則第百条第一項に規定する貸付けの申込みの受理及び貸付金の交付に関する業務を行うこと。
三 前二号の業務に附帯する業務を行うこと。
(中期計画の記載事項)
第十四条 機構は、通則法第三十条第一項に規定する中期計画(第四項において「中期計画」という。)に、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 郵便貯金資産の運用計画
二 簡易生命保険資産の運用計画
2 前項第一号の郵便貯金資産の運用計画は、前条第一項第一号並びに第二項第一号及び第二号の業務並びにこれらに附帯する業務(以下「郵便貯金管理業務」という。)の適正かつ確実な実施を目的とし、市場に及ぼす影響を少なくしつつ、確実で有利な運用となるように定めなければならない。
3 第一項第二号の簡易生命保険資産の運用計画は、前条第一項第二号の業務及びこれに附帯する業務(以下「簡易生命保険管理業務」という。)の適正かつ確実な実施を目的とし、市場に及ぼす影響を少なくしつつ、確実で有利な運用となるように定めなければならない。
4 機構の中期計画に関する通則法第三十条第二項の規定の適用については、同項中「次に」とあるのは「独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法第十四条第一項各号に掲げる事項のほか、次に」と、「
六 剰余金の使途
七 その他主務省令で定める業務運営に関する事項
」とあるのは「六 その他主務省令で定める業務運営に関する事項」とする。
第十五条 機構は、銀行その他の者との契約により当該者に郵便貯金管理業務の一部を委託することができる。
2 前項の契約の締結、変更又は解除は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 総務大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該委託が郵便貯金の預金者の保護の観点から適当なものであること。
二 当該委託を受ける者が当該委託に係る業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。
4 第一項の契約に再委託に関する事項を定めた場合には、当該契約により委託を受けた者は、機構の同意を得て、当該契約により委託を受けた郵便貯金管理業務の一部を他の者に再委託することができる。
5 前項の規定は、同項の規定により再委託を受けた者が当該再委託を受けた郵便貯金管理業務の一部を他の者に再委託する場合について準用する。
6 銀行は、他の法律の規定にかかわらず、 第一項の規定による委託又は第四項(前項において準用する場合を含む。)の規定による再委託を受け、当該業務を行うことができる。
(再保険の契約)
第十六条 機構は、生命保険会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第三項に規定する生命保険会社及び同条第八項に規定する外国生命保険会社等をいう。以下同じ。)を相手方として、旧簡易生��保険契約(旧簡易生命保険法第三条に規定する簡易生命保険契約をいう。以下同じ。)に基づき機構が負う保険責任について、機構と当該生命保険会社との間に再保険関係が成立する旨を定める契約を締結することができる。
2 前項の契約の締結、変更又は解除は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 第一項の契約には、再保険関係に係る再保険金額、再保険期間、再保険料率、支払うべき再保険金の金額、再保険料の収受、再保険金の支払、再保険料の払戻し、当該契約の変更及び解除、当該契約に係る資産の運用、再保険責任に係る再再保険契約の締結の可否その他総務省令で定める事項を定めなければならない。
(先取特権)
第十七条 旧簡易生命保険契約に基づき機構が負う保険責任について、機構と生命保険会社との間に再保険関係が成立する旨を定める契約が締結されたときは、機構は、払戻しを受けることができる再保険料の請求権、再保険金の請求権その他の当該再保険関係により生じた債権の額につき、当該生命保険会社の総財産について先取特権を有する。
2 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百六条第一号に掲げる原因によって生じた債権に係る先取特権に次ぐものとし、かつ、保険業法第百十七条の二第一項の規定による先取特権と同順位とする。
(業務の委託)
第十八条 機構は、生命保険会社その他の者との契約により当該者に簡易生命保険管理業務の一部を委託することができる。
2 前項の契約の締結、変更又は解除は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 総務大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該委託が保険加入者(保険契約者、被保険者及び保険金受取人をいう。第二十二条第四項において同じ。)の保護の観点から適当なものであること。
二 当該委託を受ける者が当該委託に係る業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。
4 第一項の契約に再委託に関する事項を定めた場合には、当該契約により委託を受けた者は、機構の同意を得て、当該契約により委託を受けた簡易生命保険管理業務の一部を他の者に再委託することができる。
5 前項の規定は、同項の規定により再委託を受けた者が当該再委託を受けた簡易生命保険管理業務の一部を他の者に再委託する場合について準用する。
6 生命保険会社は、他の法律の規定にかかわらず、第一項の規定による委託又は第四項(前項において準用する場合を含む。)の規定による再委託を受け、当該業務を行うことができる。
(区分経理)
(政府保証)
第二十条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、次に掲げるものに係る機構の債務を保証する。
一 郵便貯金として預入された貯金の払戻し及びその貯金の利子の支払
二 旧簡易生命保険契約に基づく保険金、年金等の支払
(簡易生命保険価格変動準備金)
第二十一条 機構は、毎事業年度末において、簡易生命保険勘定に属する有価証券その他の価格変動による損失が生じ得るものとして総務省令で定める資産(次項において「有価証券等」という。)について、総務省令で定めるところにより計算した金額を簡易生命保険勘定に簡易生命保険価格変動準備金として積み立てなければならない。ただし、その全部又は一部の金額について積立てをしないことについて総務大臣の認可を受けた場合における当該認可を受けた金額については、この限りでない。
2 前項の準備金は、簡易生命保険勘定において、有価証券等の売買等による損失(売買、評価換え及び外国為替相場の変動による損失並びに償還損をいう。)の額が有価証券等の売買等による利益(売買、評価換え及び外国為替相場の変動による利益並びに償還益をいう。)の額を超える場合にその差額のてん補に充てる場合を除くほか、取り崩してはならない。ただし、総務大臣の認可を受けたときは、この限りでない。
(簡易生命保険責任準備金の算出方法書)
第二十二条 機構は、簡易生命保険責任準備金の算出方法書を作成し、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の算出方法書に記載すべき事項は、総務省令で定める。
3 総務大臣は、第一項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 簡易生命保険責任準備金の算出方法が、保険数理に基づき、合理的かつ妥当なものであること。
二 その他総務省令で定める基準
4 総務大臣は、事情の変更により保険加入者の保護を図るため必要があると認めるときは、機構に対し、第一項の認可をした簡易生命保険責任準備金の算出方法書に記載した事項を変更すべきことを命ずることができる。
(簡易生命保険責任準備金)
第二十三条 機構は、総務省令で定めるところにより、毎事業年度末において、旧簡易生命保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、簡易生命保険勘定に簡易生命保険責任準備金を積み立てなければならない。
(簡易生命保険支払備金)
第二十四条 機構は、毎事業年度末において、保険金等(保険金、年金、還付金その他の給付金をいう。以下この条において同じ。)であって旧簡易生命保険契約に基づいて支払義務が発生したもの(これに準ずるものとして総務省令で定めるものを含む。)がある場合において、保険金等の支出として計上していないものがあるときは、総務省令で定めるところにより、簡易生命保険勘定に簡易生命保険支払備金を積み立てなければならない。
(利益及び損失の処理の特例等)
第二十五条 機構は、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項本文又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち総務大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間における積立金として整理することができる。
2 総務大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、総務省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
3 機構は、第一項に規定する通則法第四十四条第一項の規定による積立金の額に相当する金額から第一項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 機構については、通則法第四十四条第一項ただし書、第三項及び第四項の規定は、適用しない。
5 前各項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
(長期借入金)
第二十六条 機構は、郵便貯金管理業務及び簡易生命保険管理業務に必要な費用に充てるため、総務大臣の認可を受けて、長期借入金をすることができる。
2 総務大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、総務省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
(償還計画)
第二十七条 機構は、毎事業年度、長期借入金の償還計画を立てて、総務大臣の認可を受けなければならない。
2 総務大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、総務省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
(郵便貯金資産の運用)
第二十八条 機構は、次の方法による場合を除くほか、郵便貯金資産を運用してはならない。
一 整備法附則第五条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便貯金法第六十四条の規定による預金者に対する貸付け
二 次に掲げる債券(その元本の償還又は利息の支払が外国通貨をもって行われるものを除く。)の売買
三 金融機関(銀行、農林中央金庫、商工組合中央金庫又は全国を地区とする信用金庫連合会をいう。次条第三号ホ、第四号及び第五号において同じ。)への預金(外貨預金を除く。)
四 信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第三条又は第五十三条第一項の免許を受けたものに限る。次条第十号において同じ。)又は信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた同項に規定する金融機関をいう。同号において同じ。)への信託のうち前二号に掲げる方法により運用するもの
2 機構は、前項第三号に掲げる方法により郵便貯金資産を運用するときは、総務省令で定めるところにより、担保を徴しなければならない。ただし、当該預金の額その他の事情を勘案して総務大臣が支障がないものと認めて承認したときは、この限りでない。
(簡易生命保険資産の運用)
第二十九条 機構は、次の方法による場合を除くほか、簡易生命保険資産を運用してはならない。
一 保険契約者に対する貸付け
二 第十八条第一項の規定により機構が業務を委託した生命保険会社への預託
三 次に掲げる有価証券その他の資産の売買
イ 国債(証券取引所(証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第十六項に規定する証券取引所をいう。リにおいて同じ。)が、定款の定めるところにより、国債について、債券先物取引のため、利率、償還の期限その他の条件を標準化して設定した標準物を含む。)
ロ 法律の定めるところにより、予算について国会の議決を経、又は承認を得なければならない法人の発行する債券
ハ 地方債
ニ 特別の法律により設立された法人(ロに規定する法人を除く。)で、国、ロに規定する法人及び地方公共団体以外の者の出資のないもののうち、特別の法律により債券を発行することができるものの発行する債券
ホ 金融機関が発行する債券(次条において「金融債」という。)
ヘ 社債で政令で定めるもの
ト 特定社債(資産の流動化に���する法律(平成十年法律第百五号)第二条第七項に規定する特定社債をいう。次条において同じ。)で政令で定めるもの
チ 政府保証債のうちロからトまでに掲げる債券に該当するもの以外のもの
リ 外国政府、外国の地方公共団体又は国際機関(ヲ及び次条において「外国政府等」という。)の発行する債券その他外国法人の発行する政令で定める債券(証券取引所が、定款の定めるところにより、外国政府の発行する債券について、債券先物取引のため、利率、償還の期限その他の条件を標準化して設定した標準物を含む。同条において「外国債」という。)
ヌ 貸付信託の受益証券
ル 法人が事業に必要な資金を調達するために発行する約束手形で総務省令で定めるもの
ヲ 外国政府等又は外国法人の発行する証券又は証書でルに規定する約束手形の性質を有するもの
四 金融機関への預金
五 第三号に掲げる方法により取得した債券であって政令で定めるものの金融機関その他政令で定める法人に対する貸付け
六 債券オプション(当事者の一方の意思表示により当事者間において債券(第三号イ及びリに規定する標準物を含む。)の売買取引を成立させることができる権利又はこれに類する権利であって、政令で定めるものをいう。)の取得又は付与
七 先物外国為替(外国通貨をもって表示される支払手段であって、その売買契約に基づく債権の発生、変更又は消滅に係る取引を当該売買の契約日後の一定の時期に一定の外国為替相場により実行する取引(金融先物取引法(昭和六十三年法律第七十七号)第二条第六項に規定する金融先物取引所の開設する市場において行われる取引又はこれに類する取引であって、政令で定めるものに該当するものを除く。)の対象となるものをいう。)の売買
八 通貨オプション(当事者の一方の意思表示により当事者間において外国通貨をもって表示される支払手段の売買取引(前号の政令で定める取引に該当するものを除く。)を成立させることができる権利をいう。)の取得又は付与
九 コール資金の貸付け
十 信託会社又は信託業務を営む金融機関への信託。ただし、運用方法を特定するものにあっては、次に掲げる方法により運用するものに限る。
(運用に係る制限)
第三十条 機構は、第二十八条第一項第二号ロ若しくはハに掲げる債券を郵便貯金資産をもって取得するとき、又は前条第三号ロからリまでに掲げる債券を簡易生命保険資産をもって取得するときは、応募又は買入れの方法により行わなければならない。
2 機構が金融債に運用する簡易生命保険資産の額は、簡易生命保険資産の総額の百分の二十に相当する額を超えてはならない。
3 機構は、簡易生命保険資産を金融債に運用する場合には、一の法人の発行する金融債の十分の五又は一の法人の一回に発行する金融債の十分の六を超える割合の金融債を取得してはならない。
4 機構が簡易生命保険資産をもって取得する金融債は、利率、担保、償還の方法、期限その他の条件において、機構以外の者の取得に係るものとその種類を同じくするものでなければならない。
5 前三項の規定は、機構が簡易生命保険資産を社債、特定社債、外国債又は貸付信託の受益証券に運用する場合について準用する。この場合において、機構が簡易生命保険資産を外国債に運用する場合について準用するときは、第三項中「割合」とあるのは、「割合(外国政府等の発行する外国債その他政令で定める外国債に運用する場合にあっては、一の外国政府等又は外国法人の発行する外国債の十分の五を超える割合)」と読み替えるものとする。
(報告及び検査)
第三十一条 総務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、第十五条第一項の規定による委託若しくは同条第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による再委託又は第十八条第一項の規定による委託若しくは同条第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による再委託を受けた者に対し、その委託若しくは再委託を受けた業務に関し報告をさせ、又はその職員に、当該者の事務所に立ち入り、その委託若しくは再委託を受けた業務に関し業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(特に必要がある場合の総務大臣の要求)
第三十二条 総務大臣は、郵便貯金管理業務又は簡易生命保険管理業務の適正かつ確実な実施のため特に必要があると認めるときは、機構に対し、郵便貯金管理業務又は簡易生命保険管理業務に関し必要な措置をとることを求めることができる。
2 機構は、総務大臣から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。
(関係大臣との協議)
(主務大臣等)
第三十四条 機構に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ総務大臣、総務省及び総務省令とする。
(権限の委任)
第三十五条 総務大臣は、政令で定めるところにより、第三十一条第一項及び機構に係る通則法第六十四条第一項の規定による立入検査の権限の一部を内閣総理大臣に委任することができる。
2 内閣総理大臣は、前項の委任に基づき、第三十一条第一項又は機構に係る通則法第六十四条第一項の規定により立入検査をしたときは、速やかに、その結果について総務大臣に報告するものとする。
3 内閣総理大臣は、第三十三条第一号から第三号までの規定による権限、第一項の規定により委任された権限及び前項の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
4 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
(国家公務員宿舎法の適用除外)
第三十六条 国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、機構の役員及び職員には、適用しない。
第三十七条 第十一条の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第三十八条 第三十一条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
第三十九条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。ただし、第三十四条の規定は、同法附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日から施行する。
(業務の特例)
第二条 機構は、当分の間、第十三条に規定する業務のほか、次の業務を行うものとする。
一 整備法附則第十条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる整備法第二条の規定による廃止前の郵便為替法(昭和二十三年法律第五十九号)の規定により郵便為替の業務を行うこと。
二 整備法附則第十四条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる整備法第二条の規定による廃止前の郵便振替法(昭和二十三年法律第六十号。以下この号において「旧郵便振替法」という。)の規定及び整備法附則第十四条第三項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法の規定により郵便振替の業務を行うこと。
三 前二号の業務に附帯する業務を行うこと。
2 機構は、当分の間、第十三条及び前項に規定する業務のほか、次の業務を行うことができる。
一 整備法附則第二十条から第二十二条までの規定及び整備法附則第二十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる整備法第二条の規定による廃止前の郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律(平成二年法律第七十二号)の規定により寄附金の処理に関する業務を行うこと。
二 整備法附則第二十五条の規定によりなおその効力を有するものとされる整備法第二条の規定による廃止前の郵便振替の預り金の民間災害救援事業に対する寄附の委託に関する法律(平成八年法律第七十二号。以下この号において��旧郵便振替預り金寄附委託法」という。)の規定、整備法附則第二十六条の規定、整備法附則第二十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法の規定並びに同条第三項及び第四項の規定により寄附金の処理に関する業務を行うこと。
三 前二号の業務に附帯する業務を行うこと。
3 前二項の規定により機構の業務が行われる場合には、第十四条第二項中「の業務」とあるのは「並びに附則第二条第一項第一号及び第二号並びに第二項第一号及び第二号の業務」と、第三十九条第二号中「第十三条」とあるのは「第十三条並びに附則第二条第一項及び第二項」とする。
(政府保証)
第三条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律第三条の規定にかかわらず、郵便振替として受け入れた口座の預り金の払出しに係る機構の債務を保証する。